YouTubeで名誉毀損トラブルに?動画の特徴・削除方法・解決方法も紹介
最終更新日: 2023年12月30日
- YouTubeで名誉毀損を受け腹立たしい。悪質な動画を削除するにはどうすればよい?
- YouTubeで名誉毀損となる動画とは、どのような内容が該当するのだろう?
- YouTubeに名誉毀損動画を削除してもらいたい。その手順や条件を教えて欲しい。
「YouTube」とはオンライン動画共有プラットフォームとして、全世界で人気となっているウェブサイトです。
YouTubeで個人や法人が投稿したいろいろな動画を楽しめる一方、他人の名誉を毀損する動画投稿が後を絶ちません。
名誉毀損された被害者としては、なるべく早く悪質な動画を削除してもらいたいものです。
そこで今回は、YouTubeの動画投稿トラブルに対応してきた専門弁護士が、名誉毀損となり得る動画の特徴、動画を削除する方法等について詳しく解説します。
本記事のポイントは以下です。お悩みの方は詳細を弁護士と無料相談することが可能です。
- YouTubeに投稿された動画が特定の個人や法人の社会的評判を貶める内容や事実と明らかに異なる内容等の場合には名誉毀損になる可能性がある
- 名誉毀損にあたる動画の削除は被害者本人や弁護士もYouTube側に依頼が可能である
- YouTubeに関するトラブルは、弁護士に交渉や法的措置を任せた方がスムーズに解決できる
YouTubeで名誉毀損となり得る動画の特徴
名誉毀損の定義は世界中で異なるものの、YouTubeの場合は「他者の評判を傷つけたり、他者の孤立や疎外を招いたりする事実とは異なる言動」が該当します。
また、YouTubeでは各地域(国)の法律的な側面も考慮し、名誉毀損の動画に対する措置を行っています。
こちらでは、一般的にYouTubeで名誉毀損となり得る動画とは何かについて説明しましょう。
評判を傷つけている
特定の個人や法人の社会的評価を貶める動画投稿は、名誉毀損となる可能性が高いです。
たとえば、特定の個人の顔や容姿、名称や住所等を公表し、さも売春しているかのような投稿が行われているケースです。
日本の場合はたとえ事実であっても、相手の社会的評価を下げるために投稿する行為は名誉毀損となります。
事実と明らかに異なる
事実を捻じ曲げ、個人や法人の社会的評価を下げる投稿は名誉毀損です。
たとえば、単に友人とLINEのやりとりのためにスマートフォンを操作しているだけなのに、本人の許可なく撮影後「主婦の〇〇〇〇は、不倫相手〇〇〇〇と密会の約束を交わしている」等の投稿が該当します。
特定の人を孤立・避けるように仕向ける
人種、国籍、地域、団体や障害、病気等、それらに該当する方々を差別し攻撃する行為は名誉毀損です。
- 特定の人種、国に所属する方々
- 被差別部落や少数民族の方々
- 発達障害や精神障害等、自分ではどうしようもない障害に苦しむ方々
- 特定の病に苦しむ方々
上記のような方々を「こいつらの近くにいると、悪い病気に感染する」「事件やテロを起こしそうな連中だ」等と罵り、孤立させるような投稿は名誉棄損に該当します。
YouTubeでの名誉毀損動画を削除する方法
自分の名誉を毀損する動画が投稿された場合、YouTube側に削除を要求できます。
こちらでは、YouTubeへの申立て方法や弁護士に依頼するメリットを説明します。
フォームから申立て
指定されたフォーム(名誉毀損による削除依頼ウェブフォーム)から削除を要求できます。
YouTubeが法的申立てとして考慮することは、問題の当事者またはその法定代理人から通知された場合に限定されます。
申立てに関する情報に、「申立てを行う国」「メールアドレス」を記入し送信しましょう。
ただし、削除を要求しても迅速に対応するとは限らず、しばらく経っても削除されないままなら、別の措置を考慮する必要があります。
弁護士への依頼
被害者本人で行う削除要求に不安がある、迅速に削除をしたい、いつまで経ってもYouTube側が削除に応じないという場合は弁護士に相談しましょう。
ネット問題に詳しい弁護士と相談すれば、動画の投稿内容や被害者の希望に応じ、的確なアドバイスが得られます。
弁護士に任せれば被害者の代理人としてYouTube側へ削除を要求し、要求後もそれに応じない場合は、裁判所に削除のための「仮処分申立て」が可能です。
なお、弁護士に依頼し削除要求や仮処分申立てをすれば、スムーズに削除手続きが進められます。
YouTubeでの名誉毀損に対する申立てに必要な要件
YouTube側へ名誉毀損を申立てるには、所定の要件を満たす必要があります。
申立人の情報および、問題となっている動画が名誉毀損となる理由を説明しなければいけません。
申立て人の属性情報
申立てが可能な人は、問題の当事者またはその法定代理人に限定されます。
次の情報をまず提示する必要があります。
- 異議申立ての国/地域
- 氏名と自分のYouTubeチャンネル(ある場合)
- 申立人の立場(当事者なのか、当事者の代理人なのか)
- 連絡先情報:メールアドレス、住所、電話番号等
詳細
申立ての詳細や問題の動画をYouTube側へ指摘します。
- 名誉棄損に当たると主張する動画のURL
- 動画またはメタデータ内の名誉毀損に該当する正確な文言:「動画全体」等の文言は無効で、どのような部分(場面)が名誉毀損なのかをわかりやすく説明
申立人は感情的にならず、冷静にわかりやすい文章での説明が必要です。
法的根拠
投稿された動画が日本の法律に違反している根拠を示す必要があります。
日本の刑法では「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する」と規定されています(刑法第230条第1項)。
YouTubeで誰でも動画を閲覧できる状態にして、誹謗中傷する内容を摘示し(真実か否かは問わない)、社会的評価を低下させる投稿である、という説明をしなければいけません。
誓約
申立てを行う内容をよく確認した後、「この通知に記載されている情報に偽りや不足がないことを誓います。」と明記します。
そして、本人もしくはその正式な代理人の書面での署名、または電子署名が必要です。
連絡先は「法的事項に関するサポートのお問い合わせ先」に掲載されています。
なお、指定されたフォーム(名誉毀損による削除依頼ウェブフォーム)を利用すると、簡単に申立てができます。
YouTubeでの名誉毀損問題をスムーズに解決する方法
YouTube側が名誉棄損に当たる動画を削除しても、その動画は再投稿されたり拡散されたりするリスクが生じます。
名誉棄損問題の解決には、被害者そして投稿した加害者が弁護士に相談し、様々な措置を検討する必要があります。
被害者の場合
YouTubeで名誉毀損を受けたら、まず弁護士に相談し削除方法やその後の措置をどうすればよいか話し合いましょう。
弁護士は主に次のようなアドバイスを行います。
- YouTube側への投稿削除依頼の進め方
- 投稿者の身元の特定を進めたい場合、発信者情報開示請求等の手順を説明
- 加害者との和解、損害賠償請求訴訟、刑事告訴でそれぞれ措置についての提案 等
弁護士を代理人として立てれば、YouTube側への投稿削除依頼から加害者への法的措置まで全てを任せられます。
加害者の場合
YouTubeで名誉毀損に該当する投稿をした加害者は、YouTubeからの通知等で被害者が投稿削除に動いていると気付くことでしょう。
加害者が穏便に解決を図りたいなら、弁護士は次のようなアドバイスを行います。
- YouTubeで名誉毀損の投稿を指摘された場合の対応
- 被害者と和解(示談)する必要性
- 被害者から損害賠償請求をされたときの対応
- 刑事告訴された場合、弁護士はどのような弁護活動をするかの説明 等
弁護士を代理人に立て、被害者に謝罪し示談金を支払って和解が成立したなら、損害賠償請求訴訟を提起されたり、刑事告訴されたりするリスクを回避できます。
YouTubeにおける名誉毀損トラブルなら当事務所にご相談を
今回はYouTubeのトラブル解決に尽力してきた専門弁護士が、投稿動画で名誉毀損された場合の対処法を詳しく解説しました。
悪質な投稿動画の削除申請だけでなく、投稿者(加害者)の身元を特定し、法的措置を講じて柔軟に問題解決を図ることが大切です。
弁護士のサポートを受けながら、冷静に悪質な投稿動画への対応策を検討してみてはいかがでしょうか。
※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。