老人ホームとの契約の保証人になってトラブル起きたらどうなる?身元引受人との違いや回避手段も弁護士が解説

最終更新日: 2023年12月05日

老人ホームとの契約の保証人になってトラブル起きたらどうなる?身元引受人との違いや回避手段も弁護士が解説老人ホームは「終の住処」とも呼ばれ、高齢者が老後を穏やかに過ごす場所です。ただ、老人ホームへの入居には保証人が必要なことが珍しくありません。保証人は利用者が何かしらのトラブルを起こしたときにその責任を問われる存在です。

ただ、利用者が必ずしも保証人を用意できるとは限りません。また、保証人と似た言葉に身元引受人があります。それらの違いを理解できていない人も多いでしょう。

そこで今回は、介護業界に精通した専門弁護士が、老人ホームにおける保証人と身元引受人の違いや、保証人がいないときの対応策を解説します。

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この記事を監修したのは

弁護士 南 佳祐
弁護士南 佳祐
大阪弁護士会 所属
経歴
京都大学法学部卒業
京都大学法科大学院卒業
大阪市内の総合法律事務所勤務
当事務所入所

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老人ホームでのトラブルと保証人の関係

保証人は、老人ホームで施設側が責任を負えないトラブルへのリスク回避に必要とされます。多くの場合、保証人の必要人数は1人です。

保証人と似た言葉には、身元引受人があります。ここでは、老人ホームでのトラブルと保証人の関係を解説します。

  • 身元引受人との違い
  • 保証人・身元引受人の役割

それでは、1つずつ解説します。

身元引受人との違い

1つ目は、保証人と身元引受人の違いです。

保証人と身元引受人の違いを明確にしていない施設もありますが、厳密にいえば両者には違いがあります。

保証人は利用料の支払債務の連帯保証など主として金銭的な負担を保証する存在です。契約者の支払いがストップしたときには保証人が支払う必要が生じます。また、利用者が施設でトラブルを起こしたときも、最終的に保証人の責任が問われる可能性があります。

一方、身元引受人は利用者が亡くなったときなど退去の手続を中心とする役割です。高齢者がお亡くなりになったときに備え,身元引受人を決めておけば、その後の対応もすぐに実施できるのです。

保証人・身元引受人の役割

2つ目は、保証人・身元引受人の役割です。上記のとおり両者には厳密には違いがありますが、ここでは、両者を区別することなく主な5つの役割について表にまとめました。

本人の代理で意思決定 利用者本人が認知症や判断力低下で正常な判断ができないときに代理で意思決定
各種手続きを代行 入退院手続きや銀行への手続きなどを代行
緊急連絡先 利用者がケガなどのトラブルに巻き込まれたときや容体が急変したときに連絡を受ける
金銭的連帯保証 利用料の滞納が発生したときには、保証人が連帯して債務を負担する
身柄引き取り

利用者が亡くなったときには身元引受人が身柄を引き取り

遺留品の引き取りや居室の原状復帰も

保証人や身元引受人が必要とされたときは、どこまでの役割を担うのかをあらかじめ確認しておくとよいでしょう。

老人ホームに入居したい高齢者が保証人を用意できないトラブルの対応策

現在少子高齢化が進んでおり、1人暮らしの高齢者が増えています。令和3年版高齢社会白書によると、令和元年度のデータでは65歳以上の人口のうち1人暮らしのものの割合は、男性が20.8%・女性が24.5%に上ります。

また、1人暮らしの高齢者の増加により、保証人を確保できない高齢者も増えてきました。ここでは、老人ホームに入居したい高齢者が保証人を用意できないときの対応策を3つ解説します。

  • 成年後見人
  • 保証会社
  • 保証人などが不要の施設

それでは、1つずつ解説します。

成年後見人

対応策の1つ目は、成年後見人です。

成年後見人とは、利用者が適切な判断ができなくなったときに、本人の代わりに様々な選択権を有する人のことです。成年後見人の選任は裁判所が行うため、高い信頼性を有するといえます。

老人ホームによって異なりますが、保証人がいなくても成年後見人がいると、利用許可が下りることがあります。ただし、成年後見人制度を利用する場合、後見人が選任されるまである程度時間が必要になるため、注意が必要です。

保証会社

対応策の2つ目は、保証会社です。

賃貸物件を借りるときに保証会社を用いる人は少なくありませんが、老人ホームを利用するときにも保証人の代わりに保証会社を利用できるがあります。

保証会社を利用すると一定の利用料が発生しますが、保証人を頼める親族などがいないときには有効な選択肢の1つとなるでしょう。

保証人などが不要の施設

対応策の3つ目は、保証人などが不要の施設を選ぶことです。

老人ホームの中には、保証人などが不要な施設もあります。保証人を用意できる見込みがなければ、最初から保証人などが不要な施設を探してみることもよい対応策です。ただ、保証人などが不要な老人ホームはあまり多くないので、探すには手間がかかるかもしれません。

老人ホームの保証人になった結果トラブルに巻き込まれたときの弁護士の利用と費用

ここでは、当法律事務所における弁護士の利用方法や費用について解説します。

  • 法律事務所に依頼するメリット
  • 解決までの流れ
  • 弁護士費用

それでは、1つずつ解説します。

当法律事務所に依頼するメリット

当法律事務所に依頼するメリットは、以下のとおりです。

  • 介護に関する幅広い問題に対応可能
  • 迅速な対応が可能
  • 賠償実務の経験豊富な弁護士による対応が可能
  • 平和的解決を目指す
  • 顧問契約も可能

解決までの流れ

当法律事務所に依頼してから解決するまでの流れは、以下のとおりです。

  1. 電話相談
  2. 来所相談
  3. 依頼
  4. 交渉
  5. 訴訟
  6. 和解・判決

弁護士費用

当法律事務所の弁護士費用は、以下のとおりです。

電話相談 無料
来所相談 1万円(税込1万1000円)/1時間以内
出張相談 2万円(税込2万2000円)/1時間以内+交通費(遠方の場合は日当も)

詳しくは、以下をご覧ください。

まとめ

今回は、老人ホームにおける保証人と身元引受人の違いや、保証人がいないときの対応策を解説しました。

老人ホームを利用するときは保証人を求められることがほとんどです。保証人になると、利用者に何かしらのトラブルがあったとき、その責任を問われるかもしれません。

また、似た言葉として身元引受人があります。両者は厳密には役割が異なりますが、施設によっては特に区別せず使われています。保証人を引き受けるときには、今回ご紹介した役割を頭に入れ、どのような役割が求められているのかを事前に確認しておきましょう。

万が一老人ホームの保証人になった結果トラブルに巻き込まれたら、当法律事務所に相談してください。介護業界に精通した専門弁護士に相談することで、早く確実に解決できる可能性が高まります。

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