窃盗事件の退学処分について弁護士が徹底解説!回避方法・見極めポイントを詳しく紹介

最終更新日: 2022年07月12日

窃盗事件の退学処分について弁護士が徹底解説!回避方法・見極めポイントを詳しく紹介

  • まだ学生の子どもが窃盗事件起こしてしまった
  • 窃盗事件を起こすと学校は退学処分になるのか
  • 退学を回避できる方法があれば知りたい

まだ学生の我が子が窃盗事件を起こしたとき、逮捕されてしまうのか・高校や大学、専門学校などの学校を退学になってしまうのかなど親として不安や心配にかられます。

被害者との示談交渉も含めて、退学処分を回避するための対応を弁護士に依頼したいと考えている方も多いでしょう。実際に、学生の窃盗事件にたくさん関わってきている弁護士には相談しやすく、交渉・サポート力に期待ができます。

学生の窃盗事件は決して少なくありません。令和2年の刑法犯に関する統計資料を見ると、令和2年における万引き検挙件数の中で14~19歳の件数は4,164件にもなります。以前と比べるとそれでも数は減少しつつあるといえますが、それでも数が多いことには変わりありません。そのため窃盗の少年事件に強い弁護士もたくさんいます。

そこで今回は、窃盗事件と退学の関係を解説し、窃盗事件を起こした後の流れ、退学処分を回避する方法や、適切な依頼先の選び方を解説します。

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この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設

詳しくはこちら

窃盗事件と退学の関係を弁護士が解説

まずは、窃盗事件と退学の関係性を以下の観点から解説します。

  • 学生が起こしやすい窃盗事件とは
  • 窃盗事件は前科がつくのか
  • 窃盗事件を起こすと必ず退学処分になるのか

1つずつ見ていきましょう。

学生が起こしやすい窃盗事件とは

高校生や大学生など、未成年者が起こしやすい窃盗事件の内容としては、主に以下のようなものが挙げられます。

  • 万引き
  • 自転車やバイクの窃盗
  • 置き引き

「友達がやっていたから」「お菓子くらいならバレないと思った」「レアカードが欲しかった」などの動機・理由で、万引きをしてしまう未成年者は少なくありません。万引きというと軽いものとしてとらえてしまう方も多いのですが、万引きも窃盗罪にあたるため、未成年者であっても逮捕される可能性があります。

また、自転車やバイクの窃盗も学生が加害者としてかかわるケースが少なくありません。他にも、友人や知人の財布から現金やキャッシュカードなどを抜きとることも、当然ながら窃盗に含まれます。これも万引きや自転車の窃盗と同様に、気軽にできてしまうからこそ、軽い気持ちで行ってしまう学生が非常に多いのです。

これらの窃盗事件は、成人事件と同じく刑法235条の窃盗罪にあたります。そのため高校生や大学生などの未成年者であっても、必要があると判断されれば逮捕される可能性は十分にあります。

しかし、未成年者の場合は少年法に基づき、逮捕後は成人と違う流れで処分が決まっていきます。未成年者が窃盗事件で逮捕された場合、最終的には家庭裁判所の行う少年審判によって処分が決まる仕組みです。

窃盗事件は前科がつくのか?

窃盗事件は前科が付くのでしょうか?

窃盗事件では有罪判決を受けなければ、逮捕されたとしても前科はつきません。これは成年事件に限ります。少年事件に関しては少年法の目的である更生にそぐわないという観点から、前科がつくことはありません。ただし、成年事件・少年事件のいずれにしても「前歴」として残ることになります。

学生であっても成年に達していれば成年事件として扱われ、刑事裁判で有罪判決が下った場合には、前科がつくことになります。

窃盗事件を起こすと必ず退学処分になるのか?

窃盗事件を起こしたとき、退学処分になるかどうかは学校側の規定によります。校則に基づき判断をして、退学処分を言い渡す場合もあれば厳重注意で済む場合もあります。中高生の場合は、公立なのか私立なのかで判断基準が異なる傾向があります。

しかしいずれにしても、少年院や児童自立支援施設に入ることになれば、通常の学生と同じように学校に通うことはできません。したがって少年院送致などの処分が決まった場合は、中退を余儀なくされる可能性が考えられます。

その他の処分のときや途中で釈放されたときなどは、学校に相談のうえ、退学を回避するための対策を取ることが望ましいでしょう。本人が本気で窃盗行為を働いたことを反省し、そして更生に向けて真剣に取り組んでいることを示せれば、退学処分は免れられる可能性があります。

窃盗事件後の流れと退学回避方法を弁護士が解説

ではここからは、窃盗事件後の流れについて整理したうえで、退学を回避するための方法を見ていきます。

未成年が窃盗事件を起こした場合は、家庭裁判所で少年審判を受けるという流れになりますが、同じ学生でも14歳未満のときは、刑法上の犯罪にはならないため窃盗を働いても逮捕されることはないのが特徴です。

まずは、未成年のうち少年事件(14歳~19歳)の場合と、成年事件の場合、それぞれの流れを解説していきます。

【成年事件】検察庁へ送られ起訴・不起訴の処遇を待つ

20歳以上の学生を含む成年事件の場合は、逮捕後に検察庁に送致される流れになります。そして検察によって勾留が検討され、実際に勾留が決まれば、10日間は自宅に帰ることができず、取り調べを受けることになります。

このためこの期間中は、主に家族や代理人が動いて示談交渉などを行うのが特徴です。本人は、直接被害者や学校に対して働きかけを行うことはできません。

このとき弁護士に相談して弁護活動を依頼すれば、捜査機関の動きを効率的につかむことができます。刑事処分がどうなるのかの見通しもつきやすくなります。

また、本人が動けない間に大学に対して働きかけることも可能です。少しでも処分を軽いものにしてもらえるように交渉することで、退学処分を回避できる可能性が生まれます。

【少年事件】家庭裁判所へ送られ観護措置や少年審判の必要性を検討

20歳未満の大学生や高校生・中学生の窃盗事件は、少年事件に該当するため少年法に基づき処分が決まります。そのため家庭裁判所に送致されるのが特徴です。

そして家庭裁判所に送致された後は、24時間以内に観察措置の必要性が検討されます。これは本人との面談によって判断され、観護措置が取られる場合は少年鑑別所へ送致されますが、中には在宅観護になる場合もあります。

その後、少年審判の必要があると判断されれば、審判を受けて最終的な処分が決定されます。処分には主に4つのパターンがあります。

  • 保護処分(保護観察処分や少年院送致)
  • 検察官送致(刑事裁判へ)
  • 都道府県知事または児童相談所長送致(処分を知事や児相所長にゆだねる)
  • 不処分

このように少年事件の場合は、検察官送致、刑事裁判、有罪判決という流れにならない限りは、刑罰・前科は免れられますが、学校で退学になるかどうかは学校の判断・交渉次第となります。

学校への最終報告と退学回避の交渉

最終的な処分が決まれば、学校へ最終報告をします。このとき弁護士に交渉や本人の更生の意思の訴えかけを行うことで、退学回避の可能性は高まります。

弁護士に依頼することで必ず退学にならなくて済む、と断言できるわけではありませんが、やはり経験値の高い弁護士が対応する必要があります。

過去に学生の窃盗事件を多く取り扱ってきている弁護士であれば、経験と知見が備わっており、培ってきたノウハウを活かして、効果的な交渉を行なってくれることに期待ができ、依頼者にむけても退学回避に向けた適切なアドバイスが可能です。

窃盗事件で退学回避に強い弁護士の見極めポイント

学生の窃盗事件での退学回避に力を入れてくれる弁護士の見極めポイントは以下の3つです。

  • 依頼開始直後から、弁護活動を開始してくれる
  • コミュニケーションをこまめにとってくれる
  • 決して諦めない情熱で解決へのリードをしてくれる

1つずつ見ていきましょう、

依頼開始直後から、弁護活動を開始してくれる

1つ目は、依頼開始直後から、弁護活動を開始してくれることです。

弁護士の弁護活動は、契約締結直後から行うことが可能です。つまり弁護士事務所を訪れて契約書を交わし、正式に依頼が決定すれば、その直後から弁護士には動いてもらうことができます。

退学処分を免れるために動いてもらうには、少しでも迅速な対応をしてもらうことは欠かせないでしょう。即日接見してくれるなど、スピーディーな対応をモットーとしている弁護士であれば信頼して依頼することができます。

コミュニケーションをこまめにとってくれる

2つ目は、コミュニケーションをこまめにとってくれることです。

本人や家族に代わって、警察や検察などの諸機関への連絡、また本人との連絡が取れない間は本人と家族のかけ橋になれるのも弁護士です。

このような場合のコミュニケーション手段として、弁護士の携帯電話の番号を教えてもらえることは大きなポイントと言えます。少しの不安であっても、事務所に電話をかけて取り次いでもらうよりは、すぐに担当の弁護士とつながるホットラインがあるほうが、より安心です。

自分の子どもが窃盗で逮捕されれば家族も大変な不安を抱えることになります。進捗報告と今後の見込みをこまめに教えてくれる弁護士なら、自然と不安も軽減されます。

また、学生の窃盗事件の対応に慣れている弁護士は、謝罪文や反省文の書き方についても細かい指導を行ってくれるのがポイントです。どうすれば学校側を説得できるのか、より具体的な方法を示してくれます。

決して諦めない情熱で解決へのリードをしてくれる

3つ目は、決して諦めない情熱で解決へのリードをしてくれることです。

本人や家族にとってよりよい解決へリードしてくれる弁護士というのは、経験値が豊かで、その経験からの知見を得ている弁護士と言えます。そのような弁護士であれば、最後まであきらめず、処分を少しでも軽くするための動きが期待できます。

また、退学回避の可能性も高まります。学校側にも本人の更生を軸とした説得の熱量は伝わりやすいため、学校側としても納得しやすくなると言えます。

まとめ

今回は、窃盗事件と退学の関係を解説し、窃盗事件を起こした後の流れや、退学処分を回避する方法、適切な依頼先の選び方を解説しました。

学生が窃盗事件を起こしてしまったときには、退学処分回避のためにも早めに交渉や説得に向けて動くなど、迅速な対応が求められます。そのためには、本記事にあるようなポイントで弁護活動をしている弁護士をいち早く見つけることが大切です。

学生の窃盗事件に多くかかわってきている弁護士なら、退学処分回避のための交渉術を持っていますし、その他の示談交渉などにも迅速に対応してくれます。対応の早さや説明のわかりやすさ、そして実績などをよくチェックし、安心して依頼できる弁護士を見つけてください。

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