ケース10 結婚を機に専業主婦になるJ様

最終更新日: 2023年06月13日

ご相談内容

20代半ばのJ様は、大学卒業後、会社員として働いてきましたが、学生時代から交際していた男性との結婚を控えていました。

男性は相続した多数の不動産をもとに事業を営む資産家でした。男性はJ様に対して結婚後は専業主婦として家庭を支えることを望んでいました。J様としても異存はありませんでしたが、もしも離婚することになったときに社会復帰が難しくなり、生活が苦しくなることを懸念していました。

そこで、J様はそのような将来の不安に備えるために、婚前契約書の作成をご希望でした。

婚前契約書の内容

婚約者の男性の資産は今後も増加していく見込みでしたので、離婚時に相当な財産分与を受けられるのではないかとも思われました。

しかし、会社名義の資産は原則として財産分与の対象にはなりませんので、離婚時に個人資産がさほど無い状況が懸念されました。

一方、まだ年若いJ様は、2,3年で離婚したときには、未だ現在と同様の待遇の職に就くことを期待できましたが、5年後、10年後に離婚したときには、キャリアのブランクが長く、同程度の待遇の職に直ぐに就くことは容易ではないと懸念されました。

そこで、婚前契約書では、婚姻期間が3年を超えたときは、1年を経過するごとに離婚時に男性からJ様に支払われる離婚給付が200万円ずつ増加していく内容の条項を規定しました。ただし、男性との協議の結果、上限は3600万円となりました。

婚前契約書の締結、登記

弊所において、J様と相手男性に対して弁護士から再度、婚前契約書の内容を丁寧に説明し、締結手続を行いました。

上記内容のほかにも夫婦財産に関する条項もありましたので、第三者に婚前契約を対抗できるよう登記手続もご希望でした。

そこで契約締結の翌日、法務局に申請し、約1週間後に登記が完了して婚前契約の作成手続きは終結となりました。

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