児童ポルノ関連の罪と示談とは?弁護士に示談を依頼するメリットも解説

最終更新日: 2023年07月12日

児童ポルノ関連の罪と示談とは?弁護士に示談を依頼するメリットも解説

  • 児童ポルノで逮捕されたときに示談はできる?
  • 児童ポルノ関連の罪で逮捕されたときの刑罰は?
  • 児童ポルノで示談を弁護士に依頼するメリットは?

児童ポルノの所持や製造、提供は「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」で厳しく取り締まられています。児童ポルノの犯罪は、製造工程で他の罪を犯しているケースや、被害者となる児童がいる可能性があります。

児童ポルノに関わる犯罪を行ってしまい、被害者およびその保護者との示談を検討している人もいるかもしれません。

そこで本記事では、児童ポルノ事件について詳しい弁護士が、児童ポルノにまつわる罪・示談についてと、弁護士に示談を依頼するメリットを詳しく解説します。

  • 児童ポルノに関連する罪には青少年健全育成条例違反や児童買春罪などがある
  • 児童ポルノの示談交渉を弁護士に相談すると法的なサポートを受けられる
  • まずは児童ポルノ事件の実績が豊富で交渉力のある弁護士に相談することが大切

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この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設

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児童ポルノ関連の罪とは?示談に関わる知識

児童ポルノや関連する犯罪にあたる行為や罪には、以下の5つがあります。

  • 児童ポルノ所持罪
  • 児童ポルノ提供・製造罪
  • 児童買春罪
  • 青少年健全育成条例違反
  • 強制わいせつ罪・強制性交等罪

それぞれについて詳しく説明します。

児童ポルノ所持罪

児童ポルノ所持罪とは、18歳未満の児童が関わる性的な行為などの写真や動画を所持している場合に成立する犯罪です。

1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されます。

出典:児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律第七条|e-GOV法令検索

児童ポルノ提供・製造罪

児童ポルノ提供・製造罪とは、18歳未満の児童が関わる性的な行為などを写真や動画に撮影する行為や、他者への提供や提供目的で所持する行為を行った場合に成立する犯罪です。

3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科されます。

児童買春罪

児童ポルノの製造に関わった人は、製造段階で児童買春を行っているケースも考えられます。児童買春罪とは、18歳未満の児童に金品などを支払い、その引き換えとして性交などを行った場合に成立する犯罪です。

5年以下の懲役または300万円以下の罰金が科されます。

青少年健全育成条例違反

青少年健全育成条例違反は、18歳未満の児童と性交などを行った場合に成立する犯罪です。児童買春との違いは、お金などの対価を支払ったかどうかです。

児童買春罪が成立するには、対価を支払ったことが条件となりますが、対価を受け取らずに性交を行った場合でも、青少年保護育成条例違反が成立する可能性があります。

青少年保護育成条例は、規制内容や罰則は都道府県ごとに異なります。例を挙げると、東京都では2年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されると定められています。

出典:東京都青少年の健全な育成に関する条例施行規則 第十八条の六|東京都例規集データベース

強制わいせつ罪・強制性交罪

強制わいせつ罪とは、13歳以上の男女に対して暴行や脅迫をしてわいせつな行為をすることで成立する犯罪です。刑罰は、6か月以上10年以下の懲役です。または、13歳未満の男女に対しては暴行や脅迫をしていなくても、単純にわいせつな行為をすることで成立します。

強制性交罪は、暴行や脅迫をして、相手の意思に反して性交などをした場合の犯罪です。強制わいせつ罪と同様、相手が13歳未満の児童だったときには、暴行や脅迫がなかったとしても成立します。5年以上の懲役が科されます。

出典:刑法 第百七十六条 第百七十七条|e-GOV法令検索

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児童ポルノ事件で示談をする意義は

児童ポルノ事件では、示談ができることもあります。ここでは、児童ポルノ事件での示談や示談金について以下の3つに分けて解説します。

  • 示談の対象となる犯罪は
  • 示談の意義は
  • 示談金の相場は

それぞれについて詳しく説明します。

示談の対象となる犯罪は

犯罪の中でも、示談の対象になる犯罪とそうでない犯罪があります。児童ポルノや児童買春、強制わいせつなどの性犯罪は、被害者がいる犯罪のため、示談の対象となる可能性があります。一方で、薬物犯罪などは被害者がいないため、示談の対象にはなりません。

性犯罪の類でも、児童ポルノ法違反、児童買春、青少年保護育成条例違反などの場合は、被害にあった児童だけでなく、加害者や周囲の人々にも深刻な影響が及び、社会的な安全が脅かされる恐れがあることから、示談が成立しても処罰される可能性があります。

しかし、示談の成立が、加害者の処分に影響を与える可能性が考えられるのです。

示談の意義は

児童ポルノの犯罪で示談をする意義は、不起訴になる可能性を少しでも上げたいというときに有効であるためです。示談が成立していない状態では、不起訴になる可能性は低いです。

また、示談は、児童ポルノ犯罪により性的虐待を受けた被害者に対して心から謝罪し、相応の慰謝料を支払うということにも意味があると言えるでしょう。

示談金の相場は

児童ポルノの犯罪での示談金は、個々のケースによるため一概には言えませんが、30万円〜50万円が相場です。一度、示談が成立すると、別に慰謝料を請求される可能性は低いと言えます。

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児童ポルノで示談を弁護士に相談する5つのメリット

児童ポルノで示談をする場合、弁護士への相談が欠かせません。ここでは、示談を弁護士に依頼するメリットを以下の5つ紹介します。

  • 被害者と連絡が取れる可能性が高まる
  • 被害者に示談に応じてもらえる可能性が高まる
  • 早期の示談成立が期待できる
  • 適切な金額で示談交渉ができる
  • 検察官と処分交渉ができる

それぞれについて詳しく説明します。

被害者と連絡が取れる可能性が高まる

児童ポルノで示談を弁護士に依頼するメリットの1つ目は、被害者と連絡が取れる可能性が高まることです。児童ポルノ犯罪では、被害者との示談を望んだとしても、警察の捜査機関が被害者の連絡先を伝えないということがあります。

加害者と被害者が直接的に接触することは、被害者に危害を与える恐れや証拠隠蔽を図る危険性があると考えられているためです。

しかし、弁護士が示談を申し出た場合は、被害者の同意を得たのち、被害者の連絡先を警察が教えてくれるのが一般的です

被害者に示談に応じてもらえる可能性が高まる

児童ポルノで示談を弁護士に依頼するメリットの2つ目は、被害者に示談に応じてもらえる可能性が高まることです。加害者が自ら示談交渉を行うと、被害者と被害者の保護者の怒りを買ってしまい、取り合ってもらえないこともあるでしょう。

一方で、加害者の代理人である弁護士は、当事者ではありません。弁護士なら、被害者の感情にも配慮して、客観的かつ冷静に示談交渉が可能です。

早期の示談成立が期待できる

児童ポルノで示談を弁護士に依頼するメリットの3つ目は、早期の示談成立が期待できることです。被害者と加害者が直接示談交渉をすると、話がまとまらないことも少なくありません。

早期交渉成立が鍵となる刑事事件では、解決が長引くと、リスクは大きくなります。弁護士が仲介して示談交渉をまとめることで、事態の悪化が防げる可能性があります。

適切な金額で示談交渉ができる

児童ポルノで示談を弁護士に依頼するメリットの4つ目は、適切な金額で示談交渉ができることです。

法律に関する専門知識がないまま示談をしてしまうと、相場よりも高い金額で示談を結んでしまう恐れがあります。そこで、示談交渉を弁護士に依頼すると被害者と被疑者にとって公平な金額で示談を合意できる可能性が高まります。

検察官と処分交渉ができる

児童ポルノで示談を弁護士に依頼するメリットの5つ目は、検察官と処分交渉ができることです。示談交渉が成立する見込みがあることを検察官に伝えることで、処分を遅らせてもらえる可能性もあります。

示談交渉が難航している場合、高額な示談金を請求されている場合などでは、示談交渉の状況を検察官に伝えて、事情を考慮してもらえるよう掛け合うことが可能です。

そして、示談が成立した場合は、示談の結果が刑事処分に反映されるよう、示談書と同時に意見書を提出するなどの交渉ができます。意見書の作成には、弁護士の協力が欠かせません。

まとめ

本記事では、児童ポルノ事件について詳しい弁護士が、児童ポルノにまつわる罪・示談についてと、弁護士に示談を依頼するメリットを詳しく解説しました。

被害者がいる児童ポルノ事件では、示談に向けての活動が可能です。示談交渉する場合は、弁護士の協力が非常に重要です。児童ポルノ事件の実績を持つ弁護士に、事情を説明して相談してみてはいかがでしょうか。

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