公務執行妨害で逮捕されたら?初動対応と弁護士選びの全知識

最終更新日: 2026年03月27日

公務執行妨害で逮捕されてしまうことはあるのか!対象となる行為・適用される法律・刑罰・逮捕後の流れを解説

「公務執行妨害」という聞き慣れない罪で逮捕されてしまったら、一体どうすればよいのでしょうか。

突然の事態に直面し、混乱と不安の渦中にいるかもしれません。

この記事は、その状況を網羅的に解説し、社会復帰に向けた最善の道筋を示すことを目的としています。

本記事では、公務執行妨害罪の定義から、どのような行為が罪に問われるのか、その具体的な刑罰、さらには逮捕後の刑事手続きの流れ、特に重要な「72時間」における初動対応のポイントまで、詳細に解説します。

また、人生への影響を最小限に抑えるために不可欠な弁護士の役割と、信頼できる弁護士の選び方についても分かりやすく説明します。

この記事を読み終える頃には、あなたは冷静さを取り戻し、目の前の危機的な状況を乗り越え、以前の自分を取り戻すための具体的な行動を起こす知識と準備が得られているはずです。

この情報が、あなたの人生を再び前向きに進めるための確かな道しるべとなることを願っています。

この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士 春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内法律事務所勤務
当事務所開設
資格
宅地建物取引士
情報処理安全確保支援士

「家族が逮捕された」「示談したい」など、300件以上の刑事事件のご相談に対応してきました。(※2026年3月時点)これまでの実務経験をもとに、法律のポイントを分かりやすく解説しています。

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職員が丁寧にお話を伺います初回無料

目次

公務執行妨害とは?成立する要件と刑罰

「公務執行妨害罪」という言葉は耳慣れないかもしれませんが、これは公務員が職務を遂行している際に、その職務を妨害する行為に対して成立する犯罪です。

この罪が通常の暴行罪や脅迫罪よりも重く扱われる傾向にあるのは、単に個人への危害だけでなく、「国の公務」という社会全体の秩序と機能に関わる重要な法益を保護するためです。

国や地方公共団体が行う公務が円滑に滞りなく行われることは、社会の安定に不可欠とされています。

どのような行為が公務執行妨害罪にあたるのでしょうか。

例えば、警察官が職務質問をしている際に、警察官に直接殴りかかったり突き飛ばしたりするような直接的な暴行行為はもちろんのこと、間接的な行為も含まれる可能性があります。

具体的には、次のような行為も公務執行妨害罪と判断されることがあります。

  • パトカーを蹴る
  • 警察官の腕を掴む
  • 警察官が持っている書類や道具を叩き落とす
  • 机を叩く

これらの行為は、公務員の身体そのものに触れていなくても、公務の執行を妨げるに足る行為として認識されるのです。

ご自身が意図せずとも公務員に対して何らかの行動をとってしまった場合、それが公務執行妨害罪に該当するかどうかは専門的な判断が必要となります。

例えば、酩酊状態での行動であっても、原則として罪は成立します。

ご自身の行動が法的にどのように評価されるのかを正しく理解することが、その後の対応を考える上で非常に重要です。

公務執行妨害罪が成立する3つの構成要件

公務執行妨害罪が成立するためには、法律で定められた特定の条件(構成要件)を満たす必要があります。

専門用語を使わずに分かりやすく解説すると、主に以下の3つの要件が揃ったときにこの罪が成立します。

  • 1.「公務員が職務を執行中であること」
    この要件は、公務員(警察官、消防士、市役所職員など)が、その公的な任務を遂行している最中であったことを意味します。例えば、警察官がパトロール中や職務質問をしている時、市役所職員が窓口業務をしている時などがこれにあたります。ただし、その職務が法律に基づいて適法に行われていることが大前提となります。もし公務員の職務が違法であった場合、この罪は成立しません。
  • 2.「その公務員に対して暴行または脅迫を加えたこと」
    公務執行妨害罪における「暴行」や「脅迫」の範囲は、一般的にイメージされるよりも広いことに注意が必要です。「暴行」は、公務員の身体に直接触れる行為(殴る、蹴るなど)だけでなく、間接的に公務員の身体の安全を脅かす行為も含まれます。例えば、公務員が座っている椅子を叩く行為、椅子を持ち上げて揺さぶる行為、公務員に向かって物を投げつける行為なども「暴行」と判断されることがあります。過去の判例では、丸めたパンフレットで公務員の座っていた椅子を叩く行為や、椅子を持ち上げて落とすことで身体を揺さぶる行為も「暴行」に当たると判断されました。また、「脅迫」は、公務員を畏怖させるような言動(「殺すぞ」「家に火をつけるぞ」など)を指します。
  • 3.「それにより公務の執行が妨害されるおそれがあったこと」
    この要件は、加害者の行為によって実際に公務が中断したり、遂行できなくなったりしたかどうかだけでなく、そのような事態になる「おそれ」があった場合にも罪が成立する可能性を示しています。つまり、暴行や脅迫行為によって、公務員が職務を続けることが心理的・物理的に困難になったと判断されれば、この要件を満たすことになります。

これらの3つの要件を全て満たす場合に、公務執行妨害罪が成立すると考えられます。

公務執行妨害罪の刑罰は「3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金」

公務執行妨害罪の法定刑は、「3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金」と定められています。

これは、この罪が比較的重い犯罪として位置づけられていることを示しています。

懲役刑と禁錮刑は、どちらも刑務所に収容される自由刑ですが、懲役刑には刑務作業の義務があるのに対し、禁錮刑にはその義務がないという違いがあります。

実務上、公務執行妨害罪で言い渡されるのはほとんどが懲役刑です。

罰金刑の場合、刑務所に収容されることはありませんが、前科がつくことには変わりありません

これらの刑罰は法律で定められた上限であり、実際の事件で言い渡される刑罰は、個々の事件の具体的な事情によって大きく異なります。

例えば、次のような事情が考慮されます。

  • 行為の悪質性
  • 公務員への危害の程度
  • 被害弁償や示談の成立状況
  • 被疑者(または被告人)の反省の態度
  • 前科の有無
  • 家族の監督体制の有無

初犯で公務員に怪我を負わせていないなど、悪質性が低いと判断された場合は、罰金刑や、正式裁判になったとしても執行猶予付き判決となる可能性も十分にあります。

しかし、公務員に重傷を負わせた場合や、常習的に同様の行為を繰り返している場合などは、初犯であっても実刑(刑務所への収容)となる可能性も否定できません。

業務妨害罪との違い

公務執行妨害罪と似た名前の犯罪に「業務妨害罪」があります。

これら二つの罪は、「特定の業務を妨害する」という点で共通していますが、保護する対象が大きく異なります。

この違いを理解することは、ご自身の状況の重大性を正確に認識するために非常に重要ですす。

公務執行妨害罪が保護する対象は、「国の公務」つまり公務員が法律に基づいて行う職務の適正かつ円滑な執行です。

これに対し、業務妨害罪が保護する対象は、「民間企業や個人の業務」です。

例えば、飲食店の営業を妨害する行為や、会社の業務を妨げる行為などが業務妨害罪にあたります。

なぜ公務執行妨害罪の方が重く処罰される傾向にあるのでしょうか。

それは、国の公務が滞りなく行われることは、社会全体の秩序維持や国民の生活に直接影響を与える、より重要な社会的利益と見なされているからです。

公務員が行う職務は、私たちの安全や暮らしを支える基盤であり、その妨害は社会全体に対する挑戦と捉えられます。

そのため、公務執行妨害罪は、国の法秩序に対する罪として、業務妨害罪よりも重い刑罰が科せられる可能性があります。

この点を踏まえると、もし公務執行妨害で逮捕された場合は、ただちに適切な対応をとることが、その後の人生に与える影響を最小限に抑える上で不可欠となります。

公務執行妨害で逮捕された後の流れ【72時間が重要】

公務執行妨害によって突然逮捕された場合、ご自身やご家族は、これから何が起こるのか、どのように対応すればよいのか分からず、大きな不安と混乱に直面されていることでしょう。

刑事手続きは、逮捕後の時間経過とともにその後の展開が大きく左右されるため、迅速かつ正確な対応が求められます。

このセクションでは、逮捕から検察官への送致、勾留、そして起訴・不起訴の判断に至るまでの刑事手続きの全体像を、時間の流れに沿って分かりやすく解説します。

特に、逮捕から最初の「72時間」が、その後の勾留や最終的な処分に与える影響が極めて大きいことをご理解いただけます。

刑事事件が時間との勝負であることを認識し、焦らずとも迅速な行動がいかに重要であるかをお伝えすることで、冷静な判断と適切な対応を促します。

①逮捕~検察官送致(最大72時間)

逮捕されると、まず警察署に連行され、取り調べが始まります。

この逮捕直後から検察官に事件が送致されるまでの期間は、最大で72時間と法律で厳しく定められています。

この間、ご家族であっても原則として面会は許されず、唯一自由に接見できるのは弁護士だけです。

この72時間という限られた時間の内訳は、次のとおりです。

  • 逮捕から警察の取り調べを経て検察官へ送致されるまでが最大48時間
  • 検察官が勾留を請求するかどうかを判断するまでが最大24時間

この期間に、弁護士は被疑者と接見し、取り調べに対する適切な対応方針をアドバイスしたり、今後の見通しを説明したりします。

弁護士との接見は、不当な取り調べから身を守り、誤った供述をしてしまうことを防ぐ上で非常に重要です。

もしご自身で弁護士を選ぶ余裕がない場合は、「当番弁護士制度」を利用することも可能です。

これは、逮捕されている人が警察官に申し出ることで、費用をかけずに一度だけ弁護士と面会できる制度です。

この制度を利用し、今後の対応について相談するだけでも、精神的な負担が大きく軽減されるでしょう。

②勾留~起訴・不起訴の決定(最大20日間)

検察官が、被疑者が罪を犯したと疑うに足りる相当な理由があり、かつ、証拠隠滅や逃亡のおそれがあると判断した場合、裁判官に対し「勾留(こうりゅう)」を請求します。

裁判官がこの勾留請求を認めると、被疑者の身柄拘束がさらに長期間にわたって続くことになります。

勾留の期間は、原則として請求があった日から10日間ですが、捜査が複雑な事件など、やむを得ない事由がある場合は、さらに10日間の延長が認められることがあります。

この結果、逮捕されてから最長で23日間(逮捕後の72時間+勾留最大20日間)もの間、社会生活から切り離されてしまう可能性があるのです。

このような長期の身柄拘束は、次のような深刻な影響を与える可能性があります。

  • 仕事への復帰が困難になる
  • 職場での立場を失う解雇のリスクが高まる
  • ご家族との関係が悪化する

弁護士は、勾留を避けるために様々な弁護活動を行います。

例えば、検察官に対して勾留請求をしないよう求める意見書を提出したり、裁判官の勾留決定に対して不服を申し立てる「準抗告(じゅんこうこく)」を行うなどして、被疑者の早期釈放を目指します。

この段階で、ご本人の反省の態度を示すこと、ご家族による身元引受を確約すること、再犯防止のための具体的な環境を整えることなども、勾留回避や勾留期間短縮に向けた重要な要素となります。

③起訴後の流れ(略式裁判・正式裁判)

勾留期間が満了するまでに、検察官は被疑者を「起訴(きそ)」するか、「不起訴(ふきそ)」にするかを判断します。

不起訴となれば、その時点で刑事手続きは終了し、前科がつくことはありません

しかし、検察官が「起訴」すると判断した場合、刑事裁判が開始されます。

起訴後の手続きには、主に次の2つのルートがあります。

  • 略式裁判(りゃくしきさいばん)
    比較的軽微な事件で、容疑を認め、罰金刑が相当と判断されるケースでは、公開の法廷が開かれずに書面審理のみで罰金刑が確定する略式裁判となることがあります。これは迅速に手続きが進むメリットがある一方で、確定すると前科がつくことになります。
  • 正式裁判(せいしきさいばん)
    事件の悪質性が高い場合や、容疑を否認している場合、懲役刑が相当と判断される場合などは「正式裁判」となります。正式裁判では、公開の法廷で証拠調べや証人尋問などが行われ、最終的に裁判官によって有罪・無罪の判決と、懲役刑(執行猶予を含む)や罰金刑などの刑罰が言い渡されます。

起訴後には、「保釈(ほしゃく)」という制度を利用できる可能性があります。

これは、一定の保釈金を裁判所に納めることで、一時的に身柄の拘束を解いてもらい、社会生活に戻ることができる制度です。

保釈が認められるためには、弁護士による適切な申請手続きと、保釈金を用意できるかどうかが鍵となります。

公務執行妨害で逮捕されたらすぐに取るべき初動対応

公務執行妨害という聞き慣れない罪で突然逮捕され、不安と混乱の中にいるご本人やご家族にとって、次に何をすべきかは喫緊の課題です。

刑事手続きの流れを把握した上で、具体的な行動指針を知ることは、冷静さを取り戻し、最悪の事態を避けるために不可欠です。

このセクションでは、逮捕後に取るべき対応を優先順位の高いものから順に解説します。

突然の事態にパニックに陥ることなく、落ち着いて行動に移せるよう、実践的なマニュアルとして活用ください。

適切な初動対応が、今後のあなたの人生を大きく左右するといっても過言ではありません。

すぐに弁護士に接見を依頼する

逮捕された直後に取るべき最も重要かつ緊急性の高い行動は、弁護士への接見依頼です。

なぜ「すぐに」弁護士に依頼する必要があるのでしょうか。

その最大の理由は、逮捕直後から始まる警察の取り調べに対し、適切なアドバイスを唯一提供できるのが弁護士だけだからです。

警察は逮捕から最大48時間、検察官は送致後最大24時間という限られた時間の中で、あなたの供述を得ようとします。

この間に、ご自身の認識とは異なる内容の供述調書が作成されてしまうと、後の裁判で非常に不利な証拠として扱われる可能性があります。

弁護士は、この取り調べにどう臨むべきか、黙秘権を行使すべきか、または事実をどこまで認めるべきかなど、あなたの状況に応じた具体的な対応方針を助言してくれます。

また、逮捕直後は家族でさえ面会が許されない「接見禁止」の状態となることがほとんどです。

このような状況下で、弁護士は外部と自由に連絡を取れる唯一の存在となります。

弁護士を通じて、ご自身の状況を家族に伝えたり、家族からのメッセージを受け取ったりすることができます。

これは、精神的な支えとなるだけでなく、今後の刑事手続きの見通しを家族と共有し、早期釈放に向けた活動を迅速に開始するためにも不可欠です。

さらに、弁護士は勾留の回避や不起訴処分の獲得など、早期釈放に向けた具体的な弁護活動を直ちに開始できます。

家族の方が弁護士を探して依頼する場合、刑事事件に強い弁護士事務所をインターネット検索で探し、夜間や休日でも対応可能な弁護士に相談することが重要です。

「当番弁護士制度」を利用すれば、一度だけ無料で弁護士を呼ぶことも可能ですが、その後の継続的な弁護活動を依頼するには改めて私選弁護士を選ぶ必要があります。

取り調べでの対応方針を決める

弁護士との接見後、警察や検察の取り調べにどのように臨むべきか、具体的な対応方針を定めることが極めて重要です。

日本国憲法では、被疑者に「黙秘権」が保障されています。

これは、供述を強制されない権利であり、話したくないことは話さなくても良い、話したくない部分だけ黙っていても良いという強力な権利です。

安易に供述調書に署名・押印することは、その内容を法的に認めることになり、後から「言っていない」「違う」と主張しても覆すことが非常に困難になります。

取り調べでの対応方針は、大きく分けて次の2つがあります。

  • 事実を認める場合(情状酌量を求める方針)
  • 事実を争う場合(無罪を主張する方針)

事実を認める場合でも、どの程度まで認めるのか、反省の意をどのように示すのかなど、細かな戦略が必要です。

一方、事実を争う場合は、黙秘権を最大限に行使したり、自身の主張を明確に伝えるための準備が不可欠です。

弁護士は、あなたの言い分を詳細に聞き取り、客観的な証拠と照らし合わせながら、最善の対応方針を共に検討します。

自身の記憶と異なる内容や、あなたにとって不利になる内容が記載された供述調書には、絶対にサインしてはいけません

もしサインを求められた場合は、きっぱりと拒否するか、「不正確なので訂正してください」と要求することが大切です。

弁護士のアドバイスに基づき、冷静かつ適切に取り調べに対応することが、後の刑事処分に大きく影響します。

家族や職場への連絡を検討する

逮捕された事実を周囲に知られたくないという強い不安は当然のことです。

しかし、家族や職場への連絡は、あなたの今後の社会生活に重大な影響を与える可能性があるため、弁護士と十分に相談した上で慎重に検討する必要があります。

弁護士を通じて連絡するメリットは大きく、客観的な事実を冷静に伝えられるだけでなく、感情的になりがちな状況をプロが適切に管理してくれる点にあります。

これにより、ご家族が動揺することなく、今後のあなたへのサポート体制を整えやすくなります。

特に職場に対しては、無断欠勤が続くと、最終的に懲戒解雇につながるリスクがあります。

公務執行妨害で逮捕されたことを正直に伝えるべきか、あるいは「一身上の都合」といった形で連絡を入れるべきか、そのタイミングや伝え方について弁護士と具体的に打ち合わせるべきです。

弁護士が代理人として「○○さんの件で弁護士の○○です。現在、○○さんは一身上の都合により出勤できない状況にあります」といった形で連絡を入れることで、個人情報保護に配慮しつつ、職場に適切な情報を提供し、不必要な混乱を避けることができます。

家族や職場への対応は、あなたの社会復帰の道筋を左右する重要な要素の一つであるため、必ず弁護士と連携して進めるようにしてください。

公務執行妨害で弁護士に依頼する4つのメリット

公務執行妨害で逮捕されてしまった場合、費用面での不安から弁護士への依頼を躊躇される方も少なくありません。

しかし、その弁護士費用は、ご自身の未来や社会復帰、そしてご家族の生活を守るための、決して安くないものの、それに見合う、あるいはそれ以上の価値を持つ投資と言えるでしょう。

このセクションでは、弁護士に依頼することで得られる具体的な4つのメリットを解説し、弁護士への依頼が、今後の人生を左右する極めて合理的な選択であることをご理解いただきたいと思います。

早期釈放(勾留回避)の可能性が高まる

弁護士に依頼することの最大のメリットの一つは、身柄の早期解放、つまり勾留を回避できる可能性が高まる点にあります。

逮捕直後の72時間、そしてその後の最大20日間の勾留は、会社を解雇されるリスクや、ご家族との関係悪化など、社会生活に深刻な影響を及しかねません。

弁護士は依頼を受けるとすぐに、勾留を阻止するための活動を開始します。

具体的には、次のような対応を行います。

  • 検察官に対して勾留請求をしないよう求める意見書を提出する
  • 万一勾留が決定されてしまった場合には、「準抗告」という不服申し立てを行う

これらの活動を通じて、被疑者が逃亡するおそれがないこと、証拠を隠滅する可能性がないこと、そしてご家族のサポート体制が整っていることなどを法的に主張し、早期の釈放を目指します。

早期に釈放されれば、日常生活への影響を最小限に抑え、仕事や家庭生活を失うという最悪の事態を回避できる可能性が大きく高まります。

被害者である公務員との示談交渉を任せられる

公務執行妨害罪の被害者は公務員であるため、当事者やご家族が直接示談交渉を行うことは、原則として困難です。

公務員という立場上、個人的な感情で示談に応じるわけにはいかないため、示談交渉は非常に専門的な知識と経験を要します。

ここで弁護士が介入することで、状況は大きく変わります。

弁護士は被疑者の代理人として、捜査機関を通じて被害者である公務員に接触し、正式な窓口として示談交渉を進めることが可能になります。

示談交渉では、次のような対応を通じて被害感情の軽減を図ります。

  • 被害弁償の申し出
  • 謝罪文の提出
  • 反省と誠意を適切に伝える対応

公務執行妨害罪は国の公務を保護対象としているため、示談が成立したからといって直ちに不起訴となるわけではありません。

しかし、被害者との示談が成立しているという事実は、検察官が処分を決定する上で非常に重要な情状となり、不起訴処分や、仮に起訴された場合でも執行猶予付き判決など、有利な結果に繋がる可能性が飛躍的に高まります。

不起訴処分や執行猶予付き判決を目指せる

「前科を避けたい」という願いは、逮捕された方にとって最も切実なものでしょう。

弁護士は、この強いニーズに応えるため、不起訴処分や執行猶予付き判決の獲得に向けて全力を尽くします。

具体的には、次のような事情をまとめた意見書を作成し、検察官や裁判官に提出します。

  • 被疑者の深い反省
  • ご家族による監督体制が構築されていること
  • 再犯防止策の具体的な計画

これらの意見書は、単に「反省しています」と伝えるだけでなく、被疑者が事件を真摯に受け止め、更生に向けて努力していることを具体的な行動で示し、検察官や裁判官に働きかける重要な役割を果たします。

弁護士の専門的な知見と経験に基づいた活動により、被疑者は社会的な制裁を最小限に抑え、新たな人生のスタートを切る可能性を高めることができるのです。

職務執行の違法性を主張し無罪を目指せる場合がある

公務執行妨害罪は、公務員の「適法な」職務執行を前提として成立する犯罪です。

したがって、もし警察官による職務質問や有形力の行使が法律に違反するものであった場合、公務執行妨害罪はそもそも成立しない可能性があります。

このようなケースでは、弁護士は単に情状酌量を求めるだけでなく、無罪の主張を行うための弁護活動を展開します。

弁護士は、防犯カメラの映像、目撃者の証言、ご本人の供述など、あらゆる客観的証拠を綿密に収集・分析し、公務員の職務執行に違法性があったことを法的に主張します。

例えば、次のような場合がこれに該当します。

  • 警察官が不当な理由で職務質問を行った場合
  • 必要以上に過度な身体の拘束を行った場合

ただし、ご自身の判断で公務員の職務執行に抵抗することは、たとえその職務が違法であったとしても、かえって事態を悪化させる危険があるため、必ず弁護士に相談の上で対応方針を決定することが重要です。

公務執行妨害に強い弁護士の選び方と費用

突然の逮捕という状況で、精神的な負担を抱えながら弁護士を探すことは、決して簡単なことではありません。

しかし、弁護士選びの成否が、今後の人生を大きく左右する重要な要素となることも事実です。

費用が高い弁護士が良い弁護士であるとは限りませんし、安ければ良いというものでもありません。

このセクションでは、ご自身の状況に合った、信頼できる弁護士を見つけるための具体的なポイントと、多くの方が気になる弁護士費用について、詳しく解説していきます。

弁護士は、法律の専門家であると同時に、あなたの人生の再スタートをサポートする重要なパートナーです。

後悔のない選択ができるよう、冷静な視点で弁護士選びを進めていきましょう。

刑事事件、特に公務執行妨害事件の実績を確認する

弁護士には、民事事件、家事事件、刑事事件など、それぞれ得意とする専門分野があります。

なかでも刑事事件は、逮捕後の時間制限がある捜査の段階や、身柄拘束が伴うという特殊性から、専門的な知識と経験が不可欠です。

公務執行妨害事件においては、単なる法律知識だけでなく、公務員の職務執行の適法性を判断する能力や、公務員を相手とした示談交渉のノウハウが求められます。

確認したいポイントは、例えば次のとおりです。

  • 警察や検察とのやり取りに慣れているか
  • 過去に公務執行妨害事件で不起訴処分を獲得した実績があるか
  • 執行猶予付き判決を得た事例があるか

具体的な解決事例を弁護士事務所のウェブサイトなどで確認することが非常に重要です。

実績のある弁護士は、事件の見通しを正確に立て、あなたの状況に合わせた最適な弁護戦略を提案してくれるでしょう。

接見など迅速に対応してくれるか

刑事事件における弁護活動は「時間との勝負」です。

逮捕直後の72時間は特に重要であり、この限られた時間の中で弁護士がどれだけ早く被疑者と接見し、取り調べに関するアドバイスを行えるかが、その後の展開を大きく左右します。

そのため、相談したその日のうちに、あるいは翌朝一番で警察署に駆けつけ、接見してくれるようなフットワークの軽い弁護士を選ぶことが極めて重要です。

無料相談の機会を利用して、次の点を確認しましょう。

  • 対応の迅速さ
  • 土日・夜間でも連絡が取れる体制が整っているか
  • 逮捕直後の接見にすぐ動いてくれるか

スピーディーな対応は、あなたの不安を軽減し、早期解決への道筋を示してくれることでしょう。

弁護士費用の目安と料金体系

弁護士費用は、決して安いものではありません。

しかし、その内訳を理解し、透明性のある料金体系の事務所を選ぶことで、費用に対する不安を軽減できます。

一般的に、弁護士費用には次のような項目があります。

  • 相談料:初回の相談時に発生することが多い費用
  • 着手金:弁護活動を開始する際に支払う費用
  • 成功報酬:不起訴や減刑など、依頼内容に応じた成果が得られた場合に発生する費用
  • 日当・実費:移動や書類作成などに伴う費用

公務執行妨害事件の場合、弁護士費用は事件の複雑さや期間によって異なりますが、総額で60万円から100万円程度が目安となることが多いです。

複数の法律事務所から見積もりを取り、料金体系とサービス内容を比較検討することをおすすめします。

費用だけでなく、それぞれの弁護士が提供できる価値や実績も考慮し、納得のいく弁護士を選びましょう。

公務執行妨害に関するよくある質問

公務執行妨害で逮捕されてしまった方が抱える疑問や不安は多岐にわたります。

ここでは、記事本文で触れていない、あるいは読者の方が特に疑問に思いがちな点について、Q&A形式で分かりやすく解説します。

突然の事態に直面し、混乱されているご本人やご家族が、冷静さを取り戻し、今後の行動を考える上での一助となれば幸いです。

Q1. 初犯でも実刑(刑務所行き)になりますか?

公務執行妨害罪での逮捕は、たとえ初犯であっても、その後の処分への不安は尽きないことでしょう。

「初犯だから大丈夫だろう」と安易に考えるのは危険ですが、実際には、初犯の場合とそうでない場合とでは、処分の可能性に大きな違いがあります。

一般的に、初犯で公務員への妨害行為の悪質性が低く、怪我を負わせていない場合、また深く反省し示談交渉が成立しているなどの事情があれば、略式起訴による罰金刑や、正式裁判になっても執行猶予付き判決となる可能性が高いです。

執行猶予が付くと、直ちに刑務所へ行くことはなく、社会生活を送りながら一定期間問題なく過ごせば刑の言い渡しが効力を失います。

しかし、公務員に重傷を負わせた場合や、計画的・組織的な犯行、飲酒運転からの逃走など、非常に悪質な態様であった場合は、初犯であっても実刑判決(刑務所行き)となる可能性は十分にあります。

特に、公務の円滑な遂行を著しく妨げた場合や、社会に与える影響が大きいと判断された場合は、厳罰に処される傾向にあります。

自身の行為が悪質であったと認識している場合は、より一層、弁護士による適切な弁護活動が不可欠となるでしょう。

Q2. 酔っていて覚えていない場合でも罪は成立しますか?

飲酒が絡む事件では、「酔っていて覚えていない」という主張をされる方が少なくありません。

しかし、日本の刑法では、原則として飲酒による酩酊は「心神喪失(責任能力がない状態)」とは認められません。

つまり、泥酔していたとしても、行為の責任能力が完全に失われていたとはみなされず、公務執行妨害罪は成立します。

例えば、警察官に暴言を吐いたり、胸ぐらを掴んだりした行為を覚えていなくても、その事実があれば罪に問われることになります。

ただし、泥酔の程度が極めて重く、判断能力が著しく低下していたと認められる場合は、「心神耗弱(責任能力が著しく低い状態)」と判断され、刑が軽くなる可能性はあります。

この判断は、医師の診断や当時の状況、具体的な行動などに基づいて慎重に行われます。

しかし、安易に「覚えていない」と主張するだけでは、反省していないと見なされ、かえって不利な結果を招くリスクがあるため注意が必要です。

弁護士と十分に相談し、客観的な証拠に基づいて状況を説明することが重要になります。

Q3. 公務員に怪我をさせたら傷害罪にも問われますか?

公務執行妨害行為の結果、公務員が怪我を負ってしまった場合、事態は一層深刻になります。

この場合、単に公務執行妨害罪だけでなく、傷害罪も同時に成立する可能性があります。

これを法的には「観念的競合」と呼び、一つの行為が複数の罪に触れる場合に、最も重い罪の刑罰が適用されることになります。

具体的には、公務執行妨害行為によって公務員に怪我を負わせた場合、「公務執行妨害致傷罪」として、より刑の重い傷害罪の法定刑が適用されることになります。

傷害罪の法定刑は「15年以下の懲役または50万円以下の罰金」であり、公務執行妨害罪の法定刑よりもかなり重くなります。

怪我の程度、例えば全治日数や治療の必要性などが、起訴・不起訴の判断や実際の量刑に極めて大きな影響を与えます。

被害が大きければ大きいほど、実刑判決となる可能性が高まるため、弁護士を通じて被害者である公務員への謝罪と示談交渉を速やかに進めることが極めて重要です。

Q4. 家族が公務執行妨害で逮捕されたら何ができますか?

ご家族が突然、公務執行妨害で逮捕されたという連絡を受け、大きな動揺と不安を感じていることと存じます。

しかし、ご家族が冷静に対応し、適切な行動を取ることが、逮捕された方にとって何よりも大きな支えとなります。

まず、何よりも優先すべきは、刑事事件に強い弁護士を探し、すぐに接見(面会)を依頼することです。

逮捕直後の72時間は、弁護士以外は面会が許されないことがほとんどであるため、迅速な弁護士選任が肝要です。

弁護士は、警察での取り調べのアドバイスや今後の手続きの見通し、外部との連絡役を担ってくれます。

次に、本人の身元引受人になる準備を進めてください。

身元引受人がいることは、勾留請求を避けるための一つの要素となり、また保釈申請をする際にも必要となります。

身元引受人は、本人が逃亡したり証拠を隠滅したりしないよう監督する立場を約束するものです。

その他、弁護士を通じて、次のような差し入れを行うこともできます。

  • 着替え
  • 現金
  • 眼鏡

警察署によっては差し入れ品のルールが異なりますので、事前に弁護士や警察署に確認しておくと良いでしょう。

ご家族のサポートは、本人の精神的な支えになるだけでなく、早期釈放や有利な処分を獲得する上で不可欠です。

弁護士と密に連携を取りながら、最善の対応を検討してください。

まとめ

公務執行妨害という聞き慣れない罪で突然逮捕され、不安と混乱の中にいる皆様にとって、この事態はまさに人生の一大事でしょう。

しかし、最も重要なのは、パニックに陥らず、冷静に対処することです。

そして、その冷静な対処の第一歩が、できるだけ早く刑事事件に強い弁護士に相談することにほかなりません。

早期に弁護士へ依頼することで、次のような大きなメリットがあります。

  • 取り調べへの適切なアドバイスが得られる
  • 不当な供述調書への署名を避けられる
  • 勾留の回避や早期釈放に向けた活動が直ちに開始される
  • 職場への影響や家族への連絡など、生活基盤を守るための具体的な対応も迅速に進められる
  • 被害者である公務員との示談交渉を進めやすくなる
  • 不起訴処分や執行猶予付き判決を目指しやすくなる

確かに弁護士費用は決して安くはありませんが、それ以上の価値、つまり「前科を回避し、職場や家庭への影響を最小限に抑え、以前の自分を取り戻し、人生を再スタートさせる」ための鍵を弁護士は持っています。

「自分の人生の選択肢が奪われること」「周囲からの評価が永久に変わること」といった深層の恐怖を乗り越え、未来に希望を持つためには、専門家のサポートが不可欠です。

公務執行妨害で逮捕されたという危機的な状況は、迅速かつ的確な対応によって大きく結果が変わります。

今、この瞬間も事態は進行しており、一刻も早く弁護士に相談することが、最善の未来を切り開くための唯一の道です。

刑事事件に関する無料相談も受け付けておりますので、まずは一度ご連絡ください。

皆様の「以前の自分を取り戻したい」という切なる願いを現実にするため、全力でサポートさせていただきます。

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