結婚前に確認すること15選!婚前契約の専門弁護士が解説

最終更新日: 2023年12月19日

結婚前に確認すること15選!婚前契約の専門弁護士が解説

パートナーとの結婚を意識し始めた時に、本当にこの先この人と一生を共にして良いのだろうかと思い悩み、考えてしまう方もみえると思います。また、離婚を経験され結婚というものにポジティブなイメージをもっていないという方もおみえかもしれません。

結婚生活は思いもよらない事が起こるものだから、やってみないと分からないと言われればそれまでですが、事前にお互いの考えを確認出来れば、結婚をした後に現実が思っていたものと違った!という事態を少しでも回避できるでしょう。

結婚の形は、時代とともに変化しています。近年では、離婚も増加しています。結婚をする時に、「離婚のことを想像するなんて信じられない」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、実際に結婚生活をともにすると、気が付かなかった相手の一面がみえてくるものです。

結婚前にお互いの全てを知り尽くすことは不可能ですが、事前に重要なポイントを確認しておくことで、結婚生活での思いもしなかった衝突を減らすことができるでしょう。

今回は、結婚するにあたって不安をもっている点について日ごろ多数の相談を受けている婚前契約の専門弁護士が、結婚前に確認すべき15のポイントについて解説して参ります。

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この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設

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【仕事編】結婚前に確認すること3選

共働きをするのか、どちらかが専業主夫(主婦)となるのか等、夫婦にはいろいろな形があると思います。働き方や働くことについての考え方も多種多様になってきています。

仕事は家計や家族の生活に関わることですから、お互いに働き方、働くことについての考えをすり合わせておくことは重要です。

もちろん、将来、仕事が変わったり、家族の状況によってこのような考えは変化しますが、そのような時にもお互いを尊重して、話し合う姿勢が大切です。

概ね以下の3つが挙げられるかと思います。

  • 共働きで仕事を行うのか、それともどちらかが専業主夫(主婦)となるのか
  • 海外赴任や単身赴任はあるのかどうか
  • 働き方を選択できる会社か、育休介護制度等が充実しているか

 

以下、順番にご説明します。

共働きで仕事を行うのか、それともどちらかが専業主夫(主婦)となるのか

共働きを選択する場合、家事の分担や、働き方についても話し合いをすると良いでしょう。片方が夜勤のある仕事の場合は月にどの程度の回数あるのか、在宅ワークが可能か否か等のほか、互いが深く話をしてこなかった内容も話し合うことが必要です。

2人の理想の夫婦のあり方と現在の仕事との折り合いが難しいようであれば、転職する等の必要もでてくるかもしれません。

片方が専業主夫(主婦)を選択する場合、将来子どもを持ちたい家庭の場合や、将来の理想の設計がある場合等、どのような目標で貯蓄をするのかや、家事分担についても話し合いの必要が出てきます。

海外赴任や単身赴任はあるのかどうか

海外赴任や単身赴任の可能性があるか否かについても、事前確認の必要があります。離れて暮らす場合、どのように家計を管理するのか、一緒に夫もしくは妻が帯同する場合の会社のサポートに関しても分かる範囲でお互いが調べる必要があります。

働き方を選択できる会社か、育休介護制度等が充実しているか

コロナウイルスの影響もあり、働き方や働くことについての考え方も多種多様になってきています。全て在宅勤務可能な会社もありますし、在宅勤務か否かでライフスタイルが変わってきます。

また、子どもを将来授かった場合、育児休業制度や親や配偶者の介護が必要となった場合の介護休業制度や、特別休暇がある会社なのか等、働き方や、制度についてもお互いが共有し必要であれば転職する必要もあるか等の確認が必要でしょう。

【子ども編】結婚前に確認すること2選

結婚は子どもの存在が全てはないですし、多種多様な考え方があります。また、子どもを望んでも授かれない可能性もあり、不妊治療や養子縁組などの選択肢も多くあります。

子どもを授かる前に、育児について想像で話し合いをすることは難しいかもしれませんが、話し合いをして、お互いの考えを知るということが大切です。

概ね以下の2つが挙げられるかと思います。

  • 子どもを希望しているのか否か
  • 子育てに関する分担

 

以下、順番にご説明します。

子どもを希望しているのか否か

子どもが欲しいか否か、授かれるか否かに関わらず、お互いの考え方を素直に話し合うことが大切です。子どもが欲しいか、もしくは夫婦2人での生活をしていくのかで今後の結婚生活大きく変わってきます。

このような話し合いを事前にすることなく、結婚した後、どちらか一方が子どもを望まないことが判明し、そのことが原因で離婚を選択することになったという話もあります。

子どもが欲しい場合は何人欲しいか、どちらかが育休をとれる職場なのか、時差出勤や時短勤務にも臨機応変に対応してもらえるのかについても、話し合うと良いでしょう。

子育てに関する分担

イクメンなどの言葉もあり、最近は育児に積極的な男性もいます。子育ての分担を決めておくことで、お互いが「私ばかりがやっていて手伝ってもらえない」、「何を手伝えばいいのか分からない」というストレスを抱えることが少しでも減ります。

また、両親が近くに住んでいるもしくは同居予定の場合は、子育てについて協力を得られるか等についても、お互いの認識を確認しておく必要があります。急な発熱で幼稚園などに迎えに行かなくてはいけない状態の場合、協力があるか否かで選択肢は変わってきます。

【家庭編】結婚前に確認すること3選

ここからは、円満な家庭生活を営むために事前に話し合い、確認しておきたい点について、ご説明していきます。

概ね以下の3つが挙げられるかと思います。

  • 家事の分担
  • どの場所のどの家に住むのか
  • どこまでが浮気で、どこまでが許せるのか

 

以下、順番にご説明します。

家事の分担

家計と家事の兼ね合いについてです。

一方が主として家計を支えているのであれば、他方が主として家事を担うのか。もしくは、共働きか否かに関わらず、家事は完全に分担して行うのか。その分担事項について、詳細に話合う必要があります。

何事も始めの決め事が肝心です。結婚当初はお互いが、相手の為にやってあげよう!と思えることが多いですが、結婚生活が長くなるにつれ、私ばかりがやっていると感じるようになるかもしれません。

長い結婚生活の中では、思わぬ事故や病気、けがなどにより、どちらかが家事ができなくなってしまう場面もあるでしょう。そんな時は、もちろん分担外の事も行うべきです。すぐに助け合えるよう、普段から思いやりをもって協力するということが必要となります。

どの場所のどの家に住むのか

お互いが共働きを選択した場合や、両親との同居の有無によっても住む場所や、どの家に住むのか変わってくると思います。

通勤距離が長くなる場合の食事の準備に関する分担など、最初は我慢してしまうかもしれませんが、それが後々大きな溝になってしまうので、ルールを決める話し合いをするべきです。

共働きで、通勤時間や残業の有無を考慮する場合、住む場所の選択肢が限られてくると思います。また、門限や食事が必要か否かを事前に連絡する等、仕事や住む場所によって考え方も違ってきます。

今まで、住み慣れた場所を離れることになった場合、新たな土地で相談相手がおらず、孤独を感じてしまうという方もおられるかもしれません。このような観点からも、どこに住むのかについて、お互いの考えを事前確認する必要があります。

どこからが浮気で、どこまでが許せるのか

浮気のボーダーラインについても、当然、考え方には個人差があります。お互いがどこまでは許せて、許せないか話し合いをすることで、不要なストレスがなくなります。

異性との食事、風俗店やキャバクラに行くことが浮気という方もみえますし、そうでない方もいます。話し合いをしないとお互いの価値観は分からないものです。

配偶者の不倫が離婚へ繋がることは、決して稀ではありません。また、結婚後に浮気をしてしまったらどうするのかという話し合いもしておきましょう。

【財産編】結婚前に確認すること4選

日本においてお金の話をすることは、「はしたないこと」とされ、タブーとされている傾向があります。結婚の前にお金の話をしにくいという方も多いのではないでしょうか。

お金の問題は、今後生活を共にしていく上で、切っても切り離せません。事前に話し合いをすることで、結婚した後もお互いが話をしやすい関係になることを期待できます。

ポイントは以下の4つが挙げられます。

  • 預金・財産
  • 借金
  • 家計の管理はどちらが行うのか
  • 共同の口座を作るか否か

以下、順番にご説明します。

預金・財産

結婚前の各自の預金・財産、結婚後に各自が得た預金・財産について、各自の固有の財産にしておくのか、二人の共有財産にするかについて話し合っておくと良いでしょう。

結婚前の財産を各自の財産にする場合には、特に預貯金については結婚前の財産と結婚後の財産が混在しやすいので、結婚後の預貯金とは別の口座で管理することをお勧めします。

近年は晩婚化の傾向にあり、結婚前に築いた財産は自分の固有の財産としておきたいという考え方の方も多くなってきています。

詳しく知りたい方は、以下のURLからご覧ください。

借金

結婚後に借金するときは、他方の事前の相談や同意が必要かについても決めておくと良いでしょう。

また、見落としがちですが、結婚前の借金として奨学金や親の借金の返済等がありえます。借金は、将来住宅を購入する際の住宅ローンの審査にも関わってくるものです。

借金については、進んで相手に開示しにくいものです。そのため、結婚後に多額の借金があることが判明し、夫婦関係にヒビが入ったという事例は多々あります。

結婚前に作った借金であれば、返済義務を負うのは本人と保証人のみで配偶者に返済義務はないのですが、ほとんどの場合、結婚前の預貯金だけから返済するのではなく、結婚後の収入から返済することになりますので、結婚前の一方の借金の返済は、他方の生活にも影響します。

そのため、なかなか言い出しにくいものではありますが、いずれ借金の存在は相手に知られる可能性が高いですから、結婚前に正直にお互いに開示しておくことをお勧めします。

家計の管理はどちらが行うのか

家計の管理方法は、結婚後の収入を夫婦の共有財産にするのか、各自の固有の財産にするのかによって異なってきます。

夫婦の共有財産であれば、二人が共同で管理するのか、一方が管理するのか、話し合って決めることになります。

他方、各自の固有の財産にする場合には、自分の収入、財産は各自が管理するのが通常です。
この場合、大きな買い物や予想外の出費が発生した場合などに、どちらの財布から支出するのかについても話し合っておくと良いでしょう。

共有の口座を作るか否か

二人で共同生活を営む以上、家賃、水道光熱費などの経費の支出が必要となります。

結婚後の財産を各自の固有の財産とし、各自が管理する場合、このような経費の支出に充てるために、夫婦共有の口座を用意して、毎月お互いがその口座に話し合って決めた金額を入金することを決めておくと良いでしょう。

このような夫婦共有の口座をつくらない場合には、家賃はどちらが負担し、食費はどちらが負担するなど、支払いの役割分担を決めることも考えられます。

【両親・親族編】結婚前に確認すること3選

結婚後はどちらかの両親と同居するのか、また両親がそれを希望しているのか、両親の介護はどうするか、信奉する宗教があるのかなどの点は、2人だけの問題でなく、家族や親族も関わってきます。

異なる生活環境や考え方の両家が交わるのですから、問題や課題が起こるのは当然です。

ポイントは以下の3つが挙げられます。

  • 結婚後はどちらかの両親と同居するのか
  • 双方の両親の介護について
  • 信仰していう宗教について

以下、順番にご説明します。

結婚後はどちらかの両親と同居するのか

結婚後に配偶者が両親との同居を希望する場合や、義父母が同居を希望する場合があります。また、他方の両親との同居はしたくないとパートナーが考えている場合もあります。

同居をする場合、引っ越しや転職の必要もでてきます。また、今は両親が健康であっても将来はどうなるか分かりません。

2人の意思だけではどうにもならないこともあります。事前に両親が同居を希望しているのかの確認ができれば、ある程度の心構えも出来ますし、実際に同居するか否かは別としても、お互いの両親の希望を確認しておくことも大切であると思います。

双方の両親の介護について

日本では晩婚化が進んでいることに伴い、親の介護を結婚して直ぐにしなくてはならないという状況も増えてきています。結婚条件として、親の介護を条件に出すという話もあります。

親族による介護を希望せず、施設に入りたいという方もおられるでしょう。介護が必要な状態になってから、介護を希望するケースもあるかとは思いますが、現状両親がどのような方法を希望しているのかの事前確認を行っておくことも大切です。

また、他方の親の介護はしたくないという方も多くおられますので、予め双方の親の介護についてお互いの考えを知っておくと良いでしょう。

信仰している宗教について

日本人は無宗教と言われることが多いですが、熱心に信奉する宗教がある方も多くおられます。

何を信仰するのかは人それぞれですし、信仰の自由があります。他方、自分の愛する人には自分が信奉する同じ宗教を信奉して欲しいという気持ちもあるかもしれません。

そこで、他方が信奉する宗教があるのであれば、その宗教と相手方、また二人の子との関わり合いについて予め話し合っておくと良いでしょう。

結婚前に確認したことを婚前契約書に

以上、結婚前に行うと良い事前確認のポイントをいくつかお伝えしてきました。

二人で話し合った内容を婚前契約という契約書のかたちにしておくことができます。そうすることで、二人で決めたルールを守って円満な婚姻関係を永続させることを期待できます。

例えば、転職など仕事で重要な決定をする場合には事前に相手に相談することや、両親との同居や介護を相手に強いないことなどの約束事を婚前契約に定めることができます。

単に約束しただけでは不安という場合には、約束違反に違約金を設定したり、離婚を求めることができるようにするなどのペナルティを設けることも可能です。

また、婚姻前や婚姻後の夫婦の財産を共有財産とするのか、各自の固有の財産とするのか、不倫をしたときの慰謝料などの取り決めは、万が一にも離婚することになった場合には、その契約通りに離婚条件が決まることから、離婚の争いが長期化することを回避できます。

このように各ポイントについて二人で話し合った後は、その内容を婚前契約にまとめることを検討されると良いでしょう。

婚前契約について、もっと詳しく知りたい方は以下からご確認ください。

まとめ

上記の各ポイントについて結婚前に話し合って出た結論も、もちろん長い結婚生活の中でその時の状況やお互いの考えによって自ずと変化してくるものです。

ですから、多くのポイントについては、予め方針を固定しておくということよりも、お互いの考えを共有し、話し合う関係性を築くことのできる相手であるのかを確認することに本質的な意義があると考えるべきでしょう。

中には結婚前に話しにくいポイントもあるかもしれませんが、決してネガティブにとらえず、二人の明るい未来の為に、事前確認することを検討してみてください。

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