不倫の慰謝料が払えないときは?対処法を解説
最終更新日: 2025年08月29日
不倫の事実が相手の配偶者に知られ、突然、高額な慰謝料を請求されてしまった――。このような状況に直面し、支払いが困難で途方に暮れている方は決して少なくありません。
この記事では、慰謝料の減額や分割払いの可能性、法的リスク、そして弁護士に相談するメリットについて、わかりやすく解説します。
結論から申し上げますと、慰謝料は交渉により減額や分割が認められるケースがあります。場合によっては、そもそも支払い義務がない可能性もあるため、冷静に状況を把握することが大切です。
不倫慰謝料の相場と判断ポイント
不倫に関する慰謝料は、一般的に50万円から300万円程度と言われています。ただし、実際の金額は状況や事情によって大きく異なります。
たとえば、不倫の期間が長かったり、不倫によって夫婦が離婚に至った場合などは、慰謝料が高くなる傾向があります。反対に、ワンナイトのような短期間の関係や婚姻関係がすでに破綻していたようなケースでは、請求額が抑えられることもあります。
また、慰謝料の金額は、相手が感情的になって一方的に請求してくることもあります。法的な妥当性があるかどうかを冷静に判断することが重要です。過大な金額を請求されている場合は、減額の余地が十分にある可能性があります。
慰謝料が払えないときの具体的な対応方法
もし請求された慰謝料をすぐに支払うことが難しい場合でも、さまざまな対応方法があります。以下のような選択肢を検討することができます。
慰謝料の減額交渉をする
現在の収入状況や生活の事情を丁寧に説明し、相手に理解を求めることで、慰謝料の金額を減額してもらえることがあります。過大な請求を見直してもらうためにも、弁護士に相談して交渉してもらうのが安心です。
分割払いをお願いする
たとえ慰謝料を全額支払う必要があるとしても、一括での支払いが難しい場合には、分割払いの提案が現実的です。たとえば「毎月2万円ずつ、2年間かけて支払う」といったように、生活に支障が出ない範囲での支払い計画を立てることが可能な場合もあります。
よくある状況と対応例
約半年の不倫がバレてしまい慰謝料300万円請求された例→80万円、さらに分割払いで和解
既婚者との不倫が発覚し、相手の配偶者から200万円の慰謝料を請求された男性のケースです
弁護士が代理人として交渉を行い、相手夫婦が離婚に至っていないことを指摘しつつ、日々の生活費や家賃の支払いもあり、一括払いが不可能であることの裏付けとして収入証明や家計資料を提出しました。
結果として慰謝料は80万円に減額され、月2万円の分割払いで和解が成立しました。
既婚者と知らずに肉体関係をもってしまいで300万円請求された例 → 支払い義務なしと判断
パート勤務の女性が、婚活サイトで出会った男性と関係を持ったところ、実は相手男性が既婚者で、相手の奥さんから300万円の慰謝料を請求されて困っていたケースです。
弁護士が「既婚者の認識がなく、認識がないことに過失も認められないため、慰謝料を支払う法的根拠がない」と主張。
結果的に相手側が慰謝料請求を取り下げ、支払いは不要となりました。
放置や無視によるリスクと注意点
慰謝料請求を受けた際、何も対応せず放置してしまうのは非常に危険です。
請求に応じなかった場合、相手が次のような法的手続きを進める可能性があります。
- 内容証明郵便の送付(法的手続きの予告)
- 民事訴訟の提起(裁判を起こされる)
- 財産や給与の差し押さえ(強制執行)
内容証明郵便が自宅に届くと、家族に不貞がばれてしまう可能性がありますし、実際に裁判まで発展してしまい、判決でで支払い命令が出た場合、給与や預金が差し押さえられるなど、生活への影響が非常に大きくなります。
また相手からの連絡に対して冷たく対応したり、逆ギレしたり、逆に呼び出されるままに相手方に会いに行くと、相手方の怒りを買ったり、自分に不利な発言をしてしまったりと、状態が悪化してしまうケースがケースがよくあります。
誠実に話し合う姿勢を見せることは、結果的に自分を守ることにもつながりますから、弁護士を依頼するタイミングは早ければ早い方が良いでしょう。
弁護士に相談することのメリットとは
不倫慰謝料の問題を解決するうえで、弁護士に相談することにはさまざまなメリットがあります。
相手とのやり取りをすべて代行してくれる
精神的に追い詰められているとき、相手と直接連絡を取ることは非常につらいものです。弁護士が代わりに交渉してくれることで、心の負担が大きく軽減されます。
慰謝料の妥当性を正しく判断できる
一般の方が慰謝料の相場を正しく判断するのは難しいですが、弁護士であれば過去の事例に基づいて、法的に妥当な金額かどうかを判断できます。
減額や分割払いの交渉がスムーズに
相手も弁護士を立てている場合、対等に交渉を進めるためにも、こちら側にも専門家が必要です。
強制執行の回避に向けて対応できる
万が一、相手が裁判を起こしてきた場合でも、弁護士が対応することで差し押さえなどのリスクを最小限に抑えることができます。
よくあるご質問(FAQ)
Q. 請求された慰謝料が高すぎる気がします。どうすれば?
相手と支払いの合意をする前に弁護士に相談し、請求額が妥当かどうかを確認してもらいましょう。法的に過大な請求であれば、減額交渉が可能です。
Q. 分割払いは認めてもらえるのでしょうか?
相手の同意が必要ですが、事情を説明した上で誠実に交渉すれば月々の分割払いで合意できるケースも多いです。
Q. 相手からの連絡が怖くて対応できません。
弁護士に依頼すれば、相手との連絡はすべて弁護士に対応してもらえるので安心です。
Q. 慰謝料を支払わなかったらどうなりますか?
最終的に訴訟を起こされて判決が出た場合、給与や財産を差し押さえられる可能性があります。出来る限り早めの対応が大切です。
まとめ:早めの相談で人生の再出発へ
不倫による慰謝料請求は、精神的にも経済的にも非常に大きなプレッシャーになります。しかし、適切な対応をすれば、必ず乗り越えられる問題です。
一人で悩み続ける前に、まずは信頼できる弁護士に相談してみてください。専門的な知識と経験をもとに、状況に応じた最善の解決策を一緒に考えてもらえます。
人生を立て直すための第一歩として、まずは現実と向き合い、落ち着いて行動を始めましょう。
※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。