アスベストの弁護士費用の相場は?相談前に知るべきポイント

最終更新日: 2025年08月13日

アスベストの弁護士費用の相場は?相談前に知るべきポイント

アスベスト関連疾患による訴訟や給付金申請を検討するなかで、多くの方が気になるのが「弁護士費用はいくらかかるのか」という点です。

この記事では、弁護士に依頼した場合の費用相場や内訳、成功報酬型の仕組み無料相談の有無など、特に関心の高い情報を分かりやすくまとめました。

また、実際にかかった弁護士費用の例や、信頼できる弁護士の選び方弁護士が提供する具体的なサポート内容も解説しています。

結論としては、費用は事務所によって異なるものの、成功報酬型を採用しているところが多く、相談は無料のケースが一般的です
この記事を読むことで、費用の不安を解消し、安心して弁護士に相談できるきっかけになれば幸いです。

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この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設

詳しくはこちら

弁護士費用の基本的な内訳とは?

アスベスト関連の案件を弁護士に依頼した場合、通常以下の費用が発生します。

相談料

弁護士に話を聞いてもらう段階での料金です。アスベスト案件では無料相談を実施している事務所が大半です。

着手金

依頼を正式に受けた段階で支払う初期費用です。アスベスト案件では、着手金無料(完全成功報酬制)の事務所も増えています。

成功報酬金

給付金や賠償金を受け取れた場合に発生する費用です。金額の10〜30%が相場とされています。お客様の費用負担が多額になり過ぎないように成功報酬金の上限を設定している事務所もあります。

実費

裁判所への手数料や郵送費など、事務手続きにかかる費用です。こちら数千円〜1万円程度で済むケースが多いです。

これらの費用は、依頼する事務所によって異なるため、事前に確認しておくことが重要です。特に、成功報酬金がどのくらい差し引かれるのかは、補償額の手取りに直結するため要チェックです。

費用負担を軽減する方法と注意点

金銭的な不安から弁護士への依頼をためらう方も少なくありません。以下のような方法で、費用負担を抑えることができます。

無料相談を活用する

無料相談を実施している事務所を選べば、費用がかからず、納得できるまで話を聞いたうえで依頼を判断できるため、金銭的な負担や失敗の不安なく相談を始められます。

成功報酬型の事務所を選ぶ

初期費用がかからず、給付金や賠償金が得られた場合のみ報酬が発生します。

成功報酬の上限がある事務所を選ぶ

給付金の金額に関わらず一律で成功報酬を例えば15%などに設定している事務所が多いです。

そうすると給付金の金額が大きくなるにつれて成功報酬も多額となります。このようなことを避けるために成功報酬の上限を設定している事務所があります。

ただし、弁護士を探す際は費用だけでなく、実績や専門性と合わせて比較検討しましょう。

よくある状況と対応例

建設現場での長年の作業による中皮腫

70代男性のケース。建設現場での作業中にアスベストに曝露し、中皮腫を発症。家族と相談のうえ弁護士に依頼しました。

会社員として建設工事に従事していた時期があったのでまずは労災を申請しました。8か月ほどで無事、労災の認定を受けることができました。

続けて建設アスベスト給付金を申請したところ、既に労災認定を受けているので審査は速やかに進み約3か月で建設アスベスト給付金の認定も受けることができました。給付金は1150万円でした。

弁護士費用は着手金は不要で、相談も無料、成功報酬型で成功報酬金は給付金の10%である115万円でした。

書類作成や交渉を弁護士がすべて代行し、本人や家族は治療に専念できたとのこと。

死亡した夫の給付金請求

3年前にアスベストによる肺ガンで死亡した夫について、以前に建設アスベスト給付金の申請を自力で進めようとしたものの手続きが複雑で諦めていましたが、改めて請求するべく弁護士に依頼しました。

一人親方として建設工事に従事していた夫の以前の取引先に弁護士が連絡をして協力を依頼し、建設アスベスト給付金の申請を行いました。既に本人が他界しているため調査は難航しましたが、最終的には無事に認定が下りて1300万円の給付金が支払われました。

弁護士費用は完全成功報酬制だったので、給付金の着金後にその中から10%の130万円が弁護士費用として支払われました。

自力では絶対に無理だったから弁護士に依頼して本当に良かったとのこと。

弁護士に依頼するメリットとは?

弁護士に依頼する最大のメリットは、複雑な手続きを一任できることです。アスベスト関連の補償制度には、主に次のようなものがあります。

  • 石綿健康被害救済制度
  • 建設アスベスト給付金制度
  • 労災制度

これらは申請書類が複雑で、アスベスト由来の病気であることの証明資料の収集は容易ではありません。
弁護士に依頼することで、必要書類の収集・作成・提出や、行政とのやり取りを任せることができます

弁護士の選び方

弁護士を探す際は、以下のようなポイントを比較すると良いでしょう。

  • アスベスト訴訟・給付金申請の実績があるか
  • 相談実績や解決事例がホームページに掲載されているか
  • 費用体系が明確に説明されているか
  • 無料相談を実施しているか
  • 患者や家族に対する対応が丁寧か

実際に複数の事務所で話を聞いてから比較検討するのがおすすめです。
「早くしないと時効になるかもしれない」と焦らず、まずは情報を集めましょう。

よくある質問(FAQ)

Q:アスベスト関連の相談は無料ですか?

法律事務所によって異なりますが、多くが初回の無料相談を実施しています。まずは相談して費用や進め方を確認しましょう。

Q:着手金はどれくらいかかりますか?

完全成功報酬制を採用している事務所では0円ですが、有料の場合は20~30万円ほどが相場です。

Q:成功報酬の割合はどのくらいですか?

給付金や賠償金の10〜30%が相場です。事務所ごとに異なるので事前確認が必要です。

Q:後払いは可能ですか?

完全成功報酬制の場合には給付金・賠償金を受け取ってから支払う形の事務所が多いです。

Q:弁護士に頼んでも必ず補償が得られますか?

必ずしも保証されるわけではありませんが、弁護士の専門的なサポートで成功率は高まるでしょう。

まとめ|不安を解消し、納得のいく依頼を

アスベスト関連の補償を得るためには、正確な情報と専門的な対応が必要です。
費用面での不安は当然ありますが、成功報酬型・無料相談・後払い可など、依頼しやすい体制を整えている事務所も多く存在します

複雑な手続きをすべて任せられることで、治療や療養に専念できる環境が整います
まずは一度、無料相談を利用して、自分や家族にとって最適な方法を見つけてみてください。

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