不倫・浮気の示談書(合意書)の文例

不倫・浮気の示談書(合意書)の文例

2020年01月24日

1 はじめに

配偶者の不貞行為が発覚した場合、浮気相手に慰謝料請求ができます。そして、浮気相手と和解するときは、示談書(合意書)を作成する必要があります。

今回は、そのような示談書(合意書)の文例についてご紹介します。

2 不倫・浮気の案件で定めるべき和解条項

不倫相手との間で和解する際に作成する示談書に定めるべき和解条項は以下のとおりです。

①不貞行為を認め、謝罪の意を表明する条項
②慰謝料(解決金、和解金)の支払義務を認める条項
③慰謝料の支払い期限、支払い方法に関する条項
④他言禁止
⑤接触禁止
⑥求償権の放棄
⑦清算条項

以下、各条項について順にご説明します。

3 不貞行為を認め、謝罪の意を表明する条項

「乙は、甲に対し、乙が丙と不貞関係にあったことを認め、これについて深く謝罪する。」

このような謝罪の意を表明する条項は何か法的効力があるわけではありませんが、このような条項を入れることを強く希望する不貞をされた配偶者の方もおられます。他方、不倫相手によってはこのような条項を入れることに強く抵抗を示す方もいますので、そのようなケースでは和解成立を優先させるのか、このような条項を入れることを優先させるのか、慎重に検討する必要があります。

4 解決金の支払義務を認める条項

「乙は、甲に対し、本件の解決金として、金100万円の支払義務があることを認める。」

不貞相手に不貞慰謝料の支払い義務(債務)を負わせるための重要な条項です。金銭の名目は「解決金」、「和解金」、「示談金」としても良いですし、金銭の性質が不貞慰謝料であることが明確になるように「慰謝料」としても構いません。

金銭の名目をいずれにするかについて揉めることは稀ですが、不貞行為は認めないけれど、早期解決のために金銭を支払うようなケースでは、不貞相手は「慰謝料」という名目ではなく、「解決金」という責任を認めたか認めてないかという点で中性的な名目の使用を求めるでしょう。

5 解決金の支払い期限、支払い方法に関する条項

「乙は、甲に対し、令和〇年〇月〇日までに、前項の金100万円を下記預金口座へ振り込む方法によって支払う。但し、振込手数料は、乙の負担とする。」
「乙は、本日、甲に対し、前項の金100万円を支払い、甲はこれを受領した」

振込方法によるのか、現金支払の方法によるのかを記載します。現金支払の場合、本示談書自体が金銭の授受があったことの証拠となりますが、より支払いがあったことの証拠を確実にするために、別途、領収書を作成しても良いでしょう。

6 他言禁止

「甲及び乙は、本示談書調印時以降、乙と丙が不貞関係にあったこと、本合意書の存在及び内容、その他本件に関する甲、乙又は丙を特定しうる事項を、口頭、電話、メール、LINE、SNSその他のいかなる方法を用いても、第三者に口外・伝達しないことを誓約する。」

不貞関係について親族、友人や職場の人などに広められないようにするための条項です。違反行為があった場合の違約金を設けることもよくありますが、違約金を請求するためには、相手が口外・伝達したことを立証する必要があります。

また、示談の時までに既に第三者に口外・伝達している場合があります。そうすると、たとえ相手が示談した時以降は口外・伝達しなくても、既に不貞関係を知っている第三者から広まる可能性があります。

既に知っている第三者の行動については相手が100%コントロールすることはできませんので、第三者が更に口外・伝達することがないよう努めるといった努力義務を課す以上の義務を課すことはできないでしょう。

7 接触禁止

「乙は、本示談書調印時以降、面会、電話、メール、LINE、SNSその他のいかなる方法を用いても丙に対して接触を図ってはならず、丙から接触があったときは、一切応答してはならない。但し、職場の業務上必要やむを得ない場合にはこの限りではない。」

不倫相手が配偶者と再び不貞行為に及ぶことを防ぐために、接触禁止を課す条項です。これについても違反行為があった場合の違約金を設定することがよくありますし、実際に違反行為があって違約金を請求するケースもよくあります。

あまりに高額な違約金を設定すると法的効力が否定される可能性がありますので、数十万から100万円ほどにとどめるのが安全です。

8 求償権の放棄

「乙は、本件に関する、丙に対する求償権を放棄する。乙が丙に対して求償請求をしたときは、乙は甲に対し、丙から受領した金銭の全額を甲に支払うものとする。」

不倫相手から配偶者への求償請求を防ぐために、求償権を放棄してもらう条項です。しかし、求償権は、不倫相手が配偶者に対して取得する権利です。

そのため、不倫相手が配偶者に対して求償権を放棄すると意思表示すれば、権利を放棄したことになりますが、不倫をされた配偶者に対して求償権を放棄すると宣言しても法的に権利を放棄したことにはなりません。

ですから、法的に有効に求償権を放棄させるためには示談書の当事者に不倫をした配偶者も入れて3人で署名捺印をするか、上記のように約束を破って求償した場合には受け取った金銭の全額を支払う義務を課す条項を設けることで事実上、求償することを制限することになります。

9 清算条項

「甲と乙は、本合意書記載のほか、本件に関し、甲乙間に何らの債権債務関係が存しないことを相互に確認する。」

示談書に記載されたこと以外に示談書の当事者間には債権債務関係はないことを確認する条項です。

債権債務関係がないことの確認とは、この示談書を作成した後は、その時点までの不貞行為を理由に更に慰謝料請求をすることはできないことや、口外禁止、接触禁止などの示談書に定められた以外の義務は負わないことの確認をいいます。

10 最後に

以上、不貞行為があったときの浮気相手との示談書の例文についてご説明しました。

シンプルで典型的な示談書については、敢えて行政書士や弁護士に依頼せずとも、上記を参考にご自身で作成することで足りるでしょう。

もっとも、弁護士が代理人として浮気相手と示談書を交わせば、浮気相手としても示談書に違反すれば法的請求がされると思うでしょうから、示談書を厳守させたいという場合には弁護士に作成を依頼しましょう。

また、典型的なものではなくオーダーメイドな示談書を作成したいという場合、そもそも示談条件について不倫相手と交渉がまとまらないという場合には、不倫案件の経験が豊富な弁護士にご依頼ください。

この記事を書いたのは

代表弁護士春田 藤麿
愛知県弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設

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