離婚で生活費はどうなるのか?支払われるケース・主な費用・すべきことを解説

最終更新日: 2023年10月11日

離婚で生活費はどうなるのか?支払われるケース・主な費用・すべきことを解説

  • 夫も離婚に前向きだけれど、離婚後の生活が困窮しないか不安だ
  • 離婚後にかかる生活費は、どのような費用があるのか?
  • 離婚後の生活費を請求しても、相手が応じない場合はどうすればよい?

夫婦が前向きに離婚を話し合うのはよいことですが、離婚後の生活費についても考慮しましょう。

特に夫婦の一方が専業主婦または主夫だった場合、離婚後の生活が困窮するリスクも想定されます。

離婚後の生活に困らないよう、金銭的な面もよく協議しておく必要があります。

そこで今回は、多くの民事事件に携わってきた専門弁護士が、離婚するときに検討しておくべき離婚後の生活費や、金銭的な協議の話合いがまとまらない場合の対応の仕方等について詳しく解説します。

本記事のポイントは以下です。お悩みの方は詳細を弁護士と無料相談することが可能です。

  • 離婚後の生活費は基本的には相手から支払われないが、協議で一定期間支払うという取り決めもできる
  • 離婚後にかかる生活費は、家賃や食費、日用品費、水道光熱費等様々ある
  • 金銭的な協議の話合いがこじれたときは弁護士に交渉を任せる方がよい

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この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設

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離婚で生活費はどうなるのか?

共働きの夫婦であれば、離婚してもその後の生活費の心配はそれほどないでしょう。

一方、どちらかが専業主婦または主夫だった場合、その人は離婚後の生活費に困るおそれがあります。すぐ就職活動を始めても、勤め先がすぐに見つからないことも多いでしょう。

そこで、こちらでは離婚後、配偶者の一方が生活費を支払うべきか否かについて解説します。

基本的に支払われない

婚姻中「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない」と民法に規定されています(民法第752条)。そのため、収入が少ない配偶者は、収入が多い配偶者に対して生活費の支払いを求めることができます。

一方、離婚すると夫婦ではなくなるので、基本的には生活費の支払い義務はありません。

ただし、離婚することにより、夫婦のどちらか一方が生活に困窮するリスクがある場合は、例外的に離婚後の生活費の支払いが認められることもあります。

出典:民法|e-GOV法令検索|法務省

扶養的財産分与

離婚後、夫婦の一方が生活に困窮してしまう場合や、離婚原因について収入の多い方の責任が大きい場合、財産分与の形で離婚後の生活費の支払いを取り決めることができます。これを「扶養的財産分与」と呼びます。

財産分与の方法は、双方が合意すれば、生活が困窮しそうな方へ多めに現金を一括で支払ってもよいですし、何年かに分けて支払ってもよいです。

ただし、扶養的財産分与は、離婚したときに当然に認められるわけではありません。基本的に夫婦間の話し合いで決める必要があります。

離婚後にかかる生活費

夫婦間で離婚後の生活費の支払いをどうするかについて話し合う前に、離婚後にどのような費用負担が必要となるのか、把握しておく必要があります。

こちらでは、離婚後に必要な生活費について解説します。

家賃

家賃(管理費を含む)は、離婚後、夫婦の一方がマンションやアパートを借りるときに、必要になる費用です。

家賃は、築年数や広さ、駅近かどうか、都心か地方か等でかなり差が出てきます。

財産分与に家賃を含めることができても、離婚後に就職するなどして自分で生計を立てられる状態となったときに、重い負担とならないよう高額な物件は避けた方が無難です。

ただし、離婚後に実家へ戻るのであれば、家賃を考慮する必要はありません。

食費・日用品費

食費や日用品費も必須の費用です。

家にある日用品は、配偶者の了承を得て、新たな住居に持ち込んでも構いません。

実家へ戻る場合は、食費や日用品費の負担はそれほど考慮する必要はないでしょう。

水道光熱費など固定費

マンションやアパートを借りた場合、水道光熱費等の負担にも注意が必要です。

今では必需品となっているパソコンのインターネット代やスマートフォン料金などの通信費用も考慮しておくべき固定費です。

医療費

入院または通院しているときは、医療費も考慮しておきましょう。

医療費は公的医療保険が適用され原則3割負担ですが、「高額療養費制度」も利用できます。この制度は、1か月ごとの自己負担限度額を超えたら、超えた分のお金が戻る仕組みです。

ただし、病気やケガで入院した場合に有料病室を利用すると全額自己負担(差額ベッド代)になる等、予想外に高額な医療費がかかる場合もあります。

協議するときは、これまでかかった医療費も参考にして生活費を適切に算定しましょう。

教育費

家を出る側が未成年の子どもの親権者となる場合、子どもの教育費も考慮しましょう。

子どもの教育費といっても、公立学校か私立学校かで授業料に大きな違いがあります。その他にも、部活動の費用、塾の費用等、様々な費用がかかります。

また、教育費は高校卒業まで支払うべきか、大学の進学費も含むのか等、子どもの人生にかかわるお金なので、夫婦で慎重に考える必要があるでしょう。

ただし、子どもの教育費のみを受け取りたいのであれば、財産分与ではなく「養育費」という形で支払っても構いません。

なお、養育費とは親権を持たない親が子どものために支払う費用です。

その他

その他に被服費や交通費、交際費、美容院代等があげられます。

ただし、これらの費用は常識的に必要な範囲で生活費として考慮しましょう。

自分の贅沢のために財産分与を利用しようとしても、相手からは明確に拒否される可能性が高いです。

離婚時に生活費以外で請求できる費用

離婚を話し合うときに、生活費の他にも請求可能な費用はいろいろあります。

こちらでは、生活費以外の財産分与、慰謝料、養育費について解説しましょう。

財産分与

婚姻中に購入したマイカーや家財道具等も財産分与の対象となり、請求が可能です。

なお、収入の多い方が実家に戻り、自分と子どもが現在住んでいる家で生活を継続する、という取り決めも有効です。

財産分与は夫婦の納得できる形で取り決めができるのであれば、自由に決めて構いません。

慰謝料

夫婦の一方が離婚の原因をつくったときは、他方から慰謝料の請求が可能です。

ただし、金額の面で揉めてしまい離婚協議で話がまとまらず、調停離婚や裁判離婚に進む場合もあるでしょう。

なお、裁判離婚で慰謝料を決めるときは、離婚の原因をつくった確実な証拠が求められます。

たとえば夫婦の一方の浮気が原因で離婚する場合に、浮気相手と不貞行為(肉体関係)を行った確実な証拠を示せなければ、十分な慰謝料を期待できない可能性が高いです。

養育費

養育費は、未成年の子どもが自立するまでの間、親権がない親が支払う費用です。

養育費の算定方法は裁判所が公表している「養育費・婚姻費用算定表」を利用しましょう。

たとえば、養育費を支払う側(夫)が給与所得者(年収600万円)で、受け取る側(妻、親権者)がパート店員(年収180万円)の場合、算定表を用いると養育費は次の通りです。

  • 子どもが1人の場合(15歳):毎月約7万1,000円
  • 子どもが2人の場合(4歳・6歳):毎月約8万6,000円

ただし、生活費を受け取らない代わりに、養育費を充実させたいという場合は、算定した費用にある程度金額を上乗せした方がよいでしょう。

出典:養育費・婚姻費用算定表 | 裁判所

離婚で生活費に悩んだらすべきこと

離婚には夫婦双方が合意しているものの、生活費の支払いで溝が埋まらない場合は、弁護士と相談してみましょう。

離婚問題に詳しい弁護士は、生活費の調整のコツや、話し合いで決まらない場合の対応の仕方を的確にアドバイスできます。

離婚問題に実績のある弁護士を選ぶときは、まず法律事務所のホームページを確認しましょう。

ホームページに離婚問題の相談実績・解決実績が明示されており、離婚に関する話題が数多く掲載されていれば、離婚問題の交渉や調停・裁判に経験豊かな弁護士とわかります。

まとめ

今回は多くの民事事件に携わってきた専門弁護士が、離婚するときに生活費は扶養的財産分与として支払われる可能性がある点、生活費以外の財産分与や慰謝料・養育費の請求も可能な点について詳しく解説しました。

離婚後の生活費をどうするかについては、夫婦の事情に合わせ、柔軟に話し合いましょう。

離婚するときに生活費をどうするか悩むときは、早く弁護士と相談し、アドバイスを受けましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。ご不明な点があるときやもっと詳しく知りたいときは、下にある「LINEで無料相談」のボタンを押していただき、メッセージをお送りください。弁護士が無料でご相談をお受けします。

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