自己破産のメリット・デメリットを徹底比較!失うもの・残せるものを弁護士がわかりやすく解説

最終更新日: 2026年03月02日

自己破産のメリット・デメリットを徹底比較!失うもの・残せるものを弁護士がわかりやすく解説

「自己破産をすると人生が終わるのではないか」
「家族や職場に知られてしまい、生活に大きな支障が出るのではないか」

このような不安を抱えている方も少なくありません。しかし、こうしたイメージの多くは、正確な情報に基づかないものです。

自己破産は、返済が困難になった借金を整理し、生活を立て直すために法律で定められた制度です。重要なのは、メリットとデメリットの両面を正しく理解したうえで、ご自身の状況に合った選択かどうかを判断することです。

この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
宅地建物取引士

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自己破産の主なメリット

借金の支払義務が免除される

自己破産が裁判所に認められると、消費者金融や銀行、クレジットカード会社、個人からの借入れなど、原則としてすべての借金について返済義務が免除されます。返済の見通しが立たない状況から抜け出せる点は、大きな特徴といえます。

弁護士に依頼すると督促が止まる

弁護士が債権者への窓口になることで、貸金業者からの電話や書面による督促は法律上できなくなります。日々の返済対応に追われていた状況から解放され、落ち着いて手続きを進めることができます。

差し押さえなどの強制執行を防げる

給与の差し押さえや預金口座の凍結が予定されている場合でも、自己破産が裁判所で開始されることで、これらの手続きが中止・停止されることがあります。生活への影響を最小限に抑えることが可能です。

事前に理解しておきたい自己破産のデメリット

一定額を超える財産は処分の対象となる

裁判所ごとの基準によって多少変わりますが、不動産や自動車、20万円以上の価値がある資産などは、原則として処分され、債権者への配当に充てられます。

ただし、99万円以下の現金や日常生活に必要な家財道具などは、手元に残すことが認められています。

一定期間、信用取引が制限される

信用情報機関に事故情報が登録されるため、約5〜10年間は、クレジットカードの作成やローンの利用、分割払いが難しくなります。

これは自己破産に限らず、債務整理全般に共通する影響です。

手続き期間中の資格制限

破産手続きが進行している間は、警備員、士業(弁護士・税理士など)、生命保険募集人といった一部の職業に就けない期間があります。ただし、免責が確定すれば制限は解除され、再び就業することができます。

誤解されやすい点(自己破産をしても起きないこと)

自己破産をしても、以下のような影響はありません。

  • 戸籍や住民票に記載されることはありません。
  • 破産を理由に会社を解雇されることは、原則として認められていません。
  • 選挙権などの公民権が制限されることはありません。
  • 年金の受給資格や受給額に影響はありません。

まとめ|自己破産は「人生の終わり」ではなく、再スタートのための制度です

自己破産には、

  • 借金の返済義務が原則として免除される
  • 督促や差し押さえを止められる

といった大きなメリットがあります。

一方で、

  • 一定額を超える財産は処分の対象になる
  • 約5〜10年間はクレジットカードやローンが利用しづらくなる
  • 手続き中は一部資格に制限がかかる

といったデメリットも存在します。

ただし、戸籍に載ることや、選挙権がなくなること、原則として会社を解雇されることなどはありません。

世間で言われる「人生が終わる」というイメージの多くは、誤解に基づくものです。

重要なのは、

  • 何を守りたいのか(住まい・仕事・家族への影響など)
  • 今後どのように生活を立て直したいのか

を整理したうえで、自己破産が本当に最適な選択かどうかを判断することです。

自己破産以外にも、任意整理や個人再生といった方法があり、状況によっては別の手続きの方が適しているケースもあります。
「借金をゼロにする」ことだけでなく、「これからの生活をどう立て直すか」という視点が大切です。

当事務所では、債務整理に関する初回相談を無料で行っています。まだ自己破産を決めていない段階でも問題ありません。

  • このまま支払いを続けられるか不安
  • 家や車を残せる可能性があるか知りたい
  • 家族や職場に知られずに進められるか確認したい

といった段階でも、状況を整理することで、選択肢が明確になります。

一人で抱え込まず、まずは現在の状況をお聞かせください。適切な手続きを選び、生活を立て直すための具体的な道筋をご提案いたします。

自己破産に関するよくある質問

Q.「99万円以下の現金は残せる」とのことですが、預貯金はどうなりますか?

A. 一般的には「20万円」が目安とされています。
自己破産では、手元にある現金については99万円まで残せるとされています。一方、銀行口座にある預貯金については、合計額が20万円を超える場合、原則として換価処分の対象となるケースが多いです。

ただし、この基準は裁判所や地域ごとの運用によって多少異なることがあります。そのため、事前に通帳の残高や入出金状況を確認したうえで、弁護士に相談することが大切です。

Q.デメリットにある「ブラックリスト」期間中、スマホの分割払いや賃貸契約はまったくできませんか?

A. 状況によっては可能なケースもあります。

  • スマホ
    高額な端末の分割払いは難しくなることがありますが、比較的安価な機種であれば簡易的な審査で契約できた例もあります。また、一括購入であれば問題になることはありません。
  • 賃貸
    信販会社系の保証会社を利用する物件では、審査が厳しくなる傾向があります。一方で、独自の審査基準を採用している管理会社や、保証会社を利用しない物件であれば、契約できる可能性があります。

Q.自己破産のメリットを大きくするために、事前に財産を処分したり、特定の人にだけ返済してもいいですか?

A. そのような行為は避ける必要があります。
特定の債権者だけに返済する行為(偏頗弁済)や、財産を隠す・名義を移すといった行為は、免責が認められない原因になります。

場合によっては、手続きが長引いたり、当該債権者に迷惑をかけたり、不利な判断につながることもあるため、自己判断で行動せず、状況を正確に弁護士へ伝えることが、結果的にスムーズな解決につながります。

Q.デメリットとしての「資格制限」は、資格そのものが失われるのですか?

A. 資格がなくなるわけではありません。
自己破産では、一部の資格や職業について「手続き期間中のみ」制限がかかる場合があります。ただし、免責許可決定が出れば制限は解除され、再びその資格を使って仕事を続けることができます(復権)。

期間は数か月から半年程度が一般的で、その間の働き方については、事前に弁護士と相談しながら調整するケースが多いです。

Q.持ち家がある場合、必ず手放すことになるのでしょうか?

A. 自己破産では、原則として処分の対象になります。
住宅ローンが残っている持ち家がある場合、自己破産では手放すことになるのが一般的です。

もし「住まいを残したい」という希望が強い場合には、自己破産ではなく、「個人再生(住宅ローン特則)」といった別の手続きを検討する選択肢もあります。
このように、状況や優先順位に応じて手続きを選べる点が、債務整理の特徴です。

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