開示請求でスクショは有力な証拠になる?注意点と必要な情報も解説
2024年11月24日
- 開示請求でスクショは有力な証拠になるの?
- 開示請求のためにどういうスクショなら証拠として使えるの?
- 開示請求のスクショを証拠にするために弁護士に相談するべきだろうか?
現代のインターネット社会では、誹謗中傷やプライバシー侵害が問題になることが増えています。これらの被害に気付いた時にスクショを撮ったという方もいるでしょう。
そこで今回は、ネット上のトラブル解決に豊富な実績のある専門弁護士が、開示請求に向けてスクショに必要な情報やスクショを証拠にするための注意点等について詳しく解説します。
本記事のポイントは以下です。お悩みの方は詳細を弁護士と無料相談することが可能です。
- スクリーンショット(スクショ)は、誹謗中傷やプライバシー侵害の証拠として使える
- スクショを証拠に開示請求するにはURLや日時などを含めた情報の保存が必要
- スクショによる開示請求でも専門弁護士に相談し、サポートを受けることが重要
開示請求でスクショは有力な証拠になる
インターネット上の誹謗中傷やプライバシー侵害に対処する場合、スクリーンショット(スクショ)は非常に重要な証拠です。正確な情報をスクショとして残しておくことで、開示請求の成功率が高まり、加害者の特定や法的手続きを進めやすくなります。ここでは、スクショを有力な証拠として活用する方法について解説します。
誹謗中傷の意味
誹謗中傷とは、他人の悪口を言ったり罵倒したりして相手を傷つける行為を指します。ただし、法律上の明確な定義はありません。誹謗中傷が犯罪行為や損害賠償請求の対象になるかどうかは、状況や発言内容によって異なります。
誹謗中傷が問題となる場合、次のような法律が関係する可能性があります。
- 名誉毀損罪(刑法第230条)
- 侮辱罪(刑法第231条)
- プライバシー侵害
- 不法行為(民法第709条)
誹謗中傷がインターネット上で発生しやすい背景
インターネットの普及に伴い、SNSや掲示板などでの誹謗中傷が増加しています。特に匿名性や非対面性といった特徴が、誹謗中傷の温床となることが多いです。ここでは、インターネット上で誹謗中傷が発生しやすい背景について解説します。
匿名性
SNSや匿名掲示板では、自分の名前を隠して意見を投稿することが一般的です。そのため、投稿者が「誰にも知られない」と思い込み、罰を受ける心配がないと考えることが原因で誹謗中傷が増えます。ストレス解消を目的に悪質な投稿を行うケースも少なくありません。
相手の顔が見えない
インターネット上では、投稿相手と直接対面するわけではないため、通常の会話では言えないような内容も簡単に投稿されることがあります。この心理的ハードルの低さが、問題行動を助長する一因となります。
有名人へも意見を言いやすい
ネット環境では、著名人や芸能人に対しても気軽にコメントできるため、意図的な誹謗中傷や過剰な批判が行われることがあります。「自分の存在を認識してほしい」という動機で攻撃的な投稿を行う人もいます。
開示請求の意味
誹謗中傷を受けた被害者が損害賠償請求や刑事告訴をするためには、加害者を特定する必要があります。そのための手続きが「発信者情報開示請求」です。
開示請求の流れ
- SNS運営企業やプロバイダに対して、投稿者の情報開示を求める
- 開示が認められた場合、損害賠償請求や刑事告訴の準備を進める
開示請求に必要なもの
- 誹謗中傷を受けた投稿内容
- 投稿の客観的な証拠(スクリーンショットやログ)
スクリーンショットは、誹謗中傷が行われた事実を証明する重要な証拠となり得ます。投稿が削除された場合でも、保存しておけば開示請求や裁判で役立ちます。
開示請求においてスクショを証拠にするため必要な情報
発信者情報開示請求を成功させるためには、誹謗中傷があったことを示す確実な証拠が必要です。スクリーンショット(スクショ)は非常に重要な役割を果たします。
スクショを有効な証拠として活用するためには、誹謗中傷の流れや経緯を時系列で整理することが欠かせません。これにより、被害の深刻さや投稿者の意図が明確になり、開示請求が認められる可能性が高まります。
スクショを保存するときはPDF形式を活用するのがおすすめです。
PDF形式で保存することで、ウェブページのURLや保存日時が自動的に記録されるため、証拠としての信頼性が向上します。投稿内容が削除されるリスクもあるため、見つけた段階ですぐにスクショを撮影し、適切に保存しておくことが重要です。
誹謗中傷内容
誹謗中傷の内容を正確に記録することは、開示請求を進める上で最も重要です。
記録するときは、投稿の前後に関連するコメントややり取りも含めてスクリーンショットを撮影し、誹謗中傷が行われた文脈を明らかにする必要があります。また、誹謗中傷の投稿が長文であったり、複数回にわたって行われたりした場合は、それぞれを網羅するために複数のスクショの撮影が欠かせません。
URL
スクショには必ずURLを含めるようにしましょう。URLは、誹謗中傷が行われたウェブページの場所を特定するために不可欠な情報です。
スマートフォンではURLが画面に表示されない場合があるため、可能であればPCを利用してスクショを撮影すると確実に記録できます。
投稿日時
投稿が行われた日時を明確に記録することは、誹謗中傷のタイミングや被害の程度を判断するために重要です。
スクショに投稿日時が表示される場合は、その部分を必ず含めて撮影しましょう。万が一、日時が記録できない場合は、手書きのメモで補足する方法も有効です。
発信者情報
発信者を特定するには、ユーザー名やプロフィール画像、プロフィール文といったアカウント情報を可能な限りスクショに含めるようにします。これらの情報は、発信者の特定だけでなく、投稿の動機や意図を推測するときにも役立ちます。
また、スクショが証拠として認められるためには、その信頼性を保つことが必要です。
保存日時を明示しておくとともに、元データの状態をそのまま保持し、加工や編集は避けましょう。
また、誹謗中傷が継続している場合は、定期的にスクショを撮影して記録を積み重ねていくことが大切です。これにより、誹謗中傷の全体像を把握でき、法的手続きにおいて有効な証拠として活用できます。
開示請求の流れは?証拠としてスクショを用意
インターネット上の誹謗中傷やプライバシー侵害に対して開示請求を行い、投稿者を特定するには、スクリーンショット(スクショ)を含む証拠の準備が重要です。ここからは、スクショを用意した後に進める具体的な開示請求の流れを詳しく解説します。
サイト管理者への開示命令申し立て
まず、問題となる投稿が行われたサイトの管理者に対して、発信者情報の開示を求める手続きが必要です。
管理者に直接任意で情報の開示を求めることも可能ですが、実際に応じてもらえるケースは少ないのが現状です。そのため、通常は裁判所を通じて開示命令を申し立てます。裁判所が開示命令を出すと、管理者は投稿者に関する情報、具体的にはIPアドレスやタイムスタンプなどの技術情報を開示する義務を負います。
投稿者IPアドレスなどの開示
次に、裁判所の命令によって開示されたIPアドレスやタイムスタンプを基に、投稿者がインターネット接続に利用したプロバイダを特定します。
プロバイダへの開示命令申し立て
プロバイダに対して契約者情報の開示を求めるとともに、通信ログが消去されるのを防ぐため、裁判所にログ消去禁止命令を申し立てる必要があります。この手続きを通じて、プロバイダが保持している契約者情報を確保する準備を進めます。
契約者への意見聴取
プロバイダが契約者情報を開示する前に、契約者に対して意見聴取が行われます。このプロセスでは、契約者に開示に対して意見を述べる機会が与えられます。
通常、回答期限は約2週間です。裁判所は契約者からの意見を踏まえた上で、情報開示の相当性を判断します。その結果、裁判所が情報開示を相当と判断すれば、プロバイダから投稿者の氏名や住所などの契約者情報が開示される流れとなります。
住所や氏名などの情報開示
契約者に対する意見聴取の結果、裁判所が開示を相当と判断すれば、プロバイダから投稿者の以下の情報が開示されます
- 住所
- 氏名
- その他契約時に登録された情報
この情報により、投稿者の身元が判明します。その後、損害賠償請求や刑事告訴など、具体的な法的措置を進めることが可能となります。
開示請求で有力な証拠としてスクショを利用するための注意点
開示請求を成功させるには、スクリーンショット(スクショ)を証拠として適切に利用することが重要です。スクショが有効な証拠と認められるためには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。ここでは、注意すべき点を詳しく解説します。
名誉毀損が成立しているとわかるか
まず、名誉毀損が成立するためには、法律上の要件を満たしている必要があります。
要件として、不特定多数の人に伝わる状態で行われたことを示す公然性、投稿内容が具体的な事実を示している事実摘示性、社会的評価を低下させる内容である名誉毀損性が求められます。
単に本人が不快に思うだけでは名誉毀損とは認められないため、これらの要件を全て満たしているかどうかを証拠で示すことが大切です。
同定可能性
名誉毀損が成立するには「誰を指しているか」が特定できる、いわゆる同定可能性も重要です。
たとえば、投稿文だけでは個人を特定できなくても、前後のやり取りやリプライを含めて文脈を示すことで、特定性が認められる場合があります。このため、スクショには関連するやり取り全体を記録することが有効です。
証拠不十分であれば不起訴に
証拠が不十分な場合、加害者が刑罰を免れることもあります。検察が証拠不足と判断すれば、不起訴処分となり、被害者の損害回復が大幅に遅れる可能性があります。
こうした事態を防ぐためにも、捜査機関に頼るだけでなく、自ら積極的に証拠を収集しておくことが必要です。スクショはもちろん、関連する投稿やログも確実に保存しておくべきです。
証拠はなるべく早く保存
インターネット上の投稿は削除されるリスクが高いため、投稿を発見した時点でスクショを撮影し、ログを含む内容を迅速に記録することが求められます。
特に通信ログは保存期間が通常3か月から6か月程度と短いため、開示請求を視野に入れ、直ちに証拠保存を始めることが重要です。保存形式はPDFが便利です。日時やURLが自動的に記録されるため、証拠の信頼性を高めることができます。
開示請求を行った後できることは?スクショは証拠として残しておく
インターネット上での誹謗中傷やプライバシー侵害に対して開示請求を行った後、被害者としてどのような対応ができるのかを解説します。
スクショなどの証拠を基に、被害回復に向けた具体的な行動に移りましょう。
損害賠償請求
開示請求によって相手の住所や氏名などの情報が判明した場合、損害賠償請求を行うことができます。
この手続きは、相手の不法行為によって生じた損害を金銭で補填するよう求めるもので、被害回復を図るために重要です。損害賠償請求は、いきなり裁判を起こすのではなく、まずは弁護士を通じて相手に書面で賠償を求めるのが一般的です。
書面による請求で相手が真摯に対応し、賠償に応じれば裁判を回避できます。しかし、相手が応じない場合や賠償金の支払いを拒否する場合は、裁判に移行することになります。
刑事裁判
誹謗中傷が「名誉毀損罪」や「侮辱罪」に該当する場合、刑事告訴を通じて相手の処罰を求めることが可能です。
刑事告訴では、警察や検察などの捜査機関に対して犯罪の事実を申告し、加害者の法的責任を問います。この過程で被疑者が逮捕され、起訴されれば刑事裁判が開かれる流れとなります。
適用される罪状は名誉毀損罪や侮辱罪に限らず、場合によっては業務妨害罪や威力業務妨害罪が該当することもあります。刑事裁判は被害者の名誉回復や加害者の法的責任を明確にするために重要な手段です。
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