契約結婚とは?検討している方必見!専門の弁護士がお伝えします。

最終更新日: 2022年03月15日

契約結婚とは?検討している方必見!専門の弁護士がお伝えします。

契約結婚に興味があるけど、そもそも契約結婚ってどんなもの
契約結婚のメリットやデメリットが知りたい
契約書にはどんなことを盛り込めば良いの、どうやって作ればいいの?

未だ認知度は高くはありませんので専門家による情報は少なく、契約結婚について興味はあるけど、契約結婚ってどんなものかと思う方は多いのではないでしょうか。

契約結婚を専門にしている弁護士は日本ではほとんどいませんが、当事務所ではこのような契約結婚のための契約を沢山作成してきました。

契約結婚とは、端的に言えば、結婚生活におけるルールや、離婚するときの条件を契約書にしてから結婚することをいいます。このような契約書を婚前契約書といいます。

契約結婚と一口に言ってもいくつかのパターンがありますが、いずれにも共通して言えるメリット、デメリットや、婚前契約書に盛り込んでおくべき内容、作り方があります。

以下、当事務所で取り扱った実例も見ながら、専門の弁護士が契約結婚について徹底解説して参ります。

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この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設

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契約結婚とは何か?その意味や定義は?

契約結婚とは何か?その意味やイ定義は?

各種のメディアで契約結婚という言葉が使われていますが、どのような結婚を意味しているのかについては、一義的ではなく様々です。

概ね以下の4つに分類されるかと思います。

  • 恋愛結婚における契約結婚
  • 法律婚ではなく事実婚(内縁)のための契約結婚
  • 世間体のためのビジネスライクな契約結婚
  • 逃げ恥の契約結婚

以下、順番にご説明します。

恋愛結婚における契約結婚

交際してきたカップルが結婚するにあたり、婚前契約を作成するパターンです。婚前契約を作成する以外は通常の結婚と何ら変わりません。

法律婚ではなく事実婚(内縁)のための契約結婚

婚姻届は敢えて出さずに、事実婚(内縁)になる場合に、婚前契約を作成するパターンです。

事実婚(内縁)は、現時点では民法に規定がありませんので、法律婚に適用される法律がそのまま適用されるとは限りません。

しかし、婚前契約という契約によって、法律婚と同様の法的な権利や義務を発生させることができます。

世間体のためのビジネスライクな契約結婚

(1)、(2)いずれの契約結婚も、二人の間に恋愛感情があり、婚前契約を作成するという以外は通常の結婚と異なりません。

一方、本当は生涯結婚したくないけれど、あるいは良い結婚相手は見つからないけれど、世間体のために形だけでも結婚するというケースもあるようです。

このようなケースは、結婚する二人の間に恋愛感情はなく、結婚から得られる法的なメリットや事実上のメリットを得ることを目的としたビジネスライクな結婚といえます。

交際していない男女が性行為をして、妊娠が発覚したという場合に、生まれてくる子供のために形だけでも結婚するというケースは実際にあるようです。

恋愛なし?逃げ恥の契約結婚の理由

マンガを原作としたドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(逃げ恥)では、契約結婚がテーマとなっていました。

逃げ恥では、妻という立場に就職するという設定で、津崎が雇用主となって、みのりが従業員になる契約でした。

恋愛感情がないという点では(3)の契約結婚と同じですが、「給料」を得るための、就職のような結婚という点に特徴があります。

契約結婚は犯罪?偽装結婚なら違法!

契約結婚は犯罪?偽装結婚なら違法!

契約結婚の4つのパターンをご説明しました。世間体のための結婚や就職のための結婚は偽装結婚なんじゃないの?と思う方もいらっしゃるでしょう。

しかし、契約結婚と偽装結婚は違います。

契約結婚は、二人の間に夫婦となる意思自体はあります。

一方、偽装結婚は、例えば在留資格を得る目的で結婚制度を利用したり、勤務先から家族手当などを得る目的で結婚制度を利用したりする場合など、夫婦になること以外のところに結婚の目的があるものです。

偽装結婚は、民事的に違法行為となったり、目的によっては犯罪となることもあります。

日本でも契約結婚はどんどん増えている

日本でも契約結婚はどんどん増えている

契約結婚の際には、結婚する前に婚前契約を作成するとご説明しました。

婚前契約という言葉を、海外の映画やドラマ、ニュースで聞いたことがある方は多いと思います。

このような海外では広く普及している婚前契約ですが、ここ数年、日本でも作成する人が非常に増えてきました。

ここでは、海外や日本における婚前契約事情についてご説明します。

海外の契約結婚

婚前契約の発祥は、16世紀のイングランドと言われています。海外では婚前契約の認知度は高く、婚前契約の内容や作成手続について法律に詳細に定められている国も多くあります。

アメリカの契約結婚の割合

アメリカでは、5%から10%の夫婦が婚前契約を結んでいるそうです。

100組の夫婦の5組から10組が婚前契約を結んでいると考えると、その割合の高さを実感できるのではないでしょうか。契約社会と言われるアメリカならではなのかもしれません。

日本の契約結婚の事情

日本の民法には夫婦財産契約という婚前契約の一種が規定されていますが、ほとんど使われて来なかったマイナーな規定です。

夫婦財産契約は法務局に登記することができるのですが、戦後から2000年頃までの間に登記された件数はわずか100件ほどということです。

しかし、ここ数年、各種メディアで婚前契約が話題に上ることが増えました。実際に、当事務所でも年間100件以上の婚前契約のご相談があります。

アメリカでも婚前契約の法的有効性が認められたのは1970年頃で、それから30、40年ほどで、先ほどのように広く普及したのですから、日本においても今後急激な勢いで婚前契約が普及していくかもしれません。

契約結婚のメリット

契約結婚のメリット

さて、契約結婚をする、結婚するにあたり婚前契約を作成することに、どんなメリットがあるのでしょうか。

メリットとして次の4つを挙げることができます。

  • 夫婦について話し合うきっかけになる
  • 結婚生活でのもめ事が減る
  • 離婚でもめない
  • 逃げ恥のような契約結婚のメリット

以下それぞれについてご説明します。

夫婦について話し合うきっかけになる

結婚する場合、結婚式の準備や同居の準備などに追われますが、案外、その後の長く続く夫婦関係、結婚生活について、結婚前に具体的に考えたり、話し合うことは少ないようです。

婚前契約を交わす場合、夫婦関係や結婚生活について、お互いに具体的に考え、話し合うことになります。このようなプロセスを経ることで、結婚についての考えやお互いに対する理解を深めることができます。

結婚生活でのもめ事が減る

夫婦関係や結婚生活について考え、話し合ったうえで、円満な夫婦関係を続けるために必要なルールを婚前契約に定めることになります。

このようにお互いが納得して定めたルールを契約にしておくことで、結婚生活におけるもめ事が減り、円満な夫婦関係の持続を期待することができます。

離婚でもめない

婚前契約には、結婚生活におけるルールだけでなく、財産分与や慰謝料、養育費など離婚条件についても定めておくことが通常です。

このように予め離婚条件を定めておけば、万一離婚することになっても、契約内容に従って離婚することになりますので、離婚調停や裁判で争いが長期化することを避けることができます。

逃げ恥のような契約結婚のメリット

先ほどご説明したとおり、逃げ恥の契約結婚は、専業主婦に就職して「給料」を夫からもらうというものでした。

家事や育児は会社での労働と同様に大変な仕事ですが、給料が支払われることありません。

ですが、このように家事や育児の対価として「給料」が支払われることになれば、自分の働きがちゃんと評価されていると実感できます。その結果、夫婦円満の効果も期待できるかもしれません。

契約結婚のデメリット

契約結婚のデメリット

このようにメリットのある契約結婚ですが、次のような3つのデメリットも挙げられます。

  • 離婚の可能性を考えていると思われる
  • 喧嘩になることもある
  • 最悪の場合、交際解消になることも

以下それぞれについてご説明します。

離婚の可能性を考えていると思われる

婚前契約には結婚生活におけるルールだけでなく、離婚条件も定められることが通常です。

そのため、結婚するときから離婚することを想定しているようなネガティブな印象を相手に与えてしまいがちです。

ですから、婚前契約の作成を持ち掛けるときには、あくまで円満な結婚生活が永続させることが主たる目的であることをお相手に丁寧に説明していくことが重要です。

喧嘩になることもある

結婚生活について具体的に考え、話し合う中で、お互いの考えや価値観がぶつかり喧嘩になることもあるかもしれません。

とはいえ、何も話し合わずに結婚生活を始めれば、いずれ喧嘩になっていたはずのことについて喧嘩になっているのですから、結婚する前に予め話し合い、妥協点、解決策を見出しておくことは、結婚後の喧嘩を減らすことになるでしょう。

最悪の場合、交際解消になることも

お互いの考え、価値観の不一致に折り合いがつかず、結局、結婚を取りやめ、破局に至るケースも、実はしばしばあります。

このようなケースというのは、交際期間が比較的短期間のうちに結婚することになったカップルに多い印象です。

そのような話し合いもなく結婚していた場合には、ほぼ間違いなく、結婚後に衝突し、最悪の場合、離婚に至ります。

破局に至ったことは残念ですが、むしろ、本当に結婚すべきかどうかを判断するテストになったと考えることもできるでしょう。

子どもやお金のことなど契約結婚に盛り込むべき内容

子どもやお金のことなど契約結婚に盛り込むべき内容

さて、それでは婚前契約にはどのような内容を盛り込めば良いのでしょうか。

婚前契約に定める内容は基本的に自由です。とはいえ、一体どんなことを盛り込めば良いのかわからないという方が多いでしょう。

次の6つは婚前契約に盛り込むと良いでしょう。

盛り込むと良い内容
      1. お金のこと
      2. 子どものこと
      3. 別居した時のこと
      4. 浮気のペナルティ
      5. 離婚条件
      6. 契約結婚の終わらせ方

以下それぞれについてご説明します。

お金のこと

婚前契約には、結婚前の財産、結婚後の財産を夫婦の共有の財産にするのか、各自の財産のままにするのかについて定めておくのが通常です。

また、生活費の負担方法、お金は誰がどのように管理するのかについても定めておくと良いでしょう。

浪費を防止するために、一定額以上の支出をするときは他方の同意を必要とするといった内容も考えられます。

子どものこと

子どもの育て方や教育方針、その決め方、学費の負担などを婚前契約に定めることがあります。

また、一方又は双方が子供を作りたくないと考えているカップルが、結婚する条件として、婚前契約に子供をつくらないことや、子どもをつくることを強く求めないことを定めておくこともあります。

別居したときのこと

喧嘩をして別居に至った場合、法律上、収入の多い方の配偶者は他方に生活費(婚姻費用)を支払う義務があります。

この生活費を支払う義務についてですが、お互いに経済的に自立している夫婦の場合には、その義務を無しにすることを婚前契約に定めることがあります。

また、離婚するまでずっと生活費を支払い続けるのは酷だと考え、生活費を支払う期間を1年などに制限する定めをおくこともあります。

ただし、これらは法律上の義務を制限、免除する定めですから、法的効力が否定される可能性もあります。

浮気のペナルティ

婚前契約によって浮気を抑止したいというご要望は非常によくあります。

浮気した場合には慰謝料や違約金を支払うという内容を定めることが多くあります。

また、浮気が離婚原因になったときには、浮気をされた配偶者に財産分与を有利なものとしたり、養育費の金額を高くするなどのペナルティを定めると良いでしょう。

離婚条件

離婚の際には、慰謝料や財産分与、養育費などの条件面で争いになり調停や裁判となることがよくあります。

予め婚前契約に離婚条件を明記しておくことで、離婚の際にはその内容通りに離婚することが可能となります。

これによって無用な時間的、経済的コストを削減し、速やかにお互いが新しいスタートを切ることができます。

契約結婚の終わらせ方

婚前契約を作成はしたけれど、結婚して何年かした後、婚前契約は必要ないと考えることがあるかもしれません。

また、婚前契約全部ではないけれども、その一部の定めについては廃止したい、変更したいと考えることもあるかもしれません。

このような場合に備えて、婚前契約には、契約の解除や変更についての定めをおくと良いでしょう。

ただし、簡単に解除、変更ができるようにすると色々と支障がありますので、夫婦が書面によって合意した場合のみ解除、変更ができると定めるなどします。

逃げ恥のような契約結婚をするなら給料(給与)の相場は?

逃げ恥のような契約結婚をするなら給料(給与)の相場は?

さて、婚前契約の内容を見ましたが、逃げ恥のように、家事を担当する妻(夫)に対して、「給料」を支払う場合、いくらが相場になるのでしょうか。

例えば、夫が会社からもらう給料が30万円で、妻に支払う「給料」が20万円とすると家賃など共同生活にあてる経費を賄えなくなってしまうでしょうし、貯蓄も難しくなります。

ですから、家事に対する「給料」としては、収入の2割,多くても3割ほどが妥当でしょう。

また、長い結婚生活の中で収入は変動しますから、「給料」の上限や下限を設けたり、無収入になったときの例外や、家事の担当者が変わった場合の対応なども定めておくと良いでしょう。

契約結婚のやり方

契約結婚のやり方

契約結婚の内容についてはある程度イメージをもっていただけたかと思います。

それでは、いざ契約結婚をする場合、どのように進めたら良いのでしょうか。

契約結婚をする場合、結婚する前に婚前契約を作成することになります。

この婚前契約の法的効力、つまり相手が契約に違反したときには契約内容を相手に強制する効力をもたせるためには、契約内容とその作成手続の両面に注意が必要です。

契約内容については、どのような定め、表現であれば法的効力があるのかについてご自身で判断することは容易ではありませんので、弁護士などの専門家に相談しましょう。

また、作成手続についてですが、カップルだけで作成した場合、後日、自分はサインしていないと言われたり、相手に脅された、騙されたと言って契約は無効だと主張されたりする恐れがあります。

そのため、婚前契約を作成するときには、公正な第三者が関与することが重要です。内容面のチェックも兼ねて弁護士に依頼すると良いでしょう。

なお、婚前契約を公正証書にするべきだという情報を見聞きすることがあります。

しかし、婚前契約の場合、公証役場で作成したとしても、何か特別な法的効力が与えられるわけではなく、サインした人の本人確認をしてもらえるというだけですから、費用をかけてまで公正証書にする意味はないといえます。

契約結婚の契約書サンプル(雛形)

契約結婚の契約書サンプル

実際に婚前契約を作成するときには、それぞれのカップルの考え、価値観を反映させてオリジナルなものを作成する必要があります

もっとも、婚前契約を見たことがなく、どんなものなのかイメージがわかないという方もいらっしゃるでしょうから、一つシンプルな婚前契約のサンプルをご紹介しておきます。

下記のリンクからダウンロードしてご覧ください。

現実に契約結婚は本当にあるのか?実際に契約結婚をした人の事例

現実に契約結婚は本当にあるのか?実際に契約結婚をした人の事例

契約結婚について解説をして参りましたが、周りで契約結婚をした人なんて聞いたことがない、本当に契約結婚をする人なんているのだろうか?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

ここでは、実際に当事務所にご依頼のあった事例をもとに、次の4つの例をご紹介します。

・再婚同士のAさんの実例
・国際結婚のBさんの実例
・経営者のCさんの実例
・バツイチ子持ちのDさんの実例

以下それぞれについてご紹介します。

再婚同士のAさんの実例

Aさんは60代の男性、お相手は50代の女性でした。結婚相談所で出会った二人はともに結婚歴があり、成人した子がいました。

結婚後に子供をつくる予定はなく、またお互いに他方の収入や資産に頼らなくても生活できることから、財産はそれぞれの子に相続させたいと考えていました。

そこで、Aさんとお相手は、各自の財産は各自のものとする婚前契約をつくるとともに、結婚後にはそれぞれの子に全財産を相続させる遺言書を作成するなどして、希望どおりの結婚をすることができました。

国際結婚のBさんの実例

Bさんは、出会い系アプリで知り合った外国人の男性と交際し、交際から半年でプロポーズを受けました。

ところが、Bさんの両親は、お相手の男性がBさんの財産を狙っているのではないか、配偶者ビザを得ることが狙いなのではないかと心配しました。

Bさんは、お相手のことを信用していましたが、高齢の両親を安心させるために、婚前契約を作成することにしました。

お相手も婚前契約の作成を快諾したことから、両親の承諾を得て、無事、Bさんは結婚することができました。

経営者のCさんの実例

会社を経営するCさんは、離婚をすると会社の株式も財産分与の対象になると聞き、万が一のときに従業員に迷惑をかけることを心配して、婚前契約を作成することにしました。

そのような心配についてお相手も理解してくれたことから、会社の株式は財産分与の対象にならないことを内容とする婚前契約を作成し、安心して結婚することができました。

バツイチで子供のいるDさんの実例

Dさんは離婚歴があり、前妻との間に子供がいました。新しく交際していた女性と結婚することになりましたが、お相手の女性はDさんが前妻や子供に会うことを快く思っていませんでした。

そこで、Dさんはお相手を安心させるために、前妻とは会わないことや、子供と会うときは事前に了解を得ることなどを盛り込んだ婚前契約を作成することを提案しました。

そのような婚前契約を作成したことで、お相手も安心して、Dさんと結婚することができました。

まとめ

まとめ

以上、契約結婚について、専門の弁護士が徹底解説しました。

契約結婚のデメリットについてもご説明しましたが、基本的にはメリットの方が圧倒的に多いといえます。

結婚を考えているカップルは、是非、契約結婚、婚前契約について一度、検討してみることをお勧めします。

婚前契約を作った方が良いのか、どのような内容を盛り込むのが良いのかと迷ったときは、一度、専門の弁護士にご相談ください。

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