警察から出頭命令の電話!拒否できる?弁護士が対処法を解説
2026年04月13日

ある日突然、知らない番号から着信があり、出てみると「〇〇警察署の者ですが…」という声。もし、あなたがこのような電話を受けたら、冷静でいられるでしょうか。
「なぜ自分に?」「何か事件に巻き込まれたのか?」「もしかして詐欺?」など、一瞬で様々な考えが頭を巡り、不安でいっぱいになるのは当然のことです。
特に「警察署まで来て話を聞かせてほしい」という出頭要請を受けた場合、どう対応すれば良いのか分からず、パニックになってしまうかもしれません。
この記事では、警察から出頭を求める電話がかかってくる理由から、その電話が本物か見分ける方法、そして出頭要請への正しい対処法まで、弁護士の視点で詳しく解説します。突然の事態に慌てず、適切に行動するための知識を身につけましょう。
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なぜ警察から出頭を求める電話が?考えられる6つの理由
警察から個人に電話がかかってくる理由は様々です。
いきなり「自分が何か悪いことをしたのか」と結びつけてしまいがちですが、必ずしもそうとは限りません。
まずは、どのような可能性が考えられるのかを知り、落ち着いて状況を把握しましょう。
刑事事件の被疑者として疑われている
最も深刻なケースが、あなた自身が何らかの刑事事件の「被疑者」として疑われている場合です。
被疑者とは、犯罪の嫌疑を受けて捜査の対象となっている人のことで、まだ起訴されていない段階を指します(逮捕されているかどうかは関係ありません)。
窃盗、暴行、傷害、痴漢、交通人身事故、横領、詐欺など、あらゆる犯罪が対象となり得ます。
警察は、防犯カメラの映像や被害者・目撃者の証言などからあなたを特定し、事情聴取のために出頭を求めてきます。
この場合、任意での出頭を求めてくることが多いですが、拒否し続けると逮捕状が請求されるリスクがあります。
刑事事件の参考人・被害者として話を聞きたい
あなたが事件の犯人として疑われているわけではなく、「参考人」として協力を求められている可能性も十分にあります。
参考人とは、事件を目撃した、被害者や加害者と知り合いであるなど、捜査の参考になる情報を持っている可能性がある人のことです。
また、あなたが過去に提出した被害届に関する進捗報告や、追加で話を聞きたいことがある場合にも電話がかかってきます。
この場合の出頭要請は、あくまで捜査への協力依頼であり、あなた自身に不利益が生じる可能性は低いと言えます。
あなたの落とし物が見つかった
財布やスマートフォン、定期入れなどを落とした経験はありませんか?
中に入っていた身分証明書や連絡先をもとに、警察が「落とし物が見つかりましたよ」と知らせてくれるケースです。
この場合は、警察署まで受け取りに来るように促されます。不安な電話の原因がこれであれば、一安心と言えるでしょう。
家族が事件や事故に巻き込まれた
あなた自身ではなく、ご家族が事件や事故に巻き込まれた可能性も考えられます。
例えば、家族が交通事故に遭って病院に搬送された際の身元確認や、事件の被害者・加害者になってしまった際の連絡などです。
緊急性が高く、深刻な内容であることが多いため、冷静に話を聞く必要があります。
事務的な連絡や間違い電話
運転免許証の更新手続きに関する連絡や、古物商・風俗営業などの許可に関する事務連絡といったケースも稀にあります。
また、単純に警察官が電話番号を押し間違えた、同姓同名の別人への連絡だった、という可能性もゼロではありません。
警察官をかたる特殊詐欺
最も注意しなければならないのが、警察官を名乗る「なりすまし」による特殊詐欺(オレオレ詐欺など)の電話です。
「あなたのキャッシュカードが不正利用されています」 「詐欺グループのリストにあなたの名前がありました」 などと不安を煽り、資産状況や暗証番号を聞き出そうとしたり、指定の口座にお金を振り込ませようとしたりします。
警察からの電話と聞いても、すぐに信用せず、詐欺の可能性を常に疑う姿勢が重要です。
その電話、本物?警察をかたる詐欺電話の見分け方
「警察」と名乗る電話が本物かどうかを瞬時に見分けるのは困難です。
しかし、詐欺被害に遭わないために、以下のポイントを必ず押さえておきましょう。
実在する警察署の番号でも油断は禁物
スマートフォンの画面に表示された電話番号が、インターネットで検索した警察署の番号と一致していても、安易に信用してはいけません。
近年では、特殊な機器を使って発信者番号を偽装する手口も存在します。
表示されている番号が本物だとしても、かけてきている相手が本物の警察官である保証はないのです。
折り返し電話で所属と氏名を確認する
電話の真偽を確かめる最も確実な方法は、「折り返し電話」をすることです。
相手が警察官を名乗ったら、まず「所属部署(例:〇〇警察署 刑事第一課)」「氏名」「階級」を落ち着いて聞き、メモを取ります。そして、「大切な要件だと思いますので、一度電話を切り、自分で調べた警察署の代表番号にかけ直して、あなたにつないでもらいます」と伝え、一度電話を切りましょう。
その後、インターネット等でその警察署の「代表番号」を自分で調べて電話をかけ、先ほど聞いた所属と氏名を伝えて担当者を呼び出してもらいます。本物の警察官であれば、この手順で必ずつながります。
もし相手が折り返しを嫌がったり、代表番号以外の直通番号にかけるようしつこく要求してきたりした場合は、ほぼ間違いなく詐欺です。
暗証番号や金銭の要求には絶対に応じない
本物の警察官が、電話でキャッシュカードの暗証番号を聞き出したり、現金の保管状況を確認したり、ATMの操作を指示したり、お金を振り込むよう要求したりすることは絶対にありません。
金銭や個人情報(特に暗証番号)に関する話題が出た時点で、100%詐欺だと判断し、すぐに電話を切って警察(最寄りの警察署や警察相談専用電話「#9110」)に通報してください。
警察からの出頭要請を拒否・無視するとどうなる?
電話が本物の警察からであり、あなたに出頭を求めていることが分かった場合、「拒否できるのか」「無視したらどうなるのか」という疑問が浮かぶでしょう。
ここでは、そのリスクについて解説します。
「出頭要請」と「出頭命令」の違い
まず、法律上の言葉の整理が必要です。
一般的に「出頭命令」という言葉が使われがちですが、警察からの電話による出頭の求めは、ほとんどの場合、刑事訴訟法に基づく「任意出頭要請」(任意出頭)です。
これには法的な強制力はなく、応じる義務はありません。
一方、裁判官が発する逮捕状や勾引状、裁判所からの証人としての召喚状には強制力があり、正当な理由なく拒否すれば法的なペナルティが科されます。
電話でいきなり強制力のある命令が下されることは、まずありません。
任意の出頭要請は拒否できるが逮捕リスクが高まる
「任意」であるため、理論上は出頭要請を拒否すること自体は可能です。
仕事が忙しい、都合が悪いといった理由で断っても、その行為自体が罪に問われることはありません。
しかし、特にあなたが被疑者として疑われている場合、安易な拒否は非常に危険です。
警察は「なぜ出頭しないのか?」「何か隠しているのではないか?」と疑いを深める可能性があります。
正当な理由なく無視し続けると逃亡・証拠隠滅の恐れありと判断される
出頭要請を何度も無視したり、連絡がつかない状態を続けたりすると、警察は「逃亡のおそれ」や「証拠隠滅のおそれ」があると判断する可能性が高まります。
これらは、裁判官が逮捕状を発付するための重要な要件です。
つまり、任意での捜査に協力しない姿勢を見せることで、かえって身柄拘束、すなわち「逮捕」という最悪の事態を招くリスクを自ら高めてしまうことになるのです。
警察からの出頭要請への正しい対処法
では、実際に警察から出頭要請の電話を受けたら、どのように対応するのがベストなのでしょうか。
パニックにならず、以下のステップで行動してください。
まずは落ち着いて用件と担当者の情報を確認する
まずは深呼吸をして、冷静になることが第一です。
そして、電話口で以下の情報を必ず確認し、正確にメモを取りましょう。
- 警察署名、所属部署(例:警視庁 〇〇警察署 刑事課 強行犯係)
- 担当者の氏名と階級
- かけ直すための連絡先(代表番号経由でつないでもらうのが望ましい)
- 出頭を求める理由・用件(何の事件について、どういう立場で話を聞きたいのか)
- 自分の立場(被疑者なのか、参考人なのかを単刀直入に確認する)
相手が情報の開示を渋る場合や、曖昧な説明しかしない場合は、詐欺の可能性も疑いましょう。
すぐに出頭できない場合は日程調整を相談する
警察から指定された日時に、仕事や家庭の事情でどうしても出頭できないことはあり得ます。
その場合、「出頭には応じる意思がある」ことを明確に伝えた上で、「申し訳ありませんが、その日は〇〇という外せない予定がありまして…」と正直に理由を説明し、別の日時に調整できないか相談しましょう。
正当な理由があれば、警察も柔軟に対応してくれることがほとんどです。
無断で無視するのではなく、誠実な態度で日程調整を申し出ることが重要です。
不安な場合はすぐ弁護士に相談する
「被疑者として話を聞きたい」と言われた場合や、参考人と言われたものの内容に不安を感じる場合は、警察に返事をする前、そして出頭する前に、必ず弁護士に相談してください。
自分一人で警察署に行き、不利な供述調書を作成されてしまうと、後から内容を覆すのは非常に困難です。
早期に弁護士に相談することで、今後の見通しや取り調べへの対応方法など、的確なアドバイスを受けることができます。
警察から出頭要請を受けたら弁護士に相談すべき理由
なぜ、警察に出頭する前に弁護士に相談することが重要なのでしょうか。
その具体的なメリットは以下の通りです。
逮捕・勾留されるリスクを低減できる
弁護士が身元引受人になることや、本人が出頭して誠実に捜査に協力する意思があることを警察に伝えることで、「逃亡や証拠隠滅のおそれはない」と判断させ、逮捕を回避できる可能性が高まります。
取り調べへの適切な対応方法がわかる
出頭すると、警察官による「取り調べ」が行われます。
弁護士は、出頭する前に、取り調べがどのように進むのか、あなたに保障されている権利(黙秘権など)は何か、どのような受け答えをすべきか、そして不利な供述調書に署名・押印しないことの重要性などを具体的にアドバイスします。
この事前準備があるかないかで、結果は大きく変わってきます。
被害者との示談交渉を任せられる
被害者がいる犯罪の場合、被害者の方と示談を成立させることが、逮捕の回避や、起訴・不起訴の判断、その後の刑の重さを決める上で極めて重要になります。
しかし、加害者本人が直接被害者と交渉するのは困難な上、さらなるトラブルに発展しかねません。
弁護士が間に入ることで、冷静かつ円滑に示談交渉を進めることができます。
警察署への出頭に同行してもらえる
弁護士に依頼すれば、警察署への出頭に同行してもらうことが可能です。
法律の専門家がそばにいるというだけで、精神的な負担は大きく軽減されます。
また、弁護士の存在は、警察官に対するプレッシャーとなり、不当な取り調べや自白の強要を防ぐ抑止力としても機能します。
警察からの出頭要請に関するよくある質問
最後に、警察からの出頭要請に関してよく寄せられる質問にお答えします。
出頭したらそのまま逮捕されますか?
必ずしも逮捕されるわけではありません。
任意出頭はあくまで任意であり、話を聞いただけでその日のうちに帰される「在宅事件」として捜査が進むケースも非常に多いです。
しかし、出頭後の取り調べで容疑が固まったり、警察が事前に裁判所から逮捕状を取得していたりした場合には、そのまま逮捕される可能性もゼロではありません。
だからこそ、出頭前に弁護士に相談し、リスクを把握しておくことが重要なのです。
弁護士費用はどのくらいかかりますか?
弁護士費用は、相談する法律事務所や事案の複雑さによって異なります。
一般的には、相談料、事件を依頼する際の「着手金」、結果に応じた「成功報酬」などで構成されます。
初回相談は無料としている事務所も多いので、まずは複数の事務所に問い合わせて、費用体系や弁護士との相性を確認することをおすすめします。
費用面で不安がある場合も、分割払いに応じてくれる事務所もあるため、正直に相談してみましょう。
警察はどこで私の電話番号を調べたのですか?
警察は、捜査のために合法的な手段で個人情報を収集する権限を持っています。
例えば、以下のような方法で電話番号を調べることが考えられます。
- 被害者や関係者からの聴取
- 防犯カメラに映っていた車両の登録情報からの照会
- 職務質問の際に聴取した情報
- 携帯電話会社などへの「捜査関係事項照会書」による照会
これらの手段は法律に基づいて行われるため、個人情報保護法違反にはあたりません。
まとめ
警察から出頭を求める電話があった場合、まずは詐欺を疑い、折り返し電話で真偽を確認することが鉄則です。
そして、本物の警察からの要請であった場合、無視や安易な拒否は、逮捕のリスクを高めるだけで何のメリットもありません。
出頭要請には誠実に応じる姿勢を見せつつも、少しでも不安を感じたり、被疑者としての出頭を求められたりした場合には、ためらわずに弁護士に相談してください。
早期に弁護士という専門家を味方につけることが、あなた自身とあなたの未来を守るための最も賢明な選択です。
突然の電話に動揺する気持ちは分かりますが、この記事を参考に、一つひとつ冷静に対処していきましょう。
※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。
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