マッチングアプリで不同意性交等罪を疑われたら? 「合意だった」と主張するための証拠と対応のポイント

最終更新日: 2025年12月18日

「マッチングアプリで知り合った女性とホテルに行ったが、後日警察から連絡が来た」

「合意の上だったはずなのに、無理やりされたと言われている」

近年、マッチングアプリやSNSを通じた出会いにおいて、不同意性交等罪(旧:強制性交等罪・準強制性交等罪)の容疑をかけられるトラブルが急増しています。

当事者としては同意があったと認識していても、後から被害届が提出されれば、警察が事実関係の確認を始めることになります。

状況によっては、身柄拘束や周囲への影響が生じる可能性も否定できません。

ただし、アプリ特有のメッセージ履歴や事後のやり取りが、当時の関係性や同意の有無を示す重要な資料になることもあります。

この記事では、弁護士の視点から、「合意があったこと」を示すために確認すべき証拠や、警察から連絡が来た際の対応について解説します。

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この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
宅地建物取引士

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マッチングアプリ・SNSでの不同意性交トラブルが増えている理由

2023年の刑法改正により「不同意性交等罪」が新設され、性犯罪の成立範囲が明確化されました。これに伴い、以下のようなケースでトラブルになる事例が増えています。

  • 初対面での性行為: アプリで出会ってその日のうちにホテルに行った場合。
  • お酒の席でのトラブル: 「酔っていて判断できなかった(同意していなかった)」と主張されるケース。
  • 断りきれない雰囲気: 暴行や脅迫がなくても、「地位や関係性を利用された」「恐怖で断れなかった」とされるケース。

アプリでの出会いは、共通の知人がおらず関係性が希薄なため、一度トラブルになると当事者間での話し合いが難しく、すぐに警察沙汰になりやすい特徴があります。

「合意だった」と主張するために重要となるLINE・DM履歴

警察や検察は、被害者の供述だけでなく客観的な証拠を重視します。密室での出来事は「言った言わない」になりがちですが、アプリやLINEのメッセージ履歴は、当時の関係性を示す参考資料となることがあります。

会う前のメッセージ

「今度〇〇に行きたいです」「会えるのが楽しみ」といった相手からの積極的なメッセージは、好意や会うことへの同意があったことを推認させる要素になります。

ホテルへ行く前後のやり取り

「この後どうする?」「休憩していく?」といった会話のやり取りや、ホテルに入る前の自然な会話のログは重要です。

事後のお礼メッセージ

行為があった翌日などに、以下のようなやり取りがあれば、合意があった(=被害感情がなかった)ことの強力な裏付けになります。

  • 「昨日は楽しかったね」
  • 「また会いたい」
  • 「次は〇〇に行こう」

逆に、直後に相手から「昨日は嫌だった」「傷ついた」というメッセージが来ている場合は、事態が深刻化している可能性が高いです。

絶対にやってはいけない3つのこと

警察から連絡が来た、あるいは相手から「警察に行く」と言われた際、焦って以下のような行動をとると、逮捕のリスクが高まります。

LINEやアプリのアカウントを削除する(証拠隠滅)

「怖いから」といってトーク履歴を消したり、アプリを退会したりしないでください。 これは「証拠隠滅」とみなされ、逮捕の決定的な理由になります。また、あなたを守るはずの「合意の証拠」を自ら捨ててしまうことになります。

相手に執拗に連絡する・脅す(罪証隠滅・脅迫)

「なんで警察に行ったんだ」「嘘をつくな」と相手に詰め寄るのは厳禁です。口裏合わせを迫った(罪証隠滅)と判断されたり、脅迫罪が追加されたりする恐れがあります。

準備なしで取調べに応じる

準備なしに取調べを受けると、誘導に乗せられて「相手が嫌がっていたかもしれない」といった曖昧な供述をしてしまい、それが「自白」として調書に取られる危険があります。一度作成された調書を覆すのは極めて困難です。

逮捕を回避し、不起訴を目指すための弁護活動

マッチングアプリでのトラブルにおいて、弁護士は主に以下の活動を行います。

証拠の精査と意見書の提出

あなたのスマートフォンに残っているメッセージ履歴や、当時の状況(ホテルの入退室状況、防犯カメラの映像確保の要請など)を精査します。それらを元に「合意に基づく行為であった」という法的な意見書を作成し、警察・検察に提出します。

これにより、「嫌疑不十分(犯罪の証明ができない)」による不起訴処分を目指します。

示談交渉による解決

もし、あなたに多少の落ち度がある場合や、リスクを最小限にして早期解決を図りたい場合は、被害者との示談交渉を行います。 被害者の連絡先を知らない場合でも、弁護士限りであれば教えてもらえるケースが大半です。示談が成立し、被害届が取り下げられれば、不起訴(前科がつかない)となる可能性が極めて高くなります。

会社・家族への対応(在宅事件化)

逮捕の必要性がないこと(逃亡や証拠隠滅の恐れがないこと)を警察に主張し、逮捕されずに捜査が進む「在宅事件」への切り替えを求めます。これにより、会社や学校に通いながら事件の解決を目指すことができ、周囲にバレるリスクを最小限に抑えられます。

よくある質問(FAQ)

Q. アプリを既に退会してしまいましたが、復元できますか?

アプリの仕様によりますが、完全に削除されたデータは復元が難しい場合が多いです。しかし、スマホ内に残っているスクリーンショットや、同期していた別端末のデータなどが使える可能性があります。諦めずに弁護士にご相談ください。

Q. 相手が年齢を偽っていました(実は未成年)

アプリ等で相手が「20歳」と称していたのに実際は16歳未満だった場合、不同意性交等罪だけでなく、青少年健全育成条例違反などが問題になる可能性があります。ただし、「真剣に成人だと思い込んでいた(過失がない)」ことを証明できれば、故意が否定されるケースもあります。。個別の事情によって判断が大きく異なるため、専門的な確認が必要です。

まとめ:不安な夜を過ごすより、まずは弁護士へ連絡を

マッチングアプリでの性犯罪トラブルは、初動のスピードが命です。 「やっていない」と信じていても、警察は被害者の供述から捜査を始めます。

逮捕されてからでは、取り返しがつかない不利益を被る可能性があります。 LINEの履歴が残っている今、そして警察への対応が決まっていない今こそが、解決への一番のチャンスです。

春田法律事務所は、刑事事件・性犯罪トラブルの解決実績が豊富にあります。 あなたのプライバシーを守り、日常生活を取り戻すために全力を尽くします。まずは無料相談で、今の状況をお話しください。

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