詐欺の示談、相場はいくら?逮捕を避けるために弁護士ができること

最終更新日: 2026年04月16日

詐欺事件でも示談で解決することはできるのか!?交渉方法・タイミング・押さえるべきポイントを解説

詐欺事件を起こしてしまった場合、今後の人生を大きく左右するのが「被害者との示談」です。

示談が成立するかどうかで、逮捕の有無や刑罰の重さが大きく変わってきます。
本記事では、詐欺事件における示談金の相場や交渉の流れ、そして逮捕を避けるために弁護士がどのようにサポートできるのかについて、詳しく解説します。

この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士 春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内法律事務所勤務
当事務所開設
資格
宅地建物取引士
情報処理安全確保支援士

「家族が逮捕された」「示談したい」など、300件以上の刑事事件のご相談に対応してきました。(※2026年3月時点)これまでの実務経験をもとに、法律のポイントを分かりやすく解説しています。

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詐欺事件で示談が重要な理由|逮捕や実刑を回避するために

詐欺罪は非常に重い犯罪であり、有罪となれば10年以下の懲役が科せられます(刑法246条)。

罰金刑が規定されていないため、起訴されれば実刑判決となるリスクが常に付きまといます。

しかし、被害者と示談を成立させることで、加害者にとって有利な事情として大きく考慮されます。

逮捕・勾留からの早期釈放の可能性が高まる

詐欺事件で逮捕された場合でも、早期に示談が成立すれば、逃亡や証拠隠滅の恐れがないと判断されやすくなります。

その結果、勾留(長期間の身柄拘束)を阻止できたり、すでに勾留されている場合でも早期釈放が認められたりする可能性が高まります。

不起訴処分を獲得し、前科を回避できる可能性がある

日本の刑事事件では、検察官が起訴・不起訴の判断を下します。

被害者との間で示談が成立し、被害届の取り下げや「処罰を望まない(宥恕)」という文言が示談書に盛り込まれていれば、検察官が「これ以上の処罰は必要ない」と判断し、不起訴処分となる可能性が十分にあります。不起訴となれば前科はつきません。

起訴されても執行猶予付き判決や減刑が期待できる

万が一起訴されてしまった場合でも、示談の成立は裁判官の心証を大きく良くします。

被害回復がなされていると評価されるため、実刑を免れて執行猶予が付いたり、刑期が短くなったりする(減刑)可能性が高くなります。

詐欺事件における示談金の相場は?

詐欺事件の示談金には、法律で決まった金額はありません。

しかし、実務上はある程度の目安(相場)が存在します。

示談金の相場は「被害額+慰謝料」

詐欺事件の示談金は、原則として「被害者が騙し取られた金額(被害額)」に「精神的苦痛に対する慰謝料」を上乗せした金額になります。

被害額が少額であれば慰謝料を数万円〜数十万円程度上乗せすることが多いですが、被害額が高額な場合は、被害額の実費を返還するだけでも示談が成立するケースがあります。

示談金が決まる基準

  • 被害額の大きさ:
    被害額が数万円のケースと数千万円のケースでは、当然示談金の額も異なります。
    被害額が大きいほど、示談金の総額も高額になります。

  • 犯行の悪質性:
    組織的な特殊詐欺や、長期間にわたって被害者を騙し続けたような悪質なケースでは、被害者の精神的苦痛も大きいとみなされ、慰謝料が高額になる傾向があります。

  • 加害者の反省の度合い:
    加害者が真摯に反省し、誠意をもって謝罪を行っているかどうかも示談交渉に影響します。
    誠意が伝われば、被害者が慰謝料の減額に応じてくれることもあります。

詐欺の種類別に見る示談金の傾向

オレオレ詐欺・振り込め詐欺などの特殊詐欺

組織犯罪である特殊詐欺の場合、被害額が高額になることが多く、被害者の処罰感情も非常に峻烈です。

示談金は被害額全額に慰謝料(数十万円〜百万円程度)を加えた額になることが多く、交渉自体が難航する傾向にあります。

少額詐欺・フリマアプリ詐欺

フリマアプリでの商品未発送や、寸借詐欺など、被害額が数千円から数万円程度のケースです。

この場合、被害額に数万円〜10万円程度の慰謝料を上乗せした金額で示談がまとまることが一般的です。

投資詐欺・ロマンス詐欺

被害額が数百万円から数千万円に及ぶことが多い詐欺です。

被害額が莫大であるため、被害額の全額返還をベースに交渉が行われますが、加害者側に支払い能力がない場合、一部返済による示談や分割払いの交渉が行われることもあります。

示談金が支払えない場合の対処法

分割払いを交渉する

一括での支払いが難しい場合、弁護士を通じて分割払いでの示談を交渉します。

ただし、途中で支払いが滞るリスクがあるため、被害者が難色を示すことも少なくありません。

親族に援助を求める

早期の身柄解放や前科回避のためには、一括払いで示談を成立させることが最も効果的です。

そのため、親や親族に事情を説明し、示談金の立て替えを頼むことも検討すべきです。

供託や贖罪寄付を検討する

被害者が示談を一切拒否している場合や、連絡先が分からない場合、「供託(法務局にお金を預ける制度)」や、公的な機関への「贖罪寄付」を行うことで、反省の意や被害回復の意思を検察官・裁判官に示すことができます。

詐欺事件の示談交渉の流れと成功のポイント

STEP1:弁護士を通じて被害者に謝罪と示談を申し入れる

加害者本人が被害者に直接連絡をとることは、警察に止められたり、被害者に拒絶されたりすることがほとんどです。

そのため、弁護士が代理人として捜査機関から被害者の連絡先を入手し、謝罪と示談の申し入れを行います。

STEP2:示談内容(金額・支払方法など)を交渉する

弁護士が被害者と直接交渉し、示談金の金額や支払い方法、宥恕条項(処罰を望まない旨の条項)の有無などについて話し合います。

被害者の感情に配慮しつつ、冷静に交渉を進めることが成功の鍵です。

STEP3:示談書を作成し、示談金を支払う

合意に至ったら、法的に有効な示談書を作成します。

示談書には「これ以上損害賠償請求をしない(清算条項)」などの重要事項を記載し、後日のトラブルを防ぎます。その後、示談金を支払い、領収書を受け取ります。

被害者が示談に応じてくれない場合はどうする?

被害者の怒りが強く示談を拒否された場合は、時間を置いて再度交渉を試みるか、前述の「供託」や「贖罪寄付」を活用して、加害者としての誠意を捜査機関や裁判所にアピールする方針に切り替えます。

詐欺事件で逮捕を避けるために弁護士ができること

被害者の連絡先を把握し、迅速に示談交渉を開始できる

捜査機関は、加害者本人には被害者の連絡先を教えません。

しかし、弁護士であれば、「示談交渉のため」という理由で連絡先を開示してもらえる可能性が高く、迅速に交渉をスタートできます。

適正な示談金額での和解をサポートしてくれる

個人間で交渉すると、法外な示談金を要求される恐れがあります。

弁護士が介入することで、過去の判例や相場に基づいた適正な金額で交渉をまとめることができます。

法的に有効な示談書を作成し、後のトラブルを防げる

インターネット上のテンプレートなどで示談書を作ると、法的な抜け漏れが発生し、後から追加で請求されるリスクがあります。

弁護士は、清算条項や宥恕条項を適切に盛り込んだ示談書を作成し、解決を確実なものにします。

捜査機関への働きかけで逮捕・勾留の回避が期待できる

示談交渉を進めつつ、弁護士が警察や検察に対して「逃亡の恐れはない」「示談交渉が順調に進んでいる」旨の意見書を提出することで、逮捕や勾留の回避、早期釈放を強く働きかけることができます。

詐欺事件を弁護士に相談・依頼する際の費用

当事務所の弁護士費用はこちらをご覧ください。

弁護士に依頼する際の費用相場は以下の通りですが、事件の複雑さや事務所によって異なります。

  • 相談料:
    初回相談は無料としている事務所も多いですが、有料の場合は30分あたり5,000円〜10,000円程度が相場です。

  • 着手金:
    弁護士に依頼した段階で支払う費用です。
    詐欺事件の場合、30万円〜50万円程度が目安となります。

  • 成功報酬:
    不起訴処分の獲得や、執行猶予の獲得など、目標とする結果が得られた際に支払う費用です。
    結果に応じて30万円〜60万円程度、あるいは獲得した経済的利益(減額できた賠償額など)の10〜20%程度が相場となります。

まとめ

詐欺事件を起こしてしまった場合、逮捕や前科、実刑判決を回避するためには、被害者との示談成立が極めて重要です。

しかし、加害者本人が直接交渉することは困難であり、リスクも伴います。

適正な示談金でスムーズに解決し、少しでも軽い処分を目指すためには、刑事事件に実績のある弁護士に相談することが最善の選択と言えるでしょう。

早期の対応が、あなたの未来を守る第一歩となります。

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