万引きは窃盗罪!刑罰と事件を起こしたらすべきことを弁護士が解説

最終更新日: 2023年07月12日

窃盗事件で一番多い万引きの解決方法を弁護士から提案

・家族が万引きをしてしまった
・万引きを繰り返してしまうのはなぜ
・窃盗事件の中でも万引き事件の対応に慣れた弁護士を選ぶポイントを知りたい

窃盗の一つに万引きがあります。最近では、学生だけでなく高齢者による万引きも問題になっています。また、万引きを繰り返している常習者も珍しくありません。

ただ、万引きは犯罪のため、発覚すると相応の処罰を受けることになります。そのため、万引きを行った方はその後の流れを知る必要があります。また、万引き事件の解決には、弁護士のサポートが必要な方がほとんどです。そのため、万引き事件で弁護士が何ができるか、どのような弁護士に依頼すべきかも知っておくべきです。

今回は、窃盗事件の中でも万引き事件の対応に精通している専門弁護士が、万引きを繰り返す理由・起こした後の流れ・万引きに強い弁護士の見極めポイントを解説します。

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この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設

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万引きの罪は窃盗罪

まずは、万引きの罪について解説します。

万引きとは、「買い物客を装って店に入り、代金を支払わずに無断で商品を持ち出す行為」のことです。法律上には「万引き」という罪名はありませんが、万引き行為は刑法第235条の窃盗罪に該当します。

(窃盗)
第二百三十五条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

万引き事件は学生が起こすイメージを持っている方もいらっしゃるかもしれませんが、高齢者による万引きも多いことに留意する必要があります。

警察庁の統計によると、2020年において高齢者(65歳以上)による万引きの検挙人数は21,221人でした。一方、同年の未成年者(14〜19歳)による万引きの検挙人数は4,164人でした。未成年者より高齢者による万引きの検挙人数のほうが多いという状況は、2011年以降継続している傾向になります。

万引きという窃盗事件を繰り返す理由

ここでは、万引きという窃盗事件を繰り返す理由を2つ解説します。

  • 生活の困窮
  • 窃盗症(クレプトマニア)の可能性

1つずつ見ていきましょう。

生活の困窮

万引きを繰り返す理由の1つ目は、生活の困窮です。

日本では少子高齢化による核家族化や未婚による単身世帯が増加していることを背景に、高齢者夫婦世帯や高齢単身者が増加しています。また、平均寿命が伸びているため、高齢者のトータルの生活費も増加している傾向があります。

特に高齢者は、貯金が少なくなっている上に年金も少額であるため、生活費に不安を感じている方も少なくありません。以上より、生活の困窮が万引きを繰り返す高齢者が現れる原因の一つです。

実際、警視庁の報告書によると、高齢者の万引き犯のうち81.2%が無職でした。また、犯行の動機についても、「お金を払いたくないから」が36.2%、「生活困窮」が29.3%を占めています。

窃盗症(クレプトマニア)の可能性

万引きを繰り返す理由の2つ目は、窃盗症(クレプトマニア)の可能性です。

窃盗症とは、人の物を盗む行為が犯罪であると理解していながら、その行為を繰り返してしまう病気のことです。その原因は諸説ありますが、万引きが成功したときの高揚感が忘れられず、そのうち条件反射的に万引きを引き起こすという説があります。

依存症の一種であるため、現在では窃盗症も精神疾患の一種として認知されています。

また、前頭側頭型認知症が原因で万引きを繰り返している事例もあります。前頭側頭型認知症とは前頭葉と側頭葉の機能に障害が出る病気のことで、行動の制御や計画的な行動が難しくなります。

窃盗事件の1つである万引きを起こしたあとの流れ

ここでは、窃盗事件の1つである万引きを起こしたあとの流れを解説します。

万引きが起こしたあとに以下の3つが確認されれば、現行犯として警察官や一般人に身柄を拘束され、現行犯逮捕となる可能性があります。

  • 商品を盗む瞬間
  • 対価を支払わずに店を出る
  • 盗んだ商品を所持

また、現行犯でなくとも、捜査機関が防犯カメラの映像や目撃証言などの証拠をそろえて犯人を特定すれば後日逮捕される可能性があります。このとき、罪証隠滅や逃亡などの可能性が高いと判断されれば、事前連絡なしに自宅に赴いて逮捕されるでしょう。

その後逮捕されたら48時間以内に検察庁に事件送致され、さらにそこから24時間以内に警察官が裁判官に勾留請求するか否かを決定します。勾留が認められれば10日間勾留されます。また、最大10日間勾留が延長になる可能性もあります。その間に、起訴・不起訴処分が決定されます。

窃盗事件の万引き事件に対して弁護士ができること

万引き事件の解決には、法的知識と交渉力が重要になります。そのため、一般の方では解決できない可能性が高いので、行動を起こす前にまずは弁護士に相談することが先決です。

ここでは、窃盗事件の万引き事件に対して弁護士ができることを3つ解説します。

  • 被害者への謝罪と示談交渉
  • 不起訴処分に向けて被害者への誠意ある対応
  • 執行猶予を得る

1つずつ見ていきましょう。

被害者への謝罪と示談交渉

窃盗事件の万引き事件に対して弁護士ができることの1つ目は、被害者への謝罪と示談交渉です。

万引き事件の被害者に謝罪に行きます。そこで商品代金や損害賠償金を支払うことで解決できる可能性があります。ここで具体的な損害賠償額を決定するには、示談交渉が必要です。

しかし、損害賠償額を具体的に決定するには、相場や過去の事例などから妥当な金額を算定しなければなりません。また、被害者は万引き犯と直接交渉すると、感情のもつれで冷静な判断ができない可能性があります。

そのため、示談交渉は弁護士に依頼する方が確実です。

不起訴処分に向けて被害者への誠意ある対応

窃盗事件の万引き事件に対して弁護士ができることの2つ目は、不起訴処分に向けて被害者への誠意ある対応です。

すでに複数回万引きをしているときや初犯でも被害金額が大きいときには、商品代金や損害賠償金を支払っても起訴されることがあります。そのため、弁護士が被害者と示談交渉をして、万引きについて許しを得ます。そうすることで、不起訴となる可能性が高まります。

弁護士が被害者への誠意ある対応を行うことで被害者も冷静になり、交渉も速やかに進むと期待されます。

執行猶予を得る

窃盗事件の万引き事件に対して弁護士ができることの3つ目は、再度の執行猶予を得ることです。

万引きの初犯であれば、刑務所に行くことはありません。しかし、執行猶予中の再犯、もしくは過去に執行猶予判決や実刑判決を受けたことがあるときは、執行猶予を得るのはハードルが高くなる場合が多いです。それでも、弁護士に依頼すれば執行猶予が得られる可能性が高まります。

執行猶予を得るには、再犯防止について具体的かつ説得力のある立証が必要となります。医療機関や家族による再犯防止策をの立案によって服役よりも治療継続が重要であることを裁判所に理解してもらいます。

窃盗事件の中で特に万引きに強い弁護士の見極めポイント

ここでは、窃盗事件の中で特に万引きに強い弁護士の見極めポイントを3つ解説します。

  • 解決実績が多数
  • コミュニケーションをしっかり取ってくれる
  • 知見と情熱を持って引き受けてくれる

1つずつ見ていきましょう。

解決実績が多数

見極めポイントの1つ目は、解決実績が多数かどうかです。

万引き事件の解決実績が多い弁護士であれば、示談交渉や早期釈放など、さまざまな万引き事件を解決するための引き出しを多数有していると期待できます。具体的には、万引き事件の解決件数が数十件あることが1つの目安になると考えてよいでしょう。

また、先ほど述べた通り窃盗症によって万引きを犯している方もいます。そのため、特に高齢者の万引き犯の弁護活動を依頼する弁護士であれば、窃盗症専門の医療機関を紹介できることもポイントです。

さらに、執行猶予中の犯行で再度の執行猶予を獲得することはハードルが高いので、その実績があるとより安心です。

コミュニケーションをしっかり取ってくれる

見極めポイントの2つ目は、コミュニケーションをしっかり取ってくれることです。

特に初犯の方は、あらゆることに不安を感じるものです。弁護士がコミュニケーションをしっかり取ってくれないと、さらなる不安を感じても無理はありません。反対に、コミュニケーションをしっかり取ってくれる弁護士を選ぶと、大きな安心感をもたらしてくれます。

そのため、弁護士がコミュニケーションをしっかり取ってくれるかどうかも見極めポイントです。特に、弁護士の携帯電話番号を教えてもらえ、いつでも連絡を取れる状態にしてくれる弁護士だと、いっそう安心です。

知見と情熱を持って引き受けてくれる

見極めポイントの3つ目は、知見と情熱を持って引き受けてくれることです。

たとえば、示談金には相場が存在しています。ただ、被害者側が相場を大きく超えた示談金を希望することや、依頼者に相場通りの示談金を支払う能力がないこともあります。また、万引きを繰り返している方や執行猶予中の再犯者であれば、執行猶予を勝ち取ることは困難です。

それでも、最後まで諦めずにできる限り低い量刑となるよう、知見と情熱を持って引き受けてくれるかどうかも、弁護士を選ぶポイントとして頭に入れておきましょう。

まとめ

今回は、万引きを繰り返す理由・起こした後の流れ・万引きに強い弁護士の見極めポイントについて解説しました。

万引きを繰り返す方の中には、生活困窮が原因という方が多くいます。一方で、窃盗症といった病気が原因で万引きを繰り返す方もいることには留意しなければなりません。また、万引きは犯罪の1つで、窃盗罪に該当します。万引きをしてしまった場合は、どのような流れで万引き事件を解決すればいいか把握しておきましょう。

もし、ご自身やご家族が万引き事件を起こしたときには、当事務所にご相談ください。窃盗事件の中でも万引き事件の対応に精通している専門弁護士が、できる限り速やかに万引き事件を解決してくれることでしょう。

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