誹謗中傷を弁護士が解説!相談するメリット・活動内容・費用も詳しく紹介
最終更新日: 2023年12月29日
- 契約しているプロバイダからいきなり「発信者情報開示請求に係る意見照会書」が届き困惑している
- 自分は確かにネット掲示板へ相手の悪口を投稿した、何とか穏便に済ませたい
- 誹謗中傷の加害行為で責任を問われた場合、弁護士はどのような対応をするのだろう?
インターネットの普及で、インターネット掲示板や口コミサイト等に意見を投稿できる機会が増えた反面、投稿内容が誹謗中傷に当たるとして、トラブルに発展するケースも目立っています。
誹謗中傷の投稿をしたつもりはない人も、誹謗中傷になるとわかって投稿した人も、穏便な解決を図るため、まずは弁護士に相談してみましょう。
そこで今回は、インターネットの法的トラブルに対応してきた専門弁護士が、弁護士に相談するメリット、依頼を受けた場合の対応方法等について詳しく解説します。
本記事のポイントは以下です。お悩みの方は詳細を弁護士と無料相談することが可能です。
- 弁護士をたてるならば、ネット掲示板やサイトの誹謗中傷問題に詳しい人を選ぶ
- 弁護士に依頼すれば、誹謗中傷をした加害者側に立ち、様々ななサポートを行う
- 弁護士は加害者の損失を最小限に抑えられるよう、示談交渉や賠償金減額の話し合いをする
誹謗中傷に強い弁護士の特徴
自分の投稿により誹謗中傷を受けたと主張する人が、発信者情報開示請求を行うと発信者である自分の情報(氏名・住所等)の開示を要求されたプロバイダから、「個人情報を開示してよいか?」という通知を受ける場合があります(発信者情報開示請求に係る意見照会書)。
そのようなときは慌てず、法律の専門家である弁護士に相談し対応を検討しましょう。
ただし、弁護士なら誰でもよいというわけではありません。以下のような弁護士を選びましょう。
経験豊富
相談する場合、弁護士なら誰でもよいわけではありません。
インターネットに関する権利侵害の法的トラブルの交渉や、訴訟の経験が豊富な弁護士を選びましょう。
知り合いの弁護士を頼っても構いませんが、インターネットの誹謗中傷問題に携わり、そのトラブルを数多く解決した弁護士でないと、対応は難しい場合があります。
経験豊富な弁護士を見つけたいなら、まずは法律事務所のホームページにて、次の内容を確認します。
- インターネットに関する権利侵害の法的トラブルの相談・交渉・解決実績
- インターネットでの権利侵害の話題が豊富に掲載されている
- 法的トラブルの解決手順や費用の目安が明記されている
たとえばホームページに「ネット権利侵害の相談実績〇〇〇〇件」と明記されていたり、ネットの権利侵害の相談事例(解決事例)・関連記事等が豊富に掲載されていたりするなら、その分野の問題解決に精通した弁護士といえるでしょう。
連絡手段が豊富
現在では、どの法律事務所でも電話・メールによる問い合わせが可能です。
その他にも、LINE等で連絡が取れたり、24時間オペレーターが電話対応したりと、連絡手段が豊富であれば、緊急時でも適切に対応できます
法律事務所のホームページに連絡方法が明記されているため、相談したい事務所を見つけたら忘れずに確認しておきましょう。
無料相談可能
初回の相談を無料で受け付けている良心的な法律事務所もあります。相談が無料ならば気軽に利用でき、ネットの権利侵害に関する相談の他、担当者の人柄も確認できます。
ただし、相談に対応するのが弁護士ではなく事務員の場合もあります。
弁護士と直に話して有益なアドバイスを得たいときや、弁護士が相談者へ親身に対応するのかを判断したいときは、「相談も弁護士対応」とホームページに明記している事務所を選びましょう。
誹謗中傷を弁護士に相談するメリット
他人を誹謗中傷する投稿を行いトラブルとなってしまったとき、弁護士に相談するメリットは3つあります。
- 最後まで味方になる
- 訴訟等に関するアドバイスを行う
- 慰謝料請求への対応を行う
こちらでは、それぞれのメリットについて説明しましょう。
最後まで味方になる
弁護士は依頼者の立場にたち、示談交渉(被害者との話し合いでトラブルの解決を図る方法)をしたり、刑事告訴された場合は不起訴となるよう検察官等に働きかけたりします。
たとえ依頼者が他人の誹謗中傷を行った加害者であっても、その代理人となったからには最後まで弁護士としての役割を全うします。
訴訟等に関するアドバイスを行う
誹謗中傷を受けたとする被害者は、加害者に対し損害賠償請求訴訟や刑事告訴を行う可能性もあるでしょう。
この場合、損害賠償請求訴訟を提起されたら法廷でどうするのか(例:賠償金額を減額する等)、刑事告訴されたときはどのような対応をとるのか(例:示談交渉を成立させ、不起訴処分を目指す等)についてわかりやすく説明します。
ケースに応じ柔軟な解決策を提示するため、加害者本人の不安解消につながります。
慰謝料請求への対応を行う
被害者からの慰謝料請求があまりに高額である場合、弁護士は適正な価格か否かを判断し相手と交渉します。
示談成立のためには、慰謝料の金額で被害者側とうまく合意できるかが大きなポイントです。
適正な価格を被害者側に提示し、加害者も納得できる金額まで慎重に調整を図っていきます。
誹謗中傷で弁護士が行う活動内容
誹謗中傷をした加害者のために弁護士は、「示談交渉」や「賠償金(慰謝料)減額」を行い、トラブルの解決を図ります。
示談交渉
弁護士に示談交渉を任せれば、被害者と示談が成立する可能性は高くなります。
まず弁護士は、被害者に掲示板サイト等での誹謗中傷を謝罪し、加害者が反省している旨を伝えます。なお、交渉のときは基本的に加害者は同席しません。
その後、示談交渉を成立させるための条件(例:慰謝料の金額の決定等)が、被害者側と話し合われます。
示談が成立すれば、被害者から損害賠償請求訴訟を提起されたり、刑事告訴されたりする心配もありません。
投稿による誹謗中傷で刑事告訴されるとすれば、「名誉毀損罪」や「侮辱罪」に問われる可能性があります。
ただし、いずれの罪も「親告罪」に当たり、被害者からの告訴がなければ検察官の判断で起訴はできません。
示談交渉が成立すれば被害者から告訴されず、告訴後に示談が成立すれば被害者は告訴を取り消します。
示談の成立後は示談書が作成され、主に次のような内容を明記します。
- 被害者および加害者の氏名、住所
- 加害者が二度と被害者の権利侵害をしないと誓う
- 被害者は加害者を許し、告訴をしない(または告訴を取り消す)と明記
- 示談金額(慰謝料の金額)、支払い方法、支払期限
示談書は基本的に2通作成し、被害者と加害者がそれぞれ署名・押印し、1通ずつ大切に保管します。
賠償金(慰謝料)減額
示談交渉が成立すれば、加害者は訴訟提起や刑事告訴のリスクを回避できます。
しかし、示談交渉のとき、被害者側の慰謝料の請求金額が高額である場合は、弁護士が減額交渉を行います。
慰謝料の金額は投稿による被害者の損害や、拡散の状況により差が出てくるものの、概ね次の金額が目安です。
- 名誉毀損:(個人)10~50万円程度、(企業)50~100万円程度
- 侮辱:1~10万円程度
これらの目安を参考に、被害者・加害者双方が合意できる金額を交渉していきます。
誹謗中傷のトラブル解決に関する弁護士の費用
弁護士のサポートを受け、誹謗中傷のトラブルを解決するには、「着手金」「成功報酬金」の支払いが必要です。
いずれの費用も各法律事務所が自由に金額を設定できます。
着手金
着手金とは弁護士に依頼をした場合、最初に支払う費用です。
加害者側の希望に沿った結果(例:示談成立、不起訴処分等)となった場合も、希望に沿わない結果(例:示談不成立、有罪判決を受けた等)となった場合も、着手金は戻ってきません。
着手金額の目安は次の通りです(加害者側の場合)。
- 示談交渉:22万円程度
- 訴訟:33万円程度
被害者との訴訟にまで発展すると、着手金額は高くなる傾向があります。
成功報酬金
加害者側の希望に沿って示談成立、不起訴処分等となった場合、弁護士に支払う費用です。
成功報酬金額の目安は示談・不起訴の場合、22〜55万円程度となります。
なお、法律事務所によっては成功報酬金額を、「示談金や損害賠償金を減額できた額の〇〇%」と表示しているところもあります。
誹謗中傷に強い弁護士なら春田法律事務所に相談を
今回はネットの誹謗中傷に関する法的トラブルへ対応してきた専門弁護士が、弁護士に相談する利点等を詳しく解説しました。
弁護士が被害者側と示談交渉を成立させれば、加害者は訴訟を提起されたり、刑事告訴により逮捕・起訴されたりする事態を回避できます。
しかし、大切なのは被害者に誠心誠意謝罪し反省する心です。「示談金さえ払えばよい。」という姿勢では、被害者の合意は到底得られません。
弁護士のアドバイスやサポートを受けながら、冷静に問題の解決を図ってみてはいかがでしょうか。
※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。