離婚調停は弁護士に相談しよう!活動内容・メリット・デメリット・費用も解説

最終更新日: 2023年09月28日

離婚調停は弁護士に相談しよう!活動内容・メリット・デメリット・費用も解説

  • 離婚の話し合いがなかなかまとまらない、どうしたらよい?
  • 調停をしたいが、弁護士を立てた方が有利になるのだろうか?
  • 調停の申立費用や弁護士費用が気になる

協議離婚がうまくいかない場合、「調停離婚」を行い、離婚問題の解決を図ります。

調停離婚をする場合、夫婦は家庭裁判所に場所を移し、再度話し合いを進めていきます。

調停で離婚の是非や条件を話し合う場合、弁護士のサポートを受ければ、有利に話し合いを進められる可能性が高いです。

そこで今回は、多くの民事事件に携わってきた専門弁護士が、調停で弁護士に期待できる役割、調停を弁護士に依頼するときの費用等について詳しく解説します。

本記事のポイントは以下です。お悩みの方は詳細を弁護士と無料相談することが可能です。

  • 離婚の調停を依頼された弁護士は、申立人(依頼者)に代わり手続きの代行や意見を代弁する
  • 離婚の調停を弁護士に依頼すれば、申立人の精神的・肉体的負担を軽減できる
  • 調停のための費用は、申立費用や弁護士費用を含めて、100万円以上になることもある

離婚に強い弁護士はこちら

この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設

詳しくはこちら

離婚調停における弁護士の活動

離婚問題を解決するため、自分が申立人となる場合、申立てる前に提出書類の作成や収集、申立費用の準備と、様々な作業が必要です。

しかし、事前に弁護士を代理人として立てておけば、申立人に代わりいろいろな活動を行います。

手続き代行

弁護士は申立の際の煩雑な作業を代行します。弁護士が行える手続きは、主に次の3つです。

  • 調停申立書の作成:わかりやすく申立ての趣旨・理由等を記載
  • 裁判所への申立手続き:必要な書類を揃え提出
  • 裁判所とのやり取り:書面を要求された場合の対応、申立人に直接事情を尋ねる場合の調整等

調停を行う場合、相手方の住所地または当事者が合意で決めた家庭裁判所に、「夫婦関係調整調停(離婚)の申立」をします。

以下の提出書類を準備します。

  • 調停申立書とその写し1通
  • 夫婦の戸籍謄本(全部事項証明書):本籍地の市区町村役場で取得
  • 年金分割のための情報通知書:年金分割割合についての申立てが含まれているとき

なお、申立人本人に代わって弁護士が書類を収集する場合は、本人の委任状が必要です。

法的なアドバイス

弁護士は、手続き前や調停中も、申立人に的確なアドバイスを行います。

弁護士は、離婚交渉や調停、裁判の経験から、ケースに応じた最適な財産分与の割合や、慰謝料・養育費の額等を申立人に提示します。

それらの法的アドバイスなどを参考に、相手の主張や希望も踏まえながら、合意に向けて話を進めることが可能です。

意見代弁

調停期日には、弁護士とともに裁判所の調停へ出席できます。弁護士は、調停委員との話し合いに同席する他、申立人の意見を代弁して伝えます。

一見すると弁護士だけが調停期日に出席すれば、申立人の出席は不要とも思われます。

しかし、弁護士に依頼している場合でも、原則として申立人本人の出席が必要です。代理人である弁護士だけの出席は「やむを得ない事由」に限定されています。

やむを得ない事由の具体例は次の通りです。

  • 申立人本人の病気やケガ
  • 申立人本人の海外出張
  • 親族や近親者の危篤状態や死亡、葬儀 等

申立人の仕事が忙しく出席できないという理由だけでは、認められにくいといわれています。

離婚調停を弁護士に相談するメリット

離婚の調停は非公開で話し合い、当事者の合意を目指す方法です。

話し合いであっても弁護士に相談し、調停の代理人を任せれば、依頼者(申立人)に有利となる点は多いです。

有利な解決を目指せる

調停委員と話をするときに弁護士がいれば論理的にポイントを押さえた主張を行えます。

調停委員は理性的かつ論理的な主張を重視する傾向があるので、弁護士が申立人の意見を代弁すれば、理解を得られやすくなります。

また、たとえ相手から不当な主張をされた場合も、どのような点が容認できないのか、相手の意見が不当である点を明確にして反論できます。

弁護士のサポートがあれば、相手の不当な主張を受け入れるおそれもありません。

手続きの負担軽減

申立人が仕事を持っている場合は、仕事の合間に申立書の作成や提出書類を準備する必要があります。

弁護士を立てれば、手続きの準備を代行してもらえるので、仕事の影響で手続きの準備が進まないという事態もありません。

弁護士が申立書を作成すれば、申立ての趣旨・理由等を簡潔かつ正確に記載します。

ストレス緩和

弁護士がいれば逐一話し合いながら調停に備えられます。

不安があるならその都度質問しましょう。弁護士が丁寧に回答するので安心して申立てを行えます。

その他、調停の進行や主張、効果的な証拠の提出等のアドバイスが受けられ、万一調停が不成立だった場合の対応の仕方もいろいろと提案します。

「調停が失敗したらどうなるのだろう?」という不安も解消され、落ち着いて調停に出席できます。

離婚の意思が固いことを表明

弁護士が調停に同席すれば、それだけで調停委員は「離婚の意志が固い」と感じ取るでしょう。

また、相手も「自分が主張や反論をしても、弁護士にかなわないのでは」と考え、申立人の主張を認める可能性もあるでしょう。

その他、相手の主張や調停委員からの提案に妥当性があるのかを、弁護士にチェックしてもらえるので、自分の主張・提案等も納得して意思表示できます。

離婚調停を弁護士に依頼しない場合の本人の負担

離婚の調停を弁護士に依頼すれば、依頼した本人の負担は軽減され、話し合いが有利に進められます。

逆に、申立人本人だけで調停を行おうとすれば、予想外の事態が発生するリスクもあります。

長期化する可能性がある

調停は早ければ3か月くらいで話し合いの合意が得られる可能性があります。

比較的短期間で当事者の合意に達する理由は様々です。

  • 相手が調停にまで発展した事実を重く受け止め、申立人の主張に合意した
  • 申立人が相手の主張に負け妥協した
  • 弁護士のサポートで調停が優位に進み、申立人の望む合意が得られた

少なくとも、申立人が相手の主張に負け妥協するような事態は避けたいものです。

しかし、お互いの主張の隔たりが大きければ、調停は1年以上かかる可能性があり、調停不成立となる事態も想定されます。

弁護士に調停成立のため尽力してもらった方が、調停で満足した合意が得られ、合意するまでの期間も大幅に短縮できます。

合意するまで裁判所に出頭する必要がある

申立人本人だけで調停を行おうとすれば、調停成立まで長期間を要する可能性があります。

その間、自分一人で家庭裁判所に出向いて話し合いを続けなければいけません。

また調停期日に不都合が生じてしまったときは、弁護士がいないため、自分だけで何とかしなければなりません。

たとえば、期日に出席できない場合は、調停期日の数日前までに「期日変更申請書」を家庭裁判所に提出するなどの対応が必要になります。

特別な理由もないのに、連絡なしで不出頭を繰り返すと、家庭裁判所から5万円以下の過料を科される場合もあるので注意が必要です。

離婚調停を弁護士に依頼するときの費用

調停を申立てるとき、そして弁護士に代理人を依頼するときに、気になるのはやはり費用でしょう。

こちらでは、調停申立て費用および弁護士費用の目安について解説しましょう。

調停申立費用

夫婦関係調整調停(離婚)を申立てる場合、わずかな費用で申立てが可能です。

  • 収入印紙代:1,200円
  • 切手代:1,000円程度

その他、申立てのときに提出する戸籍謄本(1通450円)を加えても、申立費用は3,000円程度で済みます。

弁護士費用

弁護士費用は各法律事務所で自由に料金設定が可能となっています。そのため、事務所ごとに料金の開きがある点に注意しましょう。

調停の難易度やかかる期間によっては、弁護士費用が100万円を超える可能性もあります。

弁護士費用は大きく2種類に分かれます。

  • 着手金:依頼後に必ず支払う費用、調停の成立・不成立にかかわらず支払う
  • 成功報酬:調停が成立した場合にのみ支払う費用

調停を行う場合、弁護士費用の目安は下表の通りです。

弁護士費用(調停)

金額

法律相談料(30分)

0円~5,000円

着手金

10万円~20万円

成功報酬金

・離婚:10万円~60万円

・親権:10万円~60万円

・面会交流:10万円~30万円

・財産分与・慰謝料:利益の5%~10%

・養育費:利益の5%~10%

日当

3万円~

当事務所の離婚調停における弁護士費用はこちらでご確認いただけます。

まとめ

今回は多くの民事事件に携わってきた専門弁護士が、離婚の調停で弁護士を立てる有効性、逆に弁護士を立てない場合のデメリット等について詳しく解説しました。

自分の望んだ内容で離婚の合意を進めたい、なるべく早く調停を成立させたい人は、弁護士に依頼することが解決への近道です。

離婚の調停を決意したら、まずは弁護士に相談し、対応の仕方を話し合ってみましょう。

離婚に強い弁護士はこちら

離婚のコラムをもっと読む

※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。