個人再生とは?借金を大きく減らし、マイホームを守るための仕組みと条件

最終更新日: 2026年06月17日

個人再生とは?借金を大きく減らし、マイホームを守るための仕組みと条件

「借金が増えてしまい、このままでは返済が続けられそうにない」
「家族と住んでいる家だけは、できれば失いたくない」

こうした状況にある方が検討することの多い制度の一つが、「個人再生」です。

個人再生は、裁判所を通じて借金を大幅に減らし、減った借金を分割で返していく手続きです。
特に、住宅ローンが残っている持ち家を維持できる可能性がある点が、大きな特徴といえます。

本記事では、「そもそも個人再生とは何か?」という基本から、メリット・デメリット、利用条件まで、法律の知識がない方でも理解できるように説明します。

※債務整理の基礎知識については、以下の記事で解説しています。

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この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士 春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内法律事務所勤務
当事務所開設
資格
宅地建物取引士
情報処理安全確保支援士
詳しくはこちら

職員が丁寧にお話を伺います初回無料

目次

個人再生とは?他の債務整理手続きとの違い

個人再生とは、裁判所に申し立てを行い、借金を法律に基づいて減額してもらう手続きです。
減額後の借金は、原則として3年(特別の事情がある場合は最長5年)で、毎月分割して返済していきます。

ここで大切なのは、「借金がゼロになる手続きではない」という点です。
返済は続けるものの、現実的に支払える金額まで負担を軽くするのが、個人再生の考え方です。

【任意整理・自己破産との比較】

項目

任意整理

個人再生

自己破産

借金の減額幅

利息の調整が中心

元本を含めて大幅に減額

返済義務が免除される

自宅(持ち家)

原則残せる

条件を満たせば残せる

原則として手放す

財産処分

なし

原則なし(※一定の考慮あり)

一定額以上は処分

職業制限

なし

なし

手続き中のみ制限あり

Point:
個人再生は、「返済を完全に免除する自己破産」と「返済条件を調整する任意整理」の中間的な制度と考えると理解しやすいです。

個人再生の主なメリット

住宅ローンがあっても自宅を維持できる可能性がある

個人再生の大きな特徴が、「住宅資金特別条項(住宅ローン特則)」です。

簡単に言うと、「住宅ローンだけは今までどおり支払い、それ以外の借金だけを減らす仕組み」です。

たとえば、

  • 住宅ローン
  • カードローン
  • 消費者金融からの借入

が混在している場合でも、住宅ローンを切り離して考えることができます。
その結果、家を手放さずに生活再建を目指せる可能性があります。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。

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借金を大きく減額できる

個人再生では、借金の総額に応じて「最低限返済すべき金額」(最低弁済基準額)が法律で決められています。

  • 100万円未満:減額なし(全額)
  • 100万円〜500万円未満:100万円
  • 500万円〜1500万円未満:負債額の5分の1
  • 1500万円〜3000万円以下:300万円
  • 3000万円〜5000万円以下:負債額の10分の1

※たとえば、借金が1500万円ある場合でも、返済額は300万円まで圧縮される可能性があります。

また、「清算価値の原則」というもう1つの弁済額を決める基準により、返済額が最低弁済基準額を上回ることもあります。

さらに、給与所得者等再生では、可処分所得基準という別の弁済額を決める基準が追加されます。

これにより、「毎月の返済額が重くて生活が成り立たない」という状態から抜け出しやすくなります。

自己破産と異なり資格制限がない

自己破産では手続き中に一部の職業に就業制限がかかりますが、個人再生には資格制限がありません。

弁護士・税理士・公務員・警備員など、職業を問わず手続きを進めながら仕事を続けられます。

ギャンブル・浪費が原因でも利用できる

自己破産では免責不許可事由(ギャンブル・浪費など)が問題になりますが、個人再生では借金の原因は問いません。

返済計画が実行可能かどうかが審査の中心になります。

個人再生を利用するための主な条件

個人再生は、誰でも無条件に利用できるわけではありません。
主に次の3つの条件が重視されます。

継続的な収入が見込めること

毎月返済を続ける必要があるため、会社員や年金受給者、安定した収入のある自営業者などが想定されています。

借金総額が5,000万円以下であること

ここでいう借金には住宅ローンは含まれません

将来的に返済が難しくなるおそれがあること

「今は何とか払っているが、このままでは破綻する可能性が高い」といった状況でも対象になります。

 

個人再生が利用できる条件について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

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事前に知っておきたい注意点とデメリット

信用情報への影響

いわゆる「ブラックリスト」の状態となり、一定期間はローンやクレジットカードの利用が難しくなります。

官報への掲載

国が発行する公的な情報誌に名前が載りますが、一般の生活で目にする人はほとんどいません。

手続きの負担

書類の準備や裁判所とのやり取りが必要なため、専門家のサポートが事実上不可欠です。

清算価値の原則

車や預貯金などの資産がある場合、資産の評価額の総額以上の弁済が必要となります。

個人再生では、実際に資産を失うわけではありませんが、弁済額が、仮に破産した場合の配当額(清算価値)を下回らないようこのような基準が設けられております。

 

個人再生のデメリットについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

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個人再生にかかる費用の目安

個人再生の費用は「裁判所に納める費用」と「弁護士費用」の2種類があります。

  • 裁判所費用:数万円程度(事件の種類・裁判所によって異なる)
  • 弁護士費用:50〜80万円程度が一般的な相場

3つの手続きの中で個人再生は費用が最も高くなりやすいですが、多くの事務所で分割払いに対応しています。

手続き中に返済が一時ストップする期間を活用して積み立てるケースが一般的です。

費用の詳細な内訳・分割払いの方法はこちらの記事で詳しく解説しています。

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個人再生の流れ(相談〜認可確定まで)

個人再生の手続きはおおむね以下の流れで進みます。

  • STEP1:弁護士に相談・依頼
    借金の状況・収入・資産・自宅の状況を伝え、個人再生が適しているか確認します。

  • STEP2:受任通知の送付(督促が止まる)
    弁護士から各債権者に受任通知が送付され、直接の督促が止まります。

  • STEP3:書類収集・申立書の作成
    収入・資産・借金を証明する書類を収集します。弁護士がサポートするため、書類の種類が多くても対応できます。

  • STEP4:裁判所への申立て
    弁護士が裁判所に申立書を提出します。

  • STEP5:再生計画案の作成・提出
    月々の返済額・期間を定めた「再生計画案」を作成し、裁判所に提出します。

  • STEP6:債権者の決議・裁判所の認可(小規模個人再生の場合)
    債権者の同意(または異議がないこと)を経て、裁判所が再生計画を認可します。

  • STEP7:返済開始
    認可確定後、再生計画に基づいた返済を開始します。原則3年間で完済します。

手続きの詳細なステップはこちらの記事で詳しく解説しています。

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個人再生が向いている人・向いていない人

個人再生が向いている人

  • 住宅ローンが残っており、自宅を手放したくない
  • 安定した収入があり、減額後の借金を3年で返済できる見込みがある
  • 借金の総額が大きく、任意整理(利息カットのみ)では返済が難しい
  • 自己破産の資格制限・財産処分を避けたい
  • ギャンブル・浪費が原因で自己破産の免責が心配

個人再生が向いていない人

  • 収入がなく、減額後の返済見通しが立たない
    → 自己破産を検討
  • 借金の総額が少なく、利息カットで解決できる
    → 任意整理を検討
  • 費用をできるだけ抑えたい(個人再生は3手続きの中で費用が最も高い)

詳しい判断基準はこちらの記事で詳しく解説しています。

知らなきゃ損!個人再生が向いている人の4つの条件と手続きの流れ

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こんな状況でご相談いただいています

【ケース①】住宅ローン残で自己破産に踏み切れなかった

40代男性。住宅ローンが残った持ち家に家族で暮らしており、消費者金融4社・クレジットカード2社で計600万円の借金が返済困難な状態に。「自己破産すると家を失う」と思い相談を躊躇していたとのこと。

住宅ローン特則を使えば自宅を守りながら借金を減額できる可能性があることをご説明しました。

【ケース②】「収入がある=個人再生できない」と思い込んでいた

30代会社員女性。毎月の返済が収入の大半を占め、生活費が不足する状態。「まだ収入があるから自己破産はできないし、個人再生も対象外では」と思い込んでいたとのこと。

収入があることは個人再生の条件を満たすこと、かつ現状は返済困難と判断できることをご説明しました。

【ケース③】借金原因がギャンブルで自己破産を諦めていた

40代男性。ギャンブルによる借金500万円。「免責不許可事由に当たるため自己破産は無理、個人再生も使えないのでは」と誤解されていたとのこと。

個人再生は借金の原因を問わず利用でき、返済計画の実行可能性が審査の中心になることをご説明しました。

※こちらはあくまで参考であり、実際の案件とは異なります。 

【FAQ】個人再生でよくある質問

Q. 家族に知られずに手続きできますか?

同居している家族には、知られる可能性があります。
家計全体を裁判所に示す必要があるため、配偶者の収入資料などが求められることがあります。

Q. ギャンブルや浪費が原因の借金でも利用できますか?

利用できる可能性はあります。
個人再生では、借金の原因よりも「返済計画が現実的かどうか」が重視されます。

Q. 家族が保証人になっている借金も対象にできますか?

 対象にすることは可能ですが、保証人(家族)に対して残りの返済義務が発生します。

保証人への影響を避けたい場合は、その借金を再生計画の対象から外すか、保証人と一緒に弁護士に相談することをおすすめします。

Q. 個人再生後、いつからローンを組めますか?

信用情報機関の事故登録が解除される5〜10年後以降、通常通りローンの審査を受けられます。

住宅ローンについては、完済と信用情報の解除後に新たに組めるようになります。

Q. 個人再生の手続き中も仕事を続けられますか?

はい。個人再生には資格制限がなく、どのような職業でも仕事を続けながら手続きを進められます。

自己破産とは異なり、弁護士・税理士・公務員・警備員なども制限を受けません。

Q. 住宅ローンが払えなくなった場合、個人再生はできますか?

A. 住宅ローンの返済が大幅に遅れている場合、住宅ローン特則を使えない可能性があります。

住宅ローンが払えなくなる前に早めに弁護士に相談することが重要です。

Q. 個人再生と自己破産はどちらが向いていますか?

自宅を守りたい・安定した収入がある場合は個人再生、借金総額が非常に多く収入の見通しが立たない場合や自宅にこだわらない場合は自己破産が向いています。

費用面では自己破産の方が安くなるケースが多いです。どちらが適切かは弁護士への無料相談で確認することをおすすめします。

Q. 個人再生の返済途中で払えなくなったらどうなりますか?

再生計画通りに返済できなくなった場合、再生計画が取り消される可能性があります。その場合、元の借金総額での返済義務が復活します。

返済が困難になりそうな場合は早めに弁護士に相談し、計画変更の可能性を検討してください。

春田法律事務所の解決事例

解決事例
財産を残して解決

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まとめ:自宅を守りながら生活再建を目指すために

  • 個人再生は裁判所を通じて借金を最大5分の1まで減額できる手続き
  • 住宅ローン特則により、住宅ローン以外の借金だけを減額して自宅を守れる
  • 条件は「継続的な収入」「借金5,000万円以下」「将来的な返済困難のおそれ」
  • 資格制限がなく、借金の原因も問わない
  • 費用は3手続きの中で最も高め(弁護士費用50〜80万円程度)、分割払いOK
  • 手続き期間はおおむね半年〜1年
  • 信用情報への影響は5〜10年

「住宅ローンがあって自己破産はできない」「任意整理では借金が減らない」とお困りの方も、春田法律事務所では初回無料相談を受け付けています。

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