削除請求を弁護士が解説!流れ・スムーズに進めるポイントや費用も紹介

最終更新日: 2023年12月30日

削除請求を弁護士が解説!流れ・スムーズに進めるポイントや費用も紹介

  • 掲示板サイトで誹謗中傷を受けて困っている。投稿を削除する方法はないだろうか?
  • 投稿された誹謗中傷の削除を弁護士に依頼したら、どのような対応を行うのだろう?
  • 削除請求を任せる弁護士は誰でもよいのだろうか?選任するコツを知りたい。

SNSや掲示板サイトでの誹謗中傷の投稿は、誹謗中傷を受けた個人や法人・団体に、深刻な影響を与えるおそれがあります。

しかし、誹謗中傷を受けた本人だけでは投稿を削除したくてもどう対応してよいかわからず、対応が進まない可能性もあるでしょう。

投稿の削除を迅速に進めるためには、弁護士にサポートを依頼する方がよいです。

そこで今回は、ネット上の法的トラブルへの対応経験が豊富な専門弁護士が、誹謗中傷の削除をスムーズに進める方法、弁護士に依頼する有効性等について詳しく解説します。

本記事のポイントは以下です。お悩みの方は詳細を弁護士と無料相談することが可能です。

  • 削除申請は誹謗中傷されたSNSや掲示板サイトの専用フォームから可能だが、申請方法は各サイトの決まりに従わなければならない
  • 被害者だけで削除請求をしても、支障なく手続きが進められるとは限らない
  • ネットの削除請求に強い弁護士を選任すれば、スムーズに削除請求できる

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この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設

詳しくはこちら

削除請求の方法を弁護士が解説

SNSや掲示板サイトで誹謗中傷を受けたときは、通常、サイトの管理者(管理会社)に削除を請求できます。

こちらでは削除申請の基本的な方法、弁護士に削除依頼を任せる有効性、サイト管理者が削除に応じない場合の対応を説明します。

Webサイトフォームから削除申請

ほとんどのSNSや掲示板サイトでは、専用の「削除依頼フォーム」から削除申請が可能です。指示された箇所をクリックするとメールソフトが立ち上がるものもあります。

削除申請をするときは、それぞれのSNS・サイトに明記されたガイドラインをよく読んだうえで、削除を希望する書き込みや画像・動画、削除理由等を記入して管理者へ送信します。

ただし、管理者や削除申請方法を明記していないサイトもあります。そのような場合は、被害者本人だけでは対応が難しいので、弁護士と相談して対応を検討した方がよいです。

弁護士への依頼

誹謗中傷の投稿を速やかに削除したいときや、削除申請方法がわからないときなどは、弁護士と相談しましょう。

相談を受けた弁護士はどのような誹謗中傷が行われているかを確認するので、証拠を提示する必要があります。

そのため、SNSや掲示板サイトで投稿されている誹謗中傷の内容、投稿されたスレッドの名称やURL・レスの番号、投稿日時等をスクリーンショットで保存しておきましょう。

弁護士は、投稿内容を確認後、投稿が誹謗中傷に当たるか、削除申請をどのように進めるか、管理人が削除に応じない場合の対応等を説明します。

弁護士と委任契約を締結すれば、弁護士が被害者本人の代わりに、サイトの管理者に対して削除申請を行います。

裁判手続き

弁護士に代理人を依頼すれば、被害者本人は削除申請先がわからない場合でも、迅速に対応できます。

ただし、弁護士が削除申請をしてもサイト管理者が削除に応じないケースも考えられます。

そのようなときは、裁判所に投稿削除の仮処分命令を申し立てます。この裁判手続きも全て弁護士に任せられます。

削除請求から解決までの流れ

サイト管理者が削除に応じない場合は、裁判所に申し立てて投稿の削除命令を出してもらいます。

こちらでは申立ての手順や仮処分命令の効果について説明します。

削除請求申立て

被害者の代理人である弁護士はサイトの管理者に対して、誹謗中傷の投稿の削除を求め、投稿記事削除の仮処分命令を裁判所に申し立てます。

民事保全法は「仮の地位を定める仮処分命令は、争いがある権利関係について債権者に生ずる著しい損害又は急迫の危険を避けるためこれを必要とするときに発することができる」と規定しています(同法第23条第2項)。誹謗中傷の投稿は「著しい損害又は急迫の危険」に当たります。

誹謗中傷の投稿が速やかに削除しなければならない内容かどうかが、裁判所で審理されます。そのため、申立人(被害者)は削除の必要性を疎明しなければなりません。

疎明とは裁判官に「確からしい」と推測を抱かせる挙証(主張)です。疎明を行うために、申立人は基本的に書証(証拠書類)を提出する必要があります。

出典:民事保全法 | e-Gov法令検索

仮処分命令

裁判所は、サイト管理者の主張や証拠を考慮したうえで、申立人の削除請求に理由があると判断すれば仮処分命令を出します。

仮処分命令を受けた管理者は、大きなプレッシャーを受けるため正式な裁判へ移行する前に削除に応じる可能性が高いです。

ただし、裁判所への申立てから仮処分命令まで、1か月〜2か月程度かかります。

削除請求をスムーズに進める方法を弁護士が解説

誹謗中傷の投稿の削除をスムーズに進めたい場合は、ある程度の法律の知識が必要です。

削除依頼フォームからの削除申請で済む場合は、削除する書き込み等を明記し、管理人にわかるように削除の理由を説明すれば足ります。

一方、裁判所が関わる申立ての場合は、手続きに必要な書類や証拠の提出等、様々な準備をしなければなりません。

弁護士に頼まなくても申立て自体は可能ですが、法律の素人の場合は準備がスムーズに進まないだけでなく、書類提出後に裁判所から不備を指摘されるおそれもあります。

そのため、手続きの進行に支障をきたさないよう、法律のプロである弁護士に最初から削除申請を依頼し、任せた方が確実です。

削除請求に強い弁護士の特徴

自分の代理人となる弁護士は、誰でもよいわけではありません。

なぜなら、刑事裁判に詳しい弁護士、離婚問題に詳しい弁護士、特許訴訟に詳しい弁護士等、弁護士には得意な分野があるからです。

そのため、ネット上での法的トラブルに詳しい弁護士を選任する必要があります。

SNSや掲示板サイトの誹謗中傷の削除請求に強い弁護士を見つけるために、まず法律事務所のホームページを確認しましょう。

  • ネット上の法的トラブルの相談や成功実績を「年間〇〇件達成」と具体的に明示している
  • ネット上の法的トラブルの相談事例や解決事例、コラムを豊富に掲載している
  • ネット上の法的トラブルの解決手順、弁護士報酬を明記している

上記のような紹介があれば、その分野に精通した法律事務所と判断できます。

適切な法律事務所を選んで、事務所に予約の連絡を入れ、担当者に相談してみましょう。

担当者からアドバイスを受け、代理人を依頼するのであれば弁護士と委任契約を締結します。

削除請求にかかる弁護士費用

SNSや掲示板サイトの投稿削除のため弁護士を代理人に立てる場合は、「着手金」と「成功報酬金」の支払いが必要です。

いずれの費用も法律事務所が自由に金額を設定できます。

こちらでは、どのくらいの金額となるのか目安を説明します。

着手金

着手金とは、弁護士に依頼した場合に必ず支払わなければならない費用です。投稿の削除に成功してもしなくても、支払ったお金は戻ってきません。

SNSや掲示板サイトの管理者を相手にする交渉による削除を委任する場合、着手金を0円としている法律事務所が多いです。

ただし、仮処分申立てや削除請求訴訟の場合、22〜33万円程度の着手金が必要となります。

成功報酬金

弁護士の申請や申立てによって投稿削除が成功した場合、支払わなければならない費用です。

弁護士が投稿削除に失敗した場合は請求されません。

  • 管理者との交渉により削除が成功した場合:5.5~6.6万円程度
  • 仮処分申立ての認容、削除請求訴訟で勝訴した場合:22〜33万円程度

ただし、投稿削除の依頼が複数の場合、更に金額が上乗せされる可能性もあります。

法律事務所で法律相談を行うときは、担当者から見積もりを提示してもらいましょう。

削除請求なら当事務所の弁護士にご相談ください

今回はSNSや掲示板サイトのトラブル解決に尽力してきた専門弁護士が、投稿された誹謗中傷の削除を弁護士へ依頼するメリットについて詳しく解説しました。

誹謗中傷の投稿を抑えるためには、削除申請だけでなく、発信者の身元の特定や法的措置も取り、柔軟に問題解決を図る必要があります。

弁護士から助言や提案を受け、悪質な投稿への対応策を検討しましょう。

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