老朽化したマンションの建て替え問題!スムーズに解決するためのポイントを解説

2022年01月28日

老朽化したマンションの建て替え問題!スムーズに解決するためのポイントを解説

  • 老朽化した賃貸マンションからの立ち退きを進めたい
  • 老朽化した賃貸マンションから立ち退き交渉の進め方を知りたい
  • 立ち退き交渉が難航した場合の対処法を知りたい

近年社会問題になっているのが、マンションの老朽化です。マンションの賃貸を続けたいと思っても、老朽化によって壁が崩落したり、建物が崩れるようなことは避ける必要があります。

国土交通省によると、南海トラフにおいて30年以内にマグニチュード8~9クラスの巨大地震が発生する確率は70~80%だそうです。老朽化マンションの建て替えは、今や避けて通れない問題なのです。

今回は、老朽化したマンションの建て替えに関する諸問題について基本的事項を確認し、立ち退き交渉をスムーズに解決するためのポイントを解説します。

この記事を監修したのは

篠田 匡志
弁護士篠田 匡志
第一東京弁護士会 所属
経歴
立教大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院 卒業
金沢市内の総合法律事務所 勤務
春田法律事務所 入所

立退に関わるトラブルでお困りの方へ

・無料相談受付中
・全国対応(東京・大阪・名古屋・福岡・金沢)

24時間・土日祝日も受付0120-655-995

老朽化した賃貸マンションの建て替えにともなう立ち退き

老朽化した賃貸マンションの建て替えにともなう立ち退きについて3つの点から解説します。

  • 建物の老朽化は正当事由の1つ
  • 借地借家法に定める事前通知が必要
  • 立ち退き料の算定とその相場

1つずつ見ていきましょう。

建物の老朽化は正当事由の1つ

1つ目は、建物の老朽化は正当事由の1つだという点です。

建物の老朽化により建て替えを行う場合、賃貸人から入居者に対し、賃貸借契約の更新を拒絶することによって契約を終了させ、立ち退きを請求することが考えられます。

これについては借地借家法28条に更新拒絶の要件が定められています。実際の裁判においても「建物の老朽化は借地借家法28条に言う正当事由にあたる」という判決は多いです。現況を考慮し、取り壊しの緊急性が低いと判断された事例もありますが、立ち退きを請求する事由としては正当と言えるでしょう。

ただし、老朽化の理由のみをもって正当事由が肯定されることは稀で、いくらかの立ち退き料を提示していることが前提とされていますので、注意が必要です。

借地借家法に定める事前通知が必要

2つ目は、借地借家法に定める事前通知が必要だという点です。

立ち退き請求を行う場合、借地借家法26条に則って手続きを進める必要があります。更新せずに契約を終了させたい場合、契約期間満了か1年前~6か月前までの間に、入居者に対して通知しなければなりません。満了期間の手前6か月を過ぎてしまうと、契約更新になります。

ただし、双方納得の上であれば、賃貸借契約はいつでも合意解除可能です。その場合は以下で解説する立ち退き料などの交渉が必要となると言えます。

立ち退き料の算定とその相場

3つ目は、立ち退き料の算定とその相場です。

立ち退き料とは、立ち退きの条件として賃貸人が賃借人に支払う金銭補償のことです。法律の条文上は、「立ち退き料」という言葉はありませんが、借地借家法28条における

「建物の賃貸人が建物の明渡しの条件として又は建物の明渡しと引換えに建物の入居者に対して財産上の給付をする旨の申出」

の部分が立ち退き料を前提にしていると解釈されています。

また、上記の通り通常は賃貸人から提示するものではありますが、入居者から立ち退き料の交渉をされる場合もあります。

算定においては、考え方として、入居者の生活に不当な損害を及ぼさないかという視点がポイントになります。入居者としては、主に引越費用が予定外の出費となるため、この負担をどう考えるかが重要です。居住者が複数存在する場合には、のちに住人同士での不平が起こらないような算定基準を作成することも大切です。

具体的に考慮すべき事情としては、以下のようなことが考えられます。

新居の費用

入居者の出費として、新居の敷金礼金、不動産仲介への手数料などが考えられます。その他、引越先の家賃について、これまでの家賃との差額なども算定の材料になるでしょう。老朽化マンションは、築浅の物件に比べて家賃が安くなってしまっていることも多く、新居に移転する際、家賃が高くなってしまう場合が多いです。

引越費用

引越の費用は、荷物量や距離によっても違います。都市部では格安の引越業者も存在しますが、裁判では最低限10万円が引越し費用として認められることが通常です。

通信費用

インターネット、電話などのインフラも判断材料になります。近年ではインターネット代込みのマンションなどありますので、この分の費用負担が増加するかどうかも、算定のポイントです。

立ち退き料に関してはケースバイケースで、現在の家賃や地域によっても大きく異なります。そのため具体的な金額は個人で判断せず、専門の弁護士に依頼した方が安全と言えます。

老朽化した賃貸マンションの建て替えと立ち退き交渉の進め方

老朽化した賃貸マンションの建て替えと立ち退き交渉の進め方について以下の3つの点から解説します。

  • 立ち退きの正当事由と立ち退き料の提示
  • 転居先の情報の提供をサポート
  • 余裕ある立ち退き期間の提示

1つずつ見ていきましょう。

立ち退きの正当事由と立ち退き料の提示

1つ目は、立ち退きの正当事由と立ち退き料の提示です。

立ち退きを請求するには、借地借家法26条に定めるとおり、契約期間満了の6か月前~1年前に更新拒絶等の通知をする必要があります。そのときに賃貸人側は立ち退きを請求するための正当事由を伝えるのが望ましいのですが、裁判上は、全ての事情を提示することまで求められていません。

この通知において、老朽化を正当事由とする立ち退きを請求する場合、立ち退き料を提示する必要性が出てくるため、さらに猶予を持って準備を進めておく必要があります。

転居先の情報の提供をサポート

2つ目は、転居先の情報の提供をサポートです。

入居者にとっては、不意に転居しなければならないことが一番のストレスとなる可能性があります。新たな転居先が魅力的であり、転居にともなう金銭的体力的負担も解消されるのであれば、立ち退きについてのハードルは低くなると言えます。

転居先を探す手続きは、不動産の仲介会社に協力を依頼することも可能です。仲介手数料が必要となりますが、複数の仕事をまとめて依頼することになりますので、手数料負担を軽減してもらえないか、交渉するのも1つの手です。誠意を持って対応することで共通の問題として認識し、解決する方向に進むことができるようになるでしょう。

余裕ある立ち退き期間の提示

3つ目は、余裕ある立ち退き期間の提示です。

立ち退きまでの期間はできる限り期間を長く設定して提示するようにしましょう。

現実に立ち退きを請求するのが数年先の計画だとしても、早めに伝えておくことでリスクを回避できる可能性が高まります。入居者としては、立ち退きを迫られた場合に納得できる転居先を見つけたいのは当然であり、それにはある程度時間が必要です。

入居者に子どもがいる場合には、学区変更の問題なども考えられますので、余裕を持ってお伝えすることで、数年後を目途に新居計画や引越計画を充分に立てることができます。

老朽化した賃貸マンションの建て替えによる立ち退き交渉が難航する場面と対処法

老朽化した賃貸マンションの建て替えによる立ち退き交渉が難航する場面は以下の2つです。

  • 入居者が納得しない場合
  • 入居者が退去しない場合

1つずつ見ていきましょう。

入居者が納得しない

1つ目は、入居者が納得しない場合です。

入居者が納得しない場合、何が問題なのかを詳しく知る必要があります。たとえば、立ち退き料に納得していない、転居先が決まらないなどの理由があるかもしれません。問題を把握した上で、賃貸人として協力できることがあれば提案し、協力して1つずつ問題を解消していく必要があります。

話合いにならないようなら無理に直接話を進めようとはせず、早期に弁護士に依頼し、立ち退き料も含めて交渉を進めることで、費用的にも労力的にも負担は小さく済むでしょう。

入居者が退去しない

2つ目は、入居者が退去しない場合です。入居者が退去しない場合には、法的手続きへ移行します。

賃貸借契約が解消された上でも退去しない場合、入居者は不法に占有していることになります。しかし賃貸人自ら追い出すことは自力救済にあたり禁止されておりますので、訴訟で勝訴判決を得るか裁判上の和解の手続きを経て、場合によっては、適正な民事執行の手続きによって退去してもらうことになります。

老朽化した賃貸マンションの建て替えによる立ち退き交渉は弁護士に相談

「老朽化にともなう建て替えによる立ち退き請求は、更新拒絶のための正当事由にあたる」とする裁判例は多数ありますが、老朽化の具合や緊急性などの個別の事情によっては否定されたケースもあります。

自己判断で「正当な事由にあたる」と考え入居者に更新拒絶の通知を送ってしまうと、訴訟に発展した場合に「更新拒絶の理由が不当であった」と裁判官が判断すれば敗訴する可能性もあります。

そうすると賃貸借契約は解消されないことになりますし、当然立ち退いてもらうこともできません。さらには、訴訟にかかった費用も敗訴者である賃貸人が負担することになります。

そういった状況を回避するためにも、立ち退き交渉をはじめる前にまずは弁護士に相談することをおすすめします。

まとめ

今回は、老朽化したマンションの建て替えに関する諸問題について基本的事項を確認し、立ち退き交渉をスムーズに解決するためのポイントを解説しました。

立ち退き交渉には立ち退き料の算定や交渉・居住者の転居先の確保・訴訟手続きなどがあり、個人で行うのはなかなか難しいでしょう。

「弁護士などの専門家に依頼すると余計な費用がかかる」と思われるかもしれませんが、早めに相談し連携することで、仕事を分担しスムーズな手続きが可能になり、機会的な損失を抑えることに繋がります。特に、立ち退きの事案に強い弁護士であれば、スムーズな解決が期待できます。まずは専門家に相談することをおすすめします。

最後までお読みいただきありがとうございました。ご不明な点があるときやもっと詳しく知りたいときは、下にあるLINEの友達追加ボタンを押していただき、メッセージをお送りください。弁護士が無料でご相談をお受けします。

立退料の取り扱いについてはこちら

立退に関わるトラブルでお困りの方へ

・無料相談受付中
・全国対応(東京・大阪・名古屋・福岡・金沢)

24時間・土日祝日も受付0120-655-995

この記事を監修したのは

篠田 匡志
弁護士篠田 匡志
第一東京弁護士会 所属
経歴
立教大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院 卒業
金沢市内の総合法律事務所 勤務
春田法律事務所 入所

立退料の記事一覧へ戻る