立ち退き交渉は弁護士による代行が良いのか!?オーナーの立場から徹底解説

2022年01月27日

立ち退き交渉は弁護士による代行が良いのか!?オーナーの立場から徹底解説

  • 立ち退き交渉でよく言われる「正当事由」とは何か
  • 立ち退き交渉を弁護士に依頼するとどのような効果があるのか
  • 立ち退き交渉を弁護士に依頼する場合のポイントを知りたい

賃貸物件では、オーナーの生活環境の変化にともなう建物の自己使用、老朽化した建物の建て替え、あるいは入居者の賃料不払いなど、立ち退き交渉が必要な場面があります。

立ち退き交渉は、契約年数や賃貸物件の築年数など様々な状況を加味しながら行わなければならず、当事者が直接交渉すると問題がこじれてしまうかもしれません。

今回は、立ち退き交渉に際して弁護士に相談・依頼する前に知っておくべき基礎知識や立ち退き交渉を弁護士に依頼する効果、弁護士費用、依頼する場合に気をつけておきたいポイントを解説します。

この記事を監修したのは

篠田 匡志
弁護士篠田 匡志
第一東京弁護士会 所属
経歴
立教大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院 卒業
金沢市内の総合法律事務所 勤務
春田法律事務所 入所

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立ち退き交渉の代行を考える前に知っておきたい基礎知識

立ち退き交渉の代行を考える前に知っておきたい基礎知識として以下の3つの点から解説します。

  • 立ち退き交渉とは
  • 立ち退き交渉に必要な正当事由とは
  • 非弁行為に該当する立ち退き交渉に注意

1つずつ見ていきましょう。

立ち退き交渉とは

立ち退き交渉とは、オーナー所有の賃貸物件から借地借家法に定める「正当事由」をもって更新拒絶を行ったり建物からの退去を入居者に求めるための交渉です。

正当事由とは、借地借家法28条に定められているもので、入居者を退去させるために必要となります。

賃貸借契約継続中は、入居者には賃貸物件を利用する法律上の権利があり、また借地借家法によっても入居者は強く保護されているため、賃貸人であるオーナーから一方的な立ち退き請求をすることはできません。

オーナーは立ち退きを考えるときに、賃貸借契約の解除・契約の更新拒絶のいずれかを行わなければいけません。

なお、オーナーから入居者に対して賃貸借契約の解除をする場合は、入居者に賃料の不払いなどの債務不履行という理由が不可欠ですが、建物の賃貸が入居者の生活の本拠であるという観点から、単なる債務不履行だけでは足りず、オーナーとの信頼関係が破壊されたとまで言える事情が必要になってきます。

また、契約の更新拒絶・解約の申出をする場合にも、正当事由が必要です。賃貸借契約では、契約期間が満了しても更新されることが原則ですが、例外的にオーナー側に正当事由がある場合には更新拒絶・解約の申出ができます。

立ち退き交渉に必要な正当事由とは

オーナーからの立ち退き交渉をする時に必要な正当事由はまず、オーナー側の賃貸物件利用の必要性と入居者の賃貸物件利用の必要性を比較します。その上で入居者よりもオーナーの不動産利用の必要性が高いかで、正当性が判断されます。

判断をする時に、オーナーと入居者の関係性や立ち退き料の有無、不動産の老朽化の程度など、それぞれの正当事由の分かる事情や諸々の事情を出し合い、これらを全て加味した上で総合的に判断するのです。

しかし実際には、当事者はどのような事情を正当事由とするべきかが、分からないことも多いです。

立ち退き交渉にあたっては、専門的知識を有する弁護士に相談することでこのような煩雑な問題を回避することができます。

非弁行為に該当する立ち退き交渉に注意

立ち退き交渉をオーナーと入居者が直接することは可能でしょうか?また不動産会社や管理会社が立ち退き交渉をできるのでしょうか。

立ち退き交渉をオーナーと入居者が直接することは、双方の間で交渉が開始され、賃貸借契約を合意解除した上で物件の明渡しを任意で行う場合、問題はありません。

しかし交渉が難航し不動産会社や管理会社などの第三者が介入した場合、そこに交渉を代行することに対する報酬が発生してしまうと、非弁活動として弁護士法に違反することにもなりかねないので注意が必要です。

弁護士法では、弁護士資格の無い者が報酬を得る目的で法律事件に関して、鑑定・代理・仲裁若しくは和解等の法律事務を取り扱うことを禁止しています(弁護士法第72条)

不動産業者の行う賃貸借に関する媒介業務につながる立ち退き交渉にあたっては、これが上記の禁止する報酬を得る目的がある法律事件とみなされる可能性があります。

弁護士法違反となるかどうかは、以下の4つの要件に該当するかどうかで判断します。

  • 交渉の依頼の内容が「法律事件」と言えるのか
  • 依頼に対する不動産業者の対応内容は「法律事務」にあたるのか
  • 報酬を得る目的の有無
  • 反復継続の意思の有無

判例では「法律事件」や「法律事務」の該当事由を明確にしており、報酬に関しても事件の依頼者から受け取る場合に限らず、第三者から受け取る場合にも適用されます。

いずれにしても、賃貸物件の立ち退き交渉は、非弁活動にあたる場合がほとんどですが、同法の成立要件である報酬の受け取りは、慎重な判断が必要となります。

立ち退き交渉の代行を弁護士に依頼することで得られる効果

立ち退き交渉の代行を弁護士に依頼することで得られる効果は以下の3つです。

  • 正当事由を明確にした交渉ができる
  • 交渉による負担を大きく軽減できる
  • 弁護士に交渉を代行させることによる経済的メリットが大きい

1つずつ見ていきましょう。

正当事由を明確にした交渉ができる

1つ目は、正当事由を明確にした交渉ができることです。

オーナーからの立ち退き請求が認められるためには正当事由が必要です。しかし法によって入居者側が強く守られているため、この正当事由はオーナー側にとっては厳しい要件になります。そのため、正当事由を満たすために立ち退き料が支払われるケースが多いです。

正当事由と立ち退き料はバランス関係にあり、正当事由が大きければ立ち退き料が少なくてすむ可能性がでてきます。反対にオーナーの正当事由が乏しい場合には立ち退き料が多くなる可能性が高くなりがちです。

また正当事由といっても、たとえば、老朽化した建物の建て替えのための退去要求の場合、それがどの程度に老朽化しているのか、倒壊の危険があるのかなど詳しい状況を説明できないことがあります。

立ち退き問題に精通している弁護士であれば、オーナーの正当事由に関して多くの裁判例をはじめ豊富な知識や情報があるので交渉を有利に進めることができます。

交渉による負担を大きく軽減できる

2つ目は、交渉による負担を大きく軽減できることです。

立ち退き問題が浮上してきた場合、多くの方は法律的な知識が少なく、紛争への対応に不慣れなことがほとんどと言えます。弁護士に交渉の代行を依頼することで、オーナー・入居者のどちらも精神的ストレスにさらされることも無く、迅速かつ効率的に解決できることが期待できます。

また弁護士はこうした立ち退き交渉の経験があり、万が一裁判になった場合でも代理人として出頭することができ、安心して継続的に任せることができるのです。

特に立ち退き交渉を専門的に行う法律事務所であれば、経験値も高く判例にも詳しいため、スムーズな解決につながると言えます。

弁護士に交渉を代行させることによる経済的メリットが大きい

3つ目は、弁護士に交渉を代行させることによる経済的メリットが大きいということです。

立ち退き交渉を弁護士に代行させることにより、賃貸人は立ち退き交渉に関連する様々なコストを下げることが可能です。たとえば賃貸物件が遠方にある場合や入居者が不在のために交渉が困難な場合、弁護士が代行することで交渉が一気に進むこともあります。

また紛争が長期化することを未然に防ぐことも可能になります。

さらには立ち退き料の交渉をする場合でも、弁護士に代行させれば足元を見られる心配も無く交渉段階から相応の立ち退き料を提示することが可能です。

立ち退き交渉を弁護士が代行する際の気になる弁護士費用

実際に弁護士に立ち退き交渉を依頼した場合、弁護士費用は下記の内訳で発生します。

  • 相談料
  • 着手金
  • 成功報酬金
  • 実費(交通費、切手代、印刷代、裁判にかかる印紙代など)

相談料は、相談料は依頼人が弁護士に法律相談をするにあたって支払う費用です。通常は30分で5,000円から1万円で設定されています。最近では、初回の相談料に無料設定をしている法律事務所も多く見られます。

着手金は弁護士が依頼された案件に着手するにあたって支払う費用です。具体的な立ち退き請求の場合の着手金の金額は、一律に設定している場合、依頼者の経済的利益の〇%で算出する場合があります。

成功報酬金は、案件が終了時に委任契約所定の計算方法で算出される金額で、弁護士に依頼した仕事の一部または全てが成功した場合に依頼者が支払う費用です。

以下のコラムでも詳しく解説しています。

立ち退き交渉の代行を弁護士に依頼する際のポイント

立ち退き交渉の代行を弁護士に依頼する際のポイントは以下の3つです。

  • 立ち退き交渉の経験値が高い弁護士を選ぶ
  • 初回相談で弁護士の方針を見極める
  • 対応の柔軟性も評価の1つ

1つずつ見ていきましょう。

立ち退き交渉の経験値が高い弁護士を選ぶ

1つ目は、立ち退き交渉の経験値が高い弁護士を選ぶことです。

立ち退き交渉では、当事者間の話し合いで立ち退き料が支払われる場合もありますが、多くの場合、専門知識が不足していたり、過去の裁判例から出される相場観に関する知識が無いために、納得できる内容に達しない可能性があります。

こうした場合、立ち退き交渉に精通した経験値の高い弁護士を選ぶことがおすすめです。交渉のプロに依頼して双方が合意に至り、最善の結果を得ることができます。

初回相談で弁護士の方針を見極める

2つ目は、初回相談で弁護士の方針を見極めることです。

初回の相談で弁護士の考え方・進め方・相性など、相談時のやりとりを通して見極めることが重要です。立ち退き交渉を経験値が高い法律事務所に依頼することで、解決までの時間を短縮でき、スムーズに進むことが期待できます。

最近では初回無料相談を実施している法律事務所も増えています。聞いておきたいことを予めメモし、明確な回答が得られるように事前に準備をしておきましょう。

対応の柔軟性も評価の1つ

3つ目は、対応の柔軟性も評価の1つ、ということです。

多忙な弁護士、複雑な法律問題の相談ともなれば電話での対応をしていない、という理由で来所を求められるケースが多いでしょう。そのような場合でも、依頼者の状況に合わせて電話やSkype相談など柔軟に対応している法律事務所もあります。

なお、当事務所でも電話やSkype相談はもちろん、LINE相談やメールでの契約も可能です。全国対応をしていますのでご活用ください。

まとめ

今回は、立ち退き交渉に際して弁護士に相談・依頼する前に知っておくべき基礎知識や立ち退き交渉を弁護士に依頼する効果、弁護士費用、依頼する場合に気をつけておきたいポイントを解説しました。

立ち退き問題を弁護士に依頼することで、正当事由を明確にして効率的な交渉ができたり、交渉における当事者の様々な負担を軽減したり、さらには立ち退き料について納得できる合意に至る期待ができることお伝えしました。

何よりも立ち退き問題に精通し、依頼人の意向を充分に汲み取ってくれる弁護士に依頼することができれば、メリットがデメリットを大きく上回る結果につながります。初回の相談を活用して、納得のいく解決へと導いてくれる弁護士に出会うことで、スムーズな解決を目指しましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。ご不明な点があるときやもっと詳しく知りたいときは、下にあるLINEの友達追加ボタンを押していただき、メッセージをお送りください。弁護士が無料でご相談をお受けします。

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この記事を監修したのは

篠田 匡志
弁護士篠田 匡志
第一東京弁護士会 所属
経歴
立教大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院 卒業
金沢市内の総合法律事務所 勤務
春田法律事務所 入所

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