不倫・浮気の慰謝料を払えない場合の対応

不倫・浮気の慰謝料を払えない場合の対応

2019年10月18日

1 はじめに

不倫をすると不倫相手の配偶者から慰謝料の請求を受けることがあります。不倫期間や、
婚姻期間、不倫が発覚して別居や離婚をしたかによって慰謝料の金額は大きく異なります。

ただ、いずれにしても数十万円から多い場合には200万円以上と不倫の慰謝料は一般的な経済感覚からすると簡単に支払うことのできる金額ではありません。また、アルバイトや無職などで収入がほとんど無い方もおられると思います。そのような場合、数十万の慰謝料であっても支払いは難しいでしょう。

そこで、今回は不倫の慰謝料の支払いが難しい場合にどのように対応すればよいのかについてご説明します。

2 分割払いの交渉をする

例えば、慰謝料120万円を支払わなければならない場合に、一括で支払うことのできる金額は20万円で、その後毎月慰謝料の支払いに充てられるお金が2万円の場合、残金100万円を50か月にわたって分割払いすることになります。

このように長期の分割払いの場合、慰謝料を請求する側としては、それで納得することは容易ではありませんが、相手方に本当に支払う経済力がない場合には、そのような条件で和解に応じざるを得ません。

もっともこのような長期の分割払いの和解をするときには、途中で支払いが滞った場合に直ちに強制執行することを可能にするために、公証役場で公正証書にすることを求められることが多いです。

3 慰謝料金額の減額を交渉する

前記の具体例では支払い終えるまでに4年以上もの期間を要しますので、その間に職を失ったり、事故で働けなくなったりして分割払いを続けられなくなる事態もあり得ます。

そのような事態は慰謝料を請求する側にとってもリスクです。また、そのような長期間、不倫相手と関わりを持ちたくないという方も多いでしょう。

そこで、例えば30万円ほど金融機関などから借り入れてそれを自己資金の20万円に加え、総額50万円を一括で支払う提案をすることが考えられます。この場合、毎月の借入金の返済がありますので、更に慰謝料を分割払いで支払う余裕はないでしょうから、一括支払いのみの提案となります。

このように借り入れによって一括で支払うことのできる金額を増やし、その代わりに支払い総額を減額してもらうという交渉はよくなされるものです。

他方、無職や学生さんなど、収入がほとんどないような場合には、慰謝料を請求する側も高額な慰謝料を得ることを最初から期待していなかったり、請求をした後に諦めてしまい、10万円や20万円ほどの非常に低額な慰謝料で和解に至るケースや、慰謝料請求自体を諦めてしまい請求の連絡が無くなってしまうケースもあります。

4 不貞配偶者の協力を得る

不倫をした当事者は、共同不法行為者として、不倫をされた配偶者に対して連帯して慰謝料を支払う義務を負います。

そこで、不倫の慰謝料を請求されたときは、まずは不倫をした配偶者である浮気相手に相談し、慰謝料支払いのために金銭の用意が可能かどうか打診することがよくなされます。そこで浮気相手が例えば100万円までなら用意できるということであれば、自身としては20万円を用意すれば済むことになります。

もちろん、慰謝料請求をしている配偶者としては、浮気相手が単独で慰謝料を支払ってくることを期待しているでしょうから、このように配偶者から裏で金銭の援助を受けることは許さないでしょう。

したがって、このような方策をとる場合は、慰謝料請求をしている配偶者にばれないように気を付ける必要があります。

もっとも、請求側に弁護士がついているときは、最終的に和解書の中で慰謝料の支払いにあたって配偶者から金銭の援助を受けていないことを誓約させられる場合もありますので、このような方策をとる場合には注意が必要です。

5 不倫・浮気の慰謝料支払義務は自己破産で免責されるか

不貞慰謝料を請求された場合、金融機関からの借り入れも多く、到底、不貞慰謝料を支払うことはできないという方もおられます。

このような場合、自己破産も選択肢に入ってきます。自己破産をした場合、原則として破産債権の支払い義務が免除されます。

そして、不貞の損害賠償請求権も破産債権であり、裁判例では免責債権とされていますので、現実的に不貞慰謝料を支払える経済状況にない場合には、自己破産手続も検討すべきでしょう。

6 最後に

以上、不倫の慰謝料の支払いが難しい場合の典型的な対応方法についてご説明しました。不倫をしてしまい慰謝料を支払わなければならないとは承知しているものの、経済力がなく支払いが困難だという方は多くおられます。

履行が困難な条件で示談(和解)をしてしまい、その後に支払いが滞ったり、家計が破綻して自己破産することになってしまってはかえって不倫相手の配偶者に対して不誠実な結果となってしまいます。

現実的な支払能力を踏まえて、慰謝料の減額や分割払いについて交渉し、和解に応じていただくためには、不倫慰謝料に関する交渉について経験が豊富な弁護士に相談しましょう。

この記事を書いたのは

代表弁護士春田 藤麿
愛知県弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設

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