サジェストを削除したい?基本知識から実施方法・準備・スムーズに進めるポイントを解説
最終更新日: 2023年12月30日
- 検索エンジンサイトで自分の名前を検索してみたら、サジェストがネガティブな印象を与えるものばかりだった。どうすればよい?
- わが社の会社名を検索したら「サジェスト汚染」になっている。対策を講じたい。
- サジェストの削除を進める手順を教えて欲しい。
「サジェスト」とは、Google等の検索エンジンサイトで検索するとき、その検索欄にキーワードを入れると、予測候補としてキーワードが出力される機能です。
検索でネガティブなサジェストが表示された場合、個人の名誉・会社の信用に影響を与える可能性があります。ネガティブなサジェストは何とか削除したいものです。
そこで今回は、ネット上の法的トラブルに対応してきた専門弁護士が、サジェストの削除方法、削除をスムーズにするポイント等について詳しく解説します。
本記事のポイントは以下です。お悩みの方は詳細を弁護士と無料相談することが可能です。
- サジェスト削除前に権利侵害が生じていて、具体的な被害が出ていないかをまず確認する
- ネガティブなサジェストは、検索エンジンサイトに本人や弁護士から削除を依頼できる
- サジェストに重大な影響を与えているネガティブな投稿記事には、法的措置で対応する
サジェストを削除するためにおさえるべき基本知識
サジェストは世の中の人たちが、特定の個人や法人のどのような点に注目しているかがわかる機能です。
しかし、ネガティブなサジェストが目立っていては、個人の名誉や法人の信用に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。
こちらでは、サジェストの仕組みやサジェスト汚染とは何かを説明します。
サジェスト
検索エンジン(例:Google、Yahoo!等)で検索をするとき、検索欄にキーワードを入れると、予測候補としてキーワードが出力されます。この機能が「サジェスト」です。
サジェストで出力されるキーワードは、自分以外のユーザーが入力した文字列でもあります。
他のユーザーの入力したキーワードを確認すれば、多くの方々が検索対象となっている特定の個人や法人のどのような点に注目しているのかを認識できます。
サジェスト汚染
検索対象となっている特定の個人や法人を検索した場合、その検索対象を評価するようなキーワードばかりが上位に表示されるわけではありません。
サジェストで出力されるキーワードが、ユーザーにネガティブな印象を与える単語(例:ブラック企業、人間のクズ等)であふれている状態が、「サジェスト汚染」と呼ばれています。
サジェスト汚染を放置すれば、特定の個人や法人の評判は更に悪化する可能性があり、早急な対策が求められます。
サジェストの削除方法
サジェスト汚染を解決するには、まずネガティブなサジェストを削除する必要があります。
こちらでは、各検索エンジンサイトでの対処法について説明します。
記事削除依頼
サジェスト機能は、サイトを検索するユーザーが望んでいる最適な情報に、なるべく早くたどり着くために組み込まれたシステムです。
そのため、ネガティブなキーワードを事前に生成させないような対策はとれません。
ネガティブなサジェストを確認後に、各検索エンジンサイト側に削除依頼を行う必要があります。
Googleフォーム
Googleでサジェスト削除を依頼する場合は、Googleが指定している「法律に基づく削除に関する問題を報告する」フォームから申請しましょう。
申請には次の必要事項を入力・添付します。
(1)申立人の情報
- 居住国
- 戸籍上の姓名
- 会社名等(該当する場合のみ)
- 連絡先メールアドレス
(2)権利侵害にあたるコンテンツ
- コンテンツを見つけるのに使用した検索キーワード
- 検索キーワードの入力中に表示された不適切だと思う予測キーワード
- 権利侵害にあたると思われるコンテンツが表示される国
- 検索候補が違法となる理由
(3)その他
- スクリーンショットを添付
- 署名
送信後は1〜2週間程度待ってみましょう。Google側が法的侵害性を認めた場合、そのサジェストは削除される可能性が高いです。
Yahoo!問い合わせフォーム
Yahoo!で不適切なサジェストを削除する方法は次の通りです。
- Yahoo!IDでログイン
- 「お問い合わせフォーム」を開く
- 「関連検索ワードの情報削除」を選び、必要な項目に記入
なお、サジェスト汚染の被害を受けた個人や法人でなくても、Yahoo!IDを持っているユーザーならば誰でも申請が可能です。
Microsoft Bingサジェスト
Microsoft Bingで不適切なサジェストを削除する場合は、「Bingに関する問題を報告」フォームから依頼をします。
サジェスト汚染となっている状態を具体的に説明し、何故そのような状態になっていると困るのかをわかりやすくMicrosoft Bing側に伝えましょう。
サジェストの削除を進めるための準備
サジェストで出力されるキーワードにネガティブな単語が多いと気付いたら、まずは冷静に削除依頼の準備を進めましょう。
こちらでは削除の依頼前に、どのような点をチェックするのかについて説明します。
検索結果の確認
サジェストの削除を望んでも、ネガティブなキーワードを含んだ書き込みや記事がネット上に存在すれば、サジェストに反映され続けます。
まずは検索結果に表示されているサイトの中身をチェックし、ネガティブな表現が本当に存在するか把握しておきましょう。
悪質な書き込みや記事そのものの削除には、別の方法をとる必要があります。
権利侵害・実被害の確認
検索結果に表示されているサイトを確認し、実際に権利侵害となっているかどうかをチェックしましょう。
たとえば、「有名人〇〇〇〇は割り算もできないくせに、親が〇〇大学に大金を渡し、裏口入学させた」「〇〇会社の社長〇〇は買春を行い、13歳の少女を妊娠させた」等の誹謗中傷があった場合、「名誉毀損」に当たります。
検索履歴削除
検索エンジンサイトで自分が検索をすると、検索履歴が残ります。キーワードを入力すると検索エンジンサイト内では自動で生成されたサジェストより、この検索履歴のデータが優先的に表示される可能性があります。
自分の検索履歴か、検索エンジンサイトのシステムが生成したサジェストなのかを判断し、冷静に対処しなければいけません。
まずは自分の検索履歴を削除すれば、自動で生成されたサジェストをチェックしやすくなります。
フォーム入力準備
サジェストに関する確認を行った後で、各検索エンジンサイトで指定されたフォームからサジェスト削除の依頼を行います。
検索エンジンサイトのメールアドレスや電話番号に問い合わせても、専用フォームから申請しない限り、サイト側は削除に応じない場合があります。
サジェスト削除をスムーズにするポイント
サジェスト削除は、被害者本人の代理人として弁護士がサイト側に依頼できます。
ただし、根本的な解決には、ネガティブなキーワードを含んだ書き込みや記事の削除が必要です。
こちらでは、弁護士のアドバイスやサポートを受けながら、サジェストの問題を解消するポイントについて説明します。
まずは弁護士に相談し対応を決める
ネット上の法的トラブルに詳しい弁護士を見つけ、自分(または法人)にサジェスト汚染が発生している旨を相談します。
ネットのサジェスト汚染や嫌がらせの交渉・訴訟に実績のある弁護士を選ぶときは、まず法律事務所のホームページを確認しましょう。
- ホームページにネットの法的トラブルの相談実績、解決実績の具体的な件数が明記されている
- サジェスト汚染やネット上での誹謗中傷の相談や解決事例、コラム等が数多く掲載されている
- サジェスト汚染やネット上での誹謗中傷の解決の流れ、弁護士報酬が明記されている
以上の内容がホームページ内で紹介されていれば、その分野の問題解決に豊富な経験を有する法律事務所と判断できます。
サジェスト汚染を解決する提案
ネット上の法的トラブルに実績のある弁護士を選んだら、サジェスト汚染やネット上での誹謗中傷を解決する対処方法について話し合います。
弁護士は、サジェスト汚染やブログ・SNS・掲示板等での誹謗中傷の状況、本人の希望をよく聴き、主に次のような提案を行います。
- ネガティブなサジェストの削除依頼の方法
- サジェスト汚染の原因となっている記事等の削除方法→投稿者やサイト管理人への削除依頼、削除の仮処分申立て
- 悪質な投稿者の身元の特定→発信者情報開示請求、発信者情報開示命令の手続き
- 悪質な投稿者と和解を望む場合→和解(示談)交渉の流れ
- 悪質な投稿者への法的措置→損害賠償請求訴訟、刑事告訴の手順
弁護士に代理人を依頼すれば、サジェストの削除依頼はもちろん、権利侵害が確認できる記事そのものの削除依頼、投稿者の身元の特定や法的措置まで、全ての申請・手続きを任せられます。
弁護士のサポートを得れば、サジェスト削除をスムーズに進められる他、サジェスト汚染の根本的な解決にもつながります。
サジェスト削除なら当事務所にご相談を
今回はネットの法的トラブル解決に尽力してきた専門弁護士が、サジェスト汚染を解決する方法等を詳しく解説しました。
サジェストの削除だけでは根本的な解決にはなりません。サジェスト汚染の原因となっている記事等の削除を積極的に進める必要があります。
弁護士の助けを借りながら、サジェスト汚染への対応策を冷静に検討してみてはいかがでしょうか。
※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。