不倫の示談とは?交渉の進め方から慰謝料について解説

最終更新日: 2025年08月26日

不倫の示談とは?交渉の進め方から慰謝料について解説

配偶者の不倫が発覚したとき、または自分が不倫相手として慰謝料請求を受けたとき、まず検討されるのが「示談」です。

この記事では、不倫の示談交渉の進め方や注意点、慰謝料の相場、示談書の作成方法、公正証書の活用、そして弁護士に依頼するメリットまで、よくある疑問に丁寧に答えていきます。

裁判になる前に示談で円満に解決したい方へ向けて、現実的な対応策を紹します。

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この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設

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不倫問題の「示談」とは?

不倫に関する示談とは、慰謝料の支払いや謝罪、接触禁止などを含む「当事者間での話し合いによる解決」のことです。
この示談によって、慰謝料の金額や支払方法、今後の関係について法的に拘束力のある取り決めを行うことができます。

示談は、裁判に比べて手続きが簡単で、時間や費用を抑えられるのが大きなメリットです。また、周囲に不倫の事実が知られるリスクも軽減できます。
ただし、感情的な対立や条件の不一致により、交渉がこじれるケースもあるため、慎重な対応が求められます。

示談交渉を始める前に知っておくべきポイント

示談交渉は「慰謝料請求をする側」と「請求される側」とで立場が異なります。
それぞれ以下のようなポイントを整理しておくと良いです。

慰謝料を請求する側の場合

  • 証拠(メール・写真・SNS履歴など)を集めておく
  • 相手に請求する金額や条件を検討しておく
  • 配偶者と離婚するのか、関係修復を望むのかも重要

慰謝料を請求された側(加害者・不倫相手)の場合

  • 支払いに応じるのか争うのかを整理
  • 謝罪の意思があるのか明確にする
  • 支払い能力をふまえた交渉準備をしておく

どちらの立場でも、最初の接触は書面や弁護士を通じて行うのが安全です。
直接のやりとりは感情的になりやすく、トラブルの火種にもなりかねません。

示談を成立させるまでの交渉の進め方

示談交渉は、慰謝料や謝罪内容などについて合意を得るための重要なプロセスです。感情的なやりとりを避け、落ち着いて手順を踏むことで、早期かつ円満な解決につながります。

書面による通知から始める

まずは、慰謝料を請求する意思があることやその理由・金額などを記載した「内容証明郵便」を送付する形で、相手に通知します。
いきなり電話や直接訪問をしてしまうと、トラブルに発展する可能性があるため避けましょう。

相手からの返答を待つ

通知を受け取った相手が、支払いや条件に対してどう反応するかを見極める必要があります。
反応がない、または不当な反論がある場合には、早めに弁護士へ相談するのが得策です。

交渉を行う(原則は代理人を通して)

慰謝料の金額や支払い方法、今後の関係性などを交渉します。
弁護士を代理人とすることで、感情的な対立を避け、交渉を法的な視点からスムーズに進めることができます。

【交渉でよく議論されるポイント】

  • 金額の妥当性(高すぎる・安すぎる)
  • 一括 or 分割払いの可否
  • 接触禁止や口外禁止といった条件
  • 今後の関係性や再発防止の誓約

示談内容がまとまったら書面化する

口頭だけの合意では後々のトラブルにつながります。
合意内容をきちんと「示談書」として書面にし、必要に応じて公正証書化します。

支払いと確認で完了

慰謝料の支払いが完了し、示談書の条件が履行されたことで、問題は解決となります。
ただし、接触禁止条項の違反などの事態に備えて、「違約条項」を盛り込んでおくと安心です。

不倫慰謝料の相場と支払い方法

不倫における慰謝料の金額はケースによって大きく異なりますが、目安は以下のとおりです。

状況

相場の目安

不倫はあったが離婚しない場合

50〜100万円前後

不倫が原因で離婚した場合

150〜200万円前後

長期間の不倫の場合など特に悪質な場合

200万円以上のケースもあり

慰謝料の支払い方法は一括払いが基本ですが、事情によっては分割払いにすることも可能です。
分割の場合は「支払いが滞ったときの対応」を明記することが重要になります。

示談交渉においては、「相場より高いor低い」ことに不満を持つケースが多いため、相場を知っておくことが交渉成功のカギとなります。

示談書の作成と公正証書の検討

示談がまとまったら、合意内容を文書に残す必要があります。
口約束では法的効力がなく、後々トラブルに発展する恐れがあります。

【示談書に記載すべき項目】

  • 慰謝料の金額
  • 支払期限・方法(振込口座など)
  • 今後一切接触しない旨の約束
  • 追加の請求をしない旨の確認
  • 守られなかった場合の違約金条項など

これらを明確にした示談書は「私文書」でも有効ですが、分割払いの場合、公正証書にしておくと、支払いが滞った際に強制執行(差押え)も可能となります。
重要な合意であるほど、公正証書化が望ましいといえます。

示談交渉は弁護士に任せるのが安心

不倫問題の示談は、金銭だけでなく感情の問題も大きく関わります。
当事者同士の交渉は、かえって関係を悪化させるリスクがあります。

弁護士に依頼することで得られるメリットは次のとおりです

  • 法的に有効な示談書の作成
  • 慰謝料の相場や妥当性の判断
  • 相手方との交渉を全面的に代行
  • 万一裁判になった場合の備えもできる

費用は事務所によって異なりますが、「着手金+成功報酬」が一般的。
初回相談が無料の事務所が多く、まずは一度話を聞いてもらうのがおすすめです。

よくある質問(FAQ)

Q:示談を拒否されたらどうなりますか?

示談がまとまらない場合、裁判を検討することになります。裁判になると公開の場で争うことになり、解決までに時間や費用もかかります。早期解決を望むなら、弁護士を通じた冷静な交渉が有効です。

Q:示談が成立した後に再度請求されることはありますか?

きちんとした示談書を作成していれば、原則として再度慰謝料を請求されることはありません。ただし、書面に不備がある場合や合意内容が不明確な場合にはトラブルの原因となります。

Q:示談金はどのように受け取る/支払うべきですか?

銀行振込が一般的です。現金手渡しはトラブルの原因となるため避けましょう。振込記録が残ることで証拠にもなります。分割の場合は支払いスケジュールを明記するのが大切です。

Q:示談交渉中でも弁護士に途中から依頼できますか?

もちろん可能です。交渉が行き詰まった場合や、相手からの要求が不当だと感じた場合は、速やかに弁護士に相談しましょう。途中からでも十分サポートを受けられます。

Q:示談書は自分で作成できますか?

可能ですが、法的に有効な内容にするには専門的な知識が必要です。特に金額や条件に争いがある場合や公正証書化を検討している場合は、弁護士の関与が望ましいです。

まとめ|問題を長引かせないために、専門家のサポートを

不倫の示談は、金銭的な問題だけでなく精神的な負担や将来の不安とも深く関係しています。
感情的なもつれを避け、冷静に適切な解決を目指すには、弁護士のサポートが心強い味方となるでしょう。

早期に弁護士へ相談することで、裁判を回避し、プライバシーを守りながら問題を収束させることができます。
まずは一度、信頼できる法律事務所に相談してみてください。

 

 

 

 

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