不倫の慰謝料請求を無視するとどうなる?放置するリスクと適切な対処法
2026年03月16日

「不倫の慰謝料請求が届いたけれど、どう対応すればよいかわからない」
「内容証明を受け取ったが、まだ返事をしていない」
という方もいるかもしれません。
結論として、慰謝料請求を放置することはおすすめできません。対応をしないままでいると、交渉が難しくなったり、裁判手続きに進んだりする可能性があります。状況によっては、最終的に強制執行(差し押さえ)に至るケースもあります。
本記事では、不倫慰謝料を無視した場合に想定される流れと、冷静に取るべき対応について解説します。
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慰謝料請求を放置した場合に考えられる主な流れ
相手方(不倫相手の配偶者)やその代理人からの連絡を無視した場合、一般的には次のような流れで手続きが進むことがあります。
内容証明郵便が届く
最初は電話や書面による連絡であっても、回答がない場合には内容証明郵便が送付されることがあります。内容証明は「いつ、どのような請求をしたか」を証拠として残すための手段です。
これ自体で直ちに法的な不利益が生じるわけではありませんが、正式な請求が始まっているサインといえます。
内容証明が届いた後の具体的な流れについては、以下の記事で解説しています。
交渉が進まず、訴訟に移行する可能性
話し合いに応じない場合、相手方が民事訴訟を提起することがあります。裁判所から訴状が届いた場合、期限内に答弁書を提出しなければなりません。
これを提出せずに放置すると、相手方の主張を前提とした判決が出る可能性があります。
万が一、訴訟(裁判)に発展してしまった場合の流れについては、こちらの記事をご覧ください。
判決確定後の強制執行
判決や和解が成立したにもかかわらず支払いが行われない場合、強制執行の手続きが取られることがあります。
例えば、
- 給与の一部が差し押さえられる
- 銀行口座が差し押さえの対象となる
といったケースが考えられます。
もっとも、これらは段階を経たうえで進む手続きであり、いきなり差し押さえになるわけではありません。早期に対応することで回避できる可能性も十分にあります。
「無視」はなぜ適切ではないのか
「金額が高すぎる」「納得できない」「支払う余裕がない」など、さまざまな理由で対応をためらう方もいます。
しかし、放置には次のような不利益が生じるおそれがあります。
- 遅延損害金が発生する可能性がある
- 裁判に発展すると解決まで時間と労力がかかる
- 減額交渉の機会を逃してしまう
特に、早い段階で交渉を始めれば、分割払いの合意や金額の調整が可能な場合もあります。無視することで、その選択肢が狭まってしまうことは少なくありません。
不倫慰謝料の減額交渉については、以下の記事で解説しています。
慰謝料請求を受けた場合の基本的な対応ステップ
感情的にならず、次のように対応することが重要です。
ステップ1:請求内容を確認する
請求者、請求金額、請求の根拠を確認します。不倫の事実関係や、相手が既婚者であることを知っていたかどうかなども重要なポイントです。
この段階で感情的に電話をするのではなく、まずは状況を整理することが大切です。
ステップ2:回答期限を確認する
内容証明には回答期限が記載されていることが多いため、期限を把握したうえで対応方針を検討します。すぐに支払う必要はありませんが、何らかの対応は必要です。
ステップ3:弁護士に相談する
慰謝料には一定の相場があります。請求額が相場より高いケースも少なくありません。
弁護士に相談することで、
- 請求が法的に認められるかどうか
- 減額の可能性
- 分割払いの可否
などを具体的に検討できます。
ケース別の考え方
既婚者であると知らなかった場合
相手が既婚者であると知らず、かつ通常の注意を尽くしても気づけなかった場合には、責任が否定される可能性があります。
故意や過失がないとされる要件については、「不倫慰謝料が請求できる条件とポイント」の記事で詳しく解説しています。
不倫の事実がない場合
事実関係に争いがある場合は、無視するのではなく、書面で否認の意思を示すことが重要です。
金額が高く、支払いが難しい場合
一括払いが難しい場合でも、分割払いの交渉が可能なことがあります。早めの対応が選択肢を広げます。
どうしても手元に資金がなく不倫慰謝料が払えない場合については、こちらの記事をご覧ください。
まとめ:放置せず、早めに対応を
不倫の慰謝料請求を無視しても、自動的に問題が解決することはありません。対応が遅れるほど、交渉の選択肢が限られる可能性があります。
不安や混乱がある場合こそ、一人で抱え込まず、弁護士に相談することが現実的な解決への第一歩です。状況を整理し、法的な見通しを把握することで、冷静な判断が可能になります。
よくある質問(FAQ)
Q. 請求が普通郵便やLINEで届きました。これも無視してはいけませんか?
はい、無視は禁物です。
内容証明郵便でなくても、相手が本気であれば証拠として記録を残しています。「見ていない」という言い逃れは通用せず、放置すればいずれ内容証明や裁判所からの通知にステップアップする可能性があります。
早い段階で誠実に対応する方が、減額交渉もスムーズに進みます。
Q. 不倫相手が独身だと嘘をついていた場合も、無視せず払うべきですか?
支払う必要がない可能性がありますが、無視はNGです。
相手が独身だと偽っていた(過失がない)場合、慰謝料の支払い義務は発生しません。
ただし、それを「無視」ではなく「反論」として伝える必要があります。放置すると、相手は「あなたが既婚者だと知っていた」前提で手続きを進めてしまいます。
Q. お金が全くありません。無視していれば諦めてくれますか?
相手が諦めることは稀です。むしろ被害感情を逆なでします。
「払えない=無視」は最悪の対応です。相手が弁護士を立てている場合、支払い能力がなくても給料の差し押さえなどで回収を試みます。
まずは「支払う意思はあるが、現在の経済状況では一括は困難」であることを伝え、分割払いや減額の交渉を行うべきです。
Q. 家族にバレたくないので無視しています。バレずに解決できますか?
無視を続ける方が、家族にバレるリスクは圧倒的に高まります。
無視を続けると、相手の弁護士はあなたの自宅に何度も書類を送ったり、裁判所から「特別送達」という目立つ郵便物が届いたりします。
早めに弁護士に依頼し、窓口を弁護士に一本化すれば、自宅への連絡をストップさせることが可能です。
Q. 5年以上前の不倫の請求が届きました。無視していいですか?
「時効」の可能性がありますが、手続きが必要です。
不倫の慰謝料請求には時効(不倫の事実と不倫相手を知ってから3年、または不倫から20年)があります。
しかし、無視しているだけでは時効は成立しません。「時効援用」という正式な手続きをとらない限り、相手は請求を続けることができます。
不倫の慰謝料請求における時効の成立条件や中断する方法については、こちらの記事で詳細をまとめています。
※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。
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