窃盗罪で逮捕されたら弁護士に相談|示談・不起訴・費用の流れを解説
最終更新日: 2026年05月22日

「万引きで捕まってしまった」「家族が窃盗で逮捕された」「後日逮捕の可能性があると言われた」――窃盗・万引き事件は日常生活のなかで突然起こります。
窃盗罪は刑法犯のなかで検挙件数が最も多い犯罪であり、初犯・少額でも起訴・前科につながるケースがあります。一方、弁護士が早期に介入することで、示談成立・不起訴処分・早期釈放を実現できる可能性があります。
本記事では、窃盗罪の成立要件・逮捕後の流れ・弁護士に依頼すべき理由・示談金相場・費用を、刑事弁護士がわかりやすく解説します。
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窃盗罪とは?成立要件・種類・刑罰の重さ
窃盗罪の成立要件(刑法235条)
窃盗罪は刑法235条に規定されており、「他人の財物を窃取した者」が対象です。刑罰は10年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金であり、思いのほか重い罪です。
成立要件は①他人の財物(占有する物)を、②その人の意思に反して、③不法領得の意思(自分のものにしようとする意思)をもって取得することです。
「ちょっと借りるつもりだった」「返す気はあった」という主張は、不法領得の意思の有無をめぐる争点になります。
金額の大小は原則として犯罪の成否に影響しません。数十円の万引きでも窃盗罪として逮捕・起訴される可能性があります。
窃盗罪に該当する主な行為
行為の種類 | 具体例 | 特徴 |
万引き | スーパー・コンビニでの商品持ち去り | 最も件数が多い。防犯カメラ・タグで検挙率が上昇 |
置き引き | 席や荷物置き場に置かれた荷物を持ち去る | 被害者が特定されやすく、映像証拠が残りやすい |
自転車盗 | 無施錠の自転車を無断で乗り去る | 常習化しやすく、複数件で立件されるケースも |
空き巣・忍び込み | 住居や店舗への不法侵入を伴う窃盗 | 住居侵入罪との併合罪となり重くなる |
スリ・ひったくり | 人から直接財物を奪う | 傷害が生じると強盗罪に発展するリスクがある |
逮捕後の流れ(最大23日間の身柄拘束)
段階 | 期間 | 内容 |
逮捕 | 最大48時間 | 警察による身柄確保・取り調べ |
検察送致 | +24時間以内 | 検察官が勾留請求するか判断 |
勾留 | 最大10日間 | 裁判官の勾留状による身柄拘束・捜査継続 |
勾留延長 | さらに最大10日間 | 複雑な事件・否認している場合に延長される |
起訴・不起訴 | 勾留満期まで | 検察官が起訴するか判断。示談の有無が大きく影響 |
初犯で窃盗・万引き事件が発覚した場合の逮捕後の具体的な流れは、以下の記事で詳しく解説しています。
窃盗罪で弁護士に依頼すべき4つの理由
早期釈放・勾留阻止
弁護士は逮捕直後から接見(面会)し、勾留を阻止するための働きかけを行います。検察官に意見書を提出し、「逃亡・証拠隠滅のおそれがない」ことを主張することで、勾留請求を断念させるケースがあります。
勾留が決定した場合は準抗告(不服申立て)を行い、釈放の実現を目指します。釈放されれば、仕事・学校・家族生活への影響を最小限に抑えられます。
逮捕後72時間以内に弁護士が動けるかどうかが、勾留阻止の成否を左右します。逮捕の連絡を受けたら速やかに弁護士に相談してください。
窃盗で逮捕された直後から弁護士が動くことで早期釈放を目指せる理由は、こちらの記事で解説しています。
被害者との示談交渉
窃盗事件における示談は、被害者に謝罪・被害弁償を行い、「処罰を求めない」旨の宥恕条項付き示談書を締結するものです。示談が成立すると、検察官が不起訴処分を選択する可能性が大きく高まります。
被疑者本人や家族が直接被害者に連絡を取ることは、かえって被害者を刺激し示談を困難にする場合があります。弁護士が代理人として冷静に交渉することで、示談成立の可能性が高まります。
店舗(スーパーやコンビニなど法人)への万引きの場合、担当者・顧問弁護士との交渉になりますが、迅速な弁護士対応により示談が成立するケースも多くあります。
不起訴処分・前科回避
示談成立・反省の態度・初犯などの事情を検察官に主張することで、不起訴処分を目指します。不起訴であれば前科はつきません。前科があると就職・資格取得・海外渡航などに影響します。
弁護士は反省文の作成・家族の監督誓約書・再発防止策(カウンセリング受診・生活環境の改善など)の証拠を整理し、検察官・裁判官に説明します。
万引きを繰り返してしまう方の場合、依存症の治療機関への通院を開始することで「再犯防止に真剣に取り組んでいる」と評価され、不起訴や執行猶予につながったケースもあります。
窃盗罪で起訴・不起訴がどのように判断されるか、不起訴を目指すための方法は以下の記事をご覧ください。
取り調べへの対応アドバイス
逮捕後の取り調べで何を話すかは、その後の処分に大きく影響します。弁護士は接見の際に「何を話すべきか・どこは黙秘すべきか」を具体的にアドバイスします。
黙秘権(取り調べで話さない権利)は憲法上保障された権利であり、行使することは法的に認められています。しかし行使の判断は事件の状況によって異なるため、弁護士の助言なく独断で決めることは避けてください。
調書に署名する前に弁護士に内容を確認してもらうことも重要です。一度署名した調書は証拠として使われます。
窃盗罪の示談|流れと示談金の相場
示談の流れ
段階 | 内容 | 期間目安 |
①弁護士選任 | 刑事弁護士に相談・依頼 | 逮捕後すぐ |
②被害者への連絡 | 弁護士が被害者または担当者に連絡し謝罪・弁償を申し出る | 選任後1〜3日 |
③条件交渉 | 被害弁償額・宥恕条項・再発防止策を協議 | 数日〜2週間 |
④示談書締結 | 双方が署名した示談書を作成 | 交渉成立後 |
⑤検察官への提出 | 示談書・反省文を検察官に提出 | 示談成立後すぐ |
⑥処分決定 | 不起訴処分または略式起訴(罰金)の判断 | 提出後〜数週間 |
示談金の相場(窃盗・万引き事件)
示談金は被害の金額・回数・被害者の状況によって異なります。一般的な目安は以下の通りです。
ケース | 示談金の目安 | 備考 |
万引き(少額・初犯) | 被害額の全額弁償+3〜10万円 | 被害店舗が法人の場合は管理費用等も含む |
万引き(繰り返し・高額) | 被害額の全額弁償+10〜30万円 | 複数回の万引きが発覚した場合は高くなる傾向 |
置き引き・スリ(個人被害) | 被害額の弁償+10〜50万円 | 精神的苦痛への慰謝料が加わる |
空き巣・侵入窃盗 | 被害額の弁償+30万円〜 | 住居侵入が伴う場合は高額になりやすい |
示談金の金額は最終的に被害者との交渉で決まります。弁護士が被害の実態を踏まえて適正額を見極め、不当に高い要求には根拠を示しながら減額交渉を行います。
示談金を即時に用意できない場合の分割払い交渉についても弁護士にご相談ください。
窃盗事件の示談金相場と示談交渉の具体的な進め方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
窃盗罪の弁護士費用の目安
費目 | 目安 | 備考 |
相談料 | 無料〜1万円/回 | 初回無料の事務所が多い |
着手金 | 20万〜40万円程度 | 依頼時に支払う。結果にかかわらず返金なし |
成功報酬 | 20万〜40万円程度 | 不起訴・示談成立・釈放などの成果時に支払う |
接見費用 | 1回3万〜5万円 | 逮捕・勾留時に弁護士が面会するたびに発生 |
実費 | 数万円 | 交通費・郵送費・示談書作成費用など |
弁護士費用は事務所によって異なり、事件の複雑さ・逮捕・勾留の有無によっても変わります。初回相談時に費用の見積もりを確認し、納得のうえで依頼しましょう。
国選弁護人は資力が一定以下の方が起訴後に選任できますが、逮捕直後から動いてもらうには私選弁護人の選任が必要です。
よくある状況と対応例
【ケース①:複数回の万引きが発覚した会社員が不起訴処分になったケース】
▶ 状況
40代男性・会社員。スーパーでの万引きが発覚し現行犯逮捕。取り調べの中で過去にも数回同様の行為があったことが判明した。妻と2人の子どもがおり、職場への影響を強く心配していた。
▶ 対応
弁護士が逮捕翌日に接見し、勾留阻止の意見書を検察官に提出。釈放後、弁護士がスーパー側と示談交渉を行い、被害額の全額弁償・管理費用の支払い・再発防止のためのカウンセリング通院開始を条件に示談を成立させた。反省文・家族の監督誓約書・カウンセリング受診証明を検察官に提出した。
→ 結果:勾留されることなく釈放。示談成立・再発防止の取り組みが評価され、不起訴処分となった。職場には事件が知られなかった。
万引き事件の示談の流れや示談金の目安については、以下の記事もあわせてご覧ください。
【ケース②:空き巣で逮捕された20代男性が執行猶予付き判決を得たケース】
▶ 状況
20代男性。アパートの空き巣に複数回入り、現金・貴金属を窃取。被害者4名から被害届が出され逮捕・勾留された。前科はなかったが、複数件・被害者多数のため起訴は免れない見込みだった。
▶ 対応
弁護士が勾留中に全被害者への謝罪と弁償交渉を開始。被害額を全額弁償し、4名全員から宥恕条項付き示談書を取得。公判では反省文・就労継続証明・更生の誓約書を提出し、再犯防止に向けた具体的な生活環境の改善を主張した。
→ 結果:懲役1年6か月・執行猶予3年の判決。実刑を回避し、社会復帰を果たした。
※こちらはあくまで参考であり、実際の案件とは異なります。
よくある質問
Q. 万引きで捕まりました。初犯なら不起訴になりますか?
初犯・少額・被害者との示談成立という条件が揃えば、不起訴処分となる可能性は高いです。ただし保証はなく、過去に微罪処分の記録がある場合や被害店舗が告訴を強く求めている場合は起訴されることもあります。
不起訴を確実に目指すためにも、早期に弁護士に相談して示談交渉を進めることが重要です。
Q. 後日逮捕の可能性があると言われました。どうすればいいですか?
後日逮捕(在宅事件)の可能性がある段階で弁護士に相談することが最善です。弁護士が被害者への謝罪・示談交渉を先行させることで、逮捕自体を回避できるケースがあります。
また取り調べの呼び出しがあった場合の対応方針も、弁護士と事前に相談しておくことが重要です。
Q. 万引きを繰り返してしまいます。どうしたらいいですか?
万引きの繰り返しは、窃盗症(クレプトマニア)という精神的な問題が背景にあるケースがあります。弁護士はこのような事情を適切に検察官・裁判官に説明し、治療・支援につなげることを弁護活動に組み込みます。
専門のカウンセリング機関への通院を開始することが、不起訴・執行猶予の獲得にも有利に働きます。
窃盗・万引きを繰り返してしまう背景に病気や依存症がある場合の対処法については、こちらの記事で解説しています。
Q. 家族が逮捕されました。どう動けばいいですか?
まず弁護士に連絡してください。逮捕後72時間は家族でも面会できませんが、弁護士はすぐに接見できます。
弁護士を通じて本人の状況を確認し、勾留阻止・示談交渉の準備を早期に始めることが重要です。弁護士費用の目安についても初回相談時に確認できます。
Q. 被害店舗が示談に応じてくれない場合はどうなりますか?
被害者が示談を拒否した場合でも、弁護士が反省の態度・被害弁償の意思・再発防止策を検察官に丁寧に説明することで、不起訴または略式起訴(罰金)にとどまるよう働きかけます。
示談が成立しないからといって諦める必要はありません。弁護士による継続的な働きかけが処分に影響します。
Q. 逮捕・前科は職場や家族に知られますか?
警察・検察から直接職場や家族に通知されることは通常ありません。ただし逮捕・勾留が続くと長期欠勤が生じ、事実上知られる可能性があります。
在宅事件(身柄拘束なし)として対応できるよう弁護士が動くこと、また早期に示談を成立させて不起訴を目指すことが、職場・家族への影響を最小限にする最善策です。
まとめ
窃盗罪・万引き事件は初犯・少額でも起訴・前科につながるリスクがありますが、早期に弁護士が介入することで示談成立・不起訴処分・早期釈放を実現できる可能性があります。
- 窃盗罪の刑罰:10年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金
- 逮捕から最大23日間の身柄拘束が続く可能性がある
- 示談成立が不起訴処分への最大の近道
- 万引き繰り返しは窃盗症の可能性も。治療と弁護活動を並行させる
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※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。
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