X(旧Twitter)での発言で逮捕される?注意すべき7つの罪
最終更新日: 2024年11月30日
- X(旧Twitter)に投稿した内容で逮捕されることもあるだろうか
- X(旧Twitter)でどのような投稿をすると危険なのか知りたい
- X(旧Twitter)で誹謗中傷をしてしまった相手から開示請求を受けて不安
SNSが広く世の中に浸透する中で、その発言によって炎上するケースだけではなく、SNSをきっかけに逮捕に至るケースも増えてきています。そのような中、X(旧Twitter)での過去の発言に不安を感じている方もいらっしゃるでしょう。実際のところ、基本的な法律知識があれば、ほとんどのトラブルは未然に防げます。
本記事では、SNSのトラブルに詳しい専門弁護士が、SNS利用に必要な法律の知識に加えて、トラブルを避けるためのポイントを解説します。
本記事のポイントは以下です。お悩みの方は詳細を弁護士と無料相談することが可能です。
- X(旧Twitter)上で特定の個人や団体を傷つける発言や脅迫的な内容は、法的責任を問われ、逮捕に至る可能性がある。
- X(旧Twitter)で私的な画像や虚偽の情報を拡散する行為は、取り返しのつかない被害を引き起こし、厳しい罰則が科されることもある。
- X(旧Twitter)での過去の投稿によって不安を抱えている場合は、弁護士への相談がおすすめ。
X(旧Twitter)で逮捕される犯罪
SNSの普及により、X(旧Twitter)での投稿による逮捕事例が増加しています。名誉毀損や脅迫、わいせつ物の投稿など、さまざまな犯罪が対象となるため、投稿には細心の注意が必要です。
名誉毀損罪
他人の社会的評価を低下させる事実を公然と示すことは、名誉毀損罪に該当する可能性があります。たとえば、特定の個人や企業を名指しし、「詐欺を働いている」といった具体的な投稿をすれば、その内容が事実であっても罪に問われることがあるでしょう。
注目すべきは、Xの投稿は「公然性」があるとみなされ、拡散によって被害が広がりやすい点です。刑法第230条では「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」と定められており、安易な投稿は重大な結果を招く可能性があります。
トラブルを避けるためには、特定の個人や団体への言及は避け、事実の有無に関わらず、他者の評価を下げるような投稿は控えることが賢明です。SNSの特性上、一度の投稿が予期せぬ形で拡散され、取り返しのつかない事態を招くこともあるのです。
侮辱罪
SNS上で他人を軽蔑する言葉を投稿することは、侮辱罪となる可能性があります。具体的な事実の摘示がなくても、「バカ」「無能」といった抽象的な悪口でも罪に問われることがあるのです。
特に注意が必要なのは、投稿するときの感情的な言葉の選び方です。たとえ一時の感情であっても、公開された場での発言は取り返しがつかない結果を招くことがあります。近年、著名人への誹謗中傷による逮捕者が増加していることからも、投稿前に言葉の影響力を慎重に考えることが大事です。
コメントやリプライでの発言も同様に注意が必要です。相手を傷つける可能性のある言葉は避けましょう。SNS上では匿名性を理由に過激な表現を使いがちですが、IPアドレスから投稿者を特定できる場合もあります。法的責任を問われる可能性があることを忘れてはいけません。
脅迫罪
Xでの投稿による脅迫は、相手に恐怖を与える行為で重大な犯罪となります。「殺してやる」「家を爆破する」といった言葉は、たとえ冗談のつもりでも、受け取る側に恐怖を与えれば脅迫罪が成立するのです。
刑法では「2年以下の懲役または30万円以下の罰金」と定められており、軽い気持ちでの投稿が逮捕につながる事例も報告されています。特に注意すべきは、リプライやダイレクトメッセージでの脅迫的な表現です。相手を特定した脅迫は証拠として残りやすく、立件されやすい傾向にあります。
また、不特定多数への脅迫的な投稿も同様に危険です。相手の立場に立って、投稿内容が及ぼす影響を慎重に考えることが大切です。投稿前に表現方法を見直すことで、トラブルを防げます。
リベンジポルノ防止法違反
私的な性的画像や動画を同意なく公開することは、重大な人権侵害となります。特にSNSでは一度投稿された画像が急速に拡散される危険性が高く、取り返しのつかない被害を生むことがあるでしょう。
たとえば、元交際相手の画像を報復目的で投稿し、逮捕された事例も報告されています。リベンジポルノ防止法違反は「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」という厳しい罰則が設けられており、被害者の人生を大きく傷つける行為として厳しく取り締まられています。
注意すべきは、画像を直接投稿しなくても、リンクを共有したり、保存したりする行為も違法となる可能性がある点です。また、一度拡散された画像は完全な削除が困難で、長期にわたって被害が継続することもあります。相手のプライバシーを侵害する投稿は、絶対に避けましょう。
信用毀損罪・業務妨害罪
企業や個人の信用を傷つける虚偽の情報をXで拡散することは、深刻な犯罪行為となります。たとえば、「この店の商品に異物が混入していた」といった事実無根の投稿は、店舗の営業に重大な支障をきたすことがあるのです。
このような行為は「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」という厳しい処罰の対象となっています。注意が必要なのは、一度の投稿が予期せぬ形で拡散され、企業の信用を大きく損なう可能性がある点です。
また、虚偽の評価や口コミを投稿することも、業務妨害として罪に問われることがあります。SNSの影響力は想像以上に大きく、安易な投稿が企業活動を妨害する結果となり得ることを、しっかりと認識する必要があります。トラブルを避けるためには、事実確認を徹底し、感情的な投稿は控えることが重要です。
わいせつ物頒布等罪
Xでわいせつな画像や動画を投稿・拡散することは、重大な犯罪行為です。たとえ閲覧制限をかけていても、不特定多数が閲覧可能な状態であれば「2年以下の懲役または250万円以下の罰金」という処罰の対象となります。
SNSでは一度投稿された内容が予期せぬ形で拡散されることがあるため、細心の注意が必要です。わいせつな内容を含むリンクの共有や、間接的な方法での提供も違法となる可能性があるので、注意しましょう。
海外サーバーを利用した投稿でも、日本の法律で罰せられることがあります。フォロワー限定の投稿であっても、スクリーンショットなどで拡散されるリスクがあることを忘れてはいけません。わいせつ物に該当する可能性がある投稿は、たとえ軽い気持ちであっても絶対に避けましょう。
児童ポルノ禁止法違反
18歳未満の性的な画像や動画を投稿・拡散する行為は、重大な人権侵害として厳しく罰せられます。知らずにリツイートしたケースでも、「5年以下の懲役または500万円以下の罰金」という厳罰の対象となる可能性があります。
注意すべきは、年齢判断が難しいケースもあることです。また、イラストや創作物であっても、18歳未満と認識できる描写は違法となる可能性があります。SNSの特性上、海外からの投稿や匿名アカウントからの投稿も多く、真偽を判断することが難しい場合もあるでしょう。
そのため、少しでも疑わしい投稿は避け、拡散に関与しないよう、慎重な判断が求められます。被害者の人生に取り返しのつかない影響を与える可能性があることを、強く意識すべきです。
Xでの逮捕事例
Xでの投稿による逮捕事例が増加しており、特に名誉毀損やリベンジポルノ防止法違反が目立っています。SNSの特性上、投稿は瞬時に拡散され、取り返しのつかない事態を招くことがあるのです。
名誉毀損による逮捕事例
近年、Xでの投稿による名誉毀損での逮捕事例が増加しています。
注目すべき事例として、福岡県で発生した19歳の男子大学生の逮捕があります。男子学生が元交際相手の女性に対する中傷文と不適切な画像を投稿し、名誉毀損の疑いで逮捕された事例です。投稿の動機は「浮気や裏切りへの報復」でした。たった数時間の感情的な投稿が逮捕という重大な結果を招いたのです。
この事例から学べることは、たとえ事実であっても、他人の評価を低下させる投稿は法的責任を問われる可能性が高いということです。
リベンジポルノ防止法違反による逮捕事例
リベンジポルノ防止法違反による初の判決として、元交際相手の画像をXに投稿した39歳男性の事例があります。この事件では、被告が元交際相手の私的な写真を10回にわたって投稿し、さらに「写真をばらまく」という脅迫も行っていました。裁判所は被害者の深刻な精神的苦痛を重視し、懲役2年6月、執行猶予4年という厳しい判決を下しています。
この事例は、私的な画像の投稿が重大な人権侵害となることを示したものです。
一度拡散された画像は完全な削除が困難で、長期にわたって被害が継続する可能性があります。SNSでの投稿は、取り返しのつかない結果を招く可能性があることを、しっかり認識する必要があります。
警察がX投稿者を逮捕するまでの流れ
X上の違法投稿による逮捕は、法的手続きを経て慎重に進められます。通報から逮捕までには、厳格な証拠収集と身元特定のプロセスが必要です。警察がX投稿者を逮捕するまでの流れについて解説します。
- 通報・捜査開始
- 調査と証拠収集
- 裁判所への令状申請
- X(旧Twitter)からの情報開示
- インターネットプロバイダへの開示請求
- 逮捕状の発行・逮捕
通報・捜査開始
警察の捜査は、主に被害者からの通報や警察のサイバーパトロールによって開始されます。名誉毀損や脅迫など、明らかな違法性が認められる投稿や、具体的な被害報告があった場合に捜査が進められるのです。
被害者が精神的苦痛や経済的損失を受けているケースでは、詳しい事情聴取が行われます。すべての投稿が捜査対象となるわけではありませんが、重大な違法行為は見過ごされることはないでしょう。
調査と証拠収集
投稿内容が違法性を帯びていると判断された場合、警察は具体的な証拠収集を開始します。投稿のスクリーンショットやアカウント情報、投稿日時などが重要な証拠として保全されるでしょう。
被害者からの詳しい事情聴取も行われ、精神的苦痛や経済的損失の程度も記録されます。この段階で、投稿内容が法律に違反するかどうかの検討が行われます。
裁判所への令状申請
個人情報の取得には裁判所の許可が必要です。警察は集めた証拠をもとに、インターネットサービス事業者への情報開示請求のための令状を申請します。
裁判所は請求内容の適法性や必要性を厳しく審査し、十分な根拠がある場合に令状を発行します。この手続きは、投稿者のプライバシーを守りながら、適正な捜査を進めるための重要なステップです。
Xからの情報開示
裁判所から令状が発行されると、X側に投稿者情報の開示が請求されます。開示される情報には、アカウント作成時の登録情報やログイン時のIPアドレスが含まれるでしょう。
ただし、Xは海外のサービスのため、情報提供には一定の時間がかかることがあります。
インターネットプロバイダへの開示請求
Xから提供されたIPアドレスをもとに、警察はプロバイダに契約者情報の開示を請求します。提供される情報には、契約者の氏名や住所、連絡先が含まれます。
この手続きは裁判所の令状に基づいて行われ、プロバイダの対応には数日から数週間かかることがあります。
逮捕状の発行・逮捕
収集した証拠から犯罪の存在が確認されると、警察は裁判所に逮捕状を請求し、投稿者の身柄を拘束します。また、必要に応じて投稿者が使用していたデバイスを押収する場合があります。
逮捕後は48時間以内に検察へ送致され、その後詳しい取り調べが行われるのです。この一連の流れは、証拠の確実性と逮捕の必要性を慎重に判断しながら進められます。
Xに関する逮捕でお悩みなら弁護士に相談を
Xでの投稿に関して警察から連絡があった場合や、投稿内容に不安を感じた場合は、一人で抱え込まず、すぐに弁護士に相談することをおすすめします。早期の専門家相談で多くの問題が解決可能です。
特に、名誉毀損や脅迫、わいせつ物に関する投稿など、刑事事件に発展する可能性がある場合は、弁護士への相談が必須といえます。適切な法的アドバイスを受けることで、状況の悪化を防ぎ、最善の対応が可能です。Xに関する逮捕でお悩みなら、Xでのトラブルに詳しい弁護士に無料相談ができる春田法律事務所にお気軽にご相談ください。
※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。