離婚を決意した男性の特徴は?よくある背景や妻がすべきことを解説

2023年09月27日

離婚を決意した男性の特徴は?よくある背景や妻がすべきことを解説

  • 離婚を決意した男性の行動に何か傾向はあるのだろうか?
  • 男性が離婚を決意する場合、どのような理由が多いのだろう?
  • 夫から離婚を切り出された場合、どのような対応をとるべきか?

男性が離婚を決意した場合、どのような行動をとるのか気になる人も多いでしょう。

夫が離婚を切り出す兆候について察知できれば、あらかじめ対応する方法を準備できます。

そこで今回は、多くの民事事件に携わってきた専門弁護士が、離婚を決意した男性の特徴、そして妻側の対応方法等について詳しく解説します。

本記事のポイントは以下です。お悩みの方は詳細を弁護士と無料相談することが可能です。

  • 男性が離婚を決意するときに見られる特徴として、態度が冷静になる、不自然に優しくなる、自宅へ戻らなくなる等がある
  • 男性が離婚を決意する理由としては性格の不一致や妻の不倫、暴力、モラハラ等があげられる
  • 男性が離婚を切り出す前に、妻は話し合いでどのような内容を取り決めるか整理しておく

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この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設

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離婚を決意した男性の特徴

男性が離婚を決意したら、行動や心境の変化があると言われています。

以前とは明らかに異なる態度や行動を取った場合、離婚を決意した可能性があります。

次のような行動をとっていないかチェックしてみましょう。

態度が変わる

離婚を決意した男性は、家族に対してソフトな対応をとる場合があります。

具体的には次のような対応をとる傾向があります。

  • 妻への対応:すでに離婚を決意しているので、妻への関心はすっかり薄れ淡白になる
  • 子供への対応:親権を得るため、子供によい印象を持ってもらおうと優しくなる

以前は妻と顔を合わせるだけで不満を口にしケンカとなっていたが、ある時期から冷静な対応をとるようになったときは、離婚を決意した可能性が高いです。

また、以前は子供と接する機会すらつくらなかった夫が、子供におもちゃやゲームを買ってあげる、よく遊園地等に連れていくようになった等の行動は、妻に親権争いで負けたくない、という意思の表れとも解されます。

条件の確認

夫が妻にそれとなく、「どのような条件であればば離婚を考えるのか?」と聞いてきたときは、離婚について本気で考えているとみて間違いないでしょう。

妻が機嫌のよいタイミングを見計らって、穏やかな口調で質問してくる傾向があります。

どう答えるかは自分次第ですが、夫を刺激せず、そろそろ自分も対応を検討した方がよいでしょう。

自宅に帰らない

夫が離婚を望んでいる場合、妻への嫌悪感や、妻に引き止められるのを避けるため、自宅に帰らなくなる可能性があります。

自宅に戻らない場合は、主に次のような行動をとっていると考えられます。

  • 実家に戻り妻と距離をとっている
  • 一人で離婚について考えたくて、ホテルに泊っている
  • 妻に愛情がなくなり、自分をかまってくれる浮気相手と一緒にいる 等

このような夫の行動が 見られるときは、妻も離婚の準備を進めるか、それとも関係修復を図るか、いずれを選ぶかを決める時期にきていると考えられます。

男性が離婚を決意する理由

夫婦の離婚の動機については、司法統計年報(最高裁判所事務総局)「第19表 婚姻関係事件数―申立ての動機別」にまとめられています。

こちらでは、この年報をもとに男性が離婚を決意する主な理由について解説します。

出典:令和4年 司法統計年報 3家事編 | 裁判所

性格の不一致

男性が離婚を決意する動機として、「性格が合わない」という理由が最も多いです。

離婚調停等の申立人が夫である総件数15,176件のうち、「性格が合わない」という動機が9,127件(全体の60.1%)を占めています。

ただし、離婚理由を複数あげる男性も多く、「性格が合わない」という理由だけで離婚を決めたわけではありません。

DV・モラハラ

婚姻を継続できない深刻な事態である「精神的に虐待する(モラハラ)」「暴力を振るう(DV)」も、離婚理由として高い割合を占めています。

理由

「精神的に虐待する」

「暴力を振るう」

件数・割合

3,234件(21.3%)

1,353件(8.9%)

精神的な虐待(モラハラ)には、次のような行為が該当します。

  • 「収入が全然上がらないわね。もう少し真面目に働いたらどうなの!?」
  • 「お隣の旦那様は頭取なのに、あんたは平社員ね、このダメ亭主」
  • 「臭い、どこか行け!」 等

一方、暴力を振るう(DV)は、夫を殴る蹴る、物を投げつけるなどの他に、妻が子供を虐待している等のケースも該当します。

不倫

妻の「異性関係」という理由も、1,779件(11.7%)と多くなっています。妻が浮気相手と不倫しているケースです。

夫が裁判で離婚および慰謝料請求を認めさせるためには、妻が浮気相手と性行為をしている確実な証拠が必要です。

性行為の画像や動画があれば動かし難い証拠となります。

そこまでの証拠は得られなくても、ラブホテルや浮気相手宅に妻と浮気相手が出入りする画像や動画があれば、不貞行為の事実を強く推認できます。

金銭面

「浪費する」という理由も1,723件(11.4%)あります。

生活費のために現金を渡したり、預金へ入金しているのに、妻が高級なバッグやエステに浪費しているというケースが該当します。

男性が離婚を決意したときに、妻がすべきこと

夫が以前と異なる行動をとっている場合、そろそろ妻の方もどのような対応をとるべきか考えた方がよいでしょう。

こちらでは、妻が行うべき準備について解説します。

冷静な対応

夫が離婚を切り出してきても、慌てずに対話しましょう。夫が離婚したい理由をよく聞き、冷静な返答を心がけましょう。

妻が行うべき対応は次の通りです。

  • 夫との関係を修復したいのであれば、離婚しなくてもよい方法を提案してみる
  • 妻も離婚したいのであれば、離婚の条件(例:親権、財産分与、養育費等)を取り決めていく

夫と話し合いで離婚をどうするかが決められなくても、調停離婚や裁判離婚で解決を図れます。

離婚準備

夫が離婚を切り出し、それに合意する場合は、離婚条件として主に次のような内容を取り決める必要があります。

離婚するときに決める条件

内容

子供の親権

未成年の子供がいる場合、離婚の届出時、父母のどちらか一方を親権者に決める

養育費

子供が自立するまで、親権者とならない方の親が支払うお金で、金額、支払期間、支払方法等を決める

財産分与

婚姻中に夫婦で協力して得た財産は、離婚するときに清算し、夫婦で配分する

慰謝料

夫婦のどちらか一方が離婚原因をつくった場合は、原因をつくった側が支払う慰謝料の金額、支払方法等を決める

面会交流

親権者とならない方の親が、子供と定期的に会って交流する方法・日時等を決める

その他

住宅の使用契約をどうするか、年金分割、住宅ローンの清算、夫婦間の金銭貸借の清算等を取り決める

夫婦に子供がいなければ、親権や養育費、面会交流の取り決めは不要です。

また、夫婦のどちらか一方が離婚原因をつくったのでなければ、慰謝料の取り決めも外します。

妻の方でも事前に夫婦の状況を今一度確認し、夫と話し合うべき条件を整理し、話し合いに備えましょう。

別居

妻の方もすっかり夫への愛情が冷めてしまったという場合は、離婚に向けて別居するのもよい方法です。

妻が別居した場合、それにかかる費用を自分だけが負担する必要はありません。夫に「婚姻費用」として生活等に必要なお金を請求できます。

婚姻費用とは、夫婦が婚姻生活を維持するために必要な費用です。

民法は「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない」と規定しています(民法第752条)。

たとえ別居していたとしても、法律に則り互いに生活を扶助する義務があるので、別居した妻が夫よりも収入の少ない場合に、夫へ婚姻費用を請求できるのです。

出典:民法|e-GOV法令検索|法務省

弁護士への相談

夫と離婚について話し合うのであれば、その前に弁護士と相談した方がよいでしょう。

弁護士は離婚前に行うべき準備、離婚を切り出した夫へどう対応すればよいのか等についてわかりやすく説明します。

また、夫との離婚の話し合いが進まないときは、弁護士に依頼すると、夫との交渉も任せられるので、有利に離婚の手続きが進められます。

まとめ

今回は多くの民事事件に携わってきた専門弁護士が、男性が離婚を決意するときに見られる行動と、それに対応するための妻の準備等について詳しく解説しました。

お互いに離婚に合意しているのであれば、夫婦の事情に合わせて、冷静に離婚条件を協議しましょう。

夫の行動が気になったときは、早く弁護士に相談して、今後の対応の仕方を話し合いましょう。

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