別居後の不貞行為はどう扱われる?悩んだらすべきことを解説

最終更新日: 2024年01月27日

別居後の不貞行為はどう扱われる?悩んだらすべきことを解説

  • 配偶者と別居したが、どうやら配偶者はそれをよいことに浮気しているようだ
  • 別居後の不貞行為について、慰謝料請求できるだろうか?
  • 別居後の不貞行為の証拠と認められるのはどのようなものか?

配偶者が浮気相手と不貞行為をしていた場合、離婚の訴えを提起できますし、慰謝料請求も可能です。

ただし、別居後に婚姻関係が破綻しているのか、それとも破綻していないかで、配偶者に不貞行為の責任を問えるかどうかが変わってきます。

そこで今回は、多くの民事事件に携わってきた専門弁護士が、別居後の不貞行為の扱い、不貞行為の証拠集めや対応策について詳しく解説します。

本記事のポイントは以下です。お悩みの方は詳細を弁護士と無料相談することが可能です。

  • 別居後の不貞行為でも婚姻関係は破綻していないと判断されたときは、離婚の訴えを提起でき、慰謝料請求も可能
  • 配偶者と浮気相手の性行為に関する画像・動画があれば、不貞行為の確実な証拠となる
  • 自分で確実な証拠を得るのが難しい場合は、専門家に調査を頼む

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この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設

詳しくはこちら

別居後の不貞行為の扱い

夫婦の一方が別居した機会を利用し、浮気相手と不貞行為を行うケースもあります。

こちらでは、別居後の配偶者の不貞行為がどのように扱われるのかについて解説します。

婚姻関係が破綻していない場合

夫婦が別居していても、婚姻関係が破綻しているとは一概には言えません。

  • 別居が短期間である(別居して何年も経っていない)
  • 別居はしているが、離婚するか関係修復を図るか話し合い中である

という場合、婚姻関係はいまだ破綻していない、と裁判所から判断される可能性が高いです。

このようなケースでは夫婦の一方が別居した機会を利用して不貞行為を行った場合、離婚原因として認められ慰謝料請求もできます。

婚姻関係が破綻している場合

別居し何年も経っているときは婚姻関係がすでに破綻しているとみなされ、配偶者の不貞行為について責任を追及できない可能性が高いです。

裁判離婚のときは、別居して数年経つと裁判所から夫婦関係は修復困難と判断される傾向があります。

つまり、別居は裁判で離婚を勝ち取るための有力な方法の1つですが、同時に配偶者の不貞行為を理由とした慰謝料請求が困難となる場合もあるのです。

別居後の不貞行為の特徴

別居して夫婦が互いに距離をおけば、同居していがみ合う事態もなくなり、離婚か関係修復かを冷静に判断できます。

ただし、別居すると配偶者の行動がほとんどわからなくなり、配偶者が不貞行為をしていても、その証拠をなかなか得られないかもしれません。

こちらでは、別居後に配偶者の不貞行為を主張する難しさと、とるべき対応について解説しましょう。

立証が難しい

配偶者が不貞行為をしているのでは?と疑いを持つのは、配偶者が利用しているLINEやメールから、見知らぬ相手と親しげにやり取りしている内容を確認したときでしょう。

また、背広のポケットからラブホテルのスタンプカードを見つけた場合、浮気相手と不貞行為をしていると確信できます。

しかし、別居していると配偶者のスマートフォンはもちろん、その所持品すら確認できません。

配偶者がどこで何をしているのかもわかり難くなり、自分だけで浮気現場を押さえるのはまず不可能でしょう。

法的評価が必要

配偶者の行動が、不貞行為に当たるかどうかが問題となります。

たとえば次のような事実を立証できれば、不貞行為に該当する可能性が高いです。

  • 別居前から浮気相手と不貞行為が行われていた
  • 別居後しばらく経ってから、出会い系サイト等の利用で不貞行為を始めた 等

ただし、仮に慰謝料が発生する場合でも、損害額の評価が問題となります。

説得力のある慰謝料請求でなければ、不貞行為をした配偶者はなかなか納得しないでしょう。

このような法的判断をする場合、離婚問題に詳しい弁護士のサポートを受ける必要があります。

別居後の不貞行為を証明するには

別居した後の不貞行為の証拠集めは非常に困難ですが、慰謝料請求を行う場合は次のような証拠が必要となります。

メール・SNS

配偶者と浮気相手とのLINE、メール、SNS等のやり取りは証拠となる可能性があります。

たとえば、次のような内容が明記されていれば、不貞行為をしているとわかります。

  • 配偶者と浮気相手が浮気する場所を話し合っている
  • 浮気相手との性行為に関する内容が記されている
  • 「妻(夫)が別居してくれたおかげで、今度は堂々と会える」というメッセージを浮気相手に送っている 等

ただし、別居をしてしまうと配偶者の所有するパソコンやスマートフォンで、LINE、メール等のやり取りをチェックするのが極めて困難となります。

写真

配偶者と浮気相手との性行為の写真があれば、不貞行為を行った動かし難い証拠となります。

性交中の写真撮影は極めて困難な作業ですが、撮影ができなくとも、ラブホテル等に配偶者と浮気相手が入退出するところを撮影できれば、浮気相手との性行為を強く推認できます。

たとえば別居したことで配偶者が油断し、浮気相手を自宅に招き入れる鮮明な写真が何回か撮影できれば、有力な不貞行為の証拠と認められる可能性があります。

音声データ

別居後、配偶者が浮気相手との不貞行為を自白した音声データも、有力な証拠となります。

ただし、別居すれば配偶者がまともに会ってくれない可能性もあり、まずは不貞行為の画像や動画をしっかり集めてから、配偶者に問いただした方がよいでしょう。

動画データ

写真と同様に配偶者と浮気相手との性行為中の動画撮影、またはラブホテル等に配偶者と浮気相手が入退出するところを動画撮影できれば、確実な証拠となります。

写真や動画撮影の場合も、浮気現場に張り込んだり、配偶者を尾行したりする必要があります。

ただし、そのときに、配偶者や浮気相手に発見されてしまうと、深刻なトラブルに発展する可能性があるので注意しましょう。

別居後の不貞行為で悩んだらすべきこと

別居後、配偶者の不審な行動を疑っているのなら、無理に自分で何とかしようとせず、専門家に相談してみましょう。

こちらでは、調査会社および弁護士を利用した対応方法について説明します。

調査会社への依頼

浮気調査を専門に扱う探偵事務所等へ依頼し、不貞行為の証拠を集めてもらいます。

経験豊富な探偵ならば、不貞行為の鮮明な証拠写真・動画の撮影に成功する可能性が高いです。

配偶者は浮気をしているという自覚があるので、浮気相手と性交渉を行うときは、家族や友人、同僚に見つからないか神経を尖らせているかもしれません。

しかし、2〜3人のスタッフがチームとなって張り込み、配偶者を尾行するので、発見されるリスクを最小限に軽減できます。

このような調査で判明した結果は証拠写真・動画とともに、「調査報告書」としてまとめられ依頼者に提出されます。

調査報告書に記載される主な内容は次の通りです。

  • 配偶者等の行動記録:調査時間や配偶者・浮気相手の一連の行動を記載、分単位で添付画像を交え、状況を説明
  • 配偶者等の立ち寄った場所:配偶者・浮気相手が立ち寄った場所(例:ラブホテルや浮気相手の自宅、レストラン等)の所在地等を明記
  • 証拠写真、動画:配偶者と浮気相手の顔、不貞行為に関する行動もはっきりと撮影

調査報告書では、裁判のときに裁判官が着目する事実(浮気相手との性交渉の有無)もしっかりと押さえています。

探偵事務所等に頼めば、配偶者との離婚交渉・慰謝料請求の話し合いで有利となる他、裁判に進んだ場合は取得した調査報告書、写真、動画を提出すれば、有力な証拠となります。

弁護士への相談

別居時に配偶者が不貞行為をしていた場合、どのような対応をすべきかは弁護士と相談しましょう。

弁護士は自分で不貞行為の調査をするわけではありませんが、得られた事実を踏まえ、相談者にアドバイスします。また、探偵事務所と提携している法律事務所もあります。

自分が探偵事務所に調査を依頼して、調査後どうするかを相談したときに、弁護士を紹介してもらえることもあるでしょう。

弁護士を自分の代理人とすれば、配偶者との交渉や、調停、裁判まで任せられます。得られた証拠と、弁護士の的確な対応で、有利に離婚および慰謝料請求の手続きが進みます。

まとめ

今回は多くの民事事件に携わってきた専門弁護士が、別居後の不貞行為を実証する方法、専門家を利用する有効性等について詳しく解説しました。

別居後、配偶者の不貞行為の証拠を掴むのは非常に困難です。無理せず調査会社や弁護士のサポートを受けて対応していきましょう。

別居後の配偶者の不貞行為に悩んだときは、まずは弁護士と相談し、的確なアドバイスを受けましょう。

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