爆サイは開示請求が難しい?流れ・スムーズに進める方法を専門家が解説

最終更新日: 2024年01月08日

爆サイは開示請求が難しい?流れ・スムーズに進める方法を専門家が解説

  • 爆サイで悪質な投稿を何度もされないよう、投稿者を特定したい
  • 発信者情報開示請求や命令の手続きを行っただけで、悪質な投稿はなくなるのだろうか?
  • 爆サイの開示請求をスムーズに進めるポイントが知りたい

「爆サイ」とは、いろいろなジャンルについての書き込みができる、地域密着のインターネット掲示板サイトを指します。

匿名で自由に書き込みできることが爆サイの魅力である反面、特定の個人や法人に対する誹謗中傷の書き込みが後を絶ちません。

誹謗中傷の投稿を削除しても、再び同じ内容の悪質な投稿がなされる場合もあります。

そのようなときは投稿者の身元を特定し、法的措置をとれば悪質な投稿の抑止につながります。

そこで今回は、爆サイの法的トラブルに対応してきた専門弁護士が、投稿者の身元を特定する方法、特定した後の対応方法等について詳しく解説します。

本記事のポイントは以下です。お悩みの方は詳細を弁護士と無料相談することが可能です。

  • 投稿者の身元を特定する方法には、発信者情報開示請求や発信者情報開示命令がある
  • 開示請求や開示命令は、投稿者への法的措置の前に行う手続きである
  • 開示請求等を弁護士に任せると、スムーズに手続きが進む

爆サイは開示請求等が難しいのか?

特定の個人や法人が誹謗中傷された場合、発信者情報開示請求または発信者情報開示命令(2022年10月1日に新設)の手続きを行えば、投稿者の氏名や住所等を特定できます。

ただし、爆サイをはじめ口コミ掲示板やSNSで悪質な投稿があっても、次のような投稿内容でなければ開示請求等は困難です。

  • 特定の個人の氏名や法人名が明記されている
  • イニシャル等の掲載で、第三者にも特定の個人や法人の誹謗中傷かがわかる

また、悪質な投稿がなされてから長期間経過すると、やはり投稿者の特定は難しくなります。

爆サイで誹謗中傷を受けたら、速やかに開示請求等を進める必要があります。

爆サイで開示請求等を行う主な目的

開示請求等を行うだけでは、悪質な投稿の拡散や再投稿の抑止は困難です。

この手続により投稿者の氏名や住所等を特定後、損害賠償請求や刑事告訴を行う必要があります。

損害賠償請求

爆サイで誹謗中傷された場合、投稿者の不法行為責任(民法第709条・710条)を追及し、損害賠償(慰謝料)請求が可能です。

一般的には投稿者との話し合いで解決を図りますが、話し合いに応じない場合や、賠償(慰謝料)金額で合意できなかった場合は、裁判所に訴訟を提起します。

なお、請求する賠償(慰謝料)金額は、爆サイでの誹謗中傷が原因で深刻な損害を受けたら数百万円、それ以外は1万〜50万円程度が相場です。

投稿者は、賠償請求と氏名や住所等を特定されたプレッシャーで、悪質な投稿を控える可能性が高くなります。

刑事告訴

投稿者を捜査機関(警察)に告訴し、刑法上の罪を問う方法です。

誹謗中傷した投稿者は「名誉毀損罪」または「侮辱罪」に問われる可能性があります。

  • 名誉毀損罪:事実を摘示し、個人や法人の社会的評価を低下させた場合に問われる罪
    例「〇〇商社の部長〇〇〇は、部下〇〇と不倫している」等
  • 侮辱罪:事実を摘示せず、個人や法人を侮辱したときに問われる罪

例「バカ」「キチガイ」「ブラック企業」等

最悪な場合、投稿者(加害者)側は懲役刑や禁錮刑となり、刑事施設に収容されます。

爆サイの開示請求等の流れ

発信者情報開示請求を行うには、まず証拠やログの保存が必要です。

また、2022年10月1日には発信者情報開示命令が新設され、迅速な開示手続きが可能となりました。

証拠の保存

発信者情報開示請求・命令を行う場合、まずは爆サイに投稿された誹謗中傷の内容・画像・動画、投稿日時、スレッドの名称・URLおよびレスの番号等を保存します。

保存方法としてはスクリーンショット等で撮影し、証拠を残します。

専用フォルダを作成し、スクリーンショットで撮影した証拠を大切に保存しておきましょう。

ログ保存の申請

開示請求等を行う前に、爆サイに投稿された誹謗中傷の内容を保存後、速やかに管理者へログ保存の申請を行いましょう。

なぜなら、ログ保存期間は悪質な投稿があったときから通常3〜6か月程度だからです。

「爆サイ.com」では、捜査関係事項の照会・ログ照会依頼フォームを開設しているため、申請によるログの保存が可能です。

爆サイ側から照会依頼が承認された場合、7日程度でログの保存を完了した旨の告知メールが届きます。

保存申請を行えば悪質な投稿者のログは削除されないので、支障なく開示請求等の手続きが進められます。

出典:捜査関係事項の照会・ログ照会依頼フォーム | 爆サイ.com

爆サイに発信者情報開示請求をする

発信者情報開示請求の場合は、爆サイ管理者(管理会社)側に任意開示を要求します。

爆サイでは書類の送付先等を公表していないので、専用の「弁護士・法務関連の申告フォーム」から申請しましょう。

ただし、管理者(管理会社)側が投稿者の氏名や住所、メールアドレス等を把握しているわけではありません。

開示請求を受けた管理者側は、「IPアドレス」を請求者に開示します。

IPアドレスとは、投稿で利用したパソコンやスマートフォンに対して、割り当てられる識別符号です。

このIPアドレスがわかれば、投稿者の利用した経由プロバイダ(例:NTT、KDDI等)がわかります。この経由プロバイダに発信者情報開示請求訴訟を提起し、投稿者の身元を特定します。

出典:弁護士・法務関連の申告フォーム | 爆サイ.com

【新設】発信者情報開示命令

発信者情報開示請求を行う場合、爆サイ管理者(管理会社)側への任意開示請求、そして経由プロバイダへの発信者情報開示請求訴訟の提起と、非常に複雑な手続きを経る必要があります。

そこで、2022年10月1日に改正プロバイダ責任制限法が施行され、「発信者情報開示命令」が新設されました(プロバイダ責任制限法第8条)。

開示命令では、1回の裁判手続きで爆サイ管理者(管理会社)側と経由プロバイダの双方に対する請求を、まとめて行えるようになりました。

開示命令を選ぶ場合は、裁判所にて「発信者情報開示命令の申立て」を行います。

出典:弁護士・法務関連の申告フォーム | 爆サイ.com

爆サイの開示請求等をスムーズに進める方法

開示請求等を行うときには法的な知識が要求されます。

そのため、被害者本人だけで手続きを進める場合は、準備に手間取ったり、申請の不備が指摘されたりする可能性もあります。

手続きをスムーズに進めたいならば、弁護士に相談し、サポートを依頼しましょう。

弁護士に相談

誹謗中傷の投稿を受けた被害者が速やかに弁護士へ相談すれば、最善の解決策等をアドバイスします。弁護士を代理人にたてれば、迅速な問題解決が可能です。

弁護士は被害者に次のような助言や提案を行います。

  • 投稿内容が権利侵害に当たるか否か
  • 権利侵害に当たる場合の対策や手続き方法
  • 発信者情報開示請求と発信者情報開示命令のどちらを行うか
  • 投稿者に対する法的措置

交渉

投稿者(加害者)に損害賠償請求をする場合、まずは示談での解決を図るのが一般的です。

しかし、被害者と加害者が直接話し合うと、互いにエキサイトして交渉が進まなくなる可能性もあります。

弁護士を代理人に立てれば、スムーズな加害者との交渉により、損害賠償(慰謝料)額の調整や、示談の条件(被害者が二度と誹謗中傷をしない等)の取り決めが可能です。

爆サイの開示請求等を弁護士に相談するメリット

爆サイでの法的トラブルを解決するため、弁護士に相談・依頼すれば、心強い味方として対応を任せられます。

こちらでは、弁護士に相談・依頼するメリットを取り上げましょう。

法的なアドバイス

弁護士は、爆サイ管理者や経由プロバイダに対し、従来よりある発信者情報開示請求、新設された発信者情報開示命令、どちらの手続きを行うのが有効かについてわかりやすく説明します。

そして、当該案件においてより適切な手続きを選択してアドバイスをしてくれるでしょう。

迅速な対応が可能

弁護士は被害者本人と話し合った後、被害者が希望する方法で手続き等を進めていきます。

爆サイ管理者への任意開示や、経由プロバイダに対しての発信者情報開示請求訴訟等、複雑な法的手続きを迅速に進めます。

弁護士は手続きのための書類作成や証拠の収集に慣れているので、正確かつスピーディな申請が可能です。

交渉手続きの代行

弁護士は豊かな法律の知識や経験をもとに、相手側との示談交渉を有利に行えます。

悪質な投稿のケースによって、どれくらいの損害賠償(慰謝料)額が妥当なのかを把握しているので、説得力のある主張を行い相手との交渉が進められます。

示談交渉では被害者・加害者が基本的に直接顔を合わせることはないため被害者本人は安心して交渉を任せられるでしょう。

示談が成立すれば、弁護士は証拠として示談書を作成します。

示談書に記載されるのは、主に次の項目です。

  • 加害者が悪質な投稿を謝罪し、その削除を誓う
  • 投稿が拡散されていた場合、加害者も投稿の削除に協力する
  • 損害賠償(慰謝料)額、支払い方法、支払期限
  • 被害者は加害者の告訴をしない(または告訴の取り消し)

示談書は2通作成され、被害者・加害者それぞれが1通ずつ大切に保管します。

爆サイへ開示請求を行いたいなら今すぐ弁護士に相談しよう

今回は爆サイのトラブル解決に尽力してきた専門弁護士が、開示請求等の手順や、支障なく手続きを進めるポイントについて詳しく解説しました。

これ以上、悪質な投稿をさせないためには、迅速に発信者情報開示請求・命令を行い、法的措置を進める必要があります。

弁護士のサポートを受けながら、冷静に悪質な投稿への対応策を検討してみてはいかがでしょうか。

発信者情報開示・削除に強い弁護士はこちら

発信者情報開示のコラムをもっと読む

※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。