名誉毀損で逮捕されたら?弁護士に依頼すべき理由・費用・示談の流れを解説

2026年06月09日

名誉毀損で逮捕されたら?弁護士に依頼すべき理由・費用・示談の流れを解説

「SNSに書き込んだ内容が名誉毀損だと言われた」「口コミサイトの投稿が問題になった」「相手から弁護士を通じて連絡が来た」――そのような状況で不安を抱えている方へ。

名誉毀損は刑事事件として逮捕・起訴されるリスクがある一方、早期に弁護士が介入することで示談成立・不起訴処分を実現できる可能性があります。

本記事では、名誉毀損罪の成立要件・逮捕リスク・弁護士に依頼する流れ・費用相場を、刑事弁護士がわかりやすく解説します。

この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士 春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内法律事務所勤務
当事務所開設
資格
宅地建物取引士
情報処理安全確保支援士

「家族が逮捕された」「示談したい」など、300件以上の刑事事件のご相談に対応してきました。(※2026年3月時点)これまでの実務経験をもとに、法律のポイントを分かりやすく解説しています。

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名誉毀損罪とは?成立要件と侮辱罪との違い

名誉毀損罪の成立要件(刑法230条)

名誉毀損罪は刑法230条に規定されており、「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した」場合に成立します。刑罰は3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です。

成立に必要な要件は以下の3つです。

①公然性

不特定または多数の人が知り得る状態であること。SNS投稿・口コミサイト・掲示板への書き込みはほぼすべて該当します。

②事実の適示

具体的な事実を述べていること。「〇〇さんが横領をした」「△△社の製品は欠陥品だ」など。

③名誉毀損

その人の社会的評価を下げるおそれがある内容であること。

なお、摘示した事実が「真実」であっても名誉毀損罪は成立します(真実であれば免責されるのは、公益目的かつ公共の利害に関する事実の場合のみ)。「本当のことを書いただけ」という主張は、そのまま通るわけではない点に注意が必要です。

侮辱罪・脅迫罪との違い

 

名誉毀損罪

侮辱罪

脅迫罪

根拠条文

刑法230条

刑法231条

刑法222条

事実の摘示

必要

不要

不要

公然性

必要

必要

不要

刑罰

3年以下の拘禁刑
または50万円以下の罰金

1年以下の拘禁刑
または30万円以下の罰金

2年以下の拘禁刑
または30万円以下の罰金

親告罪とは?告訴の重要性

名誉毀損罪は「親告罪」です。つまり、被害者が告訴しなければ起訴されません。逆に言えば、被害者が告訴を取り下げれば、不起訴処分となります。

この性質から、弁護士を通じた早期示談が極めて重要になります。被害者と示談が成立し「告訴しない」「告訴を取り下げる」旨の合意を得ることができれば、刑事責任を問われずに済む可能性が高まります。

警察や検察から連絡が来た段階、あるいは相手方弁護士から内容証明が届いた段階で、すぐに刑事弁護士に相談することが最善の対応です。

名誉毀損で逮捕・起訴されるリスク

逮捕されやすいケース

名誉毀損はすべてのケースで逮捕されるわけではありませんが、以下のような状況では逮捕・身柄拘束のリスクが高まります。

・被害者(個人・法人)が刑事告訴を行った場合

・投稿内容が特に悪質で、被害が広範囲に及ぶ場合

・被害者からの警告・削除要請を無視して投稿を続けた場合

・繰り返し同一人物への誹謗中傷を行っていた場合

・被疑者が捜査に非協力的で逃亡・証拠隠滅のおそれがある場合

近年、SNSでの誹謗中傷に対する社会的な関心の高まりを受け、警察が積極的に捜査を行うケースが増えています。「ネット上の書き込みだから大丈夫」という認識は危険です。

在宅捜査になるケース

名誉毀損事件の多くは、逮捕・身柄拘束なしで捜査が進む「在宅事件」として扱われます。被疑者に定まった住所・職業があり、逃亡・証拠隠滅のおそれが低いと判断された場合は、任意の取り調べに応じながら捜査が続きます。

在宅事件であっても起訴されれば前科がつくため、「逮捕されていないから安心」ではありません。在宅捜査中でも弁護士を選任し、示談交渉・不起訴処分に向けた活動を早期に始めることが重要です。

名誉毀損罪の刑罰と前科のリスク

名誉毀損罪の法定刑は「3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金」です。初犯・被害が限定的なケースでは罰金刑や執行猶予付き判決になることが多いですが、起訴されれば前科がつきます。

前科は就職・資格取得・海外渡航などに影響することがあります。また、刑事責任とは別に、被害者から民事訴訟(損害賠償請求)を提起されるリスクもあります。刑事・民事双方の対応を視野に入れた弁護活動が必要です。

名誉毀損で弁護士に依頼すべき4つの理由

告訴前の早期介入で逮捕を回避できる

名誉毀損は親告罪であるため、被害者が告訴する前に示談を成立させることで、逮捕・捜査自体を回避できる可能性があります。相手方から連絡が来た段階、または自分が問題のある投稿をしたと気づいた段階で、すぐに弁護士に相談することが重要です。

弁護士は被害者(または被害者側弁護士)に対し、依頼者の代理人として謝罪・示談の申し入れを行います。当事者同士の直接交渉では感情的になりがちですが、弁護士が間に入ることで冷静な交渉が可能になり、示談成立の確率が上がります。

告訴後であっても、起訴前に示談が成立すれば不起訴処分となる可能性があります。刑事事件の処分は起訴か不起訴かで大きく変わります。不起訴であれば前科はつきません。

示談交渉・謝罪を代行できる

名誉毀損の示談では、謝罪・投稿の削除・慰謝料の支払いが主な交渉内容となります。弁護士は依頼者の事情を整理したうえで、被害者が受け入れやすい条件を提案し、示談書を作成します。

示談書には「被害者は刑事告訴をしない(または取り下げる)」「依頼者を許す(宥恕条項)」「同様の行為を二度と行わない」などの条項を盛り込みます。これらの条項が適切に記載された示談書を作成することで、将来の紛争再発を防ぎます。

被害者が個人の場合、弁護士がつくことで交渉が整理されるため、むしろ迅速に解決できるケースが多いです。被害者側にも弁護士がついている場合は、弁護士同士で交渉を進めます。

投稿の削除・拡散防止の交渉ができる

示談交渉の条件として、問題となった投稿の削除を求めることができます。また、すでに拡散している場合は、削除要請やキャッシュの消去についても交渉します。SNSプラットフォームへの削除申請を弁護士が代行することも可能です。

投稿が残り続けると被害者の名誉毀損が継続し、示談成立後も被害者の怒りが収まりにくくなります。早期に削除・拡散防止の対応を行うことが、円満解決への近道です。

不起訴・減刑に向けた弁護活動ができる

すでに告訴・逮捕された後であっても、弁護士は不起訴処分を目指した弁護活動を行います。起訴された後の場合には減刑を目指して弁護活動を行います。示談成立・反省の態度・初犯であることなどを検察官・裁判官に対して丁寧に主張します。

起訴後の公判では、執行猶予付き判決を目指す弁護活動が重要です。反省文の作成・家族による監督誓約・社会復帰の見通しなどを証拠として提出し、実刑を回避します。

名誉毀損事件は誤解や勢い余った言動から起きるケースも多く、被疑者自身は悪意がなかった場合もあります。そのような事情を丁寧に伝える弁護士の存在が、処分結果に大きく影響します。

名誉毀損の示談|流れ・示談金の相場

示談の流れ

段階

内容

期間目安

①弁護士選任

刑事弁護士に相談・依頼

逮捕後または告訴前すぐ

②状況確認

投稿内容・経緯・被害者の状況を整理

初回接見〜数日

③示談申し入れ

弁護士が被害者側に連絡・謝罪を申し出る

選任後すぐ

④条件交渉

慰謝料額・削除条件・宥恕条項を協議

数日〜数週間

⑤示談書締結

双方が署名した示談書を検察官に提出

交渉成立後

⑥処分決定

不起訴処分または告訴取り下げ

示談後〜数週間

示談金の相場

名誉毀損の示談金は、被害の程度・投稿の内容・拡散の規模・被害者が個人か法人かによって大きく異なります。一般的な目安は以下の通りです。

  • 個人への誹謗中傷(SNS投稿・口コミ)
    10万〜100万円程度
  • 継続的・組織的な誹謗中傷
    100万円以上になるケースも
  • 法人(企業・店舗)への風評被害
    被害額次第で高額になることがある

示談金の金額は弁護士が被害の実態を踏まえて適正額を見極めます。被害者の要求額が高すぎる場合は、根拠を示しながら減額交渉を行います。示談金を用意できない場合の対応についても弁護士にご相談ください。

名誉毀損事件の弁護士費用の目安

弁護士費用は法律事務所や事件の内容によって異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。

費目

目安

備考

相談料

無料〜1万円/回

初回無料の事務所が多い

着手金

30万〜50万円程度

依頼時に支払う

成功報酬

20万〜50万円程度

不起訴・示談成立時に支払う

接見費用

1回あたり3万〜5万円

逮捕・勾留された場合

着手金は事件着手時に発生し、結果にかかわらず返金されません。成功報酬は示談成立・不起訴などの成果が得られた場合に支払います。完全成功報酬制の事務所では着手金がない代わりに成功報酬が高く設定される場合があります。

費用について不安な方は、初回相談時に見積もりを確認するようにしましょう。春田法律事務所では初回相談無料で費用の目安をお伝えしています。

よくある状況と対応例

SNSへの投稿が名誉毀損になり、告訴前に示談を成立させたケース

状況

40代男性。元交際相手への怒りから、SNSに相手の実名・職場・「横領をした」という虚偽の事実を投稿した。投稿から2週間後、相手方弁護士から「刑事告訴および損害賠償請求を検討している」旨の内容証明郵便が届き、相談に来た。

対応

弁護士が即日対応し、相手方弁護士に謝罪の意思と示談交渉の申し入れを連絡。問題の投稿を全削除したうえで、謝罪文を作成。慰謝料30万円の支払いと、再度同様の投稿を行わない旨を明記した示談書を締結した。

→ 結果:告訴前に示談成立。刑事事件化せず、前科もつかなかった。民事訴訟も提起されなかった。

※こちらはあくまで参考であり、実際の案件とは異なります。

口コミサイトへの虚偽投稿で告訴後に示談・不起訴となったケース

状況

30代女性。利用した飲食店への不満から、口コミサイトに事実と異なる内容(「食中毒が出た」)を投稿。店側が刑事告訴し、警察から任意同行を求める連絡が来た段階で弁護士に相談。

対応

弁護士が取り調べへの対応方針を助言するとともに、飲食店側と示談交渉を開始。口コミの削除・謝罪文の提出・慰謝料100万円の支払いにより示談書を締結し、宥恕条項を明記。検察官に示談書と反省文を提出した。

→ 結果:示談成立を受け、検察官が不起訴処分を決定。前科はつかなかった。

※こちらはあくまで参考であり、実際の案件とは異なります。

よくある質問

Q:本当のことを書いても名誉毀損になりますか?

A:はい、なります。名誉毀損罪は「真実を書いたかどうか」ではなく「相手の社会的評価を下げる内容を公然と摘示したか」で判断されます。ただし、公益目的かつ公共の利害に関する事実であれば違法性が阻却される場合があります(刑法230条の2)。相手の社会的評価を下げるようなことをSNSに投稿してしまったような場合には弁護士に相談することをお勧めします。

Q:既に投稿を削除しました。それでも問題になりますか?

A:削除後でも、投稿がスクリーンショットで保存されていたり、キャッシュが残っていたりする場合は証拠として使用される可能性があります。削除自体は反省の姿勢を示す意味で重要ですが、それだけで責任を免れるわけではありません。削除後でも早急に弁護士に相談し、示談交渉を進めることが重要です。

Q:匿名の投稿でも特定されますか?

A:SNSや掲示板への匿名投稿でも、発信者情報開示請求によりIPアドレス・契約者情報が開示され、特定されるケースが増えています。「匿名だから安心」という認識は危険です。相手方が弁護士を通じて開示請求を進めている場合、短期間で身元が判明することもあります。

Q:相手から高額の示談金を要求されています。払わなければいけませんか?

A:示談金の金額は交渉によって決まるものです。被害者の要求額が不当に高い場合は、弁護士が被害の実態・損害の範囲を踏まえて根拠ある減額交渉を行います。示談金を払えない場合でも分割払いの交渉が可能なケースがあります。まずは弁護士に相談して適正額の見極めを依頼してください。

Q:警察から連絡が来ました。どうすればいいですか?

A:警察からの連絡(任意同行・取り調べへの呼び出し)があった場合は、すぐに弁護士に相談してください。取り調べで不用意に話すと、後から不利な証拠として使われる可能性があります。弁護士が取り調べへの対応方針をアドバイスすることもできます。

Q:会社や職場に事件が知られることはありますか?

A:警察・検察から直接会社に連絡が行くことは通常ありません。ただし、逮捕・勾留されたた場合は長期欠勤とならざるを得ない場合があり、事実上事件のことを知られてしまうことがあります。在宅事件として対応し、早期に示談を成立させて不起訴処分を目指すことが、仕事への影響を最小限にする最善策です。

まとめ

名誉毀損は刑事事件として逮捕・起訴されるリスクがある一方、早期に弁護士が介入することで示談成立・不起訴処分を実現できる可能性があります。

  • 名誉毀損罪は「公然と事実を摘示し人の名誉を毀損した場合」に成立(真実でも成立)
  • 親告罪なので、被害者が告訴する前の示談成立が最も重要
  • 弁護士は示談交渉・投稿削除・不起訴のための活動を一括サポート
  • 告訴前・逮捕前の早期相談が、前科回避の最大のポイント

「投稿が問題になった」「相手の弁護士から連絡が来た」「警察から呼び出しが来た」など、少しでも不安を感じたら、春田法律事務所にご相談ください。初回相談無料・24時間相談受付中です。

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