不倫をした側こそ弁護士が必要?依頼するメリットと「費用倒れ」を防ぐ考え方
2026年02月13日

不倫をしてしまった場合でも、相手からの請求をすべて言われるままに受け入れる必要はありません。
法的には、慰謝料の金額や条件には一定の基準があり、不当に高額な請求や過度な要求まで応じる義務はないからです。
とはいえ、
・突然の内容証明にどう対応すればいいか分からない
・会社や家族に知られないか不安
・弁護士に頼むと逆に話が大きくなりそう
と感じて、誰にも相談できず一人で抱え込んでしまう方が多いのも事実です。
不倫トラブルで弁護士に相談する目的は、「責任逃れ」ではありません。
法的に妥当な範囲で問題を整理し、これ以上人生への影響を広げないための現実的な選択肢です。
この記事では、不倫をした側が弁護士に相談・依頼することで何が変わるのか、どんなケースで意味があるのかを分かりやすく解説します。
春田法律事務所
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弁護士に依頼を検討した方がよいケース
不倫トラブルは、すべてのケースで弁護士が必要というわけではありません。
状況によっては、当事者同士の話し合いで解決できることもあります。
一方で、次のような事情がある場合は、早めに専門家へ相談するメリットが大きいといえます。
弁護士の介入が検討されるケース
・請求額が相場より明らかに高い(目安として200万円〜300万円以上)
・相手方が強い感情を示しており、冷静な話し合いが難しい
・「会社に伝える」「周囲に公表する」などの発言が出ている
・相手方にすでに弁護士がついている
・不倫相手との間でも意見が食い違っている
・自分の配偶者や家族には知られずに解決したい事情がある
感情的な対立が激しい場合、当事者同士でやり取りを続けることで、話がこじれたり、不要なトラブルに発展することがあります。
そのようなとき、第三者である弁護士を間に入れることで、交渉を現実的なラインに戻せることがあります。
本人対応でも解決しやすいケース
一方、以下のような状況であれば、本人同士の話し合いで収束することもあります。
・請求額が一般的な相場の範囲内で、金額にも納得している
・相手方と冷静な話し合いができている
・示談条件が整理されており、内容も明確である
ただし、本人対応が可能に見える場合でも、合意内容をきちんと書面に残さないまま進めると、後日トラブルが再燃するリスクがあります。
不倫した側が弁護士を入れる3つのメリット
請求された側が弁護士を代理人として立てることには、主に次のようなメリットがあります。
慰謝料を「適正な金額」に整理できる
慰謝料請求の初期段階では、相手方の精神的ショックや怒りが反映され、相場より高額な金額が提示されることが少なくありません。
弁護士が介入すると、
・過去の裁判例
・婚姻期間
・不倫の期間や頻度
・夫婦関係への影響
などを踏まえ、法的に妥当と考えられる金額を基準に交渉が行われます。
支払義務が認められない部分については根拠を示して整理されるため、当初より減額されるケースも珍しくありません。
不倫慰謝料の相場については、以下の記事で詳しく解説しています。
相手との直接のやり取りから解放される
弁護士に依頼すると、相手方に「受任通知」が送付され、以後の連絡窓口は弁護士に一本化されます。
これにより、
・突然の電話やメッセージへの対応
・感情的な言葉への対処
・仕事や日常生活への影響
といった精神的負担を大きく減らすことができます。
「連絡が来るたびに落ち着かない」「どう返事をすればいいか分からない」といった状態から抜け出せる点は、大きなメリットです。
将来の蒸し返しを防ぐ解決ができる
不倫トラブルをきちんと終わらせるためには、合意内容を示談書として文書に残すことが重要です。
示談書には、将来のトラブルを防ぐため、次のような条項が盛り込まれることが一般的です。
口外禁止条項(守秘義務)
今回の不倫や示談の内容について、家族・勤務先・知人・SNSなど第三者に話さないことを約束する条項です。
「会社に知られないか」「周囲に言いふらされないか」といった不安を軽減する目的があります。
清算条項(これ以上請求しないことの確認)
今回支払う解決金をもって、不倫に関する問題はすべて解決し、今後は追加の慰謝料請求などをしないことを確認する条項です。
後から再請求されるリスクを防ぐために重要です。
接触禁止条項
示談成立後は、電話・メール・SNSなど一切の連絡を取らないことを約束する条項です。
解決後も連絡が続き、精神的に不安定になる事態を防ぎます。
これらを明確に文書化しておくことで、「終わったはずの話」が蒸し返されるリスクを大きく下げることができます。
弁護士費用と「費用倒れ」を防ぐ考え方
弁護士に依頼する以上、弁護士費用は避けられません。そのため、「費用倒れにならないか」を事前に考えることが重要です。
たとえば、請求額300万円に対し、弁護士が介入して100万円で解決できた場合、弁護士費用が50〜60万円程度かかったとしても、最終的な支出は150〜160万円前後になります。
一方、請求額自体が数十万円程度の場合は、弁護士費用の方が上回る可能性もあります。
そのため、依頼前の法律相談では、
・どの程度の減額が見込めそうか
・費用を含めた最終的な負担額はいくらになるか
を具体的に試算してもらうことが大切です。
弁護士費用の相場については、以下の記事で詳しく解説しています。
解決までの一般的な流れ
弁護士を代理人として解決を図る場合、一般的には次のような流れで進みます。
法律相談・委任契約
まずは弁護士との法律相談で、これまでの経緯や現在の請求内容を整理します。
不倫の期間や状況、相手方の請求額、すでに届いている書面などを確認したうえで、
・法的にどこまで支払義務があるのか
・減額交渉の余地はどの程度あるのか
・どのような条件での解決を目指すか
といった方針を決めていきます。
内容に納得できれば、正式に委任契約を結びます。
受任通知の送付
委任契約後、弁護士から相手方(または相手方の弁護士)に「受任通知」が送付されます。
この通知により、今後の連絡や交渉の窓口は弁護士に一本化されます。
これ以降、本人が直接相手方と連絡を取る必要は原則としてなくなり、精神的な負担が大きく軽減されます。
また、不当な目的で家族や職場への連絡接触を図ろうとしてくる相手方に対しては、家族や職場への連絡接触を控えるよう警告文を受任通知にいれておくことで、そのような行動に出ることを食い止める効果も期待できます。
交渉(慰謝料額・条件調整)
弁護士が、過去の裁判例や個別事情を踏まえながら、慰謝料額や支払い方法について交渉を行います。
・慰謝料の金額
・一括払いか分割払いか
・口外禁止や接触禁止などの条件
といった点を整理し、双方が合意できるラインを探っていきます。
交渉は書面や電話で行われることが一般的です。
示談書の作成・締結
条件がまとまったら、合意内容を示談書(合意書)として文書にまとめます。
示談書には、慰謝料額だけでなく、
・今後追加請求しないこと
・第三者に口外しないこと
・今後接触しないこと
など、トラブルを蒸し返さないための条項が盛り込まれます。
内容を双方で確認し、問題がなければ署名・押印を行います。
示談書の書き方や注意点については、以下の記事で詳しく解説しています。
解決金の支払い・解決
示談書で定めた内容に従い、解決金(慰謝料)を支払います。
支払いが完了すれば、一連の不倫トラブルは正式に解決となります。
本人だけで対応する場合に注意したい点
弁護士をつけずに対応することも可能ですが、次のようなリスクがあります。
不利な条件で合意してしまうリスク
早く終わらせたい気持ちから、相場以上の慰謝料や法的根拠のない要求を受け入れてしまうことがあります。
「言った・言わない」のトラブル
口頭やメッセージだけで進めた結果、認識の違いから再請求やトラブルに発展するケースがあります。
不倫相手との間で新たな争いが生じる可能性
負担割合を決めないまま解決すると、後から求償請求を受けるなど、新たな問題が生じることがあります。
精神的負担を一人で抱え込んでしまう
相手方からの連絡に対応し続けることで、冷静な判断ができなくなる場合もあります。
よくある質問(FAQ)
Q.不倫をした側でも、本当に弁護士に相談していいのでしょうか?
はい、問題ありません。
弁護士は「誰が悪いか」を裁く立場ではなく、法的にどこまで責任を負うべきかを整理する専門家です。
不倫をした側であっても、請求内容が妥当かどうかを確認し、必要以上の不利益を避けるために相談することは正当な行為です。
当事務所では初回無料相談を行っています。「相談だけでも大丈夫かな」と迷っている方も、まずはお気軽にお問い合わせください。
Q.弁護士に依頼すると、相手を刺激して話がこじれませんか?
必ずしもそうとは限りません。
むしろ、当事者同士の感情的なやり取りがなくなることで、交渉が冷静かつ現実的に進むケースの方が多いです。
弁護士が窓口になることで、相手方も「法的な話し合い」に切り替えざるを得なくなります。
Q.弁護士に相談したことが、相手や自分の配偶者に知られることはありますか?
通常、弁護士に相談しただけで第三者に知られることはありません。
弁護士には守秘義務があり、依頼者の同意なく情報を外部に漏らすことはありません。
また、示談書に口外禁止条項を入れることで、解決後に周囲へ話を広められるリスクも抑えることができます。
Q.会社にバレずに解決することは可能ですか?
ケースによりますが、弁護士が介入することで会社に知られずに解決できる可能性は高まります。
特に、
・口外禁止条項
・接触禁止条項
をきちんと盛り込んだ示談を行うことで、「会社に連絡する」「周囲に言いふらす」といったリスクを抑えやすくなります。
Q.慰謝料は必ず減額されますか?
必ず減額されるとは限りません。
ただし、相場より明らかに高い請求がされている場合や、事情を十分に考慮していない請求であれば、減額される余地があるケースは多いです。
重要なのは、「減額できるかどうか」を専門家の視点で一度確認することです。
Q.不倫相手との責任の分け方も相談できますか?
はい、相談可能です。
慰謝料を支払った後、不倫相手との間で負担割合をどうするか(求償の問題)についても、あらかじめ整理しておくことが重要です。
この点を曖昧にしたまま解決すると、後から新たなトラブルが生じることがあります。
まとめ
不倫をしてしまった側であっても、法的に認められる範囲を超えた請求まで受け入れる必要はありません。
また、生活や仕事への影響を最小限に抑えながら解決を目指すことも、正当な選択肢の一つです。
「この請求は妥当なのか」「自分だけで対応できるのか」と迷ったときは、弁護士への相談を通じて状況を整理してみることで、冷静な判断がしやすくなります。
専門家の視点が入ることで、無理のない解決方法が見えてくることも少なくありません。
※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。
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