交通事故の後遺障害とは?等級認定の流れや慰謝料相場・認定されない時の対処法を解説
2026年03月13日

「治療を半年続けても、首の痛みやしびれが消えない…」
「保険会社から症状固定(治療打ち切り)と言われたが、この先の補償はどうなるの?」
交通事故でお怪我をされ、治療を続けても痛みや不調が残ってしまった場合、今後の生活や仕事への不安は大きいものです。
交通事故における最終的な賠償金(示談金)は、「後遺障害(こういしょうがい)」として認定されるかどうかで、数百万円以上変わることがあります。
しかし、単に「痛みが残っている」と主張するだけでは認定されず、正しい知識と手続きが必要です。
この記事では、交通事故の後遺障害認定に関する基礎知識から、等級別の慰謝料相場、そして「適切な認定を目指すためのポイント」まで、網羅的に解説します。
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交通事故の「後遺症」と「後遺障害」は違う?
一般的に使われる「後遺症」と、交通事故の賠償における「後遺障害」は、明確に異なります。
- 後遺症: 治療を尽くしても残ってしまった症状全般(医学的な概念)
- 後遺障害: 残ってしまった症状のうち、交通事故が原因であると医学的に認められ、自賠責保険が定める等級(1級〜14級)の条件を満たすと認定されたもの(法律・賠償上の概念)
どれほど辛い痛みが残っていても、専門機関(損害保険料率算出機構)による審査を通過し、「後遺障害等級」が認定されなければ、後遺障害に対する慰謝料や逸失利益(将来の収入減の補償)は支払われません。
後遺障害等級表(1級〜14級)の違いと慰謝料の相場
後遺障害は、症状の重さによって1級(最も重い)から14級(比較的軽いもの)までの等級に分けられています。認定された等級によって、受け取れる「後遺障害慰謝料」の金額が大きく変わります。
【代表的な等級と弁護士基準の慰謝料相場】
・第1級〜第2級(重い後遺障害):約2,370万〜2,800万円
・第12級(関節の機能障害など):約290万円
・第14級(むちうちの痛みやしびれなど):約110万円
※保険会社が提示する金額(任意保険基準)は、これより低くなることがあります。弁護士が介入し「弁護士基準」で請求することで、適正水準に近づけられる可能性があります。
等級の違いや慰謝料相場について、詳しくは以下の記事で解説しています。
後遺障害が認定される確率と、認定されない主な理由
後遺障害の認定審査は厳格に行われます。申請したからといって、必ず認められるわけではありません。
後遺障害が認定される確率の目安
損害保険料率算出機構の統計によると、後遺障害の申請をして実際に何らかの等級が認定される確率は、全体でわずか「5%前後」と言われています(むちうち等の神経症状では特に厳しい傾向があります)。
そのため、事前の準備や資料の整備が重要になります。
「非該当」になってしまう主な理由
・事故直後から定期的に整形外科へ通院していなかった
・画像所見(MRIなど)や神経学的検査が不足している
・「後遺障害診断書」の記載内容が不十分である
・事故が物損事故のまま処理されている
認定を左右する「後遺障害診断書」
後遺障害の審査は、原則として被害者との面談を行わず、提出された書類と画像(レントゲンやMRIなど)をもとに判断されます。
そのため、主治医に作成してもらう「後遺障害診断書」は非常に重要です。
医師は治療の専門家ですが、後遺障害認定の審査基準に必ずしも精通しているとは限りません。そのため、必要な検査結果や自覚症状が十分に反映されないこともあります。
診断書を作成してもらう前に、どの検査が必要か、どのような記載が求められるのかについて、弁護士などの専門家のアドバイスを受けることが有効です。
「非該当」でも見直しは可能 ― 異議申し立て
審査の結果、納得のいかない等級になった場合や「非該当」とされた場合でも、異議申し立てを行うことができます。
ただし、一度下された結果を覆すためには、「なぜ前回は認定されなかったのか」を正確に分析し、新たな医学的証拠(別の医師の意見書や追加の画像検査など)を提出しなければなりません。
異議申し立ては被害者個人で行うには非常にハードルが高いため、弁護士のサポートが不可欠です。
申請方法は「事前認定」と「被害者請求」
後遺障害の申請には、主に次の2つの方法があります。
① 事前認定(加害者側の保険会社に任せる方法):
手間はかかりませんが、保険会社は被害者に有利になるような証拠集めはしてくれないため、「非該当」になりやすいという大きなデメリットがあります。
②被害者請求(被害者自身で直接申請する方法):
被害者側で有利な医療記録や意見書を自由に添付できるため、認定率が上がります。
適切な後遺障害等級を獲得したい場合は、弁護士に依頼して「② 被害者請求」のルートで適切なサポートを受けながら申請を行うのがおすすめです。
後遺障害に関するよくある質問(FAQ)
Q. 物損事故のままですが、後遺障害を申請できますか?
原則として、後遺障害の申請や慰謝料請求は「人身事故」として扱われていることが前提です。物損事故のままでは手続きが進められない場合があります。早めに対応を検討することが重要です。
Q. 整骨院に通い続ければ認定されやすくなりますか?
後遺障害の審査では、整形外科医による診断や検査結果が重視されます。整骨院への通院だけでは十分と評価されない可能性があるため、医師の指示に従い、定期的に整形外科を受診することが大切です。
Q. 保険会社から「症状固定」と言われましたが従うべきですか?
症状固定の判断は、本来、主治医と患者が医学的見地から行うものです。保険会社の提案だけで決めるのではなく、主治医と十分に相談したうえで判断しましょう。
納得のいく後遺障害認定と慰謝料獲得は弁護士へ
後遺障害の問題は、交通事故の中でも特に専門性が高い分野です。
どのタイミングでどの検査を受けるか、どのような資料を整えるかによって、最終的な賠償額に差が生じることがあります。
「治療を続けているが症状が残っている」
「後遺障害診断書の作成を検討している」
「非該当の結果に納得できない」
このような場合は、早い段階で弁護士へ相談することが、適切な補償につながる可能性があります。
※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。
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