保釈金の相場はいくら?条件・申請の流れを刑事弁護士が解説

2026年06月08日

保釈金の相場はいくら?条件・申請の流れを刑事弁護士が解説

「起訴されたが、裁判まで家族を外に出したい」
「保釈金はいくら用意すればいいのか」「保釈はどんな場合に認められるのか」

起訴後に勾留が続く場合、保釈を申請することで身柄を自由にすることができます。

この記事では保釈金の相場・保釈の条件・申請の流れ・保釈金が用意できない場合の対処法まで弁護士が詳しく解説します。

この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士 春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内法律事務所勤務
当事務所開設
資格
宅地建物取引士
情報処理安全確保支援士

「家族が逮捕された」「示談したい」など、300件以上の刑事事件のご相談に対応してきました。(※2026年3月時点)これまでの実務経験をもとに、法律のポイントを分かりやすく解説しています。

詳しくはこちら

職員が丁寧にお話を伺います初回無料

保釈とは何か?

保釈の仕組み

保釈とは、起訴後に勾留されている被告人が、一定の保証金(保釈金)を裁判所に預けることを条件に、判決が確定するまでの間、身柄の拘束を解いてもらう制度です(刑事訴訟法第88条以下)。

保釈金は判決確定後に全額返還されます(保釈条件に違反した場合は没取されることがあります)。

保釈は起訴後の制度

保釈は起訴された後に申請できる制度です。

逮捕・勾留の段階(起訴前)では保釈は申請できません。起訴前の釈放を求める場合は「勾留取り消し申立」「準抗告」などを活用します。

起訴後の手続きや生活への影響については、こちらの記事で詳しく解説しています。

起訴されたら終わりじゃない!不安を乗り越える対処法

コラム

2026/04/01

起訴されたら終わりじゃない!不安を乗り越える対処法

保釈が重要な理由

起訴から判決まで数ヶ月〜1年以上かかることが多く、その間ずっと拘置所に勾留されると、仕事・家族・日常生活への影響が深刻になります。

保釈が認められれば、自宅から裁判に出廷することができ、家族と生活しながら弁護の準備を進めることが可能です。

保釈金の相場はいくら?

事件の種類保釈金の目安備考
一般的な事件(初犯・軽微)150〜200万円標準的な相場
詐欺・横領(被害額小)200〜400万円被害弁償状況による
薬物事件(単純所持等)200〜500万円再犯の場合は高くなる
性犯罪・重大傷害事件300〜800万円被害者への接触リスクで高額に
組織犯罪・大規模詐欺500万円〜1,000万円以上逃亡リスク・社会的影響が大きい
殺人・強盗等の重大事件500万円〜数千万円保釈が認められないことも多い

保釈金は全額返還される

保釈金は裁判所への「保証金」であり、裁判終了後(判決確定後)に全額返還されます。有罪・無罪にかかわらず返還されます。

ただし、保釈条件に違反した場合(逃走・証拠隠滅など)は没取されることがあります。

保釈金の金額は何で決まる?

保釈金の額は裁判所が決定します。主な考慮要素は以下のとおりです。

  • 犯罪の重大性・法定刑の重さ
  • 被告人の資力(財産・収入)——資力が高ければ高額になる傾向
  • 逃亡・証拠隠滅のリスクの程度
  • 事件の社会的影響度
  • 被告人の身元・生活状況

保釈が認められる条件

権利保釈(原則認められる場合)

刑事訴訟法第89条は、以下の事由がない限り保釈を許可しなければならないと定めています(権利保釈)。

  • 死刑・無期懲役・短期1年以上の懲役の罪(例:強盗・強制性交等)
  • 前に死刑・無期・長期10年超の懲役の前科がある
  • 常習として長期3年以上の懲役の罪を犯した
  • 証拠隠滅のおそれがある
  • 被害者・証人等を加害するおそれがある
  • 被告人の住所が不明

これらの除外事由がない場合、裁判所は保釈を許可しなければなりません。

裁量保釈(裁判所の裁量で認める場合)

権利保釈の除外事由に当てはまる場合でも、裁判所の裁量で保釈を認める「裁量保釈」があります(刑事訴訟法第90条)。裁量保釈では次の事情が重視されます。

  • 家族の監督誓約・居住地の確定
  • 健康上の理由(持病・介護の必要性・高齢)
  • 就労・生活の継続の必要性
  • 共犯者・被害者との接触遮断措置

被害者との示談交渉が保釈許可や量刑に与える影響については、こちらの記事で詳しく解説しています。

刑事事件の示談はなぜ重要?加害者が知っておくべき弁護士依頼のポイント

コラム

2026/03/23

刑事事件の示談はなぜ重要?加害者が知っておくべき弁護士依頼のポイント

保釈申請の流れ

段階内容期間目安
① 起訴検察官が起訴状を提出逮捕から最大23日以内
② 保釈申請弁護人が裁判所に申請書を提出(起訴当日が理想)起訴後すぐ
③ 検察官意見裁判所が検察官に意見を求める申請から1〜2日
④ 裁判所決定保釈の許可・不許可を決定申請から数日以内
⑤ 保釈金納付許可後に保釈金を裁判所に納付許可当日〜翌日
⑥ 釈放保釈金納付後に身柄が解放される納付当日

保釈申請に必要な書類

保釈申請書には以下の書類を添付することが効果的です。

  • 保釈住居を証明する書類(賃貸借契約書・住民票等)
  • 家族の監督誓約書(同居家族が監督・保証する旨)
  • 就労証明書・在籍証明書
  • 被告人の健康状態に関する医師の診断書(ある場合)
  • 共犯者・被害者との接触遮断措置に関する誓約書

これらの書類を充実させることで、保釈許可の可能性が高まります。

保釈金が用意できない場合の対処法

保釈支援協会

保釈金を一時的に用意できない場合、保釈金の貸与を行う保釈支援協会を利用できる場合があります。親族等を連帯保証人にして融資を受けることができます。

審査が必要で手数料が発生しますが、判決後に保釈金が返還されて貸金を返済する形を取ることができます。

親族・知人からの借入

保釈金は裁判終了後に全額返還されるため、親族・知人から一時的に借りることも現実的な方法です。

「絶対に戻ってくるお金」であることを説明することで協力を得やすくなります。

弁護士費用との混同を避ける

保釈金(全額返還される担保)と弁護士費用(返還されない報酬)を混同しないようにしましょう。総額で考えると「保釈金+弁護士費用」が必要になります。

逮捕後すぐに弁護士に依頼すべき理由や費用については、以下の記事で詳しく解説しています。

刑事事件を弁護士が徹底解説!相談するメリット・事例・費用を紹介

コラム

2022/01/14

刑事事件を弁護士が徹底解説!相談するメリット・事例・費用を紹介

よくある状況と対応例

ケース①:起訴後すぐに保釈申請し釈放されたケース

▶ 状況
40代会社員男性。横領事件で起訴された。妻から「子どもの学校行事が続いている。できるだけ早く帰ってきてほしい」と弁護士に相談。

起訴から3日以内に釈放できるか確認したい。

▶ 対応
弁護士が起訴当日に保釈申請書を提出。家族の監督誓約書・居住地確認書類・就労証明を添付。保釈金200万円が決定。親族から一時的に借り当日中に納付した。

→ 結果:申請の翌日に釈放。自宅から裁判所に出廷する形で裁判を受けることができた。仕事も継続でき、家族との生活を保てた。

※こちらはあくまで参考であり、実際の案件とは異なります。

ケース②:保釈が一度却下されたが再申請で認められたケース

▶ 状況
詐欺事件で起訴された30代男性。最初の保釈申請が「証拠隠滅のおそれ」を理由に却下された。共犯者がおり、連絡が取れると証拠隠滅につながるという判断だった。

▶ 対応
弁護士が却下理由を分析。共犯者との接触を物理的に遮断する誓約書・自宅の通信機器の管理誓約書(共犯者の連絡先を削除することの誓約)を追加。再申請書では接触遮断措置の実効性を詳細に説明した。

→ 結果:再申請で保釈許可。保釈金300万円を親族から借りて納付し釈放。共犯者との接触は一切なく保釈条件を遵守した。

※こちらはあくまで参考であり、実際の案件とは異なります。

ケース③:保釈支援協会を活用して対応したケース

▶ 状況
50代男性が傷害罪で起訴。保釈が認められたが保釈金250万円を一括で用意できない。妻・兄弟からも借りられる状況ではなく、弁護士に相談。

▶ 対応
弁護士が保釈支援協会を案内。審査を経て融資が決定し保釈金を納付した。手数料は数万円程度で、判決確定後の返還金で一括返済する計画を立てた。

→ 結果:釈放後に自宅待機・就労継続。判決確定後に保釈金が返還され、貸金を完済。手数料の負担はあったが、身柄拘束が続くことによる仕事への影響を避けることができた。

※こちらはあくまで参考であり、実際の案件とは異なります。

ケース④:保釈条件に違反して取り消しが申し立てられたケース

▶ 状況
保釈中に弁護士から「共犯者・被害者への接触は禁止」と言われていたが、被告人が「確認したいことがある」として共犯者にメールを送った。検察官から保釈取り消しの申立てがなされた。

▶ 対応
弁護士がメールの内容を確認。証拠隠滅の意図がなく「裁判の日程確認」という内容だったことを疎明する書面を提出。違反の悪質性が低いことを強調した。

→ 結果:保釈取り消しは回避されたが、保釈条件が厳格化(共犯者との通信機器の使用禁止)された。保釈金の一部没収は免れた。

※こちらはあくまで参考であり、実際の案件とは異なります。

保釈に関するよくある質問(FAQ)

Q. 保釈は起訴前でも申請できますか?

A. できません。保釈は起訴後の制度です。

起訴前の釈放を求める場合は「勾留取り消し申立」や「準抗告」を弁護士に相談してください。

これらは勾留の必要性がないことを主張する手続きです。

Q. 保釈金はいつ返ってきますか?

A. 判決言渡しの後(無罪・有罪問わず)に返還されます。通常は判決確定から数日以内に返還手続きが完了します。

Q. 保釈が認められなかった場合、不服申立はできますか?

A. 保釈却下決定に対しては「準抗告」を申し立てることができます。準抗告が却下された場合は「特別抗告」も可能です。

弁護士が却下理由を分析し、その理由を解消する追加書類を準備して再申請・抗告を行います。

Q. 保釈中に国外に出ることはできますか?

A. 原則として裁判所の許可が必要です。無断での出国は保釈条件違反となり、保釈が取り消されます。

海外出張・旅行が必要な場合は事前に弁護士を通じて裁判所に許可申請をしてください。

Q. 保釈条件に違反するとどうなりますか?

A. 保釈が取り消され再び収監(拘置所に戻る)されます。また裁判所が保釈金の一部または全部を没取することがあります(保釈金没取決定)。

条件違反は裁判の心証にも悪影響を与えるため、保釈条件は必ず遵守してください。

まとめ:保釈申請は起訴後、速やかに弁護士に依頼する

保釈は起訴後の身柄解放に向けた重要な手続きです。早期申請・適切な書類作成が保釈許可の可能性を高めます。

保釈申請のポイントをまとめます。

  • 起訴直後に申請:起訴当日または翌日の申請が理想
  • 家族の監督誓約・住所確定:逃走・証拠隠滅リスクがないことを丁寧に証明する
  • 保釈金は全額返還される:一時的な預け金として準備する(保釈支援協会の活用も可)
  • 保釈条件違反は厳禁:共犯者・被害者への接触は絶対に避ける

「起訴された」「家族を早く釈放したい」という方は、まず弁護士にご相談ください。

刑事事件の弁護士相談については、こちらをご覧ください。

刑事事件で弁護士に無料相談すべきタイミングと選び方

コラム

2026/05/26

刑事事件で弁護士に無料相談すべきタイミングと選び方

刑事事件のコラムをもっと読む

※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。

職員が丁寧にお話を伺います初回無料

刑事事件の実績

相談 63,000件 解決 4,000件
※全て2026年2月時点の数値