不倫慰謝料の内容証明を無視されたら?|放置のリスクと次に検討すべき手段
2026年01月15日

「勇気を出して内容証明郵便を送ったのに、相手から何の連絡もない」
「受け取りを拒否されて返送されてきた。この先どうすればいいのだろうか」
誠意ある対応を求めて送った通知書に対し、何の反応もない状況は、不安や落胆を感じやすいものです。
ただし、相手が内容証明を無視する行動には、いくつかの理由や背景があります。
また、無視された場合でも、取るべき対応が尽きたわけではありません。むしろ、次の段階に進むタイミングと考えることが重要です。
この記事では、内容証明郵便を無視された場合に考えられる理由と、次に検討すべき対応について解説します。
なぜ相手は内容証明を無視するのか
相手が反応しない理由として、次のような心理や事情が考えられます。
裁判までは進まないと考えている
差出人が個人名の場合、 「交渉の一環だろう」「このまま対応しなければ終わるかもしれない」 と受け止められてしまうケースがあります。
どう対応すべきか分からず、結果的に放置している
突然の通知に戸惑い、返答方法が分からないまま時間が経過してしまうこともあります。
受け取りを避けている
内容証明郵便の受け取りを拒否したり、不在を装ったりするケースも見られます。
無視されたまま放置することのリスク
相手から返答がない状態で何も行動を取らないと、請求する側にとって不利な状況が生じる可能性があります。
特に注意が必要なのが消滅時効です。不倫慰謝料の請求権は、原則として、不倫の事実と相手を知った時から3年で時効にかかります。
内容証明郵便を送付することで、時効の完成を一時的に猶予(催告)する効果はありますが、その効力は6か月間に限られます。この期間内に訴訟提起などの法的手続きを行わなければ、時効が完成するおそれがあります。
弁護士名義で通知を送ることによる効果
個人名で送った内容証明が無視された場合でも、弁護士名義で改めて通知を送ることで状況が変わるケースは少なくありません。
弁護士名義の通知は、
- 今後、法的手続きを進める可能性があること
- 交渉が個人間の問題ではなくなったこと
を相手に明確に伝える役割を果たします。
その結果、これまで対応を避けていた相手が、 「話し合いで解決したい」として連絡をしてくることもあります。
それでも反応がない場合は訴訟を検討する
弁護士からの通知にも反応がない場合、裁判所に訴訟を提起することを検討します。
訴訟を起こしたにもかかわらず、相手が出廷せず、書面での反論もしなかった場合、
こちらの主張が認められる形で判決が出ることがあります。
判決が確定すれば、相手が任意に支払わない場合でも、給与や預貯金に対する強制執行(差し押さえ)を行うことが可能になります。
よくある質問(FAQ)
Q:無視されているので、相手の職場や実家を訪ねても問題ありませんか?
おすすめできません。
状況によっては、脅迫や名誉毀損、住居侵入と受け取られるおそれがあります。
また、感情的な行動は、後に裁判になった場合に不利に評価される可能性もあります。
法的に適切な手段を取るためにも、専門家に任せることが重要です。
Q:内容証明を送った後、「名誉毀損で訴える」と言われました。問題はありますか?
正当な慰謝料請求であれば、通常は名誉毀損には該当しません。
不倫の事実に基づき、相当な方法で請求している場合、違法と評価される可能性は低いと考えられます。
ただし、今後の行動が名誉棄損に該当してしまう可能性もあるので、専門家に任せるべきでしょう
Q:無視されたことを理由に慰謝料は増額できますか?
内容証明郵便を無視されたという事実だけで、慰謝料の算定額が直接的に増額されることは基本的にありません。
慰謝料の金額は、不倫行為の期間や頻度、悪質性、婚姻関係が破綻に至った原因が不倫行為にあるか、請求側の精神的苦痛の程度、不倫相手の経済状況など、様々な要素を総合的に考慮して決定されます。
しかし、相手が内容証明を無視し続け、その後の交渉や訴訟においても反省の態度が見られず、不誠実な対応を続けるなど、極めて悪質な態度であると裁判官が判断した場合には、慰謝料額を算定する際の「悪質な事情」として考慮され、結果的に相場よりも高額になる可能性はあります。
まとめ:無視された場合は、次の段階に進むことを検討しましょう
内容証明郵便を無視された場合、個人間での交渉が難しくなっている可能性があります。
その状態で無理に連絡を続けることは、精神的な負担が大きくなるだけでなく、状況を改善しないこともあります。
内容証明の控えや郵便の配達記録を保管したうえで、専門家に相談し、次に取るべき法的手段を整理することが重要です。
※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。







