債務整理しても事業は続けられる!個人事業主のための再建ガイド
2026年05月14日

資金繰りの悪化、売上の減少、予期せぬトラブル…。個人事業主として事業を運営していると、様々な理由で借金が膨らんでしまうことがあります。「もう事業を諦めるしかないのか…」と一人で悩んでいませんか?
しかし、債務整理をしても事業を継続できる方法は存在します。債務整理は、決して事業の終わりを意味するものではありません。むしろ、借金のプレッシャーから解放され、事業を健全に立て直すための「再建の第一歩」となり得るのです。
この記事では、借金問題に苦しむ個人事業主の方へ向けて、事業を継続しながら債務整理を行う具体的な方法、手続きによる事業への影響、そして専門家へ相談するメリットまでを徹底的に解説します。あなたの事業と生活を再建するための、確かな道筋がきっと見つかるはずです。
この記事を監修したのは
職員が丁寧にお話を伺います初回無料
諦めるのはまだ早い!個人事業主が債務整理を検討すべきサイン
「まだ大丈夫」「もう少し頑張ればなんとかなる」と思っていても、気づかぬうちに状況が悪化しているケースは少なくありません。もし、以下のようなサインに一つでも当てはまるなら、それは専門家への相談を検討すべきタイミングです。
- 返済のために新たな借金をしている(自転車操業)
- 複数の金融機関からの借入があり、返済管理が困難になっている
- 事業の運転資金が常に不足しており、資金繰りが厳しい
- 金融機関や取引先からの督促の電話や郵便が頻繁に来る
- 税金や社会保険料の支払いが滞っている
- 売上はあるのに、利益がほとんど借金返済に消えてしまう
- 借金のことが頭から離れず、事業に集中できない、夜も眠れない
これらのサインは、自力での再建が困難になりつつある危険信号です。問題を先送りにするほど、選択肢は狭まっていきます。早期に正しい知識を得て、適切な行動を起こすことが、事業継続の鍵を握ります。
【状況別】事業を続けながら借金を整理する3つの主な方法
個人事業主が事業を続けながら借金を整理する方法は、主に「任意整理」「個人再生」「自己破産」の3つです。それぞれ特徴が異なり、あなたの借金の状況や事業の規模、今後の見通しによって最適な手続きは変わります。まずは、それぞれの概要を理解しましょう。
任意整理:取引先に知られず、特定の借金だけを整理する
任意整理は、裁判所を通さず、弁護士が代理人となって債権者(お金を貸している金融機関など)と直接交渉し、無理のない返済計画を立てる手続きです。将来発生する利息のカットや、返済期間の延長(通常3年~5年)を求めるのが一般的です。
任意整理のメリット・デメリット
【メリット】
- 手続きが柔軟:
整理したい借金(債権者)を選べるため、事業用の融資や保証人がついている借金を除外できる。 - 周囲に知られにくい:
裁判所を通さないため、官報に掲載されず、家族や取引先に内緒で手続きを進めやすい。 - 財産処分の義務がない:
事業で使う設備や車、自宅などを手放す必要がない。 - 手続きが比較的簡単で期間も短い。
【デメリット】
- 元金は減額されない:
あくまで将来利息のカットや分割回数の交渉がメインのため、借金元金は原則として減らない。 - 信用情報への登録:
いわゆる「ブラックリスト」に載るため、約5年間は新たな借入やクレジットカードの作成が難しくなる。 - 交渉に応じない債権者もいる:
あくまで任意の交渉なので、債権者が合意しなければ成立しない。
任意整理が向いているケース
- 借金の総額が比較的少ない(目安として300万~500万円以下)。
- 利息さえカットされれば、3~5年で元金を返済できる安定した事業収入が見込める。
- 事業への影響を最小限に抑えたい。
- 特定の取引先や保証人がついている借入を手続きから除外したい。
個人再生:借金を大幅に減額し、事業資産を守りながら立て直す
個人再生は、裁判所に申し立てを行い、再生計画の認可を受けることで、借金を大幅に(およそ5分の1から10分の1程度に)減額してもらう手続きです。減額された借金は、原則として3年(最長5年)で分割して返済していきます。個人事業主が事業を継続する上で、非常に強力な選択肢となります。
個人再生のメリット・デメリット
【メリット】
- 借金の大幅な減額が可能:
元金ごと減額されるため、返済の負担が劇的に軽くなる。 - 事業用資産を守れる:
事業に必要な設備、機械、在庫、車両などを手放すことなく事業を継続できる(※清算価値保障の原則により、所有する財産額以上の返済は必要)。 - 住宅ローン特則:
住宅ローンが残っていても、自宅を手放さずに手続きができる場合がある。 - 資格制限がない:
自己破産のような職業・資格の制限がない。
【デメリット】
- 手続きが複雑で時間がかかる:
弁護士のサポートが不可欠で、半年~1年程度の期間を要する。 - 官報に掲載される:
国が発行する機関紙に氏名や住所が掲載されるため、知られる可能性がある。 - 連帯保証人に請求がいく:
手続きをすると、保証人に残りの借金が一括で請求される。 - 安定した収入が必要:
減額後の借金を継続して返済できるだけの収入が見込めることが条件。
個人再生が向いているケース
- 借金の総額が大きいが、事業は好調で今後も収入が見込める。
- 事業に不可欠な高価な設備や、手放したくない自宅がある。
- 任意整理では返済が難しいが、自己破産は避けたい。
自己破産:事業継続は困難だが、借金をゼロにして再出発する
自己破産は、裁判所に「支払い不能」であることを認めてもらい、税金などを除くすべての借金の支払い義務を免除(免責)してもらう手続きです。原則として事業用資産を含む高価な財産は処分されるため、個人事業の継続は困難になります。しかし、借金をすべてゼロにし、人生を再スタートさせるための最終手段です。
自己破産のメリット・デメリット
【メリット】
- すべての借金の支払いが免除される:
税金や社会保険料など一部を除き、借金がゼロになる。 - 生活に必要な財産は残せる:
差押禁止財産(99万円以下の現金、生活必需品など)は手元に残すことができる。 - 経済的・精神的なプレッシャーから完全に解放される。
【デメリット】
- 事業継続が困難:
事業用の資産(店舗、設備、在庫、売掛金など)は原則としてすべて処分される。 - 一定期間、特定の職業に就けなくなる(資格制限):
弁護士、税理士、警備員、保険外交員など。 - 官報に掲載される。
- 信用情報に登録される(約5~7年)。
- 連帯保証人に一括請求がいく。
自己破産を選ぶべきケース
- 収入がほとんどない、または事業から安定した収入を得る見込みが全く立たない。
- 借金の額が収入に対してあまりにも大きく、任意整理や個人再生では返済できない。
- 事業の継続が事実上不可能であり、心機一転、生活を立て直したいと考えている。
債務整理が事業に与える具体的な影響と注意点
債務整理を検討する際、個人事業主の方が最も気になるのが「事業に具体的にどんな影響が出るのか」という点でしょう。ここでは、特に重要なポイントを解説します。
事業用資産(設備・在庫・売掛金)はどうなる?
- 任意整理:
影響はありません。資産はすべて手元に残ります。 - 個人再生:
原則として手元に残せます。ただし、資産の評価額(清算価値)が高い場合、その分だけ返済額が増える可能性があります。事業に必要な売掛金も資産として計上されますが、継続のために手元に残せます。 - 自己破産:
原則としてすべて処分(換価)の対象となります。破産管財人が資産を売却し、債権者への配当に充てます。売掛金も管財人が回収します。
取引先や従業員への影響は?
- 任意整理:
整理対象から外せば、取引先に知られることは基本的にありません。従業員にも影響は出ません。 - 個人再生・自己破産:
官報公告で知られる可能性があります。また、買掛金(仕入代金の未払い)がある取引先は債権者となるため、手続きの対象となります。今後の取引継続は、相手方の判断によります。従業員の給与は優先的に支払われますが、事業の縮小や廃業を伴う場合は、解雇せざるを得ないこともあります。誠実な説明と対応が求められます。
信用情報(ブラックリスト)と今後の資金調達について
いずれの手続きを行っても、信用情報機関に事故情報として登録されます(いわゆるブラックリスト状態)。期間は手続き後5年~7年程度です。この間は、金融機関からの新たな借入(事業融資含む)、ローン、クレジットカードの作成が極めて困難になります。事業の運転資金や設備投資のための資金調達が難しくなるため、公的融資(日本政策金融公庫の再挑戦支援資金融資など)の活用や、自己資金での運営を計画する必要があります。
リース物件やローン返済中の機材の扱い
事業で使用しているコピー機やPC、車両などがリース契約やローン返済中の場合、所有権はリース会社や信販会社にあります(所有権留保)。これらの債務を債務整理の対象にすると、契約は解除され、物件は引き揚げられてしまいます。事業継続に不可欠な場合は、任意整理で対象から外す、親族に買い取ってもらう(偏頗弁済にならないよう注意が必要)、個人再生で「別除権協定」を結んで支払いを続けるなどの対策を弁護士と相談する必要があります。
連帯保証人への影響
これは非常に重要な点です。あなたが債務整理を行うと、債権者は連帯保証人に対して残りの債務を一括で請求します。親族や友人に保証人になってもらっている場合、その人の生活を破綻させてしまう危険性があります。手続きを開始する前に必ず連帯保証人に事情を説明し、理解を得ることが不可欠です。場合によっては、保証人も含めて債務整理を検討する必要があります。
【重要】税金や社会保険料は債務整理の対象外
消費税、所得税、住民税、国民年金、国民健康保険料などの「公租公課」は、いかなる債務整理手続きを行っても減額・免除されません。これらを滞納している場合は、別途、管轄の役所(税務署、市役所など)の担当窓口へ出向き、分割での納付(分納)を相談する必要があります。弁護士に相談すれば、役所との交渉についてアドバイスをもらえることもあります。
個人事業主の債務整理に関するFAQ
Q:家族や取引先に内緒で手続きできますか?
A:任意整理であれば、裁判所を介さず、整理する債権者も選べるため、内緒で手続きを進められる可能性が最も高いです。一方、個人再生や自己破産は、裁判所への提出書類で家族の収入証明が必要になったり、官報に掲載されたりするため、完全に秘密にするのは困難です。
Q:手続き中も事業の売上を得て生活費に充てられますか?
A:はい、基本的に可能です。任意整理や個人再生では、事業を継続しながら返済原資を確保していくことが前提となります。自己破産の場合でも、手続き開始後に得た収入(新得財産)は原則として自由に使うことができます。ただし、破産管財人が選任される「管財事件」になると、一定の制限がかかる場合もあります。
Q:債務整理にかかる費用はどれくらいですか?
A:費用は依頼する弁護士事務所や手続きの種類、借金の状況によって異なります。一般的な目安は以下の通りです。
- 任意整理:
債権者1社あたり3万円~5万円程度 - 個人再生:
40万円~60万円程度(裁判所費用含む) - 自己破産:
30万円~80万円程度(法人破産ではない場合。裁判所費用含む、同時廃止か管財事件かで大きく変動) 多くの事務所では、費用の分割払いに対応しています。また、収入が一定基準以下の方は、法テラスの民事法律扶助制度を利用して費用を立て替えてもらうことも可能です。
Q:廃業した後、もう一度個人事業主として開業できますか?
A:はい、できます。特に自己破産をしても、新たな事業を始めることを法律で禁止されることはありません(資格制限期間中は除く)。ただし、前述の通り、信用情報に記録が残っている期間は金融機関からの融資を受けることが難しいため、資金調達の面で大きなハードルがあることは覚悟しておく必要があります。
債務整理を決意したら|弁護士に相談するメリットと解決までの流れ
借金問題を根本的に解決し、事業を再建するためには、法律の専門家である弁護士のサポートが不可欠です。
なぜ専門家(弁護士)への相談が必要なのか
最適な手続きの提案
あなたの状況を客観的に分析し、任意整理、個人再生、自己破産の中から最も有利な解決策を提案してくれます。
督促の即時ストップ
弁護士が介入すると「受任通知」が各債権者に送付され、その時点であなたへの直接の取り立てや督促がすべて止まります。これにより、精神的な平穏を取り戻し、事業再建に集中できます。
複雑な手続きの代行
債権者との交渉や、裁判所に提出する膨大で複雑な書類の作成をすべて任せることができます。
事業継続のための交渉
リース物件の扱いや、一部取引先との関係維持など、事業を続けるための細やかな交渉も代理人として行ってくれます。
弁護士への相談から解決までの基本的なステップ
- 法律事務所へ相談予約
まずは電話やWebサイトから無料相談の予約をします。 - 無料相談・状況のヒアリング
弁護士と面談し、借金の総額、収入、資産、事業の状況などを詳しく伝えます。 - 方針決定・委任契約
弁護士から最適な解決策の提案を受け、納得できれば正式に依頼(委任契約)します。 - 受任通知の送付(督促ストップ)
弁護士が各債権者へ受任通知を発送します。 - 各手続きの実行
任意整理の交渉、個人再生・自己破産の申立てなど、方針に沿って手続きを進めます。 - 解決
任意整理の和解成立、個人再生計画の認可決定、自己破産の免責許可決定などをもって、問題が解決します。その後は、新たな計画に沿って返済を開始(任意整理・個人再生の場合)します。
まとめ:債務整理は事業再建の第一歩。一人で悩まず専門家へ相談しよう
借金問題は、一人で抱え込んでいると出口が見えず、精神的にも追い詰められてしまいます。しかし、この記事で解説したように、債務整理は事業を終わらせるためではなく、むしろ継続・再建するための有効な手段です。
大切なのは、手遅れになる前に現状を正確に把握し、専門家の力を借りて正しい一歩を踏み出すこと。債務整理をすることで、借金の返済に追われる日々から解放され、再び事業そのものに情熱を注げるようになります。
多くの弁護士事務所では、無料相談を実施しています。まずは「相談する」という行動を起こすことが、あなたの事業と未来を救うための最も重要なスタートラインです。諦める前に、ぜひ一度、専門家の扉を叩いてみてください。
※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。
職員が丁寧にお話を伺います初回無料





