性の不一致で離婚できる?慰謝料請求も?専門弁護士が解説
最終更新日: 2024年01月27日
- 性の不一致で離婚を考えている
- 夫婦間の性の不一致の問題を解決したい
- 性の不一致を理由に離婚することは可能なのか
結婚した後、性の不一致によって夫婦での生活にストレスを抱えてしまい、離婚を考える人もいます。「性の不一致で離婚はできるのか」など不安に思うこともあるでしょう。
そこで今回は、離婚専門の弁護士が、離婚の原因となる性の不一致の概要・実際に離婚を考えたときの進め方について解説していきます。
本記事のポイントは以下です。お悩みの方は詳細を弁護士と無料相談することが可能です。
- 性の不一致での離婚を考えているなら、「証拠を集める」「弁護士に相談する」の2つが大切
- 性の不一致は夫婦間の話し合いやカウンセリングなどで乗り越えることもある
- 性の不一致での離婚は、相手も合意すればできる。できない場合は調停・裁判へと発展する可能性もある
離婚を考えてしまう「性の不一致」とは?
性の不一致とは、夫婦間の性的欲求や性癖などが合わないことを指します。
性の不一致が夫婦間の溝となり、離婚を考えるきっかけになることがあります。性の不一致は、夫婦間の話し合いやカウンセリングなどで乗り越えることができることもありますが、それでも解決しない場合は離婚を選ぶこともあるでしょう。
離婚原因にもなる性の不一致
ここでは、離婚原因になる性の不一致とは、具体的にどういうことなのか、以下の3つの例を紹介します。
- 性癖の違い
- 性交不能
- セックスレス
それぞれ見ていきましょう。
性癖の違い
離婚原因になる性の不一致の1つ目は、性癖の違いです。
性癖の違いとは、性的な興奮を得るために必要な要素や行動、手段が異なることを指します。
たとえば、一方がベッドインで満足するのに対して、もう一方は外でのセックスが好きだったり、それぞれが好む性的な行為が違ったりすることが考えられます。
性の不一致や性癖の違いが離婚の原因になるのは、夫婦間の関係に大きなストレスを与えることが多いからです。その問題が解決しない場合は、離婚を選ばざるを得ないこともあるでしょう。
性交不能
離婚原因になる性の不一致の2つ目は、性交不能です。
性交不能とは、本人の意志に関係なく性行為ができなくなってしまう状況です。性的な不一致の一種であり、離婚の原因になることがあります。
性交不能によって、日々の生活に不満を感じ、夫婦間の関係にストレスを生じさせることがあります。性交不能が原因でお互いに満足しなくなり、離婚を考えることもあります。
セックスレス
離婚原因になる性の不一致の3つ目は、セックスレスです。
夫婦間で性的な欲求の頻度やタイミングが合わないことが原因で、セックスがなくなってしまったり、性的な欲求が満たされなくなることがあります。これは夫婦間の関係にストレスを生じさせ、離婚を考えるきっかけになることがあります。
セックスレスを乗り越えるためには、コミュニケーションを大切にして、性的な欲求の頻度やタイミングを調整することが大切です。
性の不一致での離婚は可能か?
性の不一致が理由の離婚は可能です。
性的な欲求や性癖が合わないことが原因で、夫婦間の関係にストレスが生じてしまい、離婚を考えるきっかけになってしまうことがあります。
性の不一致によって、夫婦間のコミュニケーションや信頼関係が損なわれてしまうのです。さらに状況が悪化して離婚を決断するという事態に至るケースも少なくありません。
ここでは、どのような離婚の方法があるのかについて、相手の同意が必要な場合と相手の同意が得られない場合に分けて解説をします。
相手の同意が必要
まず相手の同意が必要な離婚の方法としては以下の2つがあります。
- 協議離婚
- 調停離婚
協議離婚
協議離婚では、離婚する夫婦が協議して、離婚に関する事項を解決することを目指すものです。
裁判所に離婚を申し立てる前に、夫婦間で協議を行うことで、離婚問題をスムーズに解決することが可能です。子どもの養育費や財産分与などの離婚に伴う金銭的な問題なども協議することができます。
協議離婚は、夫婦間でコミュニケーションを取りながら、離婚に関する事項をスムーズに解決することができる方法です。
調停離婚
調停離婚は、協議離婚と同様、訴訟によらずに夫婦間の合意により離婚に関する事項を解決する方法です。
離婚を希望する夫婦が裁判所によって選任された調停委員を介して、離婚に関する事項を解決することを目指します。
調停委員が間に入ることで、養育費や財産分与などの離婚に関する事項の調整を冷静に進めることができます。両当事者の合意ができれば、調停調書を作成して終了です。
相手の同意が得られない
次に、相手の同意が得られない場合の離婚の方法としては以下の2つがあります。
- 審判離婚
- 裁判離婚
審判離婚
審判離婚は、家庭裁判所の審判によって離婚の手続きを行うことを指します。
審判離婚は、夫婦間で協議や調停がうまくいかなかった場合や、協議や調停ができない場合に選ばれる方法です。審判離婚は、夫婦が離婚を申立て、裁判所が離婚に関する事項を審理し、判断を下すことによって成立します。審判離婚による審判の結果は、確定判決と同じ効力を持ちます。
裁判離婚
裁判離婚は、裁判所で離婚に関する訴訟を行うものです。裁判離婚を行うためには、以下の離婚原因のいずれか1つ以上に該当する必要があります。
民法第770条(裁判上の離婚)
夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
一 配偶者に不貞な行為があったとき。
二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
裁判離婚では、夫婦のいずれか片方が離婚訴訟を起こし、裁判所が判断を下すことによって離婚を成立させます。その中で、子どもの養育や財産分与などの離婚に関する事項も裁判所が判断します。
性の不一致での離婚に慰謝料は支払われるのか?
性の不一致での離婚に対して慰謝料の請求・支払いを受けることができます。ただし、他の離婚原因と比較するとその金額は低く、10万円から100万円程度が相場になっています。
ただし、婚姻生活が長期間にわたっていたり、精神的な苦痛が大きかったなどの事由がある場合は、より多くの慰謝料を請求できる可能性があります。
性の不一致を原因として離婚するためにやるべきこと
最後に、性の不一致を原因として離婚するためにやるべきことを紹介します。
証拠を集める
やるべきことの1つの目は、証拠を集めることです。
性癖の違いであれば、本人が望んでいない性行為をどう求められたのか記録しておきましょう。セックスレスであれば、性行為を行った日や求めたのに拒否された日などを日記に記すという方法もあります。
また、問題を解決するために誰かに相談したという記録も残しておくことが有効です。
弁護士に相談する
やるべきことの2つ目は、弁護士に相談することです。
離婚問題に詳しい弁護士に相談することで、離婚手続きをスムーズに進めることができます。また、養育費や慰謝料といったお金に関わる問題も弁護士に相談することで交渉力を上げることができます。
まとめ
本記事では、離婚の原因となる性の不一致の概要や実際に離婚を考えたときの進め方について解説しました。
性の不一致に悩んでおり離婚を検討するなら、弁護士に相談しましょう。離婚専門の弁護士であれば、豊富な経験からスムーズに離婚を進めることができます。
※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。