資金調達を弁護士に相談するメリットは?概要や選び方を解説
最終更新日: 2024年01月31日
- 起業したいが、資金調達に苦慮している。頼りになる相談先はないものだろうか?
- 資金調達の手続きは思った以上に煩雑だ。詳しい人からサポートしてもらいたい。
- 資金調達のサポートを弁護士に依頼したら、どのような対応を行うのだろう?
企業を新たに創業したい、事業の拡大を行いたいという場合、そのための資金調達は経営者の大きな課題です。
そう簡単に資金が集められるわけではなく、銀行融資や投資家からの資金調達には、説得力のある事業計画や信用情報が求められます。交渉や契約書の作成等、様々な手続きも必要です。
そのため、経営者だけで対応するよりも、資金調達に関する専門家のサポートを受ければ、十分な資金を得られる可能性が高くなるでしょう。
そこで今回は、多くの企業の資金調達に携わってきた専門弁護士が、資金調達の種類や、弁護士が資金調達に果たす役割等を詳しく解説します。
本記事のポイントは以下です。お悩みの方は詳細を弁護士と無料相談することが可能です。
- 資金調達方法として出資と融資が想定されるものの、いずれも一筋縄ではいかない方法である
- 資金調達のサポートを弁護士に依頼すれば、投資家等との円滑な交渉や、不利な契約の回避に全力を尽くす
- サポートを希望するなら、企業の資金調達に豊富な実績を持つ弁護士へ依頼する
資金調達を弁護士が解説
企業の資金調達として、以前から投資家からの出資、銀行の融資で対応する方法はありました。
現在ではクラウドファンディングや、ベンチャーキャピタル、ファクタリング等、様々な資金調達方法が登場しています。
自社のニーズや現状に合わせ、柔軟に資金調達方法の選択が可能です。
しかし、各資金調達方法には利点もあれば、無視できないリスクも存在します。それらを把握しながら慎重に手続きを進めなければいけません。
資金調達の種類を弁護士が紹介
資金調達方法には、大きく分けて出資と融資の2種類があります。
こちらでは、それぞれの方法の手順や注意点について説明しましょう。
出資
出資とは、投資家(出資者)に企業の資金を投資してもらう方法です。
資金調達の手順は次の通りです。
- 1.企業の価値の向上:投資家に、将来性があり利益が見込める企業と評価してもらう
- 2.投資家と接触する:ビジネスコンペの応募や、他の経営者からの紹介で投資家と会う
- 3.投資契約を締結:出資に応じた投資家との間で契約を締結
投資契約の締結時に、投資を実行するときの条件等が決められます。その場合、本契約が過度に投資家へ有利な条件とならないよう注意しましょう。
たとえば、出資した投資家の保有株式が過半数以上ならば、重要な経営判断を下す場合、投資家の同意が必要となるので、自社の自由な経営ができなくなるおそれもあります。
そのため、契約のときは株式の過半数以上を経営陣が保有できる条件かどうかについて確認します(なお、株式3分の2以上を確保できることが理想的)。
融資
融資とは金融機関等からお金を借りる方法です。
資金調達の手順は次の通りです。
- 1.金融機関等と融資の相談・申込:銀行等と融資金額・返済方法等を話し合い、融資申込
- 2.金融機関等の面談・審査:銀行等は企業の事業内容を調査し、融資すべきかを判断する
- 3.融資実行:銀行等の審査に通ったら融資開始
申込みのとき、申込書類はもちろん見積書、事業計画書等の多くの書類を提出しなければいけません。
また、融資の使用目的・融資の制度内容に応じ必要な書類は異なり、複雑な手続きとなる点に注意が必要です。
資金調達を弁護士に相談するメリット
資金調達のときは、過度に投資家が有利な投資条件とならないよう、また、金融機関等から融資を受けるときはスムーズに手続きが進められるよう、弁護士に相談しアドバイスを受けましょう。
こちらでは、弁護士に相談・依頼するメリットを取り上げます。
法的なアドバイス
経営者や自社だけで判断が難しいならば、弁護士からアドバイスを受けながら、資金調達の手続きを進めていきましょう。
投資家と締結する投資契約内容の確認はもちろん、事業計画の作成にも、会社法や税法、証券取引法等の法律に関する知識が必要です。
契約内容で不利にならないか、事業計画が企業の現状に見合った内容か、問題を発見したら弁護士が指摘し、改善策を提案します。
スムーズな交渉
弁護士に契約のサポートを依頼すれば、柔軟かつスムーズな交渉が可能です。
投資契約締結の交渉において、投資家が不利な条件ばかりを主張してくる可能性があります。
しかし、自社が不利な条件に納得がいかないと投資家に反論すると、相手方との交渉が決裂するおそれもあるでしょう。
弁護士は、どこまでなら不利な条件でも譲歩が可能かをヒアリングし、受け入れるべき条件と変更が必要な条件を見極めます。
そのうえで変更の要求をするとき、投資家側も納得する可能性が高い調整案を提示します。
不利な契約回避
弁護士は出資に応じた投資家の意図を見極め、会社が乗っ取られるリスクを未然に防げるよう助言します。
規模や将来性の大小にかかわらず、どのような企業でも、投資家選びは慎重に行わなければいけません。
投資家と結んだ投資契約が大きな障害となり、自社の自由な意思決定ができずに、事業の発展を妨げる結果となる場合もあります。
投資契約を締結すれば、単に出資を受けるだけでなく、経営について投資家から口出しされるリスクを伴うのです。
弁護士にサポートを依頼すれば、投資家の主張する契約条件を慎重に判断し、その内容によっては契約の回避を進言します。
契約書のチェック
契約前から弁護士に相談・依頼すれば、弁護士は企業にとって不利な契約内容を見抜き、条件の修正を図るよう助言します。
出資に関する契約書を取り交わした場合、契約内容によっては投資家が会社法上の株主よりも、強力な権利を得られる可能性があります。
強力な権利を得た投資家が、出資した企業を意のままに動かそうとすれば、企業側との利害が衝突する事態となるでしょう。
特に、起業しようとする人や経営者になりたての人の多くは、契約書に関する知識がほとんどなく、自社にとって不利な内容を見抜けないケースも珍しくありません。
弁護士にサポートを求めれば、不利な契約書かどうかのチェックが可能です。
資金調達に強い弁護士の選び方
資金調達のサポートを依頼する場合は、弁護士であれば誰でもよいわけではありません。
こちらでは、資金調達に強い弁護士の選任方法を紹介します。
幅広い実務経験
企業の資金調達のサポートを多く経験してきた弁護士に相談しましょう。
ただし、資金調達に詳しい弁護士が誰かわからない、紹介してもらえないという場合もあります。
そのようなときは法律事務所のホームページを確認してください。
たとえば、ホームページに「資金調達の相談実績〇〇件」「投資・融資契約成立実績〇〇件」等と、具体的な数字が掲載されていれば、資金調達の実務経験豊かな弁護士と言えます。
法律とファイナンスと知識が豊富
金融に関する法律はもちろん、投資に詳しい弁護士へアドバイスを求めましょう。
たとえば、法律事務所のホームページ内で資金調達の相談事例・コラムが豊富に掲載されているなら、金融等の知識に詳しい弁護士と判断できます。
なお、資金調達に関するコメンテーターとしてマスメディアから取り上げられている弁護士、資金調達に関連する書籍を著作している弁護士も同様です。
親身な対応
相談者の悩みに親身な対応を行う弁護士を選びましょう。
資金調達に関する知識や経験ばかりあっても、丁寧に相談者の話を聴き、状況に合わせた的確なアドバイスができなければ、自社に不利な資金調達となる可能性もあります。
親身な対応を行う弁護士か否かは、実際に相談してみなければわかりません。
弁護士が誠実な人かどうかを知る上でも、事務所を訪問し、自社の現状や対策について話し合ってみましょう。
「この人なら資金調達のサポートを依頼しても安心だ。」と判断できたら、契約を締結します。
なお、法律事務所の中には初回相談無料の事務所もあります。無料相談に応じる法律事務所なら、気軽に弁護士が誠実な人かどうかを確認できます。
資金調達なら当事務所の弁護士にご相談を
今回は、企業の資金調達に深い知識を持つ専門弁護士が、資金調達に弁護士が果たす役割等を詳しく解説しました。
資金調達の方法によっては、企業側がかなり不利になる可能性も想定されます。そのため、弁護士のアドバイスをもとに、慎重に契約や手続きを行っていきましょう。
弁護士の助力を受けながら、円滑に資金調達を進めてみてはいかがでしょうか。
※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。