盗撮をした場合は現行犯以外の逮捕は難しいのか!?弁護士が解説

最終更新日: 2023年07月11日

盗撮をした場合は現行犯以外の逮捕は難しいのか!?弁護士が解説

  • 盗撮は現行犯以外で捕まることはないのか
  • 現行犯逮捕をのがれてもあとで逮捕されることはあるのか
  • 弁護士に依頼をするとどんなメリットがあるのか

盗撮は現行犯以外で捕まることは難しいという記事を目にすることがありますが、それは本当なのでしょうか?盗撮した後にその犯行の現場から逃走したものの、時間が経ってから逮捕されることはあるのかと不安になるかもしれません。

そこで今回は、多くの盗撮事件を解決に導いてきた実績のある刑事事件専門の弁護士が、盗撮をしてしまった場合に、現行犯以外でも捕まることはあるのか・盗撮が発覚する前後に弁護士に依頼するとどのようなメリットがあるのかについて解説します。

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この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設

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盗撮をしてしまった!現行犯以外の逮捕が難しい理由

盗撮は現行犯以外の逮捕が難しいという理由について解説する上で、必要となる知識を解説します。

  • 盗撮をした場合に問われる罪とは
  • 盗撮の逮捕の多くが現行犯
  • 現行犯以外の逮捕は難しいのか

では、1つずつ解説します。

盗撮をした場合に問われる罪とは

1つ目は、盗撮をした場合に問われる罪について解説します。

盗撮とは、人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機やその他の機器を使って撮影し、または撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、もしくは設置することです。

このような盗撮行為で逮捕されてしまうと、以下の罪に問われる可能性があります。

  • 迷惑防止条例違反
  • 住居侵入罪
  • 軽犯罪法

それぞれ解説します。

迷惑防止条例違反

盗撮行為は各都道府県が定めている迷惑防止条例違反に該当することがあります。盗撮行為が発覚すると、ほとんどの場合は各都道府県の迷惑防止条例違反として逮捕されます。

各条例の規定は自治体により異なりますが、たとえば東京都では、公共の場所または公共の乗物において、通常衣服で隠されている他人の身体・下着を盗撮をしたり、盗撮目的で撮影機器を差し向けて設置したりした場合は、迷惑防止条例違反となります。

盗撮行為が迷惑防止条例違反に該当する場合は、東京都では1年以下の懲役または100万円以下の罰金が定められており、これらの罰則が適用されることになります。常習の場合には2年以下の懲役または100万円以下の罰金になります。

住居侵入罪

住居侵入罪とは正当な理由がなく人の住居などに侵入する犯罪です。

盗撮行為をするために他人が管理する場所へ侵入した場合は、住居侵入罪や建造物侵入罪に該当することがあります。

法定刑は3年以下の懲役または10万円以下の罰金となります。

軽犯罪法

軽犯罪法とは軽微な秩序違反行為に対して拘留、科料という刑罰を科す法律です。

盗撮行為をしなくても覗き行為として軽犯罪法違反に該当することがあります。

軽犯罪法に該当すると1日以上30日未満の拘留または1,000円以上1万円未満の科料の罰則が適用されます。

盗撮の逮捕の多くが現行犯

2つ目は、盗撮の逮捕の多くが現行犯であることについて解説します。

盗撮事件の多くは、盗撮された被害者や周囲の目撃者が犯人を取り押さえたり、すぐに警察に通報したりといった経緯で発覚します。そのため、現行犯逮捕が多い傾向にあります。

そのため、盗撮を繰り返す方の中には「現行犯以外では逮捕どころか発覚もしないだろう」と思い込んでいる方もいます。

現行犯以外の逮捕は難しいのか

3つ目は、現行犯以外の逮捕は難しいのか、について解説します。

現行犯は目の前で犯罪が行われている、または行った直後なので証拠が明らかです。しかし、だからといって証拠がなくなるわけではありません。

なぜなら最近ではあらゆる場所に防犯カメラが設置されており、防犯カメラの映像から犯人を特定できた場合には、逮捕されてしまう可能性があるからです。

さらに、被害者や周囲の方からの有力な目撃情報・盗撮機材が誰かに気付かれて通報されたという場合もあります。そのため、現行犯逮捕をされなかったからといって逮捕されないことはなく、犯人の特定が行われ逮捕されることになる可能性があります。

盗撮の現行犯逮捕を逃れた場合でも逮捕されないことは難しいのか

盗撮の現行犯逮捕を逃れた場合でも逮捕されないことは難しいのか、について解説します。

  • 逮捕の種類は3つ
  • 盗撮での逮捕後の流れ
  • 盗撮での逮捕の現状

それでは以下1つずつ解説いたします。

逮捕の種類は3つ

1つ目は、逮捕の種類について解説します。

盗撮が発覚すれば逮捕される可能性があります。逮捕には現行犯逮捕・後日逮捕・緊急逮捕があります。

まず、現行犯逮捕とは、現に罪を行った者をその場で逮捕することです。警察官などの司法職員だけでなく一般の方でも現行犯逮捕をすることができます。盗撮で逮捕されるときの多くが現行犯逮捕と言われています。

後日逮捕(通常逮捕)とは、裁判官があらかじめ発布する令状による逮捕のことをいいます。盗撮では後日逮捕される可能性もあります。盗撮の現場が映っている防犯カメラの映像などがあれば、これらを証拠として時間が経ってからでも逮捕することが可能になるためです。

緊急逮捕とは、急を要するために令状なしで被疑者を逮捕し、事後に逮捕状の発布を受ける制度です。緊急逮捕は例えば重罪にあたる指名手配中の被疑者を偶然発見したような場合に、逮捕状なしでも逮捕が可能となります。重大犯罪に適用される制度であるため、盗撮の場合は緊急逮捕されることはありません。

盗撮での逮捕後の流れ

2つ目は、盗撮での逮捕後の流れを解説します。

逮捕されると、まず警察官による取調べが行われます。ここでの取調べは、検察庁に送られる送検の手続きまでの最大48時間以内に行われます。ここでの供述内容は、その後の処分に影響を及ぼす可能性が高いといえます。

警察官によって逮捕されてから48時間以内に、被疑者の身柄は、検察官に送致されます。送致を受けた検察官はさらに取調べを行います。その結果、身柄拘束を継続する必要があると判断した場合は、検察官は24時間以内に裁判官への勾留請求を行います。

裁判官が身柄拘束の継続が必要と判断した原則10日間の勾留が決定します。捜査の必要性に応じて最大でさらに10日間勾留期間が延長されることもあります。

勾留期間が終了するまでに、検察官によって起訴・不起訴の判断が行われます。不起訴の場合はそのまま釈放されますが、起訴された場合、刑事裁判へと進みます。

無罪を争う場合は、アリバイを立証するなどして検察官の主張に反論する必要があります。罪を認めた場合は、情状を立証して軽い処分を求めることになります。

盗撮での逮捕の現状

3つ目は、盗撮での逮捕の現状について解説します。

盗撮での逮捕は、現行犯逮捕が多い傾向にあります。しかし、被害者や目撃者の証言や防犯カメラの解析などから犯人が特定されて後日に逮捕される場合も多くあります。

盗撮をしてその場から逃走したものの、後から逮捕されるのか不安になる場合は自首をすることで逮捕を免れる可能性が高まります。

自首をしたからといって必ず不起訴になるわけではありません。不起訴を得るためには、盗撮事件を専門的に担当している弁護士へ相談し、弁護士の過去の経験・知見に頼ることがおすすめといえます。

いつ逮捕されるか不安で過ごしている場合には、できるだけ早く弁護士に相談しましょう。

盗撮で現行犯逮捕への対応は弁護士以外では難しい

万が一盗撮で現行犯逮捕された場合、弁護士なしに対応することは大変困難となります。ここでは弁護士に相談しない場合のデメリットと弁護士に迅速に相談するメリットについて解説します。

  • 弁護士に相談しない場合のデメリット
  • 弁護士に迅速に相談するメリット

それでは、1つずつ解説します。

弁護士に相談しない場合のデメリット

弁護士に相談しない場合のデメリットは、以下の3つです。

  • 仕事や学生生活に影響が出る
  • 前科がつく可能性がある
  • 重い量刑が与えられる可能性がある

それぞれ見ていきましょう。

仕事や学生生活に影響が出る

逮捕されると、一定の期間は警察署・検察庁等で身柄を拘束されるため、会社・学校へ通うことができなくなります。

会社員であれば、会社の規定に沿った懲戒処分、学生ならば、停学・退学の処分を受けてしまうおそれもあります。

また、実名報道が行われた場合、地方の新聞に掲載される可能性があります。実名報道では、通常は社会的信用を大きく損なってしまうおそれがあります。

前科がつく可能性がある

逮捕された時点で前歴がつき、その後に有罪判決が確定すると前科がつきます。

前科がつくと、万が一、ふたたび犯罪を犯してしまった場合に処罰が重くなる可能性があります。また、資格を要する仕事など一定の職業については、前科がつくことで欠格事由となるため仕事を失ってしまう場合もあります。

重い量刑が与えられる可能性がある

盗撮行為で逮捕・起訴され有罪が確定すると、懲役・罰金など重い量刑の判決がくだされる可能性があります。

このような事態を避けるためにも、盗撮行為が発覚する前に弁護士に迅速に相談することをおすすめします。

弁護士に迅速に相談するメリット

弁護士に迅速に相談するメリットは以下の3つです。

  • 早期釈放の可能性が高まる
  • 示談交渉で解決が進む可能性がある
  • 不起訴獲得で前科付かない

それぞれ見ていきましょう。

早期釈放の可能性が高まる

まず弁護士に迅速に相談することで早期釈放の可能性が高まります。

逮捕、勾留は逃亡や罪証隠滅の可能性があることからなされます。そのため、これらの点についてその可能性は乏しいことを示すことができれば釈放されるのです。

弁護士は、検察官や裁判官に対して勾留する理由はなく必要性もないことを具体的かつ説得的な資料を示して説得します。その結果、釈放される可能性が高まります。

示談交渉で解決が進む可能性がある

早期釈放・軽い処分の獲得のために最も大切なことは、被害者との示談を成立させることにあるといえます。

逮捕された場合、検察官の起訴までに示談を成立させることが重要です。

被疑者との直接交渉を被害者は拒否することが通常ですから、逮捕後はできる限り迅速に弁護士に依頼し、示談交渉を始めてもらうことが大切です。

不起訴獲得で前科が付かない

逮捕後、勾留されている最長23日間中に検察官が起訴・不起訴を決定します。

起訴されると99%の確率で有罪となり、略式裁判で罰金刑が科される・公判で懲役刑が科されることになります。

弁護士に迅速に相談することで不起訴を獲得し前科を回避できる可能性が高くなります。

まとめ

今回は、多くの盗撮事件を解決に導いてきた実績のある刑事事件専門の弁護士が、盗撮をしてしまった場合に、現行犯以外でも捕まることはあるのか・盗撮が発覚する前後に弁護士に依頼するとどのようなメリットがあるのかについて解説しました。

盗撮事件で逮捕された場合でも、早期に釈放することができたり、示談を成立させるなどして不起訴処分にすることができたりしますので、早期に刑事事件専門の弁護士に相談し、解決に向かって動き始めることをおすすめします。

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