ツイッターのトラブルで開示請求をすると警察は対応してくれる?専門弁護士が解説
最終更新日: 2024年11月30日
- ツイッターのトラブルで開示請求をすると警察は対応するだろうか?
- ツイッターでのトラブルに対して警察が対応する条件があれば知りたい
- ツイッターでのトラブルは弁護士に相談した方が良いだろうか?
スマートフォンの普及により利用者が増えたSNSですが、いくつかあるSNSの中でも利用者が非常に多いのがツイッター(現在の正式名称は「X」)です。ツイッターの利用にあたって法的に問題となるものの1つに誹謗中傷が挙げられます。
そこで今回は、インターネットのトラブルに対応してきた専門弁護士が、ツイッターに開示請求をすると警察の対応は期待できるのかについて解説します。
本記事のポイントは以下です。お悩みの方は詳細を弁護士と無料相談することが可能です。
- 警察対応が期待できるケースでは明確な犯罪行為や実害の発生が必要
- 犯罪性を示す証拠(ツイートのURLや被害の詳細)や実害の証拠を収集・提出することで、警察が動きやすくなる
- インターネットトラブルに詳しい弁護士への相談を通じて、法的措置を迅速かつ効果的に進めることが可能
ツイッターでのトラブルに対し開示請求できる可能性と警察の対応基準
ツイッターでの誹謗中傷に対して開示請求できる可能性と、警察が対応するのか・してくれないのかの基準について確認します。
ツイッターで誹謗中傷が発生しやすい背景
ツイッターでは、非常に多くの誹謗中傷が発生しています。なぜ誹謗中傷が発生するのか、背景としては次のものがあります。
利用者の多さ
まず、利用する人の多さです。ツイッターの日本国内のアクティブユーザーの数は6,650万以上に及ぶといわれています。多くの人が使うということは、それだけ誹謗中傷を行う人が多くなる可能性があるでしょう。
始めやすさ
始めやすさもあります。ツイッターはメールアドレスやSMSメッセージの受信ができれば始められるため、本名を開示することなく匿名で作成ができます。アカウントを複数持つこともできるので、いわゆる「捨て垢」と呼ばれる本人を特定できないアカウントを作ることも容易です。
投稿のしやすさ
投稿のしやすさもあります。インターネットに繋がっていれば容易に投稿できるため、深く考えないで投稿した内容が、自覚のないまま誹謗中傷に該当してしまうこともあるでしょう。
拡散力の高さ
拡散力の高さもあります。誹謗中傷が大きなトラブルになる原因です。1つのツイート(Xではポストといいます)は、リツイート(Xではリポストと呼びます)することで、引用した人のフォロワーに伝わります。よくない内容も拡散されるので、トラブルが大きくなります。
警察が対応するケース
誹謗中傷の内容で警察が対応することが期待できるケースとしては、次のものが挙げられます。
明確な犯罪行為
明白な犯罪行為であれば警察が対応します。インターネットで誹謗中傷行為が行われる場合、次のような犯罪が成立する可能性があります。
- 脅迫罪(刑法第222条):生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫する行為
- 名誉毀損罪(刑法第230条):具体的事実を摘示して公然と人の名誉を毀損する行為
- 侮辱罪(刑法第231条):具体的事実を摘示しないで公然と人を侮辱する行為
- 信用毀損罪(刑法第233条):虚偽の情報を流すなどして相手の信用を貶める行為
- 偽計業務妨害罪(刑法第233条):虚偽の情報を流すなどして相手の業務を妨害する行為
- 威力業務妨害罪(刑法第234条):威力を用いて相手の業務を妨害する行為
- リベンジポルノ防止法違反:性的画像や動画を公開する行為
出典:私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律|e-Gov法令検索
実害の恐れ
実害が発生している場合や、発生の可能性が高いと判断される状況では、警察が積極的に対応する可能性が高まります。犯罪行為に該当する可能性がある事案であっても、すべてのケースで警察が即座に動くわけではありません。警察が動くかどうかの判断は、実害の有無や実害の恐れに対する状況の深刻さなどに基づいて行われます。
実害とは、具体的な損害や危険を指し、財産や身体、名誉などに直接的な被害が及ぶ場合を含みます。例えば、ツイッターで脅迫や嫌がらせ行為が繰り返され、被害者が実際に身の危険を感じるような場合などは、実害の恐れがあると判断されるでしょう。
警察が対応しにくいケース
一方で警察が対応しにくいケースとして次のような行為が挙げられます。
ハンドルネームへの嫌がらせ
ハンドルネームへの嫌がらせ行為については、警察は対応しにくいでしょう。ハンドルネームへの嫌がらせについては、それだけで本人の社会的名誉が害されると断定しにくいからです。ハンドルネームへの誹謗中傷が、本人への誹謗中傷といえるような事例で、社会的名誉を害される場合でなければ、警察が動くことは期待できません。
DMによる誹謗中傷
誹謗中傷がDMで行われている場合、名誉毀損や侮辱罪の構成要件である公然性がないため、警察が対応しにくい状況といえます。しかし、内容によっては脅迫罪・威力業務妨害罪にあたる可能性があり、その場合は警察の対応が期待できます。
ツイッターで誹謗中傷されたときに開示請求を行う手順と警察への証拠提出の流れ
ツイッターで誹謗中傷されたときに開示請求を行い、警察に証拠提出をする流れを確認します。
開示可否の確認
最初に自分がどのように権利侵害をされているのかを明確にし、開示をしてもらえるかどうかを確認します。プロバイダに残されている投稿者に関する情報は一定期間を過ぎると削除されるため、あまりにも古いものではないことも必要です。
IPアドレス開示請求
ツイッターにIPアドレスの開示請求をしましょう。ツイッターが開示できるのはIPアドレスであり、これによってプロバイダの特定が可能となります。
アクセスログの保存要請
プロバイダにアクセスログの保存を要請しましょう。プロバイダでは利用者のアクセスログを保存していますが、そのアクセスログは一定期間が経過すると削除されてしまいます。そのため、アクセスログの保存要請が必要です。
要請には次の2種類の方法があります。
- 任意に保存してもらうよう要請
- 発信者情報消去禁止の仮処分を申し立てる
プロバイダへの情報開示請求
プロバイダに投稿者の情報の開示を請求します。情報開示請求には次の2種類の方法があります。
- 任意に開示してもらう
- 発信者情報開示請求訴訟を提起する
ツイッターの場合は任意に開示してもらうことは期待できません。裁判を起こして開示請求することになります。
開示された発信者に関する情報を、誹謗中傷を内容とするツイートとともに警察に証拠として提出しましょう。
開示請求までの期間
開示請求までの期間は少なくとも4か月、通常は半年以上必要です。まず、第1段階のIPアドレスを開示してもらうのに、1〜3か月の期間が必要となります。第2段階で発信者情報の開示をしてもらうのに、3か月〜半年ほどの期間が必要です。
ツイッターの誹謗中傷に対する開示請求で警察が動きやすくなる証拠は?
ツイッターの誹謗中傷に対する開示請求で、警察が動きやすくなる証拠として次のものを提示します。
犯罪である証拠を用意
ツイッター上での誹謗中傷が犯罪にあたることを示す証拠を用意しましょう。ツイッター上での投稿がこれにあたりますが、そのツイートのURLなどがわかるようにPDFやキャプチャーをとったものを、警察に渡せるようにプリントアウトしておくとよいです。
損害の大きさを提示
損害が大きいことを示す証拠を提示しましょう。たとえば、業務妨害を内容とするツイートがある場合は、来店者数や売上が落ち込んでいることを客観的に示せる帳簿などを示します。これによって、重大な事件として警察も取り扱う可能性が高くなります。
ツイッターで誹謗中傷されたときに開示請求や警察への相談以外にできること
ツイッターで誹謗中傷されたときに開示請求や警察への相談以外にできることとして次のものがあります。
運営者への削除依頼
ツイッターの運営者に削除依頼を行いましょう。ヘルプセンターから運営に誹謗中傷行為を報告できるので、これを利用します。
誹謗中傷の内容に応じて、内容を報告するフォームがあるので、そちらから報告可能です。報告は第三者でも行えるので、報告を行ってもらうようツイッター上で投稿しましょう。
各種相談窓口への相談
各種相談窓口を利用してみましょう。警察に相談する前の段階から相談できるものとして、次の3つがあります。
- 違法・有害情報相談センター(総務省委託事業)
- 人権相談(法務省)
- 誹謗中傷ホットライン(一般社団法人セーファーインターネット協会)
これらに相談することで警察への相談前に行うことの助言が得られるでしょう。
弁護士に相談
誹謗中傷の問題解決に向けて、開示請求・警察への相談・示談や裁判など様々な対応手段があります。スムーズに問題解決を進めるためにも、弁護士に相談することをおすすめします。
春田法律事務所の費用
参考までに、春田法律事務所に相談・依頼する場合の費用は、次の通りとなっています。
- 電話相談:無料
- 来所相談:初回無料
- 削除請求
- 着手金:5万円(税込 5万5,000円)
- 成功報酬:10万円(税込 1万1,000円)
- 発信者情報開示請求
- 着手金:20万円~30万円(税込 22万円~33万円)
- 成功報酬:20万円~30万円(税込 22万円~33万円)
- 顧問契約:月額3万円~(税込 3万3,000円~)
春田弁護士事務所に依頼する流れ
春田法律事務所に依頼する場合の流れは次の通りです。
- STEP1:電話・LINE・メールで無料相談(土日祝日も24時間相談受付)
- STEP2:来社又はWEBで面談(約60分程度)
- STEP3:依頼(正式に依頼する場合は、委任契約書を作成)
- STEP4:弁護開始(委任契約の締結を終えたら、早速弁護活動を開始)
ツイッターの開示請求を行うときは警察だけでなく弁護士にも相談を
本記事では、ツイッターで誹謗中傷を受けた場合の開示請求と警察への対応について解説しました。
刑事事件に該当する行為を受けたり、実害が出ている場合は警察の対応も期待できます。開示請求を進め、証拠とともに警察に提出しましょう。
ツイッターの開示請求や損害賠償などの対応についてお悩みの方は、春田法律事務所の弁護士にご相談ください。
※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。