円満離婚に向けた5つのステップ!後悔しないための準備とメリット・デメリットを紹介

最終更新日: 2024年11月08日

円満離婚に向けた5つのステップ!後悔しないための準備とメリット・デメリットを紹介

  • パートナーと何とかトラブルなく離婚したい。円滑な離婚のコツを知りたい。
  • 財産分与や子どもの親権等、大切な取り決めを行うにはどうすればよいのだろう?
  • 円満離婚を目指すには、弁護士に相談した方がよいのだろうか?

夫婦間での対立もなく円満に離婚が進めば、迅速に人生の再スタートが切れます。

円満離婚を進めていくために、話し合いのコツや、気を付けなければいけない点があります。

そこで今回は、離婚問題の解決に携わってきた専門弁護士が、円満離婚のメリット・デメリット・スムーズに円満離婚するコツを詳しく解説します。

本記事のポイントは以下です。お悩みの方は詳細を弁護士と無料相談することが可能です。

  • 円満離婚をすれば、短期間にストレスなく人生の再スタートができる
  • 円満離婚をした場合、慎重な話し合いができず、離婚後に後悔するおそれもある
  • 離婚問題の解決に経験豊富な弁護士から助言を受けて、手続きを進めた方がよい

離婚に強い弁護士はこちら

この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設

詳しくはこちら

円満離婚とは何か

円満離婚とは、夫婦が揉めず、双方が離婚条件に納得し離婚することです。

円満離婚ができれば、家庭裁判所での調停・裁判などの、手間のかかる手続きは不要となります。

ただし、夫婦が話し合うときは、自分たちの事情に合わせて、慎重に離婚条件を調整しなければ、結局揉めてしまう可能性があります。

また、子どもがいる場合は、夫婦の都合だけでなく、子どもの将来をよく考えた取り決めが必要です。

夫婦だけの力で円満に離婚が進められるか不安な場合は、離婚問題に詳しい弁護士に相談して、アドバイスを受けながら、離婚成立を目指したほうがよいといえます。

円満離婚のメリット

円満離婚であれば、家庭裁判所の関与は必要なく、比較的短期間でかつ精神的な負担も少ない状態で離婚が成立します。

円満離婚に成功すれば、離婚後もよい効果が期待できます。

短期間で離婚成立できる

夫婦間の合意だけで離婚が成立するので、比較的短期間で、夫婦それぞれが新たな人生を開始できます。

一方、話し合いで揉めてしまうと、なかなか離婚成立に至らず、家庭裁判所に調停を申し立てたり、裁判をしたりして、解決を図る事態にならざるをえません。

裁判で離婚判決が下るまでに、1年〜2年かかる可能性もあります。

離婚問題を長期化させたくないのであれば、円満に離婚条件を話し合い、早期合意を目指しましょう。

円満離婚のためには、夫婦双方が重要な離婚条件(例:財産分与、子どもの親権等)について、妥協点を探りながら、話し合いを進める必要があります。

ストレスがない

円満離婚に成功すれば、夫婦が互いにストレスがない状態で離婚が成立します。

離婚の話し合いで揉めてしまうと、次のような状況に悩み、ストレスでうつ状態となるおそれもあるでしょう。

  • パートナーが全然話し合いに応じず、自分の意見ばかりを押し付けて譲らない
  • 協議で合意できないため家庭裁判所に離婚調停を申し立てたいが、方法がよくわからない
  • パートナーの責任で離婚に至った証拠を揃えたいが、なかなかうまくいかない

円満離婚の場合は、互いを尊重しつつ離婚条件を話し合うので、夫婦双方が焦りやプレッシャーを感じることはないでしょう。

コストがかからない

円満離婚の場合、夫婦間で離婚条件についての対立がないため、費用はほとんどかかりません。

離婚条件を取り決めたときは、離婚後に約束事を忘れることのないよう、通常「離婚協議書」を作成します。
離婚協議書を夫婦で作成するのであれば、紙代程度しかかかりません(公正証書で作成する場合は3万円程度)。

また、弁護士のアドバイスを受けながら、円満離婚を進めていく場合は、弁護士報酬は10万円程度になるでしょう。

一方、円満離婚ができず、離婚調停や裁判で弁護士のサポートを受ける場合は、100万円以上の費用負担となる可能性があるので、早めに円満解決を目指すべきです。

子どもとの面会がしやすい

円満離婚に成功すれば、夫婦の感情的な対立もなく離婚が成立します。そのため、親権を持たないこととなった親が子どもと会う「面会交流」についても、大幅な譲歩を得られる可能性が高まるでしょう。

面会交流については、離婚の話し合いの中で自由に内容を決定できます。たとえば、次のような面会交流の取り決めも可能です。

  • 1週間のうち土・日は、親権がない親の自宅に子どもが宿泊できる
  • 夏休みには、親権がない親と子どもで1週間以上の長期旅行も可能 等

ただし、子どもの意向もよく確認したうえで、内容を決める必要があります。

円満離婚するデメリット

円満離婚のため無理に話し合いを急ぐと、離婚後、後悔してしまうおそれもあります。

離婚を成立させるまでに、家庭裁判所の関与で解決を図った方がよいか等、慎重に考慮すべきです。

不貞を見逃す可能性

円満離婚を目指すあまり、配偶者があなたや家族を裏切っている事実に気付かない場合もあります。

たとえば、共働きの夫婦だったとしましょう。夫婦はすれ違いの日々が多く、配偶者がそれを理由として、あなたに離婚を申し込みます。

仕事が忙しいあなたは配偶者の気持ちもわかるので、離婚に納得するかもしれません。しかし、実のところ配偶者に不倫相手がいて、その相手と結婚する目的で嘘をついた場合はどうでしょう。

離婚が成立してしまえば、配偶者は不倫相手と一緒になれるわけです。

離婚の話し合いをしている段階で、配偶者の不審な点が気になり、時間をとって調査しておけば、不倫がわかったかもしれません。

配偶者が不倫相手と一緒になる目的で別れを切り出したのなら、あなたは多額の慰謝料を請求できる可能性があります。

無理に円満離婚を進めると、配偶者が離婚したい真の理由に気付かないまま、離婚が成立する場合もあるのです。

条件が漏れる

円満離婚を急いでしまうと、夫婦で話し合わなければいけない条件が漏れてしまう事態に注意しましょう。

夫婦で話し合う必要がある主な条件は、次の通りです。

  • 財産分与:夫婦の共有財産の分け方
  • 慰謝料:離婚原因が夫婦の一方にある場合、他方に支払う慰謝料の額
  • 年金分割:婚姻期間中の保険料納付額に対応する厚生年金の分割方法
  • 子どもの親権:親権をどちらが持つか
  • 養育費:養育費の支払額や期間

子どもの親権をどちらが持つか決めなければ、市区町村役場で離婚届は受理されません。

離婚後に後悔する可能性もある

円満離婚で離婚が成立した後、あなたは「もっと話し合いをすればよかった」と後悔する可能性があります。

早期に離婚が成立するのはよいことですが、後から次の事実に気付く場合もあるでしょう。

  • 財産分与を2人で2分の1ずつに分けたが、自分が専業主婦(主夫)だったので、もっと多く受け取りたかった
  • 慰謝料に納得して離婚したが、弁護士に相談してみたら、もっと金額が請求できたといわれた

ただし、離婚した元配偶者が応じれば、財産分与や慰謝料の取り決め内容を変更することもできます。

スムーズに円満離婚を進める方法

円満離婚を進めるために、離婚理由を明確にしたうえで、あなたや配偶者の収入などを考慮し、慎重に離婚条件を話し合いましょう。

スムーズに話し合いを行うためには、弁護士のアドバイスを参考にするのも有効です。

離婚理由の明確化

まずはあなたが何故、離婚をしたいのかをよく考えましょう。

「なんとなく夫婦関係に飽きた」「結婚生活が理想と違った」という理由だけでは、離婚の申し出を受けた配偶者は納得しないでしょう。

また、夫婦関係のマンネリ化は、お互いの努力で解消できる場合があります。現在の状況が離婚しないと解消できないものなのか、よく検討してみましょう。

離婚を決断する前に、友人・知人に相談するのもよいことです。相談相手が離婚経験者であれば、離婚した原因や、話し合いで苦労した点を聞ける可能性があります。

住居・収入源の確保

住居をどちらが引き継ぐのか、それぞれの収入の確保の見通しについても、よく検討しましょう。

離婚後のあなたが家を出る場合や、収入が十分でない場合は、新たな住居と収入源を確保しなければなりません。

離婚後の新たな住居は事前に内見をしておき、スムーズに別居できるようにしましょう。

あなたが専業主婦(主夫)・パート従業員なら、自分の収入や離婚後の生活費等も考慮し、安定した収入の確保のため正社員を目指すことも検討しておきましょう。

また、配偶者の収入も把握し、希望する財産分与の割合等を決めることが大事です。

条件に妥協しない

円満離婚でなるべく早く離婚を成立させたいがために、条件の安易な妥協は避けましょう。

円満離婚を目指すとしても、数週間〜1か月程度で離婚が成立するのは稀なケースです。

円満離婚をする場合、「半年~1年近く時間がかかるのはやむをえない」と考え、粘り強く離婚条件を話し合う方が、離婚してから後悔する事態を避けられます。

離婚について話し合う場合、あなたと配偶者のどちらかが、新たな住居や実家に引っ越して、別居しながら話し合いをすることも可能です。

適度に距離をとって、冷静な話し合いを継続するのもよいことです。

相手の意見尊重

話し合うときは、自分の主張ばかりを配偶者へ押し付けないように注意しましょう。

配偶者が感情的になってしまい、話し合いがこじれてしまうかもしれません。

安易な条件の妥協は避けなければいけませんが、配偶者の意見も尊重して話し合わなければ、いつまで経っても離婚は成立しないでしょう。

たとえば、財産分与の場合はどのくらいの割合であれば合意できるか、養育費の金額はどの位までが許容範囲か、自分の判断基準を決めておけば、配偶者との調整も容易になります

専門弁護士への相談

円満離婚へのぞむ前に、離婚問題に詳しい弁護士と相談しておくのもよい方法です。

弁護士は話し合いのポイントや、話し合いがこじれそうな場合に弁護士に代理人を依頼する有効性等、有益な情報をわかりやすく説明します。

離婚問題に詳しい弁護士を選ぶためには、法律事務所のホームページをしっかりみてみましょう。

  • 法律事務所のホームページで相談実績がわかる
  • 相談事例・解決事例が豊富に掲載されている
  • 離婚の協議の手順、弁護士の報酬目安が明記されている

上記の内容が確認できれば、離婚の協議や裁判に関して経験豊かな弁護士と判断できます。

円満離婚に向けて弁護士との無料相談から始めましょう

今回は離婚成立に尽力してきた専門弁護士が、円満離婚を進めるポイントや注意点等を詳しく解説しました。

法律事務所の中には、初回相談を無料で利用できるところもあります。まずは円満離婚について、気軽に相談してみましょう。

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