X(旧Twitter)で身元を特定するには?被害者・加害者が取るべき行動をわかりやすく解説!
2024年11月21日
- X(旧Twitter)で自分が誹謗中傷されている。加害者を特定する方法について知りたい。
- X(旧Twitter)で相手を誹謗中傷したが、相手から身元を特定される可能性はあるのだろうか?
- X(旧Twitter)の誹謗中傷問題を解決するには、弁護士と相談した方がよいのだろうか?
X(旧Twitter)は匿名で利用できるSNSです。しかし、X(旧Twitter)で相手を誹謗中傷した場合は、相手から身元を特定されてしまうリスクもあります。
そこで今回は、ネット上のトラブル解決に携わってきた専門弁護士が、X(旧twitter)で身元特定する方法、身元が特定されたらどうなるのか等を詳しく解説します。
本記事のポイントは以下です。お悩みの方は詳細を弁護士と無料相談することが可能です。
- X(旧twitter)で他人を誹謗中傷した加害者は、投稿内容や機能、GPS等で身元を特定される可能性がある
- 加害者が身元を特定された場合、被害者から刑事告訴されたり、捜査機関から逮捕や起訴されたりするおそれもある
- 誹謗中傷の加害者も被害者も、専門弁護士に相談し対処方法を話し合った方がよい
X(旧twitter)で身元特定する方法
あなたがX(旧Twitter)で相手を誹謗中傷した場合、匿名で利用できるSNSなので、身元は特定できないと油断しているかもしれません。
しかし、想定外の方法で身元を特定される可能性があります。
投稿やコメントの内容
あなたが誹謗中傷した投稿内容・画像・動画からだけではなく、日常的に投稿している内容から身元を特定される可能性があります。
たとえば、次のような投稿で、あなたの身元が誹謗中傷の被害者に判明する場合もあるでしょう。
- 被害者も見覚えがある特定の場所、イベントの投稿
- 加害者本人が投稿した自らの日常のルーティン
- 加害者の身元を特定できるような個人的な出来事 等
また、画像や動画の投稿で映り込んだ駅や建物等から、あなたの居住地や勤務先が推測されてしまいます。
機能
X(旧Twitter)で利用できる機能で、あなたの身元が特定される可能性があります。
- 「知り合いかもしれないユーザー」「おすすめユーザー」機能→登録メールアドレスや電話番号から、Xが連絡先等を推測しておすすめユーザーとして表示するため、身元を絞り込める可能性がある
- フォロー中のアカウント、いいね、リツイート履歴、投稿画像や動画→あなたの趣向や、活動している地域等を絞り込める可能性がある
いずれも便利な機能ではありますが、身元の特定につながりかねない機能ともいえるでしょう。
GPS
現在使用されているスマートフォンのほぼすべてにGPS機能が搭載されており、この機能で身元が特定されてしまう場合もあるでしょう。
GPS機能によって撮影した画像や共有した位置情報が、詳細に記録として残ります。GPS機能が有効の状態だと、スマートフォンで撮影した画像へ自動的に位置情報が付加されるわけです。
自宅や勤務先で撮影した画像の場合、誹謗中傷した加害者がどこに住んでいるのか、大まかに把握できる可能性があります。
Exif
Exif(Exchangeable Image File Format)のデータから、身元を特定される可能性があります。
Exifではスマートフォン等で撮影された画像の記録が可能です。画像の撮影日時やカメラの設定、撮影場所のGPS座標等のデータが記録されます。
たとえば、あなたの自宅や自宅周辺で撮影された画像がネット上で共有されると、その位置を知っている人物であれば、撮影場所の特定は比較的容易となるでしょう。
アカウント連携
他のSNSとのアカウント連携で身元を特定されてしまう場合があります。
X(旧Twitter)は匿名で利用できるSNSですが、Facebookではユーザーが本名・個人情報を登録しなければいけません。
X(旧Twitter)の他にFacebookも利用している場合は要注意です。
異なるアカウントやプロフィールにしても、異なるSNSプラットフォームで共有される投稿内容や画像が一致すると、身元が特定されやすくなります。
また、Instagramでは顔写真の他、個人的な画像を公開する場合が多いので、X(旧Twitter)と連携すれば、自宅や勤務先等を特定される可能性があるでしょう。
発信者情報開示請求
発信者情報開示請求・命令を利用し、あなたの身元が特定される場合もあるでしょう。
発信者情報開示請求とは、サイトの運営元や、投稿者が利用したプロバイダに対し、投稿者に関する情報開示を求める手続きです(プロバイダ責任制限法第5条)。
開示請求が認められた場合、あなたの身元(氏名・住所・メールアドレス等)が被害者に特定されてしまいます。
サイトの運営元からIPアドレス開示してもらう任意開示請求等を行い、投稿者が利用したプロバイダを特定、最終的には裁判所にプロバイダを訴え、発信者情報の開示を図ります。
一方、発信者情報開示命令という方法は、1回の裁判手続きでサイトの運営元とプロバイダの双方に対する請求を、まとめて行える方法です(プロバイダ責任制限法第8条)。
開示請求より簡易な手続きで、迅速に投稿者の身元特定が可能です。
X(旧twitter)で身元特定されたらどうなるのか?
X(旧Twitter)で誹謗中傷を行ったあなたの身元が特定されると、被害者に刑事告訴され、捜査機関から逮捕されてしまうおそれがあります。
あなたは警察官の厳しい取り調べを受け、留置施設や拘置所に勾留後、検察官から起訴され刑事裁判を受ける事態も想定されます。
捜査の対象となる
被害者からの刑事告訴、または捜査機関が独自に判断し捜査を開始した場合、X(旧Twitter)で誹謗中傷を行ったあなたは、次のような罪を疑われることでしょう。
- 名誉毀損罪:公然と事実を摘示し、特定の個人や団体の名誉を毀損する罪
- 侮辱罪:公然と事実を摘示せず、特定の個人や団体を侮辱する罪
- 脅迫罪:特定の個人やその親族の生命や身体、自由、名誉、財産に害を加えると告知し脅迫した罪
- 偽計業務妨害罪:偽計(嘘)により特定の個人や団体の業務を妨害した罪
- 威力業務妨害罪:威力を用い、特定の個人や団体の業務を妨害した罪
なお、威力業務妨害罪は個人や団体に対し、直接罵倒する等してプレッシャーをかける他、SNS上での威圧的な書き込みも対象となる可能性があります。
逮捕される
誹謗中傷に関する罪で、あなたは捜査機関から逮捕されてしまうおそれがあります。逮捕後は取り調べで、動機や自らの犯した誹謗中傷についての尋問を受けることでしょう。
誹謗中傷に関する罪の中で、名誉毀損罪・侮辱罪は「親告罪」です。被害者が警察署に告訴状を提出すれば、捜査が開始される罪となります。
名誉毀損罪・侮辱罪の疑いで逮捕されないためには、あなたがいち早く被害者に謝罪し、示談(和解)を成立させ、告訴を思いとどまらせるか、告訴を取下げてもらう必要があるでしょう。
一方、脅迫罪や偽計・威力業務妨害罪は「非親告罪」となります。非親告罪に該当する場合、被害者が告訴をしなくとも、捜査が開始される可能性もあります。
逮捕されてから、あなたが何らの対応もとらなければ、捜査機関から刑事手続をどんどん進められてしまい、不利な状況になっていくことでしょう。
罪に問われる
検察官から誹謗中傷に関する罪で起訴され、刑事裁判で有罪判決となった場合、次のような刑罰を受けることになります。
- 懲役刑:刑事施設に収容し、強制的な作業義務をさせる自由刑
- 禁錮刑:刑事施設に収容するが、強制的な作業義務はない自由刑
- 拘留:刑事施設に短期間収容し、強制的な作業義務はない自由刑
- 罰金刑:金銭を強制的に徴収する財産刑
- 科料:1,000円~1万円未満の金銭を強制的に徴収する財産刑
それぞれの罪に問われた場合、次の刑罰に処される可能性があります。
- 名誉毀損罪:3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金(刑法第230条第1項)
- 侮辱罪:1年以下の懲役若しくは禁錮若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料(刑法第231条)
- 脅迫罪:2年以下の懲役又は30万円以下の罰金(刑法第222条第1項)
- 偽計業務妨害罪:3年以下の懲役又は50万円以下の罰金(刑法第233条)
- 威力業務妨害罪:3年以下の懲役又は50万円以下の罰金(刑法第234条)
X(旧twitter)で身元特定されたら取るべき行動
あなたの身元が特定された場合、被害者から刑事告訴される可能性が高いです。
しかし、決して慌てず冷静に対応方法を検討する必要があるでしょう。なるべく早く弁護士に相談し、アドバイスやサポートを受けた方がよいです。
証拠収集
まずは、あなたが被害者を誹謗中傷したとされるX(旧twitter)の投稿について調べ、内容を確認しましょう。
該当する投稿を見つけたならば、スクリーンショットで投稿内容、メッセージ履歴、投稿日時等がわかるように記録します。
投稿を保存すれば、誹謗中傷されたと主張する被害者および捜査機関に、投稿の意図や事実を正しく説明できます。
示談交渉
あなたが誹謗中傷した事実を認めた場合、示談で被害者と解決を図るため、速やかに交渉を開始しましょう。
示談が成立すれば、被害者に告訴しない旨の約束を取り付けられます。
また、告訴された後に示談が成立しても、名誉毀損罪・侮辱罪は親告罪なので、被害者が告訴を取下げたならば、刑事手続はこれ以上進まなくなるので、検察官は不起訴処分と決めます。
一方、非親告罪の脅迫罪や偽計・威力業務妨害罪の場合は、被害者が告訴を取下げても、検察官から起訴される可能性はあるでしょう。
そのため、捜査機関に「加害者の処罰は望まない。」旨の条項が記載された示談書を提出しましょう。示談書を確認した検察官は、不起訴処分とする可能性があります。
なぜなら、当事者の示談がすでに成立し、被害者は処罰を望んでいないとわかるからです。
示談が成立した場合は、取り決めた条件を必ず示談書(2通作成)にまとめ、当事者が1通ずつ大切に保管しておきます。
弁護士への相談
被害者と示談交渉を進められるのか不安ならば、誹謗中傷トラブルの交渉に詳しい経験豊かな弁護士へ相談しましょう。
弁護士は誹謗中傷の内容や、あなたの不安や希望を聴いた後、次のようなアドバイスを行います。
- あなたの誹謗中傷が、どのような罪に問われるのか
- 被害者との示談のポイント
- 適正な示談金額
- 示談交渉が決裂した場合のリスクと対応方法
あなたが弁護士に示談交渉のサポートを依頼した場合は、弁護士は被害者と理性的に粘り強く交渉し、示談成立のために全力を尽くします。
X(旧twitter)で身元を特定するために取るべき行動
あなたがX(旧twitter)で誹謗中傷された側ならば、誹謗中傷に該当する投稿を保存し、速やかに加害者を特定しましょう。
誹謗中傷へどのように対応してよいかわからない場合は、弁護士と相談しながら、解決方法を慎重に決めていきます。
投稿の保存
あなたを誹謗中傷しているX(旧twitter)の投稿を調査し、内容を保存していきましょう。
誹謗中傷の投稿を見つけた場合、スクリーンショットで投稿内容、投稿のURL、投稿日時等がわかるように記録します。
投稿を保存すれば、警察署に告訴状を提起するとき、証拠として提出できます。
発信者情報開示請求
X(旧twitter)は匿名で利用できるSNSなので、X(旧twitter)の情報からだけでは、加害者の特定までに至らない可能性もあるでしょう。
そのため、速やかに発信者情報開示請求・命令の手続きを進めていきます。
裁判所が関与しない方法を選びたいなら、サイトの運営元に任意開示請求等を行いましょう。
ただし、運営元がIPアドレス開示に難色を示し、結局、裁判所に仮処分申立てを行って対応する必要があるかもしれません。
一方、発信者情報開示命令の場合は、最初から裁判所に開示命令を申し立て、裁判所がサイト運営元とプロバイダに開示を命じる方法です。
開示命令は手続きが簡素化されているので、迅速に加害者が特定できることでしょう。
弁護士への相談
自分だけでは誹謗中傷の問題の解決が難しいと判断したら、SNSトラブルに詳しい弁護士へ相談してみましょう。
弁護士は誹謗中傷の内容ついてヒアリングし、次のアドバイスを提供します。
- 投稿が誹謗中傷に当たるか
- 告訴の方法
- 損害賠償請求訴訟の手順
- 加害者が示談を申し込んできた場合の対応
- 示談に応じる場合のポイント
弁護士が、刑事告訴の方法や示談を申し込まれた場合の交渉などについても詳しく教えます。損害賠償請求訴訟を提起する場合は、手続きの代行も可能です。
X(旧twitter)で身元特定にお困りなら春田法律事務所に相談を
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※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。