養育費はいつまで?20歳は間違い!大学進学・成人年齢引き下げの影響

最終更新日: 2026年04月16日

養育費はいつまで支払うのか?方法・終わるタイミング・短くする方法も解説!

離婚を検討している方や、すでに離婚して養育費を受け取っている(または支払っている)方にとって、「養育費はいつまで支払い・受け取りが続くのか」は非常に重要な問題です。

「20歳まで」と認識している方が多いかもしれませんが、実は一概にそうとは言えません。子どもが大学に進学した場合や、成人年齢が18歳に引き下げられたことで、養育費の支払い期間に関する考え方も変化しています。

この記事では、養育費はいつまで支払うべきなのか、原則と例外、ケース別の支払い期間、そして将来のトラブルを防ぐためのポイントを詳しく解説します。

この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士 春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内法律事務所勤務
当事務所開設
資格
宅地建物取引士
情報処理安全確保支援士
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目次

養育費の支払いはいつまで?原則と例外

養育費の支払い期間について、まずは基本的な考え方や法律上のルールを理解しておきましょう。

養育費の支払い期間に法律上の明確な決まりはない

実は、民法などの法律において「養育費は〇歳まで支払わなければならない」という明確な年齢の規定はありません。

養育費は「未成熟子(みせいじゅくし)」、つまり身体的・精神的・経済的に自立して生活できない子どもに対して支払われるものとされています。

そのため、子どもが自立するタイミングがいつになるかによって、養育費の支払い期間も変わってきます。

なぜ「20歳まで」が一般的だったのか?

これまで養育費の支払い期間は「20歳まで」とするのが一般的でした。

これは、かつての民法で成年年齢が20歳と定められており、「成人=自立した大人」とみなされていたためです。

家庭裁判所の実務などでも、特別な事情がない限りは20歳に達する月までとされることが主流でした。

成人年齢引き下げで「18歳まで」になる?専門家が解説

2022年4月から民法が改正され、成年年齢が20歳から18歳に引き下げられました。これに伴い、「養育費も18歳で打ち切られるのでは?」と不安に思う方も多いでしょう。

結論から言うと、法務省も公式に見解を出している通り、成年年齢が引き下げられたからといって、すでに「20歳まで」と取り決めている養育費が自動的に18歳で終了することはありません。

また、これからの取り決めにおいても、高校卒業後すぐに就職しないケースも多いため、依然として「20歳まで」や「大学卒業まで」とするのが実務上は一般的です。

【ケース別】養育費の支払い期間が変わる場合

子どもの進路や状況によって、養育費の支払い期間は原則から大きく変わる場合があります。

ここでは延長されるケースと短縮されるケースを解説します。

20歳を超えて支払いが必要になるケース

子どもが大学・専門学校に進学した場合

子どもが大学や専門学校に進学し、20歳を超えても学生である場合、経済的に自立しているとは言えません。

両親の学歴や収入事情にもよりますが、昨今では大学進学率も高いため、「大学を卒業する22歳の3月まで」と取り決めるケースが増えています。

すでに「20歳まで」と取り決めていた場合でも、進学を理由に期間の延長を請求できる可能性があります。

子どもに障害や病気があり自立が困難な場合

子どもに重度の障害や重い病気があり、成人しても働くことができず経済的な自立が困難な場合は、「未成熟子」とみなされます。

このケースでは、20歳や大学卒業といった年齢に関わらず、子どもが自立できる状態になるまで、あるいは生涯にわたって養育費の支払いが必要になることがあります。

20歳未満で支払いが終了するケース

高校卒業後に就職し、経済的に自立した場合

子どもが高校を卒業して18歳で就職し、毎月十分な収入を得て経済的に自立した場合は、その時点で「未成熟子」ではなくなります。

そのため、当初「20歳まで」と取り決めていたとしても、就職した時点で養育費の支払い義務は終了する(免除される)可能性が高いです。

子どもが結婚した場合

子どもが未成年(18歳未満など)であっても、結婚した場合は配偶者と助け合って生活していくことになるため、親の扶養義務は後退します。

基本的には、子どもが結婚して独立した生計を立てた時点で、養育費の支払いは終了することが一般的です。

養育費の取り決めで将来のトラブルを防ぐ3つのポイント

養育費の期間に関する認識のズレは、後々大きなトラブルに発展します。

離婚時に以下のポイントを押さえておくことが重要です。

ポイント1:支払い終期は「〇歳まで」ではなく「年月」で明確に定める

「20歳になるまで」という表記では、20歳の誕生月で終わるのか、その年度末(3月)で終わるのかで揉めることがあります。

取り決めを行う際は、「子どもが満20歳に達する〇〇年〇月まで」や「大学を卒業する予定の〇〇年3月まで」というように、具体的な年月で記載しましょう。

ポイント2:大学進学など将来の可能性も協議しておく

離婚時に子どもがまだ幼い場合、将来大学に進学するかどうかは分かりません。

しかし、「万が一大学に進学した場合は、別途協議のうえ支払い期間を延長する」「学費についてはその都度話し合う」といった一文を合意書に盛り込んでおくことで、将来の再協議がスムーズになります。

ポイント3:公正証書を作成して法的な拘束力を持たせる

夫婦間で決めた養育費の条件は、口約束や単なる念書ではなく「強制執行認諾文言付きの公正証書」にしておきましょう。

これにより、万が一相手が支払いを止めた場合でも、裁判を起こすことなく直ちに給与や口座の差し押さえが可能になります。

一度決めた養育費の期間や金額は変更できる?

養育費の条件は一度決めたら絶対に変えられないわけではありません。

事情が大きく変わった場合は、期間や金額の変更が認められることがあります。

養育費の変更が認められる事情とは?

支払う側・受け取る側が再婚した場合

元配偶者が再婚した場合、養育費の減額や免除が認められることがあります。

特に、養育費を受け取っている側(親権者)が再婚し、子どもと再婚相手が「養子縁組」をした場合、再婚相手に第一次的な扶養義務が生じるため、元の親の支払い義務は減免されるのが通常です。

双方の収入に大きな変動があった場合

リストラや倒産、病気などで支払う側の収入が激減した場合や、逆に受け取る側の収入が大幅に増えた場合など、離婚時とは経済状況が大きく変わった際には、養育費の減額や増額が認められるケースがあります。

養育費を変更するための手続きの流れ

まずは元夫婦間で話し合い(協議)を行います。双方の合意があれば、新たな条件で合意書(できれば公正証書)を作成します。

話し合いがまとまらない、あるいは相手が話し合いに応じない場合は、家庭裁判所に「養育費額変更調停」を申し立て、調停委員を交えて解決を図ります。

養育費が支払われなくなった場合の対処法

「養育費の支払いが急に止まった」というトラブルは非常に多く発生しています。

その場合の具体的な対処法を解説します。

まずは相手に連絡・催促する

支払いが遅れたら、まずはメールやLINE、電話などで相手に状況を確認しましょう。

単に口座への振り込みを忘れていたり、一時的な資金不足であったりする可能性もあります。

感情的にならず、冷静に支払い期日を再設定することが第一歩です。

家庭裁判所の「履行勧告」「履行命令」を利用する

離婚時に調停や裁判で養育費を決めていた場合、家庭裁判所に申し出ることで、裁判所から相手に対して「きちんと払いなさい」と勧告・命令を出してもらうことができます(履行勧告・履行命令)。

無料で利用できますが、法的な強制力(差し押さえの効力)はありません。

強制執行(差し押さえ)で回収する

強制執行認諾文言付きの公正証書や、調停調書・判決書がある場合は、裁判所に申し立てて相手の給与や預貯金を差し押さえる「強制執行」が可能です。

特に給与を差し押さえる場合、将来の支払い分まで継続的に天引きされるため、非常に強力な回収手段となります。

未払い養育費の請求には時効があるため注意

養育費には時効があります。原則として、毎月の支払い期日が来るごとに「5年」で時効にかかります(調停や裁判で決めた場合は10年)。

未払いが続いている場合は、時効が完成して請求できなくなる前に、内容証明郵便の送付や法的手続きなどで時効を更新(ストップ)させる必要があります。

養育費の支払期間で悩んだら弁護士に相談を

養育費は子どもの将来を左右する大切なお金です。

「いつまで請求できるのか」「進学費用はどうなるのか」と悩んだら、専門家である弁護士への相談を強くおすすめします。

あなたの状況に合った最適な解決策を提案できる

子どもの年齢、双方の収入、再婚の有無など、家庭の事情は千差万別です。

弁護士であれば、過去の判例や実務の傾向を踏まえ、あなたのケースで養育費がいつまで、いくら認められる可能性が高いのかを的確に診断してくれます。

相手との交渉や法的手続きを任せられる

元配偶者と直接連絡を取ることに強いストレスを感じる方は少なくありません。

弁護士に依頼すれば、相手との交渉から調停・裁判の手続きまで全て代理で行ってくれるため、精神的な負担を大幅に軽減できます。

将来の安心につながる合意書を作成できる

弁護士が介入することで、「大学進学時の特約」や「明確な支払いの終期」など、将来のトラブルの芽を摘むための法的に穴のない合意書(公正証書案)を作成できます。

確実な取り決めを残すことが、子どもの未来を守ることにつながります。

まとめ

養育費がいつまで支払われるべきかに、法律上の明確な年齢制限はありません。

基本的には子どもが経済的に自立するまでとされ、かつては「20歳まで」が主流でしたが、現在では「大学卒業まで」とするケースも増えています。

また、成人年齢が18歳に引き下げられたからといって、養育費が当然に18歳で打ち切られるわけではありません。

大切なのは、離婚時に「何年何月まで支払うか」「大学進学時はどうするか」をしっかり協議し、公正証書として残しておくことです。

すでにトラブルになっている場合や、取り決めに不安がある場合は、一人で抱え込まずに弁護士などの専門家に相談して、お子さんのための大切なお金をしっかりと確保しましょう。

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