LINEの誹謗中傷で被害を受けても警察は動かない?被害者が取るべき対応を解説

最終更新日: 2025年04月02日

LINEの誹謗中傷で被害を受けても警察は動かない?被害者が取るべき対応を解説

  • LINEで誹謗中傷を受けても、警察は動いてくれないと聞いたけど本当?
  • LINEで誹謗中傷を受けたら、警察はどのような罪状で動く?
  • LINEの誹謗中傷について、警察以外に相談できる場所はある?

インターネット上での誹謗中傷は数多く発生しており、日本国内で利用者が多いLINEにおいても同様のことがいえます。しかし、誹謗中傷がLINEで発生しても、警察が動くとは限りません。

そこで今回は、SNS上の誹謗中傷について豊富な解決実績を持つ弁護士が、警察が動く場合の罪状や警察を動かすための方法を詳しく解説します。

本記事のポイントは以下です。お悩みの方は詳細を弁護士と無料相談できます。

  • 民事不介入や表現の自由など、警察が容易に動けない理由がある
  • 警察を動かすには、被害届や告訴状の提出に加え、証拠の確保も欠かせない
  • 警察以外にも、誹謗中傷対策専門業者や弁護士の活用もおすすめ

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この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設

詳しくはこちら

LINEでの誹謗中傷で警察が対応する主な罪状とは?

ここでは、LINEでの誹謗中傷で警察が対応する主な罪状を3つ解説します。

  • 名誉毀損
  • 業務妨害
  • 脅迫

1つずつ解説します。

名誉毀損

名誉毀損罪は、事実の有無に関わらず「公の場で他人の社会的名誉を傷つける行為」です。

職場のメンバーに対し「同僚Aがセクハラしている」など中傷メールを送り、社会的な評価を下げるような行為が名誉毀損の代表例です。

業務妨害

業務妨害は、人を騙すことや虚偽情報の流布によって、「意図的に他人の業務を妨害する行為」です。

たとえば、「飲食店Bでは産地偽装を行っている」など飲食店に対する風評被害などが代表例です。ただし、事実を述べただけの場合は業務妨害にはなりません。

脅迫罪

脅迫罪は、「他人に生命や身体に対する危害を加える旨告知する行為」です。「殺す」などの直接的な脅迫だけでなく、「お前の家に行くからな」など相手を不安にさせる言動も脅迫になり得ます。

脅迫対象の相手が、脅迫内容を実際に認識した時点で脅迫罪が成立する可能性があります。

LINEでの誹謗中傷に対して警察が動かない場合の理由

ここでは、LINEでの誹謗中傷に対して警察が動かない理由を3つ解説します。

  • 民事不介入の原則
  • 表現の自由
  • 違法性の低さ

1つずつ解説します。

民事不介入の原則

「民事不介入の原則」は、犯罪ではないトラブルに警察は介入しないということです。誹謗中傷も犯罪に至らない場合には、警察は民事不介入として動かないことがよくあります。

表現の自由

もし当事者が誹謗中傷と受け止めても、第三者から見て表現の自由の範囲内と判断されれば、他人の発言を安易に犯罪と決めつけられず警察の介入は困難です。

違法性の低さ

警察は、違法性が高いと判断された事件を優先して捜査します。誹謗中傷は、店舗の売り上げ減少などの実害が発生しないこともあります。たとえ、実害があっても、当事者間で解決できるケースも多いです。事件性が低いと判断されるケースや、違法性が高くない場合は、警察は動かないでしょう。

LINEの誹謗中傷で警察を動かすための方法

ここでは、LINEの誹謗中傷で警察を動かすための方法を4つ解説します。

  • 被害届と告訴状の提出
  • サイバー犯罪相談窓口への相談
  • 証拠の確保
  • 弁護士への依頼

1つずつ解説します。

被害届と告訴状の提出

被害届は、犯罪が発生した事実を捜査機関に申告するための書類ですが、それだけでは警察が動くとは限りません。

被害届に加えて告訴状の提出が必要です。告訴状は、加害者を訴追して処罰を求める意思を明確に示す役割があります。口頭でも告訴は可能ですが、告訴を行った事実や主張を確実に残すため告訴状を作成するのが通例です。

サイバー犯罪相談窓口への相談

警察署で相談が受け付けられない場合でも、サイバー犯罪相談窓口に相談すれば専門的支援を受けられます。

誹謗中傷については、捜査は各都道府県警察におけるサイバー犯罪担当部署で行われ、警察署が動かなくともサイバー犯罪担当部署が動くケースがあります。警察庁のウェブサイトから、最寄りの相談窓口を探してみましょう。

参考:警察庁(サイバー事案に関する相談窓口)

証拠の確保

誹謗中傷の被害があった事実を証明するためには、具体的な証拠の確保が欠かせません。確実な証拠があれば、警察は捜査しやすくなります。スクショを撮る場合には、保存日時や誹謗中傷と見られる投稿がなされた時間がわかるようにしておきましょう。

▼有効な証拠の例

  • 誹謗中傷投稿のURL、スクリーンショット
  • 投稿者アカウント情報のURL、スクリーンショット
  • 売上損失を示す帳簿など(誹謗中傷に伴う損害の証拠)
  • 診断書など(誹謗中傷に伴う精神的影響の証拠)

弁護士への依頼

誹謗中傷への対応について警察の対応に限界を感じたら、弁護士に依頼しましょう。弁護士をつけることで、法的根拠に基づきより専門的なサポートを受けられます。

たとえば、以下の内容を依頼人に代わって行います。

▼弁護士が代行する業務の例

  • 投稿削除請求
  • 情報開示請求
  • 損害賠償請求

LINEで誹謗中傷を受けた場合の具体的な対応方法は?警察への心象にも影響

ここでは、LINEで誹謗中傷を受けた場合の具体的な対応方法について3つ解説します。

  • 専門家の活用
  • 迅速な対応
  • 告訴状が受理されると口出し手出しは不可

では、1つずつ解説します。

専門家の活用

告訴状の作成や発信者情報開示請求に伴う手続き、さらには警察や被疑者などとの交渉は、法的知識や交渉力・経験がないと困難です。

また、自分の力だけで行おうとして時間がかかると、相手の特定も困難になってどんどん不利になってしまい、専門家に頼ってスピーディーに、かつ確実に対応することが大事です。

迅速な対応

誹謗中傷を受けた場合には、迅速な対応が欠かせません。その理由は、主に2つあります。

プロバイダのログ保存期間が短いため

プロバイダにもよりますが、一般的に3か月から6か月程度しかログを保存しないと考えましょう。ログの保存期間を過ぎると、発信者情報の開示が困難になります。

告訴期限や公訴時効があるため

名誉毀損罪や侮辱罪は、犯罪行為から一定期間が経過すると刑事訴追できなくなります。刑事訴訟法では、告訴期限は犯人を知った日から6か月、公訴時効は3年と定められています。

誹謗中傷被害にあった場合は、速やかに始動して適切な法的措置をとることが欠かせません。

出典:刑事訴訟法|e-GOV法令検索|法務省

告訴状が受理されると口出し手出しは不可

告訴状が受理されると、捜査は警察や検察に委ねられます。そのため、被害者は捜査の進捗状況を細かく把握することや捜査に関与はできません。

また、加害者が有罪になっても、被害者は直接的な謝罪や賠償を受けられるとは限りません。確実に賠償等を求めるのであれば、別途民事訴訟が必要です。

LINEの誹謗中傷で警察以外に相談できる場所は?

ここでは、LINEの誹謗中傷で警察以外に相談できる場所を2つ解説します。

誹謗中傷対策専門業者

専門業者は法的対応はできなくても、インターネットに関する専門知識を有しており、誹謗中傷の再発を抑制できる場合があります。

インターネット監視を行い、被害につながりそうな書き込みなどを発見すると即座に対応できます。

ネガティブなサジェストや過去の誹謗中傷は、再度の誹謗中傷につながりかねません。自身で常に監視を行うことは困難なので、専門業者に任せましょう。

法律事務所

弁護士に依頼すれば、告訴状の作成や情報開示請求、削除請求など、専門的な知識と経験に基づいたサポートを行います。個人の力だけでは難しい法的手続き・訴訟も、専門家の力を借りることでより確実に実行できるようになります。

LINEの誹謗中傷は春田法律事務所に相談

今回はSNS上の誹謗中傷について豊富な解決実績を持つ弁護士が、LINE上の誹謗中傷で警察に動いてもらうポイントなどについて詳しく解説しました。

春田法律事務所では、初回相談を無料で実施しています。まずは気軽に問い合わせして、誹謗中傷への対応について弁護士に相談してみましょう。

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