被相続人の生前に、妹だけに多額の生前贈与がなされていたケース
最終更新日: 2023年06月13日
ご相談内容
被相続人には、姉Aさんと妹Bさんの二人の相続人がいました。
被相続人が死亡する15年前に、被相続人からBさんに対し、非上場株式(相続時点の相続税評価額8000万円)の贈与が行われていたものの、被相続人の死亡時点では被相続人には財産がなかったため、Aさんは財産を全く相続できない可能性がありました。
解決まで
相続法の改正により、遺留分の計算において、遺留分侵害額請求の対象となる生前贈与は、相続開始前の10年間に行われた生前贈与のみとされています。
したがって、Aさんは、15年前に行われた株式の生前贈与を、遺留分侵害額請求の対象とすることができない可能性がありました。
しかし、調査の結果、15年前に行われた生前贈与の当時、被相続人には、贈与した株式以外には特段の財産がなかったことが判明しました。
そこで、株式の贈与が、遺留分権利者であるAさんに損害を加えることを知ってなされた贈与に該当するとの主張をして、例外的に、株式の贈与が遺留分侵害額請求の対象となる生前贈与であると認めさせることができました。
その結果、Aさんは遺留分侵害額として、Bさんから2000万円の支払いを受けることができました。