離婚危機のサイン?危機の乗り越え方も弁護士が解説

最終更新日: 2024年01月30日

離婚の危機が訪れたら?乗り越える方法と直面したらすべきことを解説

  • 離婚回避のためにどのような対応をとればよいのだろう?
  • 配偶者に愛情を感じられないので離婚をスムーズに進める方法を知りたい
  • 離婚を考えている配偶者がやりがちな行動があれば教えてもらいたい

夫婦が共同生活を送るうえで、不満が出てくるのは当然です。ただし、夫婦の一方または双方の受忍限度を超えてしまうと、離婚の危機に直面してしまいます。

離婚の危機から夫婦の関係を修復したいときはどうすればよいのか、逆に離婚で夫婦の問題を解決したい場合はどうすればよいのか、自分のニーズに応じた方法を知りたい方は多いかもしれません。

そこで今回は、多くの民事事件に携わってきた専門弁護士が、離婚危機につながる6つのサイン、離婚の危機に直面した場合の対応等を詳しく解説します。

本記事のポイントは以下です。お悩みの方は詳細を弁護士と無料相談することが可能です。

  • 離婚の危機につながるサインには会話の減少、口論の増加、セックスレス等がある
  • 離婚の危機を避けるためには、夫婦の話し合いの他、家庭裁判所で解決を図る方法もある
  • 離婚をして夫婦の問題を解決したいなら、離婚理由の明確化や証拠の収集等が必要

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この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設

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離婚危機につながる6つのサイン

離婚危機の前兆はいろいろと考えられますが、次のような状態が日常生活で頻繁にみられるなら、注意が必要です。

会話の減少

同じ部屋にいても距離を取りたい、または話をするのも疲れると配偶者が感じているならば、会話は次第に減っていきます。夫婦共通の関心事がないならば尚更です。

結果的に同じ空間にいるのを嫌い、「家庭内別居」という生活スタイルをとるようになるでしょう。

口論の増加

愛情が徐々に薄れ、相手に合わせて行動するという姿勢は薄れていきます。

夫婦の一方または双方が自分本位に行動してしまい、それを不快と感じる配偶者との間で口喧嘩が頻発するおそれもあります。

このような口論に嫌気がさし、離婚を考えるようになるかもしれません。

浮気・不倫

配偶者への愛情が冷めてしまい、自分が夢中になれる別の異性と、浮気・不倫をする可能性があります。

浮気といってもデートをしたり、一緒に食事をしたりする関係にとどまるケースもあれば、肉体関係を結び浮気相手が妊娠してしまうケースも想定されます。

金銭問題

夫婦の一方または双方が、家族の生活のためにとコツコツ預金してきたものの、愛情が薄れてしまい、生活費にお金を入れなくなるケースが考えられます。

生活費として預金に回してきた収入を、配偶者が同僚との飲み会に使ったり、何に使ったかわからない出費(例:性風俗や浮気の費用等)へ充てたりしたら要注意です。

性交渉がない

年齢と共に性的欲求が減退したり、男性機能が低下したりするのはやむをえない衰えといえます。

しかし、健康的で身体の衰えも見られないのに、愛情がすっかり冷めてしまっていると、配偶者と性行為をしようと考えなくなる傾向があります。

そもそも、同じ空間で一緒にいる状況さえ不快ならば、夫婦がセックスレスとなる可能性もあるでしょう。

義両親との不調和

夫婦の関係が悪化していなくとも、夫婦どちらかの親と同居している状況ならば、義両親とのトラブルが懸念されます。

義両親と別居をしたくて配偶者が自分に相談したとき、満足できる返答(例:来年にはマンションを借りる等)をしなかったならば、配偶者が離婚を決意する可能性はあるでしょう。

配偶者と自分の両親とのトラブルを自覚しているならば、早めに両親との別居を考え、離婚の危機を軽減した方が無難です。

離婚の危機を乗り越えるための方法

夫婦に離婚の危機が訪れ、何とか夫婦関係の修復を図りたいならば、まず夫婦で話し合う必要があります。

こちらでは、夫婦関係を修復する方法について解説します。

家庭裁判所で関係修復を図る

夫婦の間で関係修復の話し合いがまとまらなければ、家庭裁判所に協力してもらい、話し合いを継続する方法もあります。

その方法が家庭裁判所で行う「夫婦関係調整調停(円満)」の申立てです。

調停を行うときは、相手方の住所地または当事者が合意で定めた家庭裁判所で手続きをします。提出書類は主に次の通りです。

  • 調停申立書とその写し1通
  • 夫婦の戸籍謄本:本籍地の市区町村役場で取得可能
  • 収入印紙1,200円
  • 連絡用切手

調停は非公開で行なわれ、原則として夫婦双方の出席が必要です。

調停手続では、まず調停委員が夫婦それぞれから事情を聞きます。

その後、夫婦関係が悪化した原因を探り、夫婦がどのような努力をすれば、関係改善を図れるのか等について考えます。

調停委員が夫婦に助言を与えたり、解決案を提示したりして調停は進められます。

出典:夫婦関係調整調停(円満) | 裁判所

特定の日を別々に過ごせるよう話し合う

夫婦が一緒にいるだけでストレスを感じるならば、特定の日(たとえば日曜日)を夫婦それぞれが自由に過ごせる日として決めるなどもよいでしょう。

夫婦の一方から干渉されずに、自分の趣味やレジャーに没頭する時間をつくれば、ストレスや不満はある程度解消されます。

適度にガス抜きができるなら、夫婦関係の悪化を防ぐ効果もあるでしょう。

子どもの未来を考える

夫婦の不満だけで離婚を安易に決めず、離婚が子どもに及ぼす影響をよく検討します。

子どもが小さいうちに夫婦が離婚すれば、養育費や面会交流の内容等に注目が行きがちですが、子どもが次のような不利益を被る可能性にも配慮が必要です。

  • 学校でいじめに遭う
  • 引越しによる環境の変化で体調不良となる
  • 経済的に困窮してしまう
  • 精神的に不安定となり、引きこもりや家庭内暴力をふるうようになる

経済的な面は元配偶者からの養育費の受け取りや、親権者側の収入で何とか賄えます。

しかし、子どもが小学校や中学校に通っている場合は、離婚のうわさが広まり、いじめの被害者になるおそれがあります。

子どもが精神的に追いつめられる事態を危惧するならば、離婚の猶予期間を設けるのも良い方法です。

たとえば、子どもが高校を卒業したときに離婚する、または子どもが社会人になったら離婚する、と夫婦間で取り決めます。

子どもが自立する頃には、親が離婚しても深刻な影響はほとんどありません。

離婚の危機に直面したらすべきこと

離婚の危機に直面し、離婚こそ夫婦の問題を解決する最善の方法と判断したなら、次のような準備を進めていきましょう。

離婚理由の明確化

離婚の理由が配偶者からのDVやモラハラ、不倫によるものなら離婚原因は明白で、第三者であっても深刻な事態であるとわかります。

しかし、夫婦のどちらかが離婚原因をつくったわけではなく、「性格の不一致」等で離婚を決めた場合、離婚を切り出された方は到底納得しないことでしょう。

そのため、たとえば性格の不一致で離婚したいならば、その原因でどのような問題が起きているのか(例:自分がうつ病になった等)を、明確に説明する必要があります。

証拠集め

離婚の危機をつくった原因が配偶者にあるのなら、その証拠を収集していきます。

各ケースに応じ、次のようなものが強力な証拠となります。

  • DV:暴力を受けたときの画像や動画、あざや傷の画像、医師の診断書等
  • モラハラ:配偶者の暴言を録音したテープ等
  • 不倫:配偶者と浮気相手がラブホテル等に出入りする画像や動画等

特に不倫を原因とした裁判離婚では、配偶者と浮気相手との性行為の事実の有無が問われます。性行為中の画像や動画があれば、動かしがたい証拠です。

確実な証拠とまでは言えなくとも、浮気相手と性行為をしたと十分推認できる証拠(ラブホテル等に出入りする画像や動画)があれば、有利に離婚の手続きを進められます。

離婚後の生活イメージ

離婚後に自分の生活がどうなるのか、よく考慮しておく必要があります。

次のような点を慎重に把握し、財産分与や慰謝料、養育費の請求額を決めていきます。

  • 子どもがいるならば、生活費はもちろん教育費用をどうするか
  • 離婚後は実家に戻るか、それともアパートやマンションを借りるのか
  • 現在、専業主婦やパート勤務ならば就職活動の必要性
  • 地方自治体の公的助成(例:児童手当、児童扶養手当等)の利用

専門弁護士への相談

離婚を決意した場合は、いきなり配偶者へ離婚を切り出さずに、まず離婚問題に詳しい弁護士に相談をしましょう。

弁護士はどのような理由で離婚を決意したのかについて聴き取り、そのうえで離婚手続きのプロセスや、有利な離婚の進め方についてアドバイスします。

相談後、弁護士に依頼をすれば、自分の代理人として配偶者との交渉も可能です。

すでに別居している状態なら、弁護士に交渉を任せられるので、配偶者とあまり顔を合わせずに済みます。

まとめ

今回は多くの民事事件に携わってきた専門弁護士が、離婚の危機に直面し夫婦関係を修復する方法、離婚で夫婦問題の解決を図る方法等について詳しく解説しました。

配偶者の行動から離婚の危機を感じ取ったら、関係修復を図るべきか、離婚の手続きを進めるべきか、慎重に検討する必要があります。

夫婦の関係修復か離婚かで悩んだら、まず弁護士に相談し、今後の対応を話し合ってみてはいかがでしょうか。

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