弁護士法人 春田法律事務所

弁護士が解説!建設業許可をもたない建築工事業者とのトラブルの実態に迫ります!

弁護士が解説!建設業許可をもたない建築工事業者とのトラブルの実態に迫ります!

2021年10月19日

弁護士が解説!建設業許可をもたない建築工事業者とのトラブルの実態に迫ります!「工事が雑だと思ったら、業者に建設業の許可がなかった」

近年急増しているリフォーム工事を巡るトラブル。背景には、建設業の許可を得ていない施工業者の増加があります。
建設業の許可がなくとも、技術のある施工業者も多いので、必ずしも建設業の許可がないと技術もないとは言い切れません。しかしながら、技術のない無許可業者が増えていることは由々しき事態でもあります。

そこで、今回は、建設業の許可制度の仕組みとともに、建築工事業者とのトラブルの実態について、専門弁護士が詳しく解説していきます。

この記事を監修したのは

篠田 匡志
弁護士篠田 匡志
第一東京弁護士会 所属
経歴
立教大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
金沢市にて総合法律事務所勤務
春田法律事務所入所

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建築工事における建設業許可とは

建築工事における建設業許可とは建築業許可には、一般建設業許可と特定建設業許可があります。これについて、詳しく説明していきましょう。

  • 共通の要件とは
  • 一般建設業許可要件とは
  • 特定建設業許可要件とは
  • 建設業許可違反に対する制裁

共通の要件とは

そもそも、建設業法とは、建設業を営む者の資質の向上、建設工事の請負契約の適正化等を図ることによって、建設工事の適正な施工を確保し、発注者を保護するとともに、建設業の健全な発達を促進し、もって公共の福祉の増進に寄与することを目的としています(建設業法第1条)。

要するに、建設業の許可制度の実施、建設工事の請負契約の適正化、下請人の保護等という手段を通じて、建設工事の適正な施工、発注者の保護、建設業の健全な発達の促進を行っていく考えが根本にあります。

そして、建設業法の目的を達成するため、一般建設業許可・特別建設業許可の両者に共通する要件としては、以下の事項が挙げられています。

  • 経営業務の管理責任者を有すること
  • 誠実性を有すること
  • 欠格要件に該当しないこと

一般建設業許可と特定建設業許可の区別は、発注者から直接請け負う工事1件につき、4000万円以上(建設工事業の場合は6000万円)となる下請契約を締結するか否かによって違いが生じてきます。

一般建設業許可要件とは

建設業を行う者は、「軽微な建設工事」のみを請け負うことを営業とする者を除き、建設業の許可を受けなければなりません。

そして、建設業法の目的に照らしますと、発注者と下請負人を保護するとともに、施工業者の技術レベルを担保する必要があるため、主に、以下のような要件をクリアする必要があります。

  • 財産的基礎または金銭的信用を有すること
  • 専任技術者が営業所にいること(土木管理施工技師2級)
  • 元請として請け負った工事を下請に出す場合の工事代金の制限がある

特定建設業許可要件とは

特定建設業の許可は、その趣旨が下請負人の保護の徹底を期し、特に重い義務を課するために設けられたものです。

そのため、一般建設業許可にはない厳しい要件をクリアする必要があります。

  • 財産的基礎または金銭的信用を有すること(欠損額20%、流動率75%、資本金2000万円以上かつ、自己資本額4000万円以上)
  • 専任技術者が営業所にいること(土木管理施工技師1級、元請として4,500万円以上の工事を2年以上指導監督した実務経験がある人)
  • 元請として請け負った工事を下請に出す場合の工事代金の制限がない
  • 施工台帳と施工体系図を工事現場ごとに作成しなければならない

建設業許可違反に対する制裁

建築業法47条1号には、建設業許可を受けず建設業を営んだ場合や、特定建設業許可をもたず、元請業者となり、一定金額以上の下請契約を締結した場合には、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金が科すとしています。

建設業法は、建設業を営もうとする者は、建設業の許可を受けるべきことを規定するとともに、許可を受けた者であっても、一定の違反事実または違反行為等がある者については、営業の停止又は営業の禁止の処分をすることとしています。

このように建設業法が定める適正な遵守を確保し、法秩序を維持するために、建設業法は、違反者に対して懲役又は罰金に処することとして厳しい制裁を科しています。

その建築工事大丈夫?施工業者が必ずしも建設業許可を得ているとは限らない

その建築工事大丈夫?施工業者が必ずしも建設業許可を得ているとは限らない施工業者が建設業許可を持たなければ施工できないという訳ではありません。ここでは、許可が不要な建築工事を含め、問題点を解説します。

  • 建設業許可が不要な建築工事とは
  • 建設業許可のない業者が急増している実態も
  • 許可がない事の問題点

建設業許可が不要な建築工事とは

建設業法が、建設工事を厳しく取り締まっているのは、建設工事が公共の福祉に与える影響、発注者の保護の必要性、許可制の実施による建設業者、特に小規模零細建設業者に課せられる負担を総合的に考慮するためであります。
もっとも、建設業法では、「軽微な建設工事」についてのみ、建設業許可を不要としています。

「軽微な建設工事」は、工事一件の請負代金の額が建築一式工事にあっては1500万円に満たない工事又は延べ面積が150平方メートルに満たない木造住宅工事、または、建築一式工事以外の建設工事にあっては500万円に満たない工事と定められています。

この場合の「木造」とは、主要構造部が木造であるものと、「住宅」とは、住宅、共同住宅及び店舗等との併用住宅で延べ面積の二分の一以上を居住の用に供するものを言うと解釈されています。

建設業許可のない業者が急増している実態も

リフォーム需要が高まり、費用を安く抑えられるということを売りにしている建設業許可をもたない業者もいます。

その中には、悪質な業者います。もちろん許可のない業者の中で誠実でまっとうな業者もいます。一部の悪質なリフォーム業者が増えてきてしまったために、トラブルも急増しています。
最近では、建設業許可がない=信用できないという認識が消費者の中で増え、建設業許可を取得する業者も、令和に入り増えているようです。建設業許可=信用性が高いという一つの指標となっているといえるでしょう。

参照元:全国の建設業許可業者数が2年連続で増加し、5年ぶりに47万台に ~令和2年3月末現在の建設業許可業者の現況~:国土交通省

許可がない事の問題点

建設業者が建設業許可をとるためには、盤石な経済的基盤が必要となると同時に、さまざまな資格者を置く必要もあります。
このように厳しい許可基準を定めることによって、何か問題が発生したときに、発注者をはじめ、下請業者など建設工事に関わる者に生じる損害を最小限に抑えることができますし、工事の品質確保にも資するといえます。

しかしながら、無許可で建築工事を行えるとした場合、当該業者の品質を担保できなくなります。
そのため、施工業者の工事に重大な問題が生じた場合、それを是正するだけの資金力が施工業者になければ、発注者に多大な損害が生じます。

下請業者が工事を行ったにもかかわらず、下請け代金を支払わない場合、下請業者にも多大な損害が生じます。
さらに、建設工事の経験のない施工業者も珍しくなく、そもそもプロとしての技術レベルになく、非常に杜撰な工事が行われて、発注者とトラブルになる事案も増加しています。

建設業許可のない業者と締結した建築工事請負契約は有効?

建設業許可のない業者と締結した建築工事請負契約は有効?建設業許可のない業者と締結した建築工事請負契約は有効と言えるのでしょうか?解説していきます。

  • 建設工事請負契約と建設業法との関係
  • 施工業者が建設業許可を得ていない場合の民法上の扱い
  • 施工業者が建設業許可を得ていないことが判明したときの対応

建設工事請負契約と建設業法との関係

建設工事の請負契約の当事者は、建設業法19条に規定する内容を記載した書面を相互に交付する必要があります。
この当事者については、発注契約の当事者すなわち発注者と請負人のみならず、下請契約の当事者すなわち元請負人と下請負人も当然含むものであり、すべての請負契約関係をいうとされています。また、この規定は、建設業の許可を受けることを要しない軽微な建設工事についても適用されることにも注意する必要があります。

具体的に、請負契約書に記載すべき事項は、以下のとおりです。

  • 工事内容
  • 請負代金の額
  • 工事着手の時期・工事完成の時期
  • 請負代金の前金払・出来形部分に対する支払の定めをするときは、その支払の時期・方法
  • 設計変更・工事着手の延期・工事の中止の申し出があった場合における、工期の変更・請負代金の額の変更・損害の負担と算定方法
  • 天災などの不可抗力による工期の変更・損害の負担・算定方法
  • 価格等の変動・変更に基づく請負代金の額・工事内容の変更
  • 工事の施工により第三者が損害を受けた場合における、賠償金の負担
  • 注文者が工事に使用する資材・建設機械を提供・貸与するときの内容・方法
  • 注文者が工事の完成を確認するための検査の時期・方法・引渡しの時期
  • 工事完成後における請負代金の支払の時期・方法
  • 工事の目的物が種類・品質に関して契約の内容に適合しない場合における、その不適合を担保すべき責任・当該責任の履行に関して講ずべき保証保険契約の締結その他の措置に関する定めをするときは、その内容
  • 遅延利息・違約金その他の損害金
  • 契約に関する紛争の解決方法
  • 工事を施工しない日
  • 時間帯の定めをするときは、その内容
参照元:建設業法令遵守ガイドライン(第4版):国土交通省

施工業者が建設業許可を得ていない場合の民法上の扱い

では、建築工事を依頼していた施工業者について、実は、建設業許可に違反して請負契約を締結していたことが判明した場合、当該請負契約の効力はどのようになるのでしょうか。

民法上、請負契約は、発注者と施工業者の合意のみで成立させることができるので、建設業法に定める規定をクリアしているかどうかは、請負契約の成立に何ら関係しません。
そのため、建設業許可を得なければならない工事であるにもかかわらず、施工業者が建設業許可業者でなかったとしても、当該請負契約は有効に成立することになります。

施工業者が建設業許可を得ていないことが判明したときの対応

とはいえ、建設業許可が必要であるにもかかわらず、そのための許可を得ていないとすれば、当該施工業者に契約を履行するだけの適格があるのか、非常に疑問は大きいといえるでしょう。

また、発注者において無許可状態を黙認して工事を続けていたところ、国土交通省などから建設業法違反を理由とした工事の中止命令などが出される可能性もあります。
工事途中で計画が頓挫するリスクを想定するなら、早い段階で、許可業者に変更しておく必要があるでしょう。

関連記事:リフォーム工事でのトラブル発生!弁護士が解説する解決方法と事例:春田法律事務所

まとめ

今回は、建築工事と建設業許可の関係について解説してきました。業者の選定も、さまざまな指標をもとに慎重に検討する必要があるところ、建設業法の許可を得ているかどうかは、重要な判断基準となります。
しかしながら、現在は、「軽微な建設工事」すなわちリフォーム工事のみを専門に扱う業者も増えており、必ずしもすべての施工業者が建設業許可を有しているものではありません。

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この記事を監修したのは

篠田 匡志
弁護士篠田 匡志
第一東京弁護士会 所属
経歴
立教大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
金沢市にて総合法律事務所勤務
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